柚月裕子のレビュー一覧
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作者の柚月さんは先の震災でご両親を亡くされました。それを踏まえてこの作品のインタビュー記事がありますので、ぜひ参考になさってください。
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『東日本大震災のあの日で止まったままの時があり、一方で、またそこから流れ始めた時もある。そんな〈ふたつの時間とふたりの自分〉を生きてきた気がします。震災の体験をもとに、作家として今の自分に何が書き残せるのだろうかとの思いが常にありました』
自身も震災による津波で、実家の両親を喪った柚月裕子さん。あの日の痛みと真摯に向き合 -
Posted by ブクログ
ナツイチのしおりを手に入れたくてあと一冊どうしよう…と迷っていたところ目に入ったので購入した。社会派ミステリーは普段あまり読まないので正直読み終えられるか心配だったけど、中盤から一気に読んでしまった!
主人公視点の四国でのお遍路が主なシーンで、そこに主人公の過去とか事件の進展が挿入されるのでちょうどよくシーンが切り替わって読みやすかった。感情のわずかな動きだけでなく、四国の景色とか空気感も感じ取れる繊細な文章だった。後者に関しては私が四国に行ったことがあるからかもしれないけど。
普段本格派もしくは新本格派ミステリーばかり読んでいるので、ラストはちょっと物足りなさを感じてしまった。
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Posted by ブクログ
上下巻まとめて
関東の山中から白骨死体が発見される。白骨死体は将棋の駒を抱えていた。
白骨死体は誰なのか、誰が何を目的として遺体を埋め、駒と一緒に葬ったのか。
上条桂介のパートと、刑事の駒の持ち主をあぶり出すパートで構成
将棋は詳しくないので読み飛ばしてしまったが。
上条桂介にとって、死が身近な日常の中で、幼少期に出会った唐沢さんの存在は生きる意味を教えてくれるものであり。
大学時代に出会ってしまった東明には、どれだけ恨みを抱えても、畏怖を抱いている。
将棋を介して出会い多大な影響を与えた二人。桂介の人生に大きな影響を与えていく。
もし駒を一緒に埋葬しなければ。警察は真相にはたどり着 -
Posted by ブクログ
柚月裕子『合理的にあり得ない 2 上水流涼子の究明』講談社文庫。
シリーズ第2弾。3編収録の連作短編集。勿論、既読であるが、シリーズの第1弾は5年前に文庫が刊行されている。
不祥事で弁護士資格を失った上水流涼子が『殺しと傷害以外はどんな依頼も引き受ける』をモットーに、IQ140でめちゃくちゃアタマのキレる貴山伸彦をアシスタントにして運営する探偵エージェンシーに舞い込む、様々な『あり得ない』依頼を解決する。
収録された3編で上水流涼子と貴山伸彦が手にした報酬は最初の短編で得た手付金の100万円のみ。後は持ち込まれた『あり得ない』事案を解決出来なかったり、無料で『あり得ない』事案を引き受けた -
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第2弾!
もう、天海祐希さんしか思い浮かべられない…
上水流エージェンシー!
名前はカッコええけど、まぁ、何でも屋さん。
話3つ!
「物理的にあり得ない」
こんなんで稼げるんや!
国際的に、取ったらあかん動物の取引き!
要は密輸…
「倫理的にあり得ない」
そんな…
旦那に他所で作ってしまった子を!
更に取り返すって…
涼子は腕を組んで、うえを仰いだ。今回の依頼は失敗だ。五百万円は喉から手が出るほど欲しいが、ひとりの少年の一生に比べたら安いものだ。まして、そんなことをしてこれからずっと、わずかに残っている良心を責め続けるのも嫌だ。金ならまた稼げばいい。
あっ!ネコちゃんも社員になった♡