柚月裕子のレビュー一覧

  • 教誨

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    教誨師という仕事を初めて知った。
    中盤までは主人公と一緒に「真相を知りたい」という気持ちでどんどん読み進められて、最後の方はただとにかく哀しい。
    どんな犯罪も何かが違えば当事者は自分だったかもしれなくて、今穏やかに一般的に言う「普通」の暮らしが出来ているのは色んな幸運を積み重ねてきたから。当たり前じゃないよなぁと思う。
    全ての悪い事は環境が生み出すもので、人そのものはいつでもどっちにでも傾く。
    じゃあ、運悪く良くない環境にしか行けなかった人は一体どうしたらよかったんだろう…

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    2026年04月08日
  • ミカエルの鼓動

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    登場人物は全て善人でも悪人でもない。
    それぞれの考えと信念を持って生きている。
    そこに感情移入が出来る。
    作品を通して善性のある人物の信念を、功名心、プライド等が邪魔をする。
    しかし、最後には善性が勝つ。
    この魅せ方が上手い。
    良い本を読んだ。

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    2026年04月06日
  • 慈雨

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    「あの事件は、本当に冤罪ではなかったのか」——。退職後もお遍路の旅でさえ消えない神場の苦悩が、新たな事件の発生によって再び加速します。
    物語の軸となるのは、巡礼の地から指示を出す神場と、現場を走る若き刑事・緒方の師弟関係です。娘の恋人でもある緒方にとって、神場の言葉は一人の男としての「品格」に満ちており、その背中を追う姿には深い人間ドラマが宿っています。
    真実が明らかになれば警察の闇を暴くことになりかねないという極限状態。その中で、神場、緒方、鷲尾の三人が見せる信頼関係、そして彼らを支える家族の描写が、このミステリーをより気高いものに昇華させています。
    神場の父としての言葉に激しく感情移入し、

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    2026年04月04日
  • 教誨

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    些細な行き違いが不幸を生むことがある

    辛く悲しい地方田舎の
    女性3世代の話

    あまりに辛い

    地方の閉塞感、男尊女卑、格差、いじめ

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    2026年03月28日
  • 盤上の向日葵(下)

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    ラストで2本のストーリーが交わり、見事に昇華させました。
    まさに盤上に向日葵が咲いたエンディングでした。

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    2026年03月28日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    苦しい小説。

    その時々の、諦めたりどうしようもなかったりした状況での選択の結果、追い詰められる。抗いようのない状況下での負のスパイラル

    最後、お父さんからの手紙が読めて、選択の責任を自身で引き受けるまでに成長した、しかし。

    苦しい
    主人公の彼だけでなく、震災で娘さんを亡くした刑事さんとその奥さんも、ほかの人々も

    何とか助かって、何とか心の平安を、と祈りながら読む

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    2026年03月28日
  • あしたの君へ

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    やはり結局、どれを読んでも柚月裕子作品が好き。

    登場人物がいつも魅力的。
    大地もそう。前半から溢れている、強く出る自信もなく、空気も読もうとする感じ。上手く笑おうとしても笑えてない。よくある普通の感じなのが良い。

    主人公だからと秀でてるわけじゃないのがいい。その大地が真っ直ぐ前を向いて歩もうとするのが刺さる。

    物語としても短編集になっているので、とても読みやすい。しかもみんなの悩みが、遠くない現実でイメージしやすく、それも寄り添いやすい。
    殺人事件ばかり読んでいたけど、こういうのもいい。

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    2026年03月24日
  • 教誨

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    読むのにとても時間がかかった本でした。

    毒親、いじめ、虐待、地域環境、諸々が最悪な形で組み合わさっていく。
    考えも及ばない感情が押し寄せてくる。

    数十年前にあった事件を題材に描かれている作品で、
    もちろんこの小説はフィクションだし、
    真実は当事者にしか分からないことだし、真実を知ったからといって自分には何も出来ないのだけれど
    テレビやマスコミが真実を言っている訳では無いのにそれらに踊らされているのは、私たちも加害者になり得るのではないかとそんな事を思いました。

    重かったけど読んで良かった本でした。

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    2026年03月21日
  • 最後の証人

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    ネタバレ

    まさに犯行が起きようとする場面の描写から始まり、3日間の裁判の様子を中心に、過去の回想を交えてストーリーが進んでいく。被告人が無実を訴えているという情報と、光治・美津子夫妻が入念に犯行計画を立てるシーンから、大それたトリックでも思いついたのだろうとページを進めると、まさか被告人と被害者がすり替わっていることには気づかなかった。(確かに、ホテル従業員の証言でホテルに入った順番のところで被告人と被害者の順番が明らかになっており、違和感はあったがそのまま読み進めていた。)叙述トリック的な要素が目立つが、タイトルにも証人ある通り、裁判での口頭のやりとりが多くを占め、特に最終弁論は検察、弁護人それぞれの

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    2026年03月21日
  • 孤狼の血

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    ネタバレ

    捜査二課の暴力団係に配属された日岡は、班長の大上の下につき、金融会社社員失踪事件を追う。ヤクザの懐に入り込み時には違法捜査も辞さない大上に、警察官として葛藤しながらも信頼感が芽生えていく過程を、暴力団捜査という一般常識の通用しない世界ながら、そのしきたりや特別な用語に至るまで読者に違和感を抱かせず描ききり、圧巻だった。各章の冒頭に日誌が登場し、その後何が起きるかが分かってしまうので、少しもったいない気がしていたが、所々黒塗りされたその日誌が、クライマックスの急展開、そしてプロローグの場面に綺麗に繋がり、ミステリとしても申し分ない読み応えだったように思う。大上のキャラクターは一冊で亡くしてしまう

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    2026年03月20日
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐

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    やっぱり柚月裕子作品は素晴らしい。
    現在、過去、と行き来しながらさまざまな人の視点で話が進められる。でも混乱しない。展開のスピード感が早く、もっと知りたい!とページをめくる手が止まらない。
    細い細い糸を手繰って真実を一番知っているのが自分な状態で、いろんなことを主人公由美と一緒に考えされられた。
    主人公が刑事ではなく、ライターというのも良かった。刑事が事件を解決するという視点ではなく、ライターが冬香の人生を掘り下げていくというのが新鮮だった。
    伏線回収が好きなミステリー好きにおすすめしたいです。

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    2026年03月18日
  • 盤上の向日葵(上)

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    ネタバレ

    将棋の駒の行方を探す警察パート。
    序章で容疑者だとほのめかされた上条の生い立ちを追う過去パート。
    それぞれが交互に進んでいき、読んでいて飽きない。

    上巻最後で上条の出身地である諏訪市に住む人物に駒が渡ったことが分かる。
    ここからなぜ上条が容疑者候補になっていったのかが非常に気になる。

    今後どう展開されるのかが楽しみである。

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    2026年03月16日
  • ミカエルの鼓動

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    同じ医師でも、医療に対する考え方は少しずつ違う。そこにあるのは立場の違いだけではなく、それぞれが抱える正義感の違いなのだと思った。そのズレが軋轢を生みもするけれど、一方で医療の発展はそうしたぶつかり合いの中から進んできたのかもしれない。

    中心人物の西條も、ただまっすぐな正義だけで動く人物ではなく、どこか利己的な面も持っている。その複雑さがかえって人間らしくて、物語に深みを与えていた。

    生きること、死ぬこと、そして医療とは何か。重いテーマを扱いながらも、物語としてしっかり面白く、文章もとても読みやすい。一気に読んでしまった。

    また一人、好きな作家が増えた。

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    2026年03月12日
  • 教誨

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    謎の言葉の意味がわかった時、なんもと言えない悲しい気持ちになりました。

    今ももしかしたらある、地方の習慣。

    自分の人生がいかに豊かでありがたいか実感しました。

    良きにつけ悪きにつけ、日本の古い習慣です。
    SNSが発達して、もっと他の世界を知る事ができて
    こういう悲しい事が起きないこと、願います。

    中島みゆきさんの「ファイト」がリンクしました。

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    2026年03月10日
  • 暴虎の牙 下

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    孤狼の血シリーズ 完。
    ガミさんの過去編から、日岡の未来像まで描かれており、そして孤狼の血というストーリーが全て繋がった。圧巻のストーリーであった。

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    2026年03月07日
  • 臨床真理

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    めちゃくちゃにヘビーな内容でド深夜に読んだのを後悔している今日この頃(笑)。

    もしも自分の大切な人がこの作品の彩のようになっていたら、自分のことを信じてもらえないどころか精神異常者と思われたら。
    考えるだけでゾッとするし悲しくなる。

    何度も言うがヘビーな内容なので一概に「あー面白かった!」とスッキリできないが(イヤミスではない、、、はず)、衝撃や心に残る重さなどは群を抜いていると思う。

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    2026年03月05日
  • 暴虎の牙 上

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    前々作、前作に引き続き本作も面白い。ガミさんをはじめとする、ガミさんの関係者の人物像が色濃く描写されている。
    早く次作を読みたい。

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    2026年03月03日
  • 孤狼の血

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    映画化もされているが、大上、日岡、一ノ瀬のそれぞれの距離感や終盤の話の筋が違い、別の話に感じる。小説は2回、映画は3回見たが、やはり小説の方がいい。「暴虎の牙」まで読み終えた今、改めてもう一度じっくり読みたい。

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    2026年02月27日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    とても癒されました。
    毎日の暮らしの中に共存している
    猫という生き物が、たくさんの
    作家の方々の憩いであり
    生きがいであり、無くては
    ならない存在でした。
    家の猫も保護してから3年
    猫を飼った事もない家族の中で
    その存在感の大きな事、
    角田光代さんの文章の中に
    (以前は、自分は自分はという
    感じで暮らしで辛かったところに
    猫がきて自分以外の事に心を
    持っていけるようになった事で
    楽になった)とありました。
    まさにそれです。疲れたけど
    とりあえず猫に餌をあげようと
    声をかける事で気持ちが良い
    方向に切り替えていける。
    猫って不思議な生き物です。

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    2026年02月26日
  • 凶犬の眼

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    前作の続編。
    日岡がガミさんのように成長する姿に感無量。

    日岡が言った、暴力団は所詮社会の糞、しかし同じ糞でと社会の汚物でしかない糞と堆肥になる糞もある。
    この言葉はとても印象的で、まさに暴力団を象徴する言葉だなと思った。

    次回作も早く読みたい。

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    2026年02月25日