柚月裕子のレビュー一覧

  • 逃亡者は北へ向かう

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    東日本大震災の混乱の中、不運が重なり二人を殺してしまった男が、入院している親のいる病院を目指して北へ逃亡する物語。

    犯罪者というと極悪人を想像してしまうが、主人公の背景を知るにつれて「一歩間違えれば自分も同じ立場になっていたかもしれない」と考えさせられる。震災という極限状態の中で、選択することの重さが印象に残った。

    ハッピーエンドとは言えない結末だが、読み終えた後はどこか心が温まる作品だった。

    一方で、直人くんがなぜ犯人にあそこまで懐いていたのかは、犯人の心の中にある善良さを見抜いたのか?最後まで自分の中でうまく腑に落ちなかった。その点は少し気になった。

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    2026年03月06日
  • 最後の証人

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    ネタバレ

    読みたかった佐方貞人シリーズの1作目。
    公判3日目で明かされる被告人で事件の根幹が逆転するのが面白かった。
    自分の命と引き換えの復讐が暴かれてしまった時の犯人の気持ちを思うと辛かった。
    「罪は代替できるものじゃない。その人間が犯した罪で裁かれなければ意味がない」というセリフがとても印象的だった。

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    2026年03月04日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    生まれつき不幸な身の上に育った人生。幸せに育っても一瞬の津波で絶たれる人生。比較するものではないが、考えさせられた。
    前者は不幸な身の上でも投げ出さす、自分を律していけば戻れると思う。小さな幸せを見つけて欲しい。

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    2026年03月02日
  • 教誨

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    とても切ない話でした。

    自分の娘も含め二人の幼女を殺害した響子。
    吉沢香純は響子とは遠縁の関係から死刑となった響子の遺骨と遺品を受け取る事となった。
    幼少期に親戚の法事で一度だけ響子と会った香純。
    その記憶から世間のイメージとは重なり合わない。
    そして響子の言葉『約束は守ったよ。』の理由と共に本当の響子を調べ始めた。

    日本の村社会という閉鎖的な世界で人間がここまで追い詰められるという事が上手に描かれています。
    暴力的な父以上に母親の影響が大きいと感じます。

    救いだったのは職場だったママ。唯一の理解者でしたが人間はここまで壊れると出会いで運命を変えるのは難しいです。

    柚月さんの作品は地味

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    2026年03月02日
  • 教誨

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    良くできた小説。実娘を含む幼女2名を殺害、死刑となり遺骨引取の連絡が来た遠い親戚の主人公。過去一度だけ会った死刑囚の女のイメージがあまりに殺人者から遠く、その故郷で彼女の真の姿を追う。
    死刑囚の人生は酷く、田舎ならではの閉塞感もリアル。時々挿入される死刑囚の拘置所からの語りも絶妙であり、最後まで飽きずに読めた。
    これ秋田の畠山鈴香の事件をモチーフにしてると思うが、違うのかな?

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    2026年03月01日
  • 教誨

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    まず読んで感じたのは早見和真作品のイノセント・デイズでした、同じく哀しい死刑囚の物語。
    育ちの環境で人間は変わる。
    とは言え本作品の主人公はあまりにも哀しい、ラストシーンで真実が解って、さらに哀しみが増す。
    響子が人生で楽しいと感じた瞬間があったのだろうか…と同情してしまう内容ですが犯した罪は決して許される内容では無いが響子という人を作ってしまったのは周りの外部環境ではないか、その環境から抜け出せない本人が悪いと厳しい方は感じるかも知れないが抜け出せない程の環境だから響子という人間ができでしまい事件が起きてしまったコトがとても哀しい…
    追記
    読後思うのは、この響子という女性は心も身体も壊れてい

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    2026年03月01日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    ネタバレ

    不穏なタイトルと表紙。
    生まれ育ちが不幸づいてる男が大震災後すぐ、運悪く殺人犯になってしまい、たまたま出会った子どもを連れて逃亡する話。

    と書くと軽すぎるな…

    生まれや育つ環境は子どもにはどうしようもないことで、成功談は目立つのでよく目にするけど実際は抜け出そうとしてもそう簡単でない話の方が多いんだろうなと思った。
    大人しくしててもうまくいかず悪い方へ悪い方へ。。

    冒頭で結末はわかるものの、先が気になって読みふけってしまった。
    読後すぐは救いようがないなと思ったけど、ろくでもないと思ってた親は本当にろくでもないことが多いだろうし、まだ救いはあったのかな。
    でもずーんとした気持ち。震災のこ

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    2026年02月28日
  • 盤上の向日葵(下)

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    ネタバレ

    最後の向日葵と雪の描写にグッと来るものがあって良かった。前半では伏せられていた人物の生い立ちから最期まで

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    2026年02月27日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    人気の本だったので、読んでみた。

    東日本大震災前後に、罪を犯して逃亡した犯人のこれまでの人生や、捜査する警察官の人生などが語られていく。

    かなり分厚くて、そこそこ読むのに時間がかかったが、同じ話を立場を変えて語っていたりして、それほどの内容はないかと思った。
    犯人は恵まれない境遇とは言え、そんなに急に犯罪者になるものか?と思った。
    震災後の混乱の様子はリアリティがあったし、急に家族を亡くした遺族の苦しさは身に迫るものがあった。

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    2026年02月26日
  • あしたの君へ

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    望月大地が家庭裁判所調査官補として担当した案件を題材にした短編集。
    世間的大事件ではなく個人的な感じの話だけど、あることは知ってても内容を知らないことに触れられてよかった。もっと大きな事件に対して、他人にとってはささいなともいえる事が重要となってくることがわかってよい。家庭裁判所が扱う案件に対する知識もなかったが、ここで扱われるような悩みや問題が題材として面白かった。

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    2026年02月26日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    ネタバレ

    何をやっても上手くいかない。自分ではどうしようもないことで、犯罪者になって逃げる。自分は生まれて良かったのか。自分を捨てた父に会うために、震災直後の状況で逃亡しながら探す。

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    2026年02月25日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    作者は岩手のご出身で震災被害の当事者とのこと。覚悟の作品である。
    北へ向かう真柴亮。彼を追う刑事陣内。陣内は自らが被災し娘を亡くしており、そのために家族との関係が崩れかけている。
    亮は愛情を受けることなく、幸せの記憶のないまま、生きる以上のことを望まない人生を生きてきた。彼の選択は、ことごとく彼の望まない方へ繋がり、彼を二度と戻れない道へと導く。追い詰められた彼が、その道を選んだのは自分だと思い至り、罪悪感を抱くのが辛い。両親の思いを知ることができたのはよかったけれど、その意味を考える時間が必要だったはずなのに。
    津波の被害で失われた人と生活、被災時の人々の状況、一方で家族を失わなかった人にも

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    2026年02月24日
  • 教誨

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    読み終わった後、なんとも言えない気持ちになります…。
    柚月裕子作品としては珍しいジャンルだなと思いました。

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    2026年02月22日
  • ミカエルの鼓動

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    医療のあり方、命の意味、そして医師の正義をめぐる重厚な物語。
    2人の医師の正義が激突する心臓病の子供の手術の場面は圧巻。
    題名のミカエルとは悪魔と戦う天使の意味があり、物語に出てくる最先端の医療用ロボットの名前がミカエル。最先端医療は人を救う天使か?考えさせられる。

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    2026年02月20日
  • 検事の本懐

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    人間という人を見ている素晴らしい視点を持つ検事、佐方がとても魅力的に描かれており、どのストーリーも面白かった。佐方の父の話はなんとなくこうだろうなぁと想像できるものではあったけれど…

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    2026年02月20日
  • 暴虎の牙 上

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    「孤狼の血」シリーズ完結

    ガミさんが帰ってきた!
    「孤狼の血」前日譚といったところでしょうか。


    ガミさんがまだ30代半ば、この頃から既に血気盛んで
    安定の単独行動、やり口も無茶苦茶な暴対(笑)

    妻子を亡くした経緯、五十子会との因縁関係も分かってきた。
    堅気には手を出さない、外道は極道だろうが、チンピラだろうが容赦しない信念のもと現れた獣「沖虎彦」
    ガミさんとの対決はどうなる?!


    ガミさんのトレードマークでもあるパナマ帽のエピソードから、胸熱。


    ページ数少なめなのもあるけれど、1日で読んじゃった。
    ただ上巻では日岡が出てこんかった、残念。

    さて
    ここで恒例の(いつそうなった?w

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    2026年02月19日
  • 盤上の向日葵(下)

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    上条佳介と刑事コンビのストーリーが上巻で交互に展開されたのち、下巻では徐々にそのストーリーが時系列的にも捜査の進捗的にも近づいていく緊張感は読みごたえがありました。将棋の試合展開は素通りでも将棋の厳しさは理解することが出来ました。作者の取材力もすごいなと感じました。

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    2026年02月19日
  • 慈雨

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    久しぶりにおもしろいものを読んだ。ただ警察ものというよりは、ヒューマンドラマ✕ミステリーという感じかな。読みながら、映画のような映像が思い浮かんでいました。

    良かったです。

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    2026年02月19日
  • あしたの君へ

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    ネタバレ

    人生経験や実務経験の少ない主人公の大地が一つ一つの案件に葛藤しながらもクリアしていくストーリー。
    重くなりがちなテーマだが大地というキャラクターのフィルターを通す事によって客観的に見る事が出来る。問題を抱えた家事事案で一番影響を受けるのはどうしても子ども達。
    この子達の未来が少しでも明るく希望を見出せるようにと願わずにはいられない。
    最終話の悠真は結局最後の調停前に大地とはお別れだっのかな?!(そうだったとしたらお役所仕事、融通効かんなぁ…。)

    タゴールの人生航路の詩の引用は、ちょっと調子よく解釈し過ぎなような気がするなぁ。
    どちらかがどうと結論づける調停と言う場では、救い上げられるのはどち

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    2026年02月19日
  • 最後の証人

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    途中で犯罪の構図と背景は察することは出来たけど、そこに至る登場人物の心理描写は圧巻。サクサク一気に読み進められた。悲しくもどかしい気持ちもあり、終わり方も切ない。とても面白い一冊でした。

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    2026年02月19日