柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柚木裕子の小説はどの小説も好きだ。とても好きだ。
特に、小説のコアになる場面での表現がなんともカッコよすぎて大好きだ。
例えば、この小説で僕が一番気に入ったところを引用する。
駒田は顔から笑みを消し、じっと西條の目を見つめた。やがて、諦めたように息を吐き、答えた。
「ふたりが似ているからですよ」
「真木先生と、私がー」
駒田は頷く。
「私は西條先生のことを、心臓外科の名医であることしか知りません。出自や生い立ちなど、なにも知らない。
でも、感じるんですよ。真木さんと同じ寂しさを。そして医療に対する誠実さをも」 P444
全くキャラクターが違う2人の対立する医師、その2人、西條と真木が似ていると表現させるこの描写、それも「感じるんですよ」という感覚に訴える描写が、脳裏に稲妻が落ちたように激しく痺れた。
この小説を読み終わった後、数日間、何度も何度のこの場面が頭の中を行き交う。
こんな経験、今までにあっただろうか。 -
購入済み
構成の巧さに痺れる
状況説明 背景説明に週刊誌の記事を引用したり、田舎の女子高校生がはからずも事件の引き金を引いていたり、ストーリー構成の巧さに痺れてしまう。このストーリー構成の作り込みがあまり度が過ぎると、昔の伝奇小説のようにわざとらしくなりすぎるが、この作品は適度に抑えられていてとても読ませる。