柚月裕子のレビュー一覧
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ネタバレ上下巻2冊。
『盤上の向日葵』は、2019年にBSでドラマ化され、今年の10月31日より、坂口健太郎、渡辺謙の主演で映画化されるのも楽しみだ。
物語は簡単に言えば、将棋の駒を抱いたままの白骨が見つかり、その殺人事件を刑事が解決していくストーリーではあるが、そこには平行して謎のプロ棋士・上条桂介の半生、『棋士』になるための苦労や、さまざまな将棋界の掟などが描かれている。
もちろん将棋界を知らなくても十分面白いが、知っている人はより一層面白いのかな。
長編ゆえ、主人公のプロ棋士・上条桂介(映画では坂口健太郎)の生い立ちから始まり、酒浸りの父親からの暴力に耐えながら新聞配達をし、生計を立て、将 -
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ネタバレ柚月裕子さんの小説が面白かったので、人となりが知りたくなりエッセイに手をのばした。
「祭りのひよこ」
自分が駄々をこねて飼い始めたひよこの最期をみさせた母の強い意志、その迫力は読み手にも伝わってくる。
「記憶は死なない」
父の書棚から取り出して読んだ「樅ノ木は残った」
津波で両親が亡くなって本が流されても手ざわりも父の記憶もなくなることはない。そう言い切れるまでどれほどの涙が流れたのだろう。
黒板五郎の「遺言」
「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。
謙虚に、つつましく生きろ。」
柚月裕子さんも『北の国から』が好きだったなんて嬉しい!
「母のぬくもりと」
一緒に布団に入った時のぬくもりと絵本を読 -
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『朽ちないサクラ』の余韻が消えないうちに森口泉に会いにいく!続編は前作よりもさらに面白さが増していた。警察広報課職員だった森口泉は、ある上司の強い引きで刑事になって、捜査支援分析センターに入る。
泉の映像化できる記憶力と物怖じしない性格と強い信念が事件の真相を暴いていく。
かなり危ない橋を渡る泉。泉の蛮勇がチームの絆をさらに強くする。
かなりハラハラドキドキした。主人公だから大丈夫と思っても、かなり心臓が縮んだ。
泉たちが傷みの中でたどり着いた場所は、警察、公安の闇の中で仄かに光る。
サクラシリーズ二編を読んですっかり柚月裕子さんねファンになった。
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ネタバレ面白い。
評価が高いのでずっと読みたいと思いながら、ヤクザ物ということで後回しになっていた作品。納得の面白さ。
終盤の怒涛の展開は一気読みだし、ガミさん大好きになっちゃう。もちろん日岡も。
ガミさんがどういうやりとりをして殺されちゃったのか、とか詳しく知りたくなるけど、日岡視点ですもんね。詳細にそこを書かないからより良く思えるのかもしれない。謎があった方が魅力的など。
葬儀に来たカツさんのやりとりが良い。
女性作家がこれを書いたというのは驚くのだけど、暴力描写や性描写があまりないのはやはり女性だからなのかとも思いました。
次作読みたいけど、日岡は大上を越えられるのか? そこも読み所なのでしょう