柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生活保護者を支援する社会福祉課。福祉に関わる仕事でこんなにも大変そうな仕事が市役所にあるとは。
主人公は、生活保護者に対する考えが、事件や関わる人たちによって、次第に考えが変わっていき、仕事に対して責任をもち、かっこいい。
最終的に、事件に関与していた人物が、最後までわからず、ドキドキした話でした。
この話のように、身近で弱者のような人を相手に悪い事が大小でも潜んでいると思うと、誰もが関わりを持ちたくないと思う。正義感がありすぎるのも良くないというのが、何か寂しい。
自分は決して強い立場ではないが、できるだけ寄り添えるような人になりたいと思う。
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Posted by ブクログ
二名を殺害して逃走している真柴亮(22)が、時を同じくして起こった東日本大震災の避難所の体育館で人質をとって立て籠っている、そしてSATに射殺されそうになっているシーンが冒頭。そこから、なぜ真柴がそんな状況になったかが語られていく。
真柴の暗転していく様と、随所に描かれている震災後の身内を亡くした人がそこら中にいて、それでも仕事をしたり、相手を思いやったり、行方不明者を必死で探したりする様子が追体験させられる、その二つが軸になった小説です。はっきりいって楽しいお話ではないです。でも、すごく読ませてくれます。深夜に一気読みしてしまったくらい。読み終わって眠れなくなるくらい、重たい何かを残していき -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
震災さえなければ、この人生は違ったのだろうか?大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇!
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一気読みでした。
父親に捨てられ、母親と祖父には先立たれ、天涯孤独で生きてきた青年・亮があまりに不憫すぎる。そして東北を襲ったあの震災。私にとってはテレビの向こうの話だったけど、あのとき、沢山の人が絶望の淵に立たされていたはず。
刑事・陣内のセリフ「俺たちだけじゃない。誰もなにもで