柚月裕子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
二00八年、第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
柚月裕子ファンなら、既読ではないかと思う反面、『孤狼の血』シリーズや検事「佐方貞人シリーズ」だけ読まれた方も多いはず、そういう僕も今頃になってデビュー作品を読んで良かったと思っています。未読作品は多数ありますが、この著書名から事件物ではないと思っていた。
「女横山秀夫」の異名を持つ彼女なら当然かもしれませんが、『検事の本懐』の著書の帯に横山秀夫氏の推薦文を書いてもらえたことに感動したという。
著作は臨床心理士の主人公・佐久間美帆が、知的障害者更生施設に入所していた藤木司を担当することになった。彼は、人の感情が色でわかる「共 -
Posted by ブクログ
ネタバレ佐方貞人シリーズ、検事編第2弾
・心を掬う
郵便物の紛失事故から、局員の現金着服を疑う佐方。
確かに手紙と共に送られる現金には心がこもっている。
(本当は現金書留を使わないといけないけど)
・業をおろす
佐方の父の容疑が晴れ、小田嶋建設の社員や遺族にも本当のことが伝わり、誤解が解けていく様子は圧巻だった。
・死命を賭ける/死命を決する
ドラマ化された痴漢事件の話。
どうやって決着するんだったかな、と思っていたけど、ドラマ版とはちょっと結末が違うような気がする。
間違って先に次の巻を読み始めてしまったんだけど、次の巻の1話目にしれっと井原弁護士出てた。 -
Posted by ブクログ
間違えて先に「検事の信義」を読んでしまいましたが、この作品で、佐方の父陽世の無実が周囲の人の知るところとなっていました。
親友でもあった住職の言葉。
日本人で、しかもガイドの資格も持ってはいても、仏教についての理解はほとんどない私ですが、仏教を信じてみようかな、と思えました。
そして佐方が刑事部から公判部に異動になったので、上の圧力に屈せず起訴するかっこよさも、公判でのやり取りのかっこよさも両方楽しめるお得感(?)があります。
上司である筒井の言葉
「秋霜烈日の白バッジを与えられている俺たちが、権力に屈したらどうなる。世の中は、いったい何を信じればいい」
佐方シリーズ、永遠に続いてほしい -
Posted by ブクログ
佐方貞人シリーズ三作品目は、検事時代に受けた権力の圧力について…。
佐方の信条は、『罪はまっとうに裁かれなければならない』。シリーズの中で度々この信条が書かれています。
佐方のデスクには未決の事件調書が山積になっているが、一件ずつ慎重かつ疑問に思うことは、時間の許す限り解決していきます。
検事事務官も気付かない疑問点があれば、佐方は頭をくしゃくしゃと掻きながら…。第一話は「心を掬う」、事務官の増田が疑問に思う場面もある。第二話は「業をおろす」、物語の舞台は佐方の故郷広島で、父佐方陽世の十三回忌の法要が菩提寺でいとなまれる。「弁護士の職業倫理と正義が相容れなかったらどうする―」。
その