柚月裕子のレビュー一覧

  • ミカエルの鼓動

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    ネタバレ

    医師とその関係者の様々な思いと思惑が複雑に描かれていた。
    患者の命を救いたい、病院を大きくし有名にしたい。病院も病院で維持費や機械の購入費に人件費もろもろ患者がいなければ存続できない場所ではある。病院に機械を卸す側も病院という大口が無ければ存続できない。しかし、互いの利害が一致し進みすぎるとそれは隠蔽と癒着の温床になってしまう。なんともバランスの難しさを、裏表紙の天秤から思った。
    本誌の主人公である西條は、元々結婚に向かない性格であったにも関わらず、そんな自分を棚に上げ、ことなかれ主義だと妻が無言で離婚届けを置いていった今年すら理由を考えず、他者に考えを委ねていると他責思考なのがなんか気に入ら

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    2026年03月26日
  • 検事の信義

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    ネタバレ

    裁きを望む
    佐方貞人
    検事。

    芳賀渉
    三十二歳。故・郷古勝一郎宅の住居侵入および窃盗の容疑で逮捕、起訴された。郷古勝一郎の非嫡出子。地元の高校を卒業後、上京して私立大学の法学部に学び、米崎に支店を持つ大型書店チェーンに就職していた。

    郷古勝一郎
    手広く不動産業を営んでいた。胆のう癌の末期で不帰の人となる。享年七十七歳。

    増田陽二
    事務官。

    花淵勇雄
    時計店店主。

    筒井義雄
    米崎地検公判部副部長。

    高泉荘司
    刑事部に籍を置く新任明けの検事。

    本橋武夫
    米崎地検の次席検事。筒井の上司。

    麻恵
    郷古勝一郎の妻。七十二歳。

    勝哉
    郷古勝一郎の長男。四十一歳。

    恭治
    郷古勝一郎の次男

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    2026年03月25日
  • 風に立つ

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    拗らせアラフォー息子と、自分不器用ですからの父。
    ぎくしゃくした親子が営む南部鉄器工房で、非行少年の補導委託を引き受けることになるという展開。
    1/3ほど読み進めたあたりから、ページをめくる手が止まらなくなり、一気読み。
    登場人物が、それぞれ人間味があって良い。
    八重樫が特によい。マリママもよい。
    ラストはちょっと出来すぎな気もするが、だからよい。
    忙しい現代の親にこそ、読んでほしい。
    子どもの味方でいられますか。

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    2026年03月24日
  • 凶犬の眼

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    ネタバレ

    山岸晃
    ジャーナリスト。

    畑山博司
    畑山組組長。三十八歳。明石組のボディーガード役。心和会のヒットマンが明石組トップを襲撃したときに即死。

    豊永克己
    明石組若頭。五十歳。畑山に同行し、ヒットマンに頭部を撃ち抜かれ、四時間後に死亡。

    武田力也
    明石組四代目組長。四十八歳。三発の銃弾を受けるも、自力で車まで戻り、畑山組事務所へ向かうよう指示。大阪警察病院に搬送。翌朝五時に死亡。

    浅生直巳
    心和会会長。

    富士見亨
    心和の本流、浅生組の若頭。明石組組長暗殺部隊のリーダー。四十五歳。

    国光寛郎
    心和会常任理事。義誠連合会会長。三十五歳。明石組四代目の武田力也暗殺の首謀者のひとりとして、殺人幇

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    2026年03月24日
  • 盤上の向日葵(上)

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    過去の描写と現在の捜査の描写が小気味よく進んでゆく。
    とんでもない父親のもとで、とんでもない才能を秘めた子が育つとは…めぐまれていなくとも、努力できるやつはできる。

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    2026年03月21日
  • 最後の証人

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    ネタバレ

    「佐方貞人シリーズ」が人気と聞いて手にした1冊。柚月裕子さんの作品、けっこう好きです。
    で、本作。プロローグからはその展開は読めず、途中で、ん?被害者と被告人の名前が明かされていない?!となる。
    息子をあんな形で失い、その犯人は警察に守られ、自分は余命宣告される。私にはそんな実行できるかと問われると、すぐにはYESと言えるものではないが、あんな状況でそう考えるのは理解できなくもない。どうにか罪を公にして償わせたいと思うだろう。
    佐方さんはあまり登場しないのか?と思ったら、後半怒涛の展開。おー、そうくるか、と。シリーズを読むのが楽しみになってきました。

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    2026年03月21日
  • 慈雨

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    ネタバレ

    警察を定年退職し、妻とお遍路の旅に出た神場。道中、テレビで観た幼女の殺人事件のニュースに、16年前のある事件がフラッシュバックし、心に抱え続けてきた悔恨が蘇る。
    刑事物ではあるが、主人公は退職しており、事件には直接関わらず部下とやりとりするだけで、自身はお遍路をしながら過去と向き合っていくという設定は面白いと感じた。冒頭から、過去に悔恨があることは匂わされているが、お遍路の各所で見たものや何気ない妻との会話と結びつけてそれらを明らかにしていくようになっており、構成も練られていると感じた。どんでん返しなどはないが、心の動きに重点を置いた作品で、お遍路や願掛けに意味を見出せなくなっていた神場が、自

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    2026年03月21日
  • 盤上の向日葵(下)

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    ネタバレ

    個人的には何とも言えない終わり方だった。
    「はあ~」とため息が出るような感じ。

    悲しい最後だった。
    結局、両親と同じようになってしまった。
    どれだけ才能があったとしても、運命をどうにかすることはできなかった。

    構成として14章あるうちの東明との出会い編にあたる2章だけで半分使っている。
    そして、そこからテンポアップして急速に上巻の2パートが収束していくのが良かった。

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    2026年03月20日
  • ウツボカズラの甘い息

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    読み進めていくうちに「えっ?」という驚きの連鎖があり、次はどうなるの??と夢中でページを手繰ってしまった。巧みな女性心理が描かれていて一部感情移入しながら読んでしまった。ウツボカズラの甘い息という比喩にもなるほどな。と思いつつ、いざ自分の前にその状況があらわれたらどうするかな?と思わずにはいられなかった。

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    2026年03月19日
  • 朽ちないサクラ

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    podcast真夜中の読書会で紹介されていたので読みました。
    すでに映画化されているのですが、そのキャラクターがキャストに合っていて、ちらほら顔が思い浮かぶ。どうなるのか知りたくて読む手が止められない話でした。次回作も楽しみです!

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    2026年03月15日
  • 盤上の向日葵(上)

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    ネタバレ

    平成6年師走に行われる竜昇戦に挑むのは、東大卒から経営者を経てプロとなった異色の棋士・上条桂介。しかし、序盤早々に、彼がある殺人事件の容疑者で、石破・佐野の刑事コンビに追われていることが明かされる。

    時は変わって昭和46年、教師を引退して穏やかな生活を送る唐沢は、母を亡くし、父から育児放棄のような扱いを受けて新聞配達をする少年・桂介に出会う。桂介は将棋が好きで、その才能を見抜いた唐沢は、桂介をプロにすべく父親に掛け合うも却下される。その後成長した佳介は、東大に合格し東京へと旅立つ。

    白骨化した遺体の側から出てきた600万円相当の高級な将棋の駒を手がかりに、事件を追う刑事のストーリーと、上条

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    2026年03月15日
  • 盤上の向日葵(下)

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    ネタバレ

    大学進学を期に東京に出た上条は、賭け将棋の真剣師、東明に出会い、その将棋に圧倒される。東明が東北で行う真剣に同行することになった上条だが、賭け金のない東明は、上条の駒を勝手に担保にして掛け金を用意した挙句、勝った後に忽然と姿を消したー。


    ストーリーとしては、上巻の続きで駒の行方を追う石破、佐野と、プロへの道を諦めた後も将棋に人生を翻弄される上条の姿が描かれる。遺体は父親か、あるいは駒を売った東明への復讐かと予想したが、自ら最期を選んだ東明へのはなむけの駒だったとわかり、駒を入れた理由も含め納得できた。警察と上条の接触シーンはなく、佐野が元奨励会員ということで何か重要なシーンで絡みがあると思

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    2026年03月15日
  • 凶犬の眼

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    ネタバレ

    呉原抗争、大上の死を経て山奥の駐在所に飛ばされた日岡。管轄区内のゴルフ場建設地に、敵対関係にある明石組のトップを殺害して指名手配されている、心和会の国光が潜伏していることを知る。国光は、まだやり残したことがある、終われば必ず日岡に手錠をかけさせる、と言い、それを飲んで様子を見ることにした日岡だが、明石組による心和会への報復が激化していく。

    国光を捕らえて本部に返り咲きたい日岡の葛藤もわかり、仮にも殺人を指揮した国光を信用できるのか?という気持ちもあって読み進めたが、きっちりと筋を通し、また舎弟思いである国光の姿に、どんどん魅力を感じていった。立て籠ってまで日岡との約束を果たし、兄弟の誓いを交

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    2026年03月15日
  • 検事の信義

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    ネタバレ

    シリーズ4作目となり、面白さとしては落ち着いていくかと思っていたが、練られたストーリーの短編が4作揃い、少し期待はずれだった前作よりも良かった。

    タイトルの通り、検事・佐方の「まっとうに罪を裁かせる」という信義が各短編で出てきて、今回の軸となっていた。その信義が揺るぎかねないような難しい局面というのは、得てして検察内の忖度であったり便宜であったりと、身内に都合の悪いケースが多く、事件としても人間関係が絡んで複雑になりやすいからこそ、一癖ある、読んでいて面白い作品が揃ったのかなと感じた。

    佐方との直接の絡みはないものの、「孤狼の血」シリーズの日岡が出てくるシーンもあり、今後シリーズを超えたタ

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    2026年03月15日
  • 教誨

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    どの様な国のどの様な地方のどの親の下に生まれるか、人はその時点で大きなスタートラインの不条理に巻き込まれている。
    幸福を求めてどうあがいても運命から逃れることができない、そのような人は多いのかもしれない。
    妻と子と観葉植物と(今は亡き)愛犬に囲まれた自分を本当に幸福だと思わせる一冊。
    このような悲しいことが少しでもなくなるよう、祈らずにはおれません。
    (この物語はフィクションですが、あとがきでノンフィクション作家さんの解説があります。)

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    2026年03月15日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    どこまでも悲しい話でした。プロローグで、辿る運命はわかっていたのですが、なんとか幸せになれないか、祈るような気持ちでページを巡り続けました。

    震災の描写もリアリティーがあり、それゆえに、とても入り込んで読んでしまいます。

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    2026年03月14日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    運のいい人と悪い人の違いは何なんだろう。自分の意思ではどうにもできないことに運や運命、見えない力が働くとしたら、結果に違いが出るのはどうしてなんだろう。こんなに不運な人っているのかな?と思う主人公に同情をしないわけではないけど、これ以外の結末であってはいけないような気がする。

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    2026年03月14日
  • 盤上の向日葵(下)

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    最初、将棋の話読みにくいなあ、、と思いながら
    最後まで詳しい話は分からずちょっと飛ばしてしまった部分もあったけど
    話の大筋は面白かった!
    生まれる家は選べないし、血縁って大変、、と思うと同時に
    自分の努力で夢を掴む姿に胸を打たれた

    東明との最後まで不思議な関係に引き込まれた
    将棋の世界や仁義を垣間見た気持ち

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    2026年03月14日
  • 風に立つ

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    南部鉄器の職人で工房の親方でもある父、孝雄が、保護観察処分の少年を預かるボランティアをすると言う。初めにやってきたのは16歳の春斗。
    何も相談されなかったと悟は憤るが、工房の面々と春斗の心配をしているうちに、自分と父、そして父の身心の変容に気づいてくる。
    終盤、春斗の父や孝雄の、幼少期の辛い思いと幼い頃に知った世の中の理不尽さが語られるところは、人それぞれの捉え方があると思うが、この本のタイトルが腑に落ちる。
    誰にでも、風に立ち向かう瞬間はあると思うが、立ち向かい続ける強さはまた別物かもしれない。
    春斗の変容が急展開し過ぎる感じもあったが、子どもは、あっという間に成長するから、、、
    孝雄の「幸

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    2026年03月14日
  • 検事の死命

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    父親の13回忌で明かされた真実
    届かない手紙の真相
    そして…痴漢を働いた会社員の裁判

    この裁判はほんとにスカッとする読みごたえ抜群な内容

    佐方検事が時折みせるクッと鋭い眼光が地雷を踏んでしまった瞬間なんだろうな〜と想像してみる

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    2026年03月12日