柚月裕子のレビュー一覧

  • ミカエルの鼓動

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    2人の心臓外科医が最新型アームロボット「ミカエル」を主軸に真摯に医療の現場に挑む物語。
    ミカエル操る西城の気持ちもグッとくるし、敏腕外科医の真木もかっこいい。
    病院の中での政治はもちろん医療現場に携わるそれぞれの立場と気持ちがしっかり書かれていて面白かった。

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    2025年09月12日
  • 教誨

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    情景描写が圧巻。脳内が勝手にうら寒い曇天の北国特有の冷たい空気をつくりあげ、それを読んでいる間ずっと感じ、余計にこの物語を重く苦しく哀しくしているように思いました。
    決して明るく、すっきり終わった話ではありません。
    救いのない、どうしようもない感が強く残ります。田舎特有の排他感、意地の悪さも分かるだけに遣る瀬ない。生まれ落ちる環境を人は選べない、それは本当に可哀そうなこと。

    毒親、ってネグレクトや暴力など目で見て分かることだけでカテゴライズされるものじゃないんでしょうね。それとなく自分の意に沿うよう洗脳し続け支配下に置く、言葉ひとつで子どもの命を握る、そんないやらしい親になっていないか、自省

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    2025年09月11日
  • 盤上の向日葵(下)

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    ネタバレ

    満を持して渡辺謙ご登場。
    真剣師なるものを初めて知った。お金をかけて命もかけてるねぇ。

    将棋の棋譜が文字で何度も出てくるけど、将棋は小学生の時兄に付き合ってやったくらいで詳しくないので読み飛ばし。でもちゃんと話は通じるのでご安心。

    ミステリーともちょっと違う、なぜ彼は容疑者になってしまったのか、の軌跡をたどるお話。
    なかなか壮絶な人生ですね。

    しかしラストが!
    そこで終わる?!
    え?そんな終わり方?!

    いにしえの火曜サスペンス劇場か。

    さぁ眠りなさい〜

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    2025年09月11日
  • 盤上の向日葵(上)

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    坂口健太郎と渡辺謙の表紙に惹かれて購入。ジャケ買いよ、ジャケ買い。
    2人が主人公だと思って読んでいたので渡辺謙はどの人だろ?刑事?と思っていたら、まさかの下巻からのご登場とは!
    上巻は坂口演じる上條の主に少年時代の話がメイン。

    教訓:毒親からはできる限り早く離れなさい!

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    2025年09月11日
  • 慈雨

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    Audibleにて聴書。
    ミステリーとしては普通なんだろうけど人間ドラマとして読めば傑作です。お遍路に行ったことのある人ならさらに楽しめるかと

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    2025年09月10日
  • 検事の本懐

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    検事の世界ってこんなにもドロドロしているのかと思うとぞっとする。罪人を裁くためには人一倍の正義感があったとて容易にできることではない。でも主人公のような検事がいてくれたら、きっと救われる人も増えるだろう。

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    2025年09月09日
  • 風に立つ

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    最近は青年世代が起こす事件が多くて、安全な日本はどうなってしまうのか、孫たちは生き延びられるのか。とっても不安ですが、地道な更生に力を注ぐ制度があるのを初めて知りました。小説だから現実はそうそう上手くは行かないけれど、親子関係も人間関係もやっぱり対話と受容から始まるんだと思わせてくれた。

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    2025年09月08日
  • パレートの誤算

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    わたしは生活保護についてはあまりよく知らなかったのですが、この本を読んで生活保護という制度の仕組みや、受給者の家をまわるケースワーカーの仕事内容、さらに不正受給の実態についても知る事ができました。

    特定の職業を取り上げている作品を読んだあとは、いつもその職業に憧れたりするのですが、残念ながら今回はケースワーカーではなく、警察のほうがカッコいいと思いました(ケースワーカーに憧れている方、すみませんm(_ _)m)。
    特に三章での若林警部補。市民を救うために自分の首をかけて無茶振りをする彼の存在が、ラストシーンへと一気に盛り上げてくれました。

    サスペンス調の話はとても面白く、気になる展開が続く

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    2025年09月07日
  • 教誨

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    ネタバレ

    8歳の娘を殺して、更に近所の子供まで殺してしまった女性のお話。

    本人は決して悪い行いはしていないけれど全てがうまくいかないのは、理不尽で不憫な環境が人格や人生に深く悪影響を与えその沼から出られず苦しんだ結果の出来事なんだなと思いました。

    誰か1人でも彼女の苦しみを知ろうとしてくれる人がいたのか?という問いの切なさが辛いけれど、生前に1人でも手を差し伸べてくれる人がいたなら未来は全然違っただろうなぁ。

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    2025年09月06日
  • 孤狼の血

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    ガミさんの危うい感じに不安を煽られ
    ジッポを買った時から嫌な予感がしてた
    ガミさんの懐の深さ‥
    日岡秀一の嵯峨への最後の一言が快哉

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    2025年09月05日
  • あしたの君へ

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    ネタバレ

    背負う者」「抱かれる者」「縋る者」「責める者」「迷う者」の計5篇の短篇を収録。
    見習い家裁調査官補の青年が主人公で、人生経験の浅さからくる自信のなさで自分の判断に悩みながら、1件ずつ正しい判断をしようと努力を重ねていく。心が温まる佳作集。

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    2025年09月03日
  • 風に立つ

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    400ベージの長編だった。
    犯罪を犯した少年を更生させる手立てとして、事業所等で少年を預かる補導委託。
    この補導委託で万引き等を重ねた春斗という少年を受け入れることになった盛岡の鋳物職人の孝雄。
    そんな話は聞いていなかった息子の悟。
    春斗という少年を通して孝雄と悟の親子もわだかまりが解けていく。
    孝雄も悟も不器用、上手く自分の気持ちが伝えられない。
    春斗の両親もまた同じようだ。
    親子だからこそ、近すぎてうまくいかない事は多々ある。
    みんな色んな事を胸の中に抱えて行きているんだ。
    言葉だけでは分かり合えないけど、言葉がなくっちゃもっと分かり合えない、そんな気がした。

    八重樫というお金が無くなる

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    2025年08月30日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    5編からなる連作短編集で、推理よりも騙し合いが中心の物語。
    主人公は弁護士資格を失った上水流涼子。彼女は「殺し」と「傷害」以外ならどんな揉め事でも引き受ける〈上水流エイジェンシー〉を営み、東大出でIQ140の貴山と組んで難題を解決していく。欲に塗れた人物たちの依頼を、確率や心理を駆使して鮮やかに解決していく姿が痛快で、清々しい読後感を残す。

    柚月作品にしては軽い読み心地で面白い。ただ今作では助手の貴山の優秀さが目立ち、涼子の存在感はやや控えめ。続編では彼女自身の有能さがもっと光る姿を期待したい。

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    2025年08月28日
  • 最後の証人

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    トリック的な要素もあって、大体予想出来てしまったけど、先を読む手が止まらず一気読み。
    果たして復讐出来たと言えるのだろうか。
    あまりに切ない。
    自分が罪を犯さずに復讐するのって難しいんだろうな。感情移入してしまいました。
    面白かったです。

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    2025年08月28日
  • 検事の信義

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    現実にはあり得ないかもしれないけど、佐方検事の愚直なまでの正義感、信念を貫き通す有様が凄い。
    「第4話 信義を守る」が一番良かった。被告人の心情を思うとやるせない。それらまで汲み取って被告人に寄り添える佐方検事が好きだ。

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    2025年08月28日
  • 慈雨

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    ネタバレ

    柚月裕子さんの描く刑事が好き。
    渋くて、かっこよくて、憂いがある。
    信念と愛がある登場人物たちがこの先も幸せでありますように。

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    2025年08月27日
  • 最後の証人

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    ネタバレ

    終盤被告人に驚いた。 単純な復讐殺人だと思っていたので、どう無罪に持っていくのだろうと。
    法を逃れる悪いヤツは許せないので、この件で無罪となったのは仕方がないが、高瀬夫妻にはとっても無念だろうと思う。しかし、佐方弁護士によって隠蔽の事実が明らかになった事にまだ救われるのかな。
    正義感の強い佐方さんのシリーズを続けて読みたい。

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    2025年08月30日
  • 盤上の向日葵(下)

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    2018第15回本屋大賞第2位。賭け将棋真剣師人としてクズ東明重慶と父親の虐待貧困から奨励会を諦めたが特例として棋士となり最高峰タイトル戦に挑む東大卒元実業家上条圭介。勝負の恐怖感満載ミステリ。坂口健太郎、渡辺謙で映画化も

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    2025年08月22日
  • 盤上の向日葵(上)

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    2018第15回本屋大賞第2位。平成六年夏埼玉県の山中で白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一戦に挑もうとしていた。あらすじ中央公論新社HPより

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    2025年08月22日
  • 風に立つ

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    ネタバレ

    老舗の南部鉄器の職人たちが、非行に走ってしまった少年の補導委託を受ける話。
    いろんな出来事を通じてそれぞれの人間の思いが交錯し、成長していく姿はとても読みごたえがありました。特に印象的だったのは、父親という立場で登場する孝雄と達也の存在です。それぞれ境遇や経験が異なりますが、実は自分が思う愛情を持って子どもに接します。しかし世の中それだけでは不十分で、コミュニケーションをじっくりと取ったり子どもの思いを汲み取ったりすることが大切だと再確認しました。

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    2025年08月22日