柚月裕子のレビュー一覧

  • 盤上の向日葵(上)
    取り敢えず上巻を読んでの感想。
    事件の真相を追う刑事のストーリーと、恐らく犯人になるであろう人物周辺のストーリーとが交互に描かれていて、この手のタイプは読みづらい事が多いのだけど、とても読みやすかった。
    そして、何より面白い。次が気になってスイスイ読めた。
    若き天才と奨励会を通さずプロになった奇才?...続きを読む
  • あしたの君へ
    若手職員の奮闘ぶりがフレッシュで微笑ましいストーリー。自分の若手時代はどんな感じだったのか、今となっては思い出せないくらい年月が経ってしまったことに唖然となる。
  • 慈雨
    刑事として人生を懸けてきたからこその宿命というか呪いのようにも感じる「正義」を貫く姿勢に、一切のブレが無いのが良かった。ただ、出てくる人たち全員がそんな感じの人ばかりだから、読んでいて少し疲れてしまった…(あまりにも眩しい光を見てるような感じ…)

    途中から話の構成や結末がある程度予想できてしまうの...続きを読む
  • 暴虎の牙 下
    まさに暴虎の牙である沖虎彦。

    読み終わったときは、何故かポッカリ心に穴が空いたような虚しさが漂った。

    ガミさんの意志を継いだ日岡の活躍がもっと見たかった感はあったが、ガミさんとまではいかないものの、ガミさんのように変貌した姿が垣間見れたのは、頼もしかった。

    それにしても、この男臭い世界を女性の...続きを読む
  • 孤狼の血
    こりゃ柚月ワールドにしても大作だわ。大上が役所広司っていうのは、原作で抱いたイメージと差があって、うーんという感じもするけど。Netflix見たけど、原作→映画ってあんなもんかねえ。原作見てないと話の展開についていけないわ。ワシは。見てるからシーンの意味がわかって。豚のフンが大上の胃の内容物から出て...続きを読む
  • 暴虎の牙 上
    やっと手にした孤狼の血シリーズ!!!

    相変わらずのガミさん節が懐かしい。
    サングラスに煙草を燻らす姿が目に浮かぶ。パナマ帽にこのような由来があったとは…。

    虎ちゃん…沖は…
    敵なのか味方なのか。

    一之瀬も相変わらず格好いい。

    下巻が楽しみ。
  • 盤上の向日葵(上)
    柚月裕子さんの評判だけは各所で耳にしていて、いつか読もうと思っていた作品

    まだ上巻だけなので評価は期待を込めて☆4つ

    とあるところで見つかった白骨死体とともに埋められていた将棋駒、それは世に7つしかないと言われる名匠のもの
    その将棋駒を追う、元奨励会の棋士だった若手の刑事とベテラン刑事
    その二人...続きを読む
  • 凶犬の眼
    序盤の静から、中盤にかけて徐々に動へと物語が進み、一気に盛り上がる 後半は次作への布石って感じだったなぁ
    一作目とは全く異なる印象だが、明らかに日岡の物語
    三部作なので、前作読んでから必ず読むべき作品
  • 孤狼の血
    ストーリー自体は意外と淡々と進む印象で、どんでん返しのような大きな波は無いが(先に映画を見たせいかもしれないが)、登場人物の魅力が溢れて止まない展開が最高だった。映画よりも原作の方が好きだと思った。
  • 検事の死命
    佐方貞人シリーズの第三弾。
    痴漢の容疑者として逮捕された会社員の武本は県内有数の資産家一族の婿で、容疑を否認していた。担当を任された佐方に対して、上司や国会議員から不起訴にするよう圧力がかかるが、佐方は覚悟を決めて起訴に踏み切る。

    前半は佐方と事務官増田の目線で、後半は弁護人井原の視点中心に描かれ...続きを読む
  • ウツボカズラの甘い息
    『狐狼の血』がおもしろかったので他の作品も、と。設定はよくあるミステリー系、「解離性障害」という主人公の別人格が犯人?というミスリードを誘う流れ。え、結局主人公が二重人格なの、別の人間なの、というのが最後の方までわからない描き方はさすがです。
  • 検事の本懐
    ひとつ1つの短編がよくまとまっていて、面白かった。一番初めの短編が特に良かった。
    ただ、シリーズ前作の最後の証人があまりにも好みだったので、少しこちらの方が物足りなさを感じた。
  • ウツボカズラの甘い息
    昔は美人だった。

    結婚して束縛の強い夫の影響でぶくぶく太り、昔の見る影もなくなった。
    懸賞の応募が唯一の楽しみ。

    懸賞で当選した人気歌手のディナーショーで昔の同級生に偶然会い、声をかけられる。

    その同級生のことはあまり覚えていないが、向こうは自分のことをよく覚えている。

    そして誘われるビジネ...続きを読む
  • 検事の信義
    佐方検事の組織の論理に流されず、また感じた違和感を放置せずに納得するまで真実を追求するスタンスはまさにタイトル通りの信義に溢れています。
    一方で増田事務官の自分の考えは完全に封印して検事の指示に盲目的に従うスタンスは、相手が佐方さんだから良いものの一歩間違えば組織犯罪を引き起こしかねない危険なものな...続きを読む
  • 最後の証人
    法廷もの

    元検事の弁護士、佐方
    息子を交通事故で亡くした夫婦
    地元の建設業社長

    交通事故という事件を発端に食い違う証言にもやもやした気持ちだったけど「あ、そういうことか」と何度も驚かされるストーリー

    法律は弱者を守るものじゃなくて、強いものを救うものなのかと、、
    強いものに巻かれず正義を貫ける...続きを読む
  • 凶犬の眼
    「孤狼の血」の続編。

    先輩刑事、大上(おおがみ)亡き後、日岡は広島県北の山間部にある駐在所に勤務していた。
    特に大きな事件が起こることもない平穏な田舎だったが、ゴルフ場建設現場に指名手配中の超大物ヤクザ、国光が潜伏していることを知る。
    大上が亡くなった暴力団抗争の首謀者とされる国光は、日岡に自らの...続きを読む
  • 朽ちないサクラ
    柚木裕子さんの警察物の作品。
    「盤上の向日葵」「孤狼の血」シリーズが最高によかったのでこちらの作品も購読。

    ストーカー殺人事件から、新聞社へのリークからのマスコミ報道、そこに主人公泉の友人千佳の存在、そして千佳の死。
    その死の疑惑から泉は真相を得る為に独自に調査に乗り出す。
    この辺りまでの序盤の展...続きを読む
  • 検事の信義
    佐方貞人シリーズもこれで4作目。常に期待を裏切らない柚月さんの作品。短編集ですが、特に4話目の介護していた母を殺害してしまう作品は、高齢化や介護、認知症など日本がこれから更に抱えていくであろう問題を考えさせられる内容でした。
  • 最後の証人
    同郷の方で長らく気になってはいたのですがなかなか読めずじまい。最近法廷モノの作品を読んだこともあり、裁判つながりでこの作品から読み始めてみました。

    佐方貞人シリーズと呼ばれる作品の第一話目です。主人公は、弁護士という格式高い職業とは対照的に、見た目はズボらでやる気も無さそうに見えるタイプです。しか...続きを読む
  • 最後の証人
    飲酒運転による交通事故で子供を亡くした夫婦が、権力者ゆえに真っ当に裁かれなかった犯人に復讐する話。
    はじめのプロローグゆえにミスリードさせる手法で、途中で展開の曖昧さゆえにどんでん返しに気づいたが、気づかなければ、きづかなかったで、あっと言う手法。
    回想と裁判場面を行ったり来たりする描き方で、登場人...続きを読む