あらすじ
人気作家・柚月裕子ができるまで――。文庫オリジナル、エッセイ集。
2008年のデビューから2023年現在までの15年間の軌跡を辿る。温かな言葉で綴られた、笑いと涙あふれるエッセイ集。
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この作家さんこと、ちっとも知らなかった私は、驚きました。
そしてこの標題の意味も最後の方で…思わず思い出しました、あの時のこと。
涙も出ました。とてもよかったです…読んで、よかったです。
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初めて柚月さんをしったのは検事の本懐を読んだときで女性作家がよくこのような本が書けるなと驚きでした。
それから興味をおぼえて数冊読むようになりました。
この本を読んで驚いたのは
東日本大震災でご両親をなくされていたことです。
その後も正義感あふれる本を書かれていて、とても
立派だと思います。
いろんな気付かされたことがありますが、なかでも
ウェールズのところで、誇りに思うものができたときに
自分は揺るがない強さを得られるように思う。
というところです。
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柚月裕子さんの合理的にありえないが好きで、エッセイが発売になったので読んでみました。
震災の事は読んでいて哀しい気持ちになりました。
他の作品も読んでみたいと思います。
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柚木さんの言葉には、影響力、創造力、を推進させてくれる。
難しく、堅苦しい表現ではなく
過去の話をシンプルで分かり易い表現をしてくれる。
空や、季節から連想させる「故郷」の思い出
そこに何度も、楽しかった、不安の無い前向きなあの頃に遡って思い出に浸れる。
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柚月裕子さんの小説が面白かったので、人となりが知りたくなりエッセイに手をのばした。
「祭りのひよこ」
自分が駄々をこねて飼い始めたひよこの最期をみさせた母の強い意志、その迫力は読み手にも伝わってくる。
「記憶は死なない」
父の書棚から取り出して読んだ「樅ノ木は残った」
津波で両親が亡くなって本が流されても手ざわりも父の記憶もなくなることはない。そう言い切れるまでどれほどの涙が流れたのだろう。
黒板五郎の「遺言」
「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。
謙虚に、つつましく生きろ。」
柚月裕子さんも『北の国から』が好きだったなんて嬉しい!
「母のぬくもりと」
一緒に布団に入った時のぬくもりと絵本を読んでくれた母の声か。自分の少年時代を思い出す。
朝露を集めて硯で墨を擦り、短冊に願いごとを書くと
叶うのか。
ああ、柚月裕子さんの大切な一冊に三浦綾子さんの「氷点」も!
柚月裕子さんの中で止まった時間と流れている時間がある。あれから14年経って、課題は山積みのはずなのに忘れるのが得意な日本人。やはり想像力の欠如が問題なのか。
柚月裕子さんのエッセイを読んでホロリとしたり、懐かしくなったり、怒りが沸いてきたり。読んでよかった。
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柚月裕子さんの、作家生活15年の軌跡が詰まった文庫オリジナルエッセイ集です。カバー装画はGLAYのTERUさんの描き下ろし。素朴ながら柚月さんの心情に寄り添っていると感じました。
私の柚月さん像‥見目麗しい女性作家が、なぜあんな骨太な男臭い物語を描けるのか、そこに萌えますし、またある時は、主人公が(佐方シリーズのように)自分の正義を貫く姿に快哉を叫びました。
本エッセイは、柚月さんの喜怒哀楽が散りばめられたバラエティに富む内容で、とても新鮮に感じました。各紙や小説誌等に掲載された以前のものも多くありながら、古さを感じさせません。
特に、柚月さんの創作にまつわる裏話は興味深いものがありました。また、猫をはじめ、柚月さんの好きなもの・ことの話も多く、ファンの皆さんには必読ではないでしょうか。
個人的に最も刺さったのは、震災の辛い経験を経て、表題につながったであろう終末部分です。
◯「ふたつの時間」(震災の日で止まったままの
時と、そこから流れている時)
◯「ふたりの自分」(震災後の日常を送る
自分と、あの日から動けずにいる自分)
このくだりを読む程に、柚月さんの根底にある、世の中の理不尽や不条理に向き合い続ける姿勢が、痛いほど伝わる一冊でした。
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ふたつの時間 ~~ 12の小編 2009年1月から2022年3月
ふたりの自分 ~~ 5の小編 2011年4月から2018年3月
ここにも あの経験をした人がいた
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柚月さんのエッセイを読んで
柚月さんの印象がどう変わるのか少し心配でしたが、見事に良い方へ。それもかなり良く。
ご自身でも
会うと違う印象の人だと言われると書いていらっしゃいましたが、
私が想像していた今までのイメージとはだいぶ違う方でした。
とても謙虚で、優しく、穏やかな柔らかい印象を受けました。
考えさせられる事や
涙する部分もありますが
素敵なエッセイでした。
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好きな作家さんの一人である柚月裕子さんの初エッセイ。
作品にまっすぐに向き合っていることが、端々に感じられた。
生母さんを早くに病気で亡くされ、その後震災でご両親を亡くされたこと。それぞれのエピソードがなんとも切なく辛い。
タイトルの「ふたつの時間、ふたりの自分」は、読み終えた後でとてもしっくりきた。
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柚月裕子『ふたつの時間、ふたりの自分』文春文庫。
2008年のデビューから2023年現在までの15年間の軌跡を辿る著者初となるエッセイ集。
作家と主婦の『ふたりの自分』という自身のことを綴ったエッセイと東日本大震災で父親と祖母を失ったことを切っ掛けに東日本大震災前後の『ふたつの時間』を綴った二部構成のエッセイ集となっている。
年代的に近いこと、同じ岩手出身ということもあってか、妙に納得するところが多い。自分も2年間、父親の仕事の関係で釜石に暮らしていたことがある。夜の町に光る新日鉄の工場、いつもゴーっというかワーンというような工場の操業する音が聞こえたものだ。
最初のエッセイ『記憶の中の料理』に登場する中津川は盛岡の市内を流れる中津川なのかと思うのだが、特に説明も無く定かではない。しかし、後のエッセイ『道の記憶』と『思い出の道』に盛岡で幼少期を過ごしたことが描かれているので、やはりあの中津川だったかと納得する。柚月裕子が釜石生まれであることは知っていたが、盛岡でも暮らした経験があったことを初めて知った。
柚月裕子は『想像する原点を思い出す五冊』というエッセイの中では、五冊の中の一冊に北方謙三の『逃れの町』を選んでいる。自分も北方謙三のハードボイルドの中では一番好きな作品だ。柚月裕子も書いているが、冬の軽井沢のシーンが良い。
勿論、柚月裕子の小説は好きで、文庫化されたものは全て読んでいるが、柚月裕子の人と成りを垣間見ることが出来て、面白かった。
本体価格820円
★★★★
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お母さんの500円玉貯金の話がすごく良かったー
震災の話は新聞に載ってる体験談より真に迫ってる感が強くて、同じ感じの文章が何度もでてきたけどその度に重ーくなった
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このエッセイで見えてきた柚月さんのひととなりに今までより親近感を持った。幼い頃を振り返った話が多く出てきたけど震災で父母を亡くされていると知り驚いた。日常が想像できない作家さんのエッセイは面白かった。
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柚月さんのエッセイ集、Audibleで。朗読の渡辺さんの優しい読み口も相まって、柚月さんのお優しい人がらが浮き彫りになる文章。かつて読んだことのある柚月作品にも少し触れながら。
東北出身の彼女も東日本大震災で大きな犠牲を体験されたようだが、なかなかこうは描けないなぁ。
ファンとしては、益々作家さんが好きになる、素顔の見える作品でした。
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柚月裕子さんのエッセイ集。
柚月さんの作品はほとんど読み終わったので、柚月さんの人となりをなんとなく理解できました。
今後も感動する作品を楽しみに待ってます。
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柚月裕子の作品は結構読んでいるが、どれも大きくハズレのない安定感のある作品という印象がある。
そんな作家の初エッセイ集。
現在も東北に住まわれており、震災でご両親を亡くされていることを初めて知った。どのエッセイも著者の誠実さ真摯さが感じられる。
ただ、エッセイに笑いを求めがちな私としては、物足りない。
真摯に作品に向き合い、良い作品を届けようとする姿勢はプロ。
星は3つ。3.4としたい。
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エッセイ集。あまりエッセイを読みなれていないので、読み終えるまで時間がかかりました。
東日本大震災とコロナは色々な意味でそれまでの日常を変えたよなぁとしみじみ思いました。
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社会問題を扱った作品、ハードボイルドな作品、柚月さんの作品の背景をほんの少し見させてもらえたような気がする。作家さんに直接お会いする機会はほとんどないけど、エッセイから人柄が滲み出ていて、次の作品もより楽しみになった。
綺麗な青色が印象的な装丁がGLAYのTERUさんだと知ってびっくり。
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好きな作家さんのエッセイですが、時間をかけて読んでしまったのであまり内容が入ってこず…
今までほとんど読んでいる著者の小説をまた読んでみようと思いました。
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当たり前かもやけど、その人の書く文章の味わいって、小説でもエッセイでも同じやねんなぁ。
柚月さんの小説をいくつか読ませていただくなかで感じてた、味の濃さというか、それを存分に堪能できた感じ。
Posted by ブクログ
エッセイと聞くと日常に起きたことを面白いおかしく書いてる作者が多い中、こちらはもともと真面目な性格なのか、エッセイにおいてもそれが際立っていると言う印象。
後半の東日本大震災のくだりは、昨今の能登半島地震もあったことから、涙なしには読めない。
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作家デビューして15年になる柚月裕子さんの初のエッセイ集らしい。エッセイ集としてまとめるために書いたものではなくあちこちに書いたものを一つにまとめたようだ。小説の方でもそうだが,とても読みやすい文章であった。
数十年ぶりに訪れた土地は建物が一新されていて全く分からなかったが,道だけは変わっていなかったのでそれで思い出せたと言う話が印象深かった。
女性作家としてやくざ者の作品を書く事になった経緯は興味深い。黒川博行ってやっぱりスゴいのだなと思った。
紹介されていた「かもめに飛ぶことを教えた猫」に興味を持った。今度読んでみる。
中で,お母様をガンで亡くした話と,東日本大震災の津波で攫われた話が出てきてこんがらがってしまったが,Wikipediaによるとガンで亡くなったのは生母で,津波で亡くしたのは実父の再婚相手の義母ということであった。なるほど。
表紙はGRAYのTERUの描き下ろし
Posted by ブクログ
著者のデビュー時から最近まで、山形新聞とか週刊誌で折々に掲載された文をまとめた初のエッセイ集。
引っ越しを繰り返した幼少期や、小説家としてデビューしたころの書く喜びとともに書き続ける苦悩と不安などが、率直に綴られている。
さらに、映画化された自分の著作や今までに読んだ本などについても。
その中で、心に残る一冊として、北重人という作家の『汐のなごり』を挙げている。読んでみたくなり、書店のネット取り寄せなどに、他の本とともにアクセスしたが、扱い不能の表示が。
出版社でも絶版になっているのだろうか。いずれかに再版されることを希望したい。
このエッセイで、著者の両親は東日本大震災で亡くなっていることを知った。
Posted by ブクログ
エッセイとは知らずに読みましたが、内容の一部は短編小説でも読んでいるかのようでした。タイトルに込めた今の柚月さんの気持ちが痛い程伝わった一冊。
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柚月氏には小説で勝負してほしいので、あまりエッセイを読んでも感慨はない。黒川博行「疫病神」についての話と、タクシードライバーの解説(誰もが気づきたくない孤独)は良かった。「盤上の向日葵」が「砂の器」を意識して書かれたことも納得感ある(とはいえ完成度は比べるべくもない)。最後の「ふたりの自分」に書かれている数編は、三陸生まれの著者ならではのもので、エッセイでなく是非小説として書いてもらいたいものだ。
Posted by ブクログ
2023/10/11リクエスト 4
エッセイの途中に何度も出てくる、故郷への想い、両親への想いが溢れている。そのような気持ちを持てる著者を少し羨ましく思う。