柚月裕子のレビュー一覧
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ネタバレ山中での殺人シーンから始まり、凶暴な愚連隊である沖虎彦と、そこに近づいていく刑事・大上の様子が丁寧に描かれている。極道だった父を憎む気持ちから、極道を目の敵にする沖と、その気持ちを利用して五十子会を弱体化させたいと考える大上、という構図を明確にするところまでがこの上巻だが、これまでには明らかになっていなかった大上の妻子の死の真相などもわかり、シリーズものの一部としての役割もしっかりと果たされている。大上と沖の関係性がどうなるのか、ときが変わって平成の日岡との出会いはあるのか、沖の行く末は、など、楽しみな要素が沢山あるので、引き続き読み進めたい。
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ネタバレ極道との抗争に向け過激さが増していく、沖率いる呉寅会と、その行く先々に現れる大上。血で血を洗う抗争の描写は、文字で追うだけでも苦しくなるようなものもあったが、なかなか手を止めることのできない展開に、気づいたらのめり込んでいた。
そして、全面抗争となる前に逮捕された沖が20年ぶりに釈放されると、大上の後釜として貫禄のついた日岡が待っていた。広島を統一するというかつての夢に縋り、仲間を再び集める沖だが、勢いとは裏腹に空回りする。そして、思いがけない最期。出所後の沖がどこまでいくのか、という期待も最初は持っていただけに、やるせない複雑な気持ちにさせられた。ラストの盛り上がりという意味では少し物足り -
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真剣師として生涯を送った重慶の人間としてのクズさと、将棋の前での凄みが違いすぎ。下巻は上条青年の半生が主点なので、上巻よりも入れ替わりがないためじっくり読める。
上条青年の大学時代が結構無味乾燥な気がして切ない。親身になってくれる友人や恋人があれば、、、。どこまでも孤独な青年が自分を顧みて自愛できる瞬間があったら、、、。
将棋なことはさっぱりわからないものの、勝負の息詰まるような緊迫感や時間や体力を見越す駆け引きがすごくおもしろかった。
読み終わってから気づいたんだけど、これ構成が将棋と同じだわ。一手一手を指すように、交互に話が進んでたんや。最後の詰めまで。これは、、、すごいなー。
そして -
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プロローグの天童市で行われるタイトル戦最終日で対戦する2人のエピソードをさらっと説明して、からの犯人宣言。
そこからは刑事と少年の視点が入れ替わる形で話が交互に進む。上条少年の生い立ちがグッとくる場面が多く、刑事視点になるたびに早く続きが読みたくてどんどんページが進む。
上巻の刑事パートは地道な捜査が軸なので、移動距離は半端ないもののおっさん2人がひたすら駒を巡る捜査を行う。ここのパートは割とリアルな感じがする。
長野県諏訪市を舞台にした上条少年パートでは、観光地としても有名そうな温泉や、名物の料理なんかをちらちら見せつつ過酷な環境で生活をせざるを得ない少年をめぐって大人たちが奮闘するシーンが -
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とても切ない話でした。
自分の娘も含め二人の幼女を殺害した響子。
吉沢香純は響子とは遠縁の関係から死刑となった響子の遺骨と遺品を受け取る事となった。
幼少期に親戚の法事で一度だけ響子と会った香純。
その記憶から世間のイメージとは重なり合わない。
そして響子の言葉『約束は守ったよ。』の理由と共に本当の響子を調べ始めた。
日本の村社会という閉鎖的な世界で人間がここまで追い詰められるという事が上手に描かれています。
暴力的な父以上に母親の影響が大きいと感じます。
救いだったのは職場だったママ。唯一の理解者でしたが人間はここまで壊れると出会いで運命を変えるのは難しいです。
柚月さんの作品は地味 -
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まず読んで感じたのは早見和真作品のイノセント・デイズでした、同じく哀しい死刑囚の物語。
育ちの環境で人間は変わる。
とは言え本作品の主人公はあまりにも哀しい、ラストシーンで真実が解って、さらに哀しみが増す。
響子が人生で楽しいと感じた瞬間があったのだろうか…と同情してしまう内容ですが犯した罪は決して許される内容では無いが響子という人を作ってしまったのは周りの外部環境ではないか、その環境から抜け出せない本人が悪いと厳しい方は感じるかも知れないが抜け出せない程の環境だから響子という人間ができでしまい事件が起きてしまったコトがとても哀しい…
追記
読後思うのは、この響子という女性は心も身体も壊れてい -
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「孤狼の血」シリーズ完結
ガミさんが帰ってきた!
「孤狼の血」前日譚といったところでしょうか。
ガミさんがまだ30代半ば、この頃から既に血気盛んで
安定の単独行動、やり口も無茶苦茶な暴対(笑)
妻子を亡くした経緯、五十子会との因縁関係も分かってきた。
堅気には手を出さない、外道は極道だろうが、チンピラだろうが容赦しない信念のもと現れた獣「沖虎彦」
ガミさんとの対決はどうなる?!
ガミさんのトレードマークでもあるパナマ帽のエピソードから、胸熱。
ページ数少なめなのもあるけれど、1日で読んじゃった。
ただ上巻では日岡が出てこんかった、残念。
さて
ここで恒例の(いつそうなった?w -
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ネタバレ人生経験や実務経験の少ない主人公の大地が一つ一つの案件に葛藤しながらもクリアしていくストーリー。
重くなりがちなテーマだが大地というキャラクターのフィルターを通す事によって客観的に見る事が出来る。問題を抱えた家事事案で一番影響を受けるのはどうしても子ども達。
この子達の未来が少しでも明るく希望を見出せるようにと願わずにはいられない。
最終話の悠真は結局最後の調停前に大地とはお別れだっのかな?!(そうだったとしたらお役所仕事、融通効かんなぁ…。)
タゴールの人生航路の詩の引用は、ちょっと調子よく解釈し過ぎなような気がするなぁ。
どちらかがどうと結論づける調停と言う場では、救い上げられるのはどち