柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された男性が主人公。正式に調査官になる前の研修期間『官補』(かんぽ)での物語だ。
九州にある福森家裁に配属された彼が少年事件を扱うことになり、窃盗の少女、ストーカー事案で逮捕された高校生、一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年…様々なケースに向き合い、悪戦苦闘する…罪が無いのに不幸な境遇に生まれたしまった子供への対応には胸が痛くなる。
決してこれが正しいという結論はないが、相談者に向き合って寄り添う調査官。その仕事には机上の勉強だけでは学べないものがたくさんある。
慣れない仕事を始める時は誰もが『ああ、この仕事はオレには向いてないかも』と壁にぶち当たることもあるだろう。僕はサラリーマンという道を選び、まもなく終わろうとしているので、今更『何者になりたい』という選択肢はない。しかしこの小説の主人公のような家裁調査官という職業も大変だろうが、何か人のために役立ったという充実感が残れば、それが生き甲斐に繋がるのかなあとも思えた。主人公が前向きに相談者に寄り添う姿勢には、応援したくなるね。
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Posted by ブクログ
ネタバレミカエルを使用した手術に絶対的な自信を持っている西條が主人公。
心臓手術に長けている真木が、ドイツから同じ病院へ来たことで、絶対的な自信や自分の信念に揺らぎを感じ始める。
航の手術を境に、物事が動き出す。
◾️良かった部分
ミカエルをめぐったサスペンス的な要素、病院内のギスギスした世界観など、先が気になりドンドン読み進めることができた。
登場人物のイメージもつきやすい描写が多く、読み進めるのは難しくなかった。
◾️微妙と思った部分
感情や行動を表すときに、勘であったり経験といった曖昧な背景で描写していたのが自分的には物足りなかった。
ミカエルを使い続けていた理由が癒着であったり、医療の未来というのがありきたりすぎたかなと思った。
◾️印象に残ったセリフ
真木の口癖でもある、「先のことはその時に考えればいい、今は目の前にあることをするだけだ。」
理由は、自分自身打算的に物事を考えてしまい、何事にもストーリーを作ってしまう癖がある。
それゆえに目の前のことに集中しきれずに、先のことを見越した平均点くらいの熱量でしか取り組めない。
目の前のことに集中することへの意志の強さであったり、刹那的とも言える考えが自分に足りない部分でもあるため、このセリフが印象に残った。