柚月裕子のレビュー一覧

  • 教誨

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    読むのにとても時間がかかった本でした。

    毒親、いじめ、虐待、地域環境、諸々が最悪な形で組み合わさっていく。
    考えも及ばない感情が押し寄せてくる。

    数十年前にあった事件を題材に描かれている作品で、
    もちろんこの小説はフィクションだし、
    真実は当事者にしか分からないことだし、真実を知ったからといって自分には何も出来ないのだけれど
    テレビやマスコミが真実を言っている訳では無いのにそれらに踊らされているのは、私たちも加害者になり得るのではないかとそんな事を思いました。

    重かったけど読んで良かった本でした。

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    2026年03月21日
  • 最後の証人

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    ネタバレ

    まさに犯行が起きようとする場面の描写から始まり、3日間の裁判の様子を中心に、過去の回想を交えてストーリーが進んでいく。被告人が無実を訴えているという情報と、光治・美津子夫妻が入念に犯行計画を立てるシーンから、大それたトリックでも思いついたのだろうとページを進めると、まさか被告人と被害者がすり替わっていることには気づかなかった。(確かに、ホテル従業員の証言でホテルに入った順番のところで被告人と被害者の順番が明らかになっており、違和感はあったがそのまま読み進めていた。)叙述トリック的な要素が目立つが、タイトルにも証人ある通り、裁判での口頭のやりとりが多くを占め、特に最終弁論は検察、弁護人それぞれの

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    2026年03月21日
  • 孤狼の血

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    ネタバレ

    捜査二課の暴力団係に配属された日岡は、班長の大上の下につき、金融会社社員失踪事件を追う。ヤクザの懐に入り込み時には違法捜査も辞さない大上に、警察官として葛藤しながらも信頼感が芽生えていく過程を、暴力団捜査という一般常識の通用しない世界ながら、そのしきたりや特別な用語に至るまで読者に違和感を抱かせず描ききり、圧巻だった。各章の冒頭に日誌が登場し、その後何が起きるかが分かってしまうので、少しもったいない気がしていたが、所々黒塗りされたその日誌が、クライマックスの急展開、そしてプロローグの場面に綺麗に繋がり、ミステリとしても申し分ない読み応えだったように思う。大上のキャラクターは一冊で亡くしてしまう

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    2026年03月20日
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐

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    やっぱり柚月裕子作品は素晴らしい。
    現在、過去、と行き来しながらさまざまな人の視点で話が進められる。でも混乱しない。展開のスピード感が早く、もっと知りたい!とページをめくる手が止まらない。
    細い細い糸を手繰って真実を一番知っているのが自分な状態で、いろんなことを主人公由美と一緒に考えされられた。
    主人公が刑事ではなく、ライターというのも良かった。刑事が事件を解決するという視点ではなく、ライターが冬香の人生を掘り下げていくというのが新鮮だった。
    伏線回収が好きなミステリー好きにおすすめしたいです。

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    2026年03月18日
  • 盤上の向日葵(上)

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    ネタバレ

    将棋の駒の行方を探す警察パート。
    序章で容疑者だとほのめかされた上条の生い立ちを追う過去パート。
    それぞれが交互に進んでいき、読んでいて飽きない。

    上巻最後で上条の出身地である諏訪市に住む人物に駒が渡ったことが分かる。
    ここからなぜ上条が容疑者候補になっていったのかが非常に気になる。

    今後どう展開されるのかが楽しみである。

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    2026年03月16日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    あの未曾有の大災害から15年。柚月さん御自身もご両親を失ったと聞いたけど、こんな小説を描いてしまうなんて。
    ある日突然、平穏な日々が覆される。そこで別れる、生き残った人とそうでない人。
    家族と引き離される痛み、誰しも簡単に受け容れられるものではない。
    それでも自分の命ある限り、大切な人を探し求め続けるしかない。それは人として当たり前かもしれないけど、警察官や消防士などそんな当たり前のことすら自由にできずに公務に尽くしてくれた方々がいる。

    そして、みんな助け合わない中で起きてしまう悲しい事件。事件も起きなければ家族と寄り添う時間もできたかもしれない。

    どこまでもついていない人、世の中には確か

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    2026年03月15日
  • ミカエルの鼓動

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    同じ医師でも、医療に対する考え方は少しずつ違う。そこにあるのは立場の違いだけではなく、それぞれが抱える正義感の違いなのだと思った。そのズレが軋轢を生みもするけれど、一方で医療の発展はそうしたぶつかり合いの中から進んできたのかもしれない。

    中心人物の西條も、ただまっすぐな正義だけで動く人物ではなく、どこか利己的な面も持っている。その複雑さがかえって人間らしくて、物語に深みを与えていた。

    生きること、死ぬこと、そして医療とは何か。重いテーマを扱いながらも、物語としてしっかり面白く、文章もとても読みやすい。一気に読んでしまった。

    また一人、好きな作家が増えた。

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    2026年03月12日
  • 教誨

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    謎の言葉の意味がわかった時、なんもと言えない悲しい気持ちになりました。

    今ももしかしたらある、地方の習慣。

    自分の人生がいかに豊かでありがたいか実感しました。

    良きにつけ悪きにつけ、日本の古い習慣です。
    SNSが発達して、もっと他の世界を知る事ができて
    こういう悲しい事が起きないこと、願います。

    中島みゆきさんの「ファイト」がリンクしました。

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    2026年03月10日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    あれから15年経ってしまって、記憶の風化も懸念されている今、東日本大震災の惨事を実際に内側から描かれた内容に心を痛めた。しかも、ひとりの不幸な青年の引き返すことのできない道を思い辛くなってしまう。
    一気読み。

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    2026年03月10日
  • 暴虎の牙 下

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    孤狼の血シリーズ 完。
    ガミさんの過去編から、日岡の未来像まで描かれており、そして孤狼の血というストーリーが全て繋がった。圧巻のストーリーであった。

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    2026年03月07日
  • 臨床真理

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    めちゃくちゃにヘビーな内容でド深夜に読んだのを後悔している今日この頃(笑)。

    もしも自分の大切な人がこの作品の彩のようになっていたら、自分のことを信じてもらえないどころか精神異常者と思われたら。
    考えるだけでゾッとするし悲しくなる。

    何度も言うがヘビーな内容なので一概に「あー面白かった!」とスッキリできないが(イヤミスではない、、、はず)、衝撃や心に残る重さなどは群を抜いていると思う。

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    2026年03月05日
  • 暴虎の牙 上

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    前々作、前作に引き続き本作も面白い。ガミさんをはじめとする、ガミさんの関係者の人物像が色濃く描写されている。
    早く次作を読みたい。

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    2026年03月03日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    久しぶりにボロ泣きしながら読んだ。
    東日本大震災の最中、連続殺人事件が起きてしまう。被害者、加害者、警察、家族…いろんな視点の思いに馳せ、そして胸が詰まる。
    全部の真実を知ってるのが読者だけだからこそ、やるせない気持ちになる。刑事さんの人情の深さにも涙あふれたなぁ。これが、直木賞候補…受賞でよくない?

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    2026年03月03日
  • 孤狼の血

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    映画化もされているが、大上、日岡、一ノ瀬のそれぞれの距離感や終盤の話の筋が違い、別の話に感じる。小説は2回、映画は3回見たが、やはり小説の方がいい。「暴虎の牙」まで読み終えた今、改めてもう一度じっくり読みたい。

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    2026年02月27日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とても癒されました。
    毎日の暮らしの中に共存している
    猫という生き物が、たくさんの
    作家の方々の憩いであり
    生きがいであり、無くては
    ならない存在でした。
    家の猫も保護してから3年
    猫を飼った事もない家族の中で
    その存在感の大きな事、
    角田光代さんの文章の中に
    (以前は、自分は自分はという
    感じで暮らしで辛かったところに
    猫がきて自分以外の事に心を
    持っていけるようになった事で
    楽になった)とありました。
    まさにそれです。疲れたけど
    とりあえず猫に餌をあげようと
    声をかける事で気持ちが良い
    方向に切り替えていける。
    猫って不思議な生き物です。

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    2026年02月26日
  • 凶犬の眼

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    前作の続編。
    日岡がガミさんのように成長する姿に感無量。

    日岡が言った、暴力団は所詮社会の糞、しかし同じ糞でと社会の汚物でしかない糞と堆肥になる糞もある。
    この言葉はとても印象的で、まさに暴力団を象徴する言葉だなと思った。

    次回作も早く読みたい。

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    2026年02月25日
  • パレートの誤算

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    凄く読みやすかった。
    内容は重いが役所や刑事の人らが優しい世界の人達だったので面白く読めた。

    柚木裕子作初めて読んだ作品

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    2026年02月23日
  • 盤上の向日葵(下)

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    2019年のドラマ見たので千葉雄大と竹中直人の印象が強い笑でもドラマを見てたから時系列で混乱しなかった。
    映像だと幻想的な場面が多かった気がしてたけど、文字だと将棋の場面の緊張感がすごく伝わってきた!上下巻あっという間に読めた~!
    映画化もされたけど、どうかな?

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    2026年02月21日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    痛快!読んでて気分が良い!

    とりあえずスカッとしたい時に読むのが良い作品

    勧善懲悪で、主人公がどんな方法で敵をやっつけるか。敵がどんなやられ方を見せてくれるのか。それが楽しめる人はこの小説ハマると思う。

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    2026年02月18日
  • 慈雨

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    お遍路と捜査の同時進行で過去を遡って決着させる展開はとても読み応えがあった。終盤の結末はとても感動させられたし表題の意図するところも感じられた。

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    2026年02月18日