柚月裕子のレビュー一覧

  • パレートの誤算

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    わたしは生活保護についてはあまりよく知らなかったのですが、この本を読んで生活保護という制度の仕組みや、受給者の家をまわるケースワーカーの仕事内容、さらに不正受給の実態についても知る事ができました。

    特定の職業を取り上げている作品を読んだあとは、いつもその職業に憧れたりするのですが、残念ながら今回はケースワーカーではなく、警察のほうがカッコいいと思いました(ケースワーカーに憧れている方、すみませんm(_ _)m)。
    特に三章での若林警部補。市民を救うために自分の首をかけて無茶振りをする彼の存在が、ラストシーンへと一気に盛り上げてくれました。

    サスペンス調の話はとても面白く、気になる展開が続くのでなかなか栞を挟むタイミングが難しいぐらいですが、暴力的なシーンが怖かったため☆4にしました。
    …と言いつつも、単にわたしがとてつもなくビビりなだけかもしれませんが(^^;)
    生活保護の闇を知りたい方や、暴力的な描写をものともしない勇敢な方にはぜひオススメしたい一冊です。

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    2025年09月07日
  • あしたの君へ

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    ネタバレ

    背負う者」「抱かれる者」「縋る者」「責める者」「迷う者」の計5篇の短篇を収録。
    見習い家裁調査官補の青年が主人公で、人生経験の浅さからくる自信のなさで自分の判断に悩みながら、1件ずつ正しい判断をしようと努力を重ねていく。心が温まる佳作集。

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    2025年09月03日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    5編からなる連作短編集で、推理よりも騙し合いが中心の物語。
    主人公は弁護士資格を失った上水流涼子。彼女は「殺し」と「傷害」以外ならどんな揉め事でも引き受ける〈上水流エイジェンシー〉を営み、東大出でIQ140の貴山と組んで難題を解決していく。欲に塗れた人物たちの依頼を、確率や心理を駆使して鮮やかに解決していく姿が痛快で、清々しい読後感を残す。

    柚月作品にしては軽い読み心地で面白い。ただ今作では助手の貴山の優秀さが目立ち、涼子の存在感はやや控えめ。続編では彼女自身の有能さがもっと光る姿を期待したい。

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    2025年08月28日
  • 検事の信義

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    現実にはあり得ないかもしれないけど、佐方検事の愚直なまでの正義感、信念を貫き通す有様が凄い。
    「第4話 信義を守る」が一番良かった。被告人の心情を思うとやるせない。それらまで汲み取って被告人に寄り添える佐方検事が好きだ。

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    2025年08月28日
  • ミカエルの鼓動

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    手術のシーンでは、めちゃくちゃ描写が細かくかつ専門用語が飛び交って、作者は医療関係の仕事をされたことがあるんじゃないかと感心しまくりでした。
    西條先生にはまた医療の現場に戻ってほしいな。

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    2025年08月21日
  • 月下のサクラ

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    警察官になって、捜査支援分析センターに配属された森口泉。昭和な頑固上司、黒瀬の指示のもと、最初の大事件に取り組む。署内に保管された現金の盗難事件。捜査を進めていく中で起きた殺人事件。警察ドラマを彷彿させるスリリングな展開。泉はスペカン(特別扱いの捜査官)だったが、鬼上司のもと、本物の戦力になるべく成長する。本格警察小説。前作も読みたい。

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    2026年01月12日
  • 検事の本懐

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    検事の職業が理解でき、ストーリーも面白かった。
    テレビでたまに聞く特捜地検特捜部の話は興味深かった。
    どの短編も主人公の性格と頭の良さを垣間見れる作品となっていました。

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    2025年08月14日
  • 月下のサクラ

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    捜査のスピード感が直に伝わってきて、次々とページをめくり一気に読めました。
    警察内での窃盗事件が、特殊詐欺グループへ繋がり、それが警察トップの不祥事を暴くことに。
    慎重に捜査を進めていく中で、上司と部下の信頼や同僚との関係性、仕事に対する思いなど読み応えのある作品でした。

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    2025年08月11日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    ネタバレ

    柚月裕子さんの小説が面白かったので、人となりが知りたくなりエッセイに手をのばした。

    「祭りのひよこ」
    自分が駄々をこねて飼い始めたひよこの最期をみさせた母の強い意志、その迫力は読み手にも伝わってくる。
    「記憶は死なない」
    父の書棚から取り出して読んだ「樅ノ木は残った」
    津波で両親が亡くなって本が流されても手ざわりも父の記憶もなくなることはない。そう言い切れるまでどれほどの涙が流れたのだろう。
    黒板五郎の「遺言」
    「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。
    謙虚に、つつましく生きろ。」
    柚月裕子さんも『北の国から』が好きだったなんて嬉しい!
    「母のぬくもりと」
    一緒に布団に入った時のぬくもりと絵本を読んでくれた母の声か。自分の少年時代を思い出す。

    朝露を集めて硯で墨を擦り、短冊に願いごとを書くと
    叶うのか。
    ああ、柚月裕子さんの大切な一冊に三浦綾子さんの「氷点」も!

    柚月裕子さんの中で止まった時間と流れている時間がある。あれから14年経って、課題は山積みのはずなのに忘れるのが得意な日本人。やはり想像力の欠如が問題なのか。
    柚月裕子さんのエッセイを読んでホロリとしたり、懐かしくなったり、怒りが沸いてきたり。読んでよかった。

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    2025年08月10日
  • 月下のサクラ

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    『朽ちないサクラ』の余韻が消えないうちに森口泉に会いにいく!続編は前作よりもさらに面白さが増していた。警察広報課職員だった森口泉は、ある上司の強い引きで刑事になって、捜査支援分析センターに入る。
    泉の映像化できる記憶力と物怖じしない性格と強い信念が事件の真相を暴いていく。
    かなり危ない橋を渡る泉。泉の蛮勇がチームの絆をさらに強くする。
    かなりハラハラドキドキした。主人公だから大丈夫と思っても、かなり心臓が縮んだ。
    泉たちが傷みの中でたどり着いた場所は、警察、公安の闇の中で仄かに光る。
    サクラシリーズ二編を読んですっかり柚月裕子さんねファンになった。

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    2025年08月09日
  • パレートの誤算

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    働き蟻の引用があるが、人は意志の力によって確率論を超えることができる存在であると言うメッセージを強く感じた。

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    2025年07月26日
  • あしたの君へ

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    3.9

    柚月裕子さんは良い小説を書くなーとつくづく思い知らされます。

    家裁調査官という仕事自体知らなかったが、市民と裁判官を繋ぐ大切な仕事があるのを知れた。

    主人公が凄くできる設定ではなく、愚直に取り組む姿勢が『それで良いんだよ!!』と応援したくなる。

    続編もあれば読みたいです。

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    2025年07月15日
  • 月下のサクラ

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    夢中になって読んだけど、ちょっと行き過ぎかな。

    でも、この柚月裕子さんという作家、女流とは思えないほど、骨太で読み応え抜群。

    おそらく、この先追いかけると思う。

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    2025年07月14日
  • 検事の信義

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    佐方シリーズ4作目。
    佐方検事の短編集。

    佐方は信念がブレなくてかっこいい。
    立場や圧力に屈することなく己の信義を貫くって、大人になればなるほど難しい。
    だからこそ正義を貫く佐方に惹かれてしまう。

    真実は事実ではない、という言葉が好き。

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    2025年07月11日
  • 検事の死命

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    佐方シリーズ3作目。
    今回もあっという間に読破。

    佐方父の真実が関係者に正しく伝わり良かった。
    佐方の祖父母の優しさに泣いてしまった。

    佐方と増田のコンビ好きだな〜。
    ずっとこのコンビでいてほしいと思うけど
    佐方が弁護士になる未来を知ってるからさみしいな…

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    2025年07月08日
  • 凶犬の眼

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    ネタバレ

    2025.06.明石組の組長の武田が義誠連合を率いる国光によって殺害された.そんな中,日岡は晶子の店で国光と会い,国光は,「いつか目処がついたら日岡の手で手錠を嵌めてもらう」と言う.日岡が左遷されている田舎の駐在所近くのゴルフ場建設現場に国光たちが隠れていた.しかし,警察に見つかり国光たちは立てこもり人質として日岡を要求する.その後,日岡と国光は盃を交す.明石組と心和会が手打ちとなったのを確認して,国光たちは警察の前に出て,日岡に手錠を嵌められる.国光は旭川刑務所に拘留されるが,その後,国光の親分の北柴が誰かに殺害されたため,国光は日岡に犯人探しを依頼する.日岡は犯人を割り出し,国光たちが処刑する.その後,服役していた刑務所内で国光は,やはり同じく服役していた明石組の組員によって殺される.ヤクザものなので,ちょっと引いて読んでいたが,それぞれの正義があり,展開も面白くて良かった.

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    2025年07月02日
  • ウツボカズラの甘い息

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    面白かった。
    やっぱり柚月さんは一筋縄ではいかない。中盤からの怒涛の展開は凄まじかった。

    人を騙す側に回った彼女には才能があった。その才能を駆使して金を手に入れ それと引き換えに本当の名前を捨てた。

    とうに捨てた本名で呼ばれる時が逮捕される時というのはどんな気持ちなんだろうか…

    秦と菜月。良い上司、良い部下である前に2人とも良い刑事だった。

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    2025年07月01日
  • あしたの君へ

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    主人公の大地は家庭裁判所調査官補。柚月さんの作品はどれもその職業についてしっかりと調べ把握されていて、なのでリアリティがすごくあるし、心情も伝わってくる。最後の章「迷う者」の少年がくれた手紙。「いつも心配してくれてありがとう」こんなんもらったら、泣いちゃうよね!

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    2025年06月29日
  • チョウセンアサガオの咲く夏

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    短編集はそれほど好きではないのですが、佐方シリーズの増田事務官の話が載っているということで読んだところ、他の作品もそれぞれ良さがありました。

    初出が『5分で読める!』や『10分間ミステリー』ということもあるのか、すぐ読めるものながらゾクッとするのもよかった。

    「泣く猫」は『猫が見ていた』で読んでいました。

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    2025年06月24日
  • ウツボカズラの甘い息

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    おもしろかった!途中から何が現実でなにが妄想かわかんなくなってきて、主人公を信じるのが難しくなったり人間不信になりそうになったりしたけど、完全犯罪なんてないんだな…と。
    真犯人にたどり着いた時はホッとした。
    1度じゃない成功体験があると欲深くもなるし、どんどん大胆になるんだなという感じ。
    人間は欲まみれだよなぁ。
    秦刑事と中川のコンビすごくよかった。
    秦さんも色々抱えているけど、いいおじさんだな。上司としてとてもいい。

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    2025年06月24日