柚月裕子のレビュー一覧
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生活保護を主軸とした社会派ミステリー
一時期芸能界等でも話題になった不正受給問題
メディアやSNSの発展によりネガキャンの如く拡がりを見せ生活保護=嫌悪すべきものという印象抱いている人もいるのではないだろうか
もちろん作中にもある通りギャンブルや風俗など嗜好的なものに使う人もいるだろうが、生活保護を受けながら就活をしている人がいるのも事実
そこら辺は一人一人が冷静に判断して状況を判断する必要があるだろう
今作は柚月裕子氏で登場が何かと多いヤクザ絡みのお話
貧困ビジネスがどのように絡んでくるのか、またラスト付近の緊迫感などドキドキ要素満載 -
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柚月裕子『チョウセンアサガオの咲く夏』角川文庫。
著者初のオムニバス短編集。柚月裕子の作家としての成長の過程が伺える11編を収録。
『チョウセンアサガオの咲く夏』。表題作。イヤミスである。全ての真相が明らかにされた時、暗い気持ちになる。20代の頃から田舎町にある実家で母親の介護を続ける女性。老医師の往診だけが他人とのつながる時間で、それが心の支えでもあった。
『泣き虫の鈴』。口減らしのための奉公など今では考えられないことだが、今は今で貧困に喘いで辛い思いをしている人たちがいる。山形と新潟の寒村から手広く養蚕業を営む豪農に口減らしのために奉公に出された少年の成長が描かれる。ある日、少年が -
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プロローグに書かれた人は誰だろう、いつこの話題が出るだろうと構えて読んだが、エピローグまで引っ張られるとは。それと、西條医師や院長などの出てくる人達の上昇志向が強すぎて、前半は暗い気持ちで読まされた。真木も秘密が多いし、仕事場の雰囲気も悪い。
少年の心臓手術で、この少年を救おうと西條が考え始めた頃から面白くなってきた。何としても救おうと真木にオペのバックアップを頼み、予想通りミカエルが暴走する。緊迫の場面が生々しい。
失敗を隠そうとする医療関係者達。それを告発すべく立ち上がった西條。弱者である患者及び家族を救えるのは、やはり当事者や倫理観を持った専門家だと強く思わされた。 -
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ネタバレ『業をおろす』では、前作『検事の本懐』の中の一話、『本懐を知る』で明らかとなった佐方の亡き父・陽世に纏わる真実に再びスポットが当てられるので、先にそちらを読むことが推奨される。
佐方にとっての父であり、祖父敏郎にとっての息子である陽世の「本懐」を守り続けなければならない佐方の苦しみ。何もできず歯痒い思いを抱き続ける佐方を優しく導く英心に心打たれる。
結果的に陽世の「本懐」は破られることになるが、現世の人々を正しく導くこれも住職である英心の「本懐」。
刑事部編と公判部編に分かれた『死命』は、佐方と彼の上司である筒井の検事生命を賭けた闘い。権力に屈することなく、正義を貫こうとする二人とそれを見守 -
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6人の作家さん毎に色が異なる厚手の紙の本。
写真はもちろんカラー。
角田光代さん
「トト」は2冊フォトエッセイを読んだので知ってる。
「トトが来る前は自分中心で、辛いことがあると全身で向かい合っていたのでしんどかった。」が、
「トトが来てからは、とりあえずトトにご飯をあげなきゃ、といった気持ちの逃し方ができた。」そうだ。
角田さんは犬が好きで、「トト」は犬の要素を持っていると言っていたのを思い出した。
他の猫よりも人懐っこいのかな。
村山由佳さん
猫が大好きなんですね。
「もみじ」に対する想いは尋常ではなく、エッセイを何冊も出しているみたい。
「もみじ」の生まれる瞬間にも立ち会ってるし、亡 -
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虎狼の血の続編。
前作で大上と組んでいた若い日岡が主役。はじめから日岡が山奥で僻地の駐在所に左遷されている。
極道と警察官が関わり合うとどうしても汚職と言いたくなるのが昨今だが、作品の舞台は今より少し昔の、携帯電話も発達してない時代。少しまだ、極道にもそれなりの筋ってもんが大事にされていた頃だと思う。ろまん。
正義ではなく仁義という義の立て方というか在り方というか。
仁義を通す国光と彼を慕う舎弟たちが、どこか懐かしく愛らしい。
ただ、仁義を通す者に真っ向から対立する仁義があるなら、それは衝突しかないわけで、そんな切ない結論になるとは。
そんなところが染みた。
面白いが、重い。でもそこが作者さん