柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柚木裕子の小説はどの小説も好きだ。とても好きだ。
特に、小説のコアになる場面での表現がなんともカッコよすぎて大好きだ。
例えば、この小説で僕が一番気に入ったところを引用する。
駒田は顔から笑みを消し、じっと西條の目を見つめた。やがて、諦めたように息を吐き、答えた。
「ふたりが似ているからですよ」
「真木先生と、私がー」
駒田は頷く。
「私は西條先生のことを、心臓外科の名医であることしか知りません。出自や生い立ちなど、なにも知らない。
でも、感じるんですよ。真木さんと同じ寂しさを。そして医療に対する誠実さをも」 P444
全くキャラクターが違う2人の対立する医師、その2人、西條と真木が似て -
Posted by ブクログ
「孤狼の血」に続く第2弾。前作に劣らない傑作。
血生臭くもリアリティのあるヤクザの描写で現代版「仁義なき戦い」とも言われているが、迫力と物語の面白さは同意するものの、そもそも「孤狼の血」シリーズは主人公が警察官であり、しかも本作は仁義「ある」戦いだ。
前作は広島抗争を題材にしていたが、本作は史上最大の暴力団抗争「山一抗争」を題材としている。前作の最後に年表で主人公の日岡を僻地の駐在勤務に左遷と書いてしまったため、作者は本作で単なる駐在をどう抗争に関わらせようかと困ったらしい(笑)
前作の大上刑事に当たる本作での主要人物はヤクザの国光だ。この国光との関わりを深めていく中で日岡は悪徳警官として開 -