あらすじ
常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。
感情タグBEST3
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義理と人情。
こんな時代だからこそ、自分が信じられる道を歩いていきたいと思って生きています。
精神的にも肉体的にもタフで、妥協しない大上さんから学ぶものがあったと思います。
日記の墨塗り部分の謎が解けたときは、鳥肌が立ちました。
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映画は怖くて途中までしか見れなかったが小説はそれほどグロくない。広島もヤクザもなじみがなかったのに読み終えると広島弁が頭を駆け巡る。最後は涙なしには読めない。丸善丸の内にて購入。
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良、良、良〜〜〜〜〜!!!!!!映画がとてもすきなのに、なぜか原作は今までずっと後回しにして読んでいなかった。もうばか、ほんとうにばか、もっと早く読めよわたし。映画を観てるから物語は知っていたけれど、それでも圧倒的に面白い。構成もすばらしいというか、ただでさえ面白い物語を最高に面白いものにしている感じがする。あまりにも強烈で激しい、ヤクザあるいは警察小説。柚月裕子大先生、この作品を書いてくれてありがとう…天才…神…。
読んでいるあいだ、数えきれないくらい映画のシーンを思い出した。原作に対してかなり忠実につくられた映画だったんだなあ、とそのたびに感じて胸が熱くなる。映画もまた観たくなっちゃった。
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めっちゃ面白かった!
狡猾な暴力団、警察上内部の腐敗を相手に自分なりの正義、生き様をつらぬく大上。最後の予想もつかない展開。
良い本に出会えました♪
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『狐狼の血』柚月裕子さん
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1.柚月裕子作品に魅せられて
柚月裕子さんの作品、前から好きで何冊か読んでいるんです。『盤上の向日葵』も『検事の本懐』も、読み始めると止まらなくなるんですよね。
将棋とか法律とか、全然知らない世界なのに、グイグイ引き込まれてしまう。
それはきっと、彼女のテーマの広さと、ストーリーを丁寧に積み重ねていく展開の細やかさ、そして何よりその疾走感があるからなんだと思います。気づいたらもう夜中、なんてことが何度もありました。
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2.本書の面白さ
全然違う広島の極道と警察の世界を描いた『孤狼の血』を手に取るのは、僕にとって当然のことでした。この作品で、彼女がどんな物語を見せてくれるのか、ワクワクしながら読み始めました。
案の定、止まらなかったです。
最初から最後まで一気読みでした。
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3.ストーリー
新人刑事の日岡が、ベテラン刑事の大上と組むところから話は始まります。大上のやり方が、もうめちゃくちゃなんです。
法なんてお構いなし、極道と裏で繋がってるし、見ててヒヤヒヤすします。
でも、そのめちゃくちゃなやり方の裏にある彼の信念が、物語が進むにつれて少しずつ見えてきます。
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4.正義と悪の境界線
この本を読んで一番考えさせられたのは、「正義って何なんだろう」ということです。
大上のやり方は、世間一般の正義とはかけ離れているかもしれません。しかし、時には、一番効果的な正義だったりするときもあるということです。
『彼の行動が本当に正しいのか?』
日岡は惑います。
この物語は、単なる警察と極道の戦いを描いているだけじゃありません。昭和から平成へと移り変わる時代の中で、男たちがそれぞれの「正義」を貫こうとする姿が、本当に生々しく描かれていました。読後も、登場人物たちの生き様が頭から離れません。
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5.読みおえて
柚月さんの小説はいつもそうなんですが、読み終わった後に、心にずっしりとした重みが残ります。そして、爽やかな余韻も残ります。
読書の秋、ぜひ、手に取ってほしい一冊です。
#読書好きな人の世界と繋がりたい
Posted by ブクログ
大上刑事の捜査手法には、やり過ぎだと感じる部分はありましたが、その背景には身近にいる大切な人を守り抜くという深い義理と人情があることが分かり気持ちが熱くなりました。日岡刑事になりきったかのように読むことができ、読後感も最高でした!
Posted by ブクログ
暴力団×警察の物語
暴力団の抗争を止めるべく動く警察。その中で一際目立つ大上 なぜ大上はここまで権力を持っているのか疑問に思いながら読み進めていた。
そして、物語後半に明かされるガミさんの真実。
ガミさんがここまで権力を持っているのに警察内部は、誰も刃向かえない理由に衝撃を受けた。
善し悪しは置いておいてガミさんの生き様に惚れた。まさにパンドラの箱だった。
リアルな広島弁の怒号がすごく面白かった。
世界観は映画の「仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」と似ていて、映画と本の関係性が現れていてそこもひとつ魅力的に感じた。
続編の「凶犬の目」を早く読みたい。
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とにかく読み進める手が止まらなくて、読み終わるのが惜しい作品だった。警察内部に居た経験がないとここまで詳細な描写は書けないだろうと他の作品を読んで感じていたが、今回は警察だけでなく暴力団についても絡んでいて、作者の巧みな表現が読者の想像力を掻き立て、没入感を生み出しているのだと思った。
大上の周りを惹き込むオーラや意志を部下の日岡が継承している姿をエピローグで知れた時は胸にくるものがあった。
少し変わった警察小説
まあ良くある悪徳刑事と新米刑事によるアクション活劇ね、、と思ってたら違った。
いや、違ってないか笑
後半、真相やタイトルの意味が分かるに連れてドハマリ。
続編も購入していますので、これから読みます。
それはそうと、BookLive!の「続きから読む」機能。
いつオフになりますか?
鬱陶しいことこの上なし!です。
Posted by ブクログ
柚月裕子さんの著書、2シリーズ化されている、その一作目の作品。
今作品は昭和60年代の広島が舞台であり、当時の警察とヤクザの模様が伺える。
作品はハードボイルドでありながら、人情味が濃い。バックグラウンドも警察内部、暴力団内部の両独特な社会感もきっちりと描かれている。
なんといっても大上と日岡の関係性が絶妙。また晶子の存在が二人の人生に直決する大きなキーパーソンであると感じた。
テーマは正義になるだろうか?
正義にも種類があり、心の正義、自分の正義、誰か個人の為の正義、仲間や組の為の正義、一般大衆の正義がこの作品から読み取れる。
大上が日岡に託した正義はきっちりと日岡の中でその正義感が成立し、彼の今後の人生観まで影響していくだろうと読み取れた。
各段落の冒頭の日誌、削除されている理由もミスリードなのだろうとも感じていたが終盤に理由が明らかになり納得。
それも含めてミステリーらしく最後に怒涛の真実が明かされていくのだが、同時に日岡の主意も固まっていく様子が読み取れて最高の作品だと感じた。
少しおいて続編も読もうと思う。
「狂犬」ではなく「凶犬」、タイトルだけでワクワクする。
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昭和63年の広島を舞台に、型破りな刑事大上と新米刑事の日岡がやくざの抗争を止めるために奮闘する物語。
柚月裕子さんの名前は知ってたけどちゃんと読むのは初めて。
濃厚な広島ヤクザの仁義なき戦いの世界に没頭した。最初は組織関係図が頭に入ってこなくてなかなか進まなかったけど、途中からグイグイ物語に引き込まれた。
終盤まで警察VSヤクザの物語として読んでいたのに、本当の敵はそっちじゃなかったってところが闇深で鳥肌立った。章の冒頭の日誌の削除部分の意味が明かされて、ガミさんの孤狼の血が日岡に受け継がれるエピローグ、胸熱。
私は広島弁が好きなので、ガミさんのコテコテの広島弁(大阪弁以外をコテコテと表現するのかどうかはわかりませんが)にしびれた。やってることはめちゃくちゃだけど、人情味があってかっこいい。男も惚れる男ってやつ。絶対上司にはしたくないけど。
続編も読みたい。
Posted by ブクログ
面白い。
評価が高いのでずっと読みたいと思いながら、ヤクザ物ということで後回しになっていた作品。納得の面白さ。
終盤の怒涛の展開は一気読みだし、ガミさん大好きになっちゃう。もちろん日岡も。
ガミさんがどういうやりとりをして殺されちゃったのか、とか詳しく知りたくなるけど、日岡視点ですもんね。詳細にそこを書かないからより良く思えるのかもしれない。謎があった方が魅力的など。
葬儀に来たカツさんのやりとりが良い。
女性作家がこれを書いたというのは驚くのだけど、暴力描写や性描写があまりないのはやはり女性だからなのかとも思いました。
次作読みたいけど、日岡は大上を越えられるのか? そこも読み所なのでしょうか。
☆4.5
Posted by ブクログ
ヤクザものが得意ではないのと、たくさんの組、登場人物が出てきて、関係性が複雑でなかなか入ってきませんでした。
ガミさんみたいな男性が苦手というのもあるかも。。
そんな中で読み進めていましたが、終盤がすごかった。結局やっぱり引き込まれてしまう柚月作品。もう一回ちゃんと丁寧に下っ端でも登場人物を頭に入れながら読み返したい。
読み終わった今、ガミさんのことも大好きになっていました。
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物語が面白くて読めば読むほど引き込まれていった。ずっと同じ人の目線で進んでいくので読みやすい。倒置法で書かれてるところが何ヶ所かありページをめくるのがいつもより早くなっていく気がした。最後数ページ面白かった。
Posted by ブクログ
2025.05.24
広島警察 ヤクザ 昭和 失踪事件 抗争 癒着 ライター 監察
こういうの苦手だなーと読み始めたが、すっかりのめりこんでしまった。大上も日岡もかっこいい
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序盤で日岡の異動理由は予想ついたから終盤の展開に驚きはなかったけど中盤以降の盛り上がりは純粋に面白かった。日岡と同じように読者もどんどん大上の魅力に引き込まれていった。
続編があるのは嬉しいけど日岡がガミさんを越えられるのか…
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借り物。ヤクザと癒着する刑事と新任刑事のコンビが織りなす広島ヤクザ界の話。というか、映画を先に観ていたので、読みながら役所広司と松坂桃李の声が頭の中で再生された。 映画はかなり前に観たので記憶が曖昧だけど、小説は若干ニュアンスの違うエンディングだったような。小説の方は映画と違って3部作とのことで、楽しみが増えた。
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やっと読めました。
まだ暴力団対策法が制定される前の話。
ポケベル使ってることでも時代を感じます。
広島カープファン歴30年以上の私には、広島弁の会話も読みながら実際に声が聞こえてくるようでした。
各章始めの日誌の意味も、最後にわかる。
刑事物が好きな人におすすめ。
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ベテランの大上の違法行為の数々にはじめこそ驚いて、ひどすぎる悪徳警官だと嫌悪感を抱いた。人となりを知るにつれて、その印象も徐々に和らいでいった。大上に助けられた人がたくさんいることがわかってくるからだ。
暴力団と真っ向から対立するのではなく、社会に迷惑をかけたり事件を起こした場合に取り締まるというやり方は、正義とは言えないかもしれないが、この時代にはそれが正しかったのかもしれないし、こういう人が一人はいないといけないのではないかと思ってしまうくらい、説得力があった。
堅気に迷惑をかけず、何よりも看板が大事で擬似家族を築いているヤクザの世界は、犯罪においても筋を通すだけまだ納得できるものがある。終盤に向けて読者をそういう気持ちに導いて、日岡と同じように大上のやり方に染まっていくのを感じた。
日岡が優秀すぎることや、日誌を怪しいとは思っていたが、塗りつぶした箇所の意味が最後にわかってなるほど!と思った。削除しすぎではないか?と訝しく思っていたから。
年月をかけてガミさんのように仕事をしている日岡に胸が熱くなる。登場人物が多くて把握するのが大変だったが、面白い小説だった。
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任侠ものはあまり好みではないせいでちょっと積読してたけど、柚月さんの『盤上の向日葵』おもしろかったし、ここでの評価も高いしと思って読んだら納得のおもしろさ。
警察側の暴力団係もヤクザの世界も漢の世界、という感じで女は入れないなーと感じだけど女性作家さんが書いてるからこれでもソフトなんだろうなあ…凄惨な暴力描写がなかったから読み易かったありがたい。
エピローグの日岡くんの成長が大変よかった。大上さんの意志を継ぐ者。
続編も是非読みたい。
Posted by ブクログ
広島の極道とマル暴の戦いを描いた小説。主人公の新人日岡はマル暴の大上とチームを組むこととなる。大上は違法捜査を繰り返し、日岡はそれに戸惑う。やがてヤクザのフロント企業の金融会社の社員が失踪した事件を皮切りに暴力団の抗争が勃発。周辺被害を食い止めるため2人は走りまわることとなる。
登場人物が多く、組織も複数あるので覚えるのが大変。終盤の展開はショックだったが受け継ぐものがいるのでこのタイトルはよくできてると思った。
Posted by ブクログ
昭和63年広島のヤクザと警察を舞台にした物語。
署内で曲者とされる刑事・大上の下につく新人刑事の日岡は、大上の破天荒な行動に振り回されながらも暴力団の事件を追う。
各章冒頭の、“塗り潰された日誌”を気にしつつ内容に没頭。日誌の目的や塗り潰した日岡の真相が最終章で明かされ、そして読み終えた後に再度プロローグを読むと、日岡に『孤狼の血』が確かに受け継がれており目頭が熱くなった。
正義にはさまざまな形があり、“法律を守るだけが正義ではなく、むしろ正義を通す為に法律を破る事もある”と大上は身を呈して伝えた。ヤクザの義理人情と警察の体裁重視の対比が際立っている秀逸な作品だった。
Posted by ブクログ
すごい本だった…ヤクザこっわ
虎狼の血って、「意志が受け継がれる血」ってことか〜。日岡さん、意志を継いで大上さんっぽくなってたの良かったな。
人物関係追うのが大変だった。大上さん割とあっさり死んでしまったし衝撃だった
Posted by ブクログ
ヤクザ者の話で読む事を敬遠していた。読み始めはどこが面白いのか、と思っていた。が、中盤からどんどん引き込まれて、終盤の驚愕の展開にビックリ!そして予想だにしなかったラスト‼️続編読むしかないようだ。
Posted by ブクログ
(ネタバレなので詠まないように)主人公は警察監査室の犬として県警でヤクザと癒着していると思われる悪党刑事の決定的な証拠をつかむべくバディ(昭和63年当時は言わない)を組み捜査に当たるのだが、ヤクザからシノギを取りそれを資金にマッチポンプ的な摘発を行い、警察内部の闇をつきつけ悪党を貫いた刑事を否定できず自分も悪党に向かう
Posted by ブクログ
暴力団と警察の関係はこうだったんだろうなと昭和を象徴するような展開だった。
ずっと読みたかったのでやっとという感じ。
映画は原作を読んでからと思っていたので、そちらも見てみようっと。
Posted by ブクログ
きれいごとで渡り合って行くことはできない世界で生きた大上の生き様に泣けた。間違いか正解かどうでもいい。同志となった日岡のこれからも楽しみです。また、各章冒頭の日誌削除の伏線回収もお見事!
【2025.03】