柚月裕子のレビュー一覧

  • 教誨

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    教誨の意味やどういう本かが、よくわからないまま手に取り、読み終えた。

    あの、秋田で約二十年前に起きた我が子を含めて殺人を犯した母親をモチーフにした作品。

    殺人事件が起こると、表面的な犯行の原因や簡単な構図を追い、それが自分には当てはまらないことを確認して、あとは週刊誌ネタを少し眺めて、興味関心が薄れて忘れてしまう…という繰り返しのように思う。
    そして、自分には関係ない事件と考える。

    もちろん、自分には関係はないのだが、でも、読後には、人の心理や行動ってそんなに簡単なものではないし、自分もそこに生まれたら関係者や加害者被害者になっていたかもしれないという想像力が働く。

    また、一つの事件が

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    2026年05月24日
  • 教誨

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    極刑に処される直前、被告が最期に遺した言葉は誰に向けて放たれていたのか、を探っていくミステリー。
    事実は変わらないのに真実の解像度が高まっていく毎に胸が詰まっていく。
    作者が「最も苦しんで何度もペンが止まりながら書いた」とする、罪と業、咎と救済(あえて言う)の物語。

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    2026年05月23日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    東日本大震災がきっかけで罪を重ねてしまうが目的を果たすために北へ向かう青年の話。タイトルが内容をそのまま表している。最近読んだ本の中では一番面白かった。
    東日本大震災直後はこれから先どうなるのかも分からない混乱が長く続いたので、警察の人手も少なく捜査の手が伸びにくいなど犯罪者にとって利点がある状況を活かして逃げる青年。とにかく運が無く事件に巻き込まれて罪を重ねるので青年に感情移入してしまう(もちろん罪を償う必要はあるが)。
    青年を追う刑事も震災の被害者で家庭内不和があり、どちらも応援したくなった。
    青年が子供と共に立ち寄った集落の避難所に警察の捜査が入った際、子供が青年にとても懐いていた、とい

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    2026年05月22日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    まず、過去読んだ中でもトップクラスに面白かった。ずっと手元に置いておきたい1冊。

    東日本大震災直後の殺人事件。作品名のごとく犯人は逃げるのだが、その背景や思いが交錯していく。
    「死」「命」と漢字で書いてしまえば同じに感じるが、人それぞれが体験する「死」や感じる「命」にはもちろん違いがある。それが震災によるものか殺人によるものか、病気によるものか。生きていてほしい、死んでほしくないと願うなか、それが叶わないことがあるのも現実。
    多くの犠牲者を出した東日本大震災を風化させないためにもまた読みたい1冊。

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    2026年05月22日
  • ウツボカズラの甘い息

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    ネタバレ

    テレビかなにかで見たことがあるこの植物のことをウツボカズラというのか。真犯人はまさにウツボカズラ。一回入り込んでしまうと抜け出せない。死人を名乗り、言葉巧みに人の弱みにつけこむ。題名がストーリーにかなりマッチしている。"甘い息"という表現が個人的に好き。人におすすめしたくなった。

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    2026年05月18日
  • 慈雨

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    静かな展開の中、登場人物像がしっかりと描かれており、主人公と現役刑事に感情移入して読み終えた。周りで支える家族の存在も控えめながら印象的に描かれていた。慈雨というタイトルも素晴らしいと感じた。

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    2026年05月18日
  • 慈雨

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    定年退職した刑事が、ある想いから四国の霊場巡りをすることになったが、妻も一緒に付いて行くことになった。旅先で知った少女誘拐事件から、更に深い苦悩の旅になって行く。後輩の若手に事件の経過を依頼することで、更に苦悩の旅になって行く。16年前の事件に酷似しているのが原因のようだが、明かされるのが後半ということで、ここまでモヤモヤが続いてしまう。
    また、もう一つの秘密が徐々に明かされていく。娘と交際する後輩の刑事を認めたく無い主人公。大切な娘の出生にもドラマがあった。
    霊場巡りも後半に入り、出会った人々から事件のヒントを貰い、解決への道すじが見えてきた頃から展開が急ピッチに進んでくる。
    最近の事件は解

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    2026年05月16日
  • 孤狼の血

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    ネタバレ

    小説の舞台は、昭和63年の広島県呉原市。
    ヤクザと警察が絡む小説

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    まず全体的に、広島弁での展開がとてもおもしろかった。
    口調は強いものの、言葉に人間味や温かさを感じられた。
    今とは違う言葉の魅力を知れた気がする。

    そして登場人物のそれぞれの個性がすごい。
    ヤクザの滝井、一之瀬、尾谷。
    個性があり情があり、魅力的だった。
    警察の大上もそうで、大上のように自分の軸があり、周りを思いやり、立場に縛られず、うまく立ち回れる存在が上司にいたら、と思う。
    私はどちらかというと日岡みたいなタイプの人間なので、大上のように自由奔放に信念を持っている人がいれば尊敬してついていくと

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    2026年05月14日
  • 凶犬の眼

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    『狐狼の血』に続き、柚月作品二作目。「狐狼の血」シリーズ第二弾。漢たちがとてつもなく熱く、そして魅力的。ストーリーテリングも抜群で幾度となく鳥肌が立った…。男(わたし)も惚れる男たちでした。エクセレント!
    早くも(もう早くもないが…笑)次作『暴虎の牙』の文庫化が待たれる!!!

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    2026年05月10日
  • 誓いの証言

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    やっぱり、佐方弁護士良いですね! 
    プロローグが、作中で判明し、ここに繋がったのかと納得、小坂頑張れ!

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    2026年05月02日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    ネタバレ

    第173回直木賞候補作!

    人生を変えるために青年は北を目指した。

    震災の混乱のなか、ふたつの殺人事件が起きた。
    逃亡する容疑者と追う刑事。
    ふたりはどこへ辿り着くのか――。

    『孤狼の血』『盤上の向日葵』『教誨』『風に立つ』の著者が東北を舞台に描く震災クライムサスペンス!

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    2026年05月02日
  • 誓いの証言

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    ネタバレ

    ふたつの物語が並行して進んでゆく。
    そして、重なり合った時に読者のひとりとして驚いた。だけど予定調和として受け止められる。さすが!左方弁護士。ずっと続けて読んでいて良かった。待ち遠しかった。
    そして迎えた公判の応酬。息も止まるほどの緊張感とともに、そしてまだ?!と思う程。
    いつまでも余韻に浸っていられる長編でした。

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    2026年05月01日
  • 誓いの証言

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    ネタバレ

    久々の弁護士佐方シリーズ。

    今回は誰もが加害者であり被害者でした。

    過去と未来が交錯して真実に辿り着いた時、とてもやるせなかったです。

    検事とは違い、捜査権のない弁護士。それでも弁護士を選んだ佐方のやり方に最後は救われました。
    やるせない中に希望が見出せた事にほっとしました。

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    2026年05月01日
  • 暴虎の牙 下

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    かつて「仁義なき戦い」という映画が人気になったが、柚月先生による令和版のリメイク小説ともいえる作品であると思った。
    それにしても、まさか、そんな結末だとは…
    主人公である沖にとって本望の結末なのかもしれない。

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    2026年04月30日
  • 最後の証人

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    面白かったー。
    刑事、法廷ものは、進むべきとこが
    決まっており私には分かりやすく良かった。
    警察の隠蔽体質は、相変わらずの風土みたいな感じですね。
    どこの世界にも要領のいい奴が存在している。
    次も読んでみたいシリーズです。

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    2026年04月27日
  • 検事の本懐

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    新人検事時代の佐方 貞人を描いたシリーズ第2巻

    法と人、両方で裁ける人間・佐方 貞人は、好きな男性キャラクターの一人として加わりました❗️

    本作では、己の信念に則って真実を追い求める姿と共に、巨大な組織の権力と陰謀の前に、憤りを感じる姿も描かれていて、とても満足度が高い作品でした❗️

    好きな話しは、『第三話 恩を返す』と『第五話 本懐を知る』で、最後は心が震える何とも言えないくらい素晴らしい作品でした❗️

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    2026年04月27日
  • 誓いの証言

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    待ってました佐方弁護士シリーズ。裁判で明らかにしていく過程と、佐方弁護士の真実を追求していく姿勢が、そういえば素晴らしかったんだよなぁと思い出しながら読んだ。今回も最高です。

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    2026年04月26日
  • 検事の死命

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    主人公は佐方貞人。
    しかしながら、ストーリー展開が事務官の増田や弁護士の井原の目線から描かれていることで、より佐方の人間性が浮き出ている。
    シリーズ一気読みしています。

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    2026年04月26日
  • ウツボカズラの甘い息

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    無駄なくテンポの良い展開。読者の想像を超えて、飽きさせない波乱の数々。楽しませていただきましたー^_^

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    2026年04月26日
  • 誓いの証言

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    本作の佐方貞人シリーズが16年振りとはあまりに寡作ではあるが、柚月裕子氏の作品には大いに惹かれるドラマがある。
    特に裁判の場面となる最後の100ページは、検察と佐方との緊張感あるやり取りを、一気に読み終えてしまった。
    悪意を持った人間が登場しなかった本作の読後感は、安心できる結末となっていて大変満足をした。

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    2026年04月24日