感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年09月23日
臨床心理士・佐久間美帆が担当した青年・藤木司は、人の感情が色でわかる「共感覚」を持っていた……。美帆は友人の警察官と共に、少女の死の真相に迫る!
共感覚で、人の気持ちがわかってしまい、嘘を見抜いてしまう司。このような能力を持っていたら、すごい生きづらい世の中になってしまうだろう。ただ、今回のよう...続きを読むに捜査に限って言えば有用かもしれないが。
障害者を使った性犯罪や心理士による障害認定の詐称といったことが背景にあるのは勉強になった。被害者が声を上げにくいからこその醜く卑劣な犯罪である。現実でも知らない間に起きてそうな背景も読み応えがあった。
また、司の能力自体も感性や直感が鋭いだけなのではないか、という問いかけもなされており視点の違いも面白かった。
Posted by ブクログ 2023年03月15日
柚月裕子のデビュー作、フィクションなんかと思って読まずにいたけど読んでみたらフィクションじゃないし!最初から最後まで面白い、面白くないシーンない、なんでだろう人間の心を描いてるからかな
最後の生々しいシーンは具体的すぎて本当に気持ち悪かったけども、あーやってはっきりくっきり表現することによってただ字...続きを読むを追っているだけなのに緊張感と臨場感が素晴らしく感じられた。すごいな。
最後の展開にびっくり、安藤かと思ったら西澤出てきて、そうかと思ったら黒幕は高城、味方だったやつが黒幕なんてありがちな展開なのに、ちゃんと面白い。
読む手が止まらなくて久しぶりにほんとに楽しかった。
Posted by ブクログ 2023年02月08日
まさか?の真実でかなり引き込まれました。
障害者施設が舞台となっていて、ちょっと重い話かと思いましたが、ミステリー要素たっぷりでどんどん読み進めていきました。
共感覚の持ち主が、事件解決のヒントを持っている。そして友人を助けたい刑事。
なんかいいコンビでした。
ぜひ他の作品も読んでみたいです。
Posted by ブクログ 2022年07月22日
美帆が深入りしていくのにハラハラさせられた。
言葉だけでは嘘か本当かわからない。特殊な能力の発想でストーリーの展開がわかりやすかった。
当分人間不信になりそう
でも、面白かった。
Posted by ブクログ 2022年07月02日
これがデビュー作とはおもえないほど、のちの彼女の作品のスタイルが出来あがっている そして描写が容赦ない 今年に入って読書を再開して、ほかの作家の本も読んだが、いまは彼女の文章がいちばん好きだ ストレスなく入ってくる
Posted by ブクログ 2022年12月21日
犯人はわかりやすいが、事件の背景はよくできていた。障害者福祉の闇がフィクションでありながらよくかけていたと思う。現実的にあってはならないことであるのは間違いない
Posted by ブクログ 2024年02月21日
とても面白かったのですが、生々し過ぎて頻繁には読めないタイプの小説だと思いました。
影響を受けやすいので、夢に出てきてしまう⋯。そのくらい表現が上手いという意味です。
Posted by ブクログ 2023年11月06日
柚月裕子さん、デビュー作。臨床心理士の佐久間美帆が、障害者更生施設で起きた死の真相を調べるという、ストーリー。犯人が誰かを知ったときは嘘でしょって感じ。飽きずにさくさく読めた。☺
Posted by ブクログ 2023年10月16日
面白かった
人の心を見る、感じる
簡単ではない
作者はそれを題材にミステリーを書き上げた
真相は、そうなんだと落とし所に作者の素晴らしさを感じた
Posted by ブクログ 2023年06月22日
知的障がい者更生施設に入所していた少女、彩の死を巡り、彩と施設で親しくしていた司と、司を担当する臨床心理士、美帆が、その真相を解き明かそうとするミステリー。
前半、彩の死の原因は施設長が彼女と無理やり関係を持ったのかなどと思ったが、真相はもっとずっと複雑で闇が深かった。途中から一気に引き込まれて読...続きを読むんだ。
人の感情が声の色でわかるという特殊能力(共感覚)というものを初めて知った。
そして、障がい者など社会的弱者の人も声をあげられる、そしてそういう声に皆が耳を傾ける社会の仕組みを作る必要があると改めて感じた。
Posted by ブクログ 2023年02月22日
柚月裕子さんデビュー作品。
きれいな色彩の表紙が気になり手に取った。
「共感覚」を持つ司は、誰にもその能力を信じてもらえず唯一慕ってくれていた彩も失い、孤独にすべての負を抱え込んで生きることを諦めているように感じた。次第に辛くても立ち向かう行動が多くみられるようになったのは、佐久間が司を信じ約束を...続きを読む守る行動を重ねたからだと司の佐久間に対する態度や思いの変化からもわかる。
佐久間は過去からの後悔と司を救いたい一心でどんどん行動していくが、-後先考えない性格なのか- 思考と行動が暴走する場面が多くヒヤヒヤした。元同級生の栗原が冷静かつ強力的でよかった。いいコンビ。
終盤、佐久間の安易な判断により大きな危機が訪れるも、佐久間の患者を思う強い意志と正義感からくる行動があったから真実が解明されたと思う。
事件については、途中まで真相を追ってどんどん深く広がっていくように感じたが、真犯人はもしやという勘が当たって珍しくサラッとわかってしまった。
自分の利益や欲しか考えない残念な大人たちの行動は本当に許せないし、被害者の子供たちを守るには佐久間や看護師:内田のような思いやりある大人が近くにいることって大切だと思う。
Posted by ブクログ 2022年11月28日
柚月裕子さんのデビュー作。話の内容は、中山七里さんの作品にありそう。高城が悪で、内田は悪じゃないというのは予想できたが、別に不快感はなく、読後感は良かった。栗原の協力が凄い、美帆が好きなんだろうけど。やはり柚月さんの作品は読みやすい。
Posted by ブクログ 2022年05月22日
ジャンジャンジャーン ジャンジャンジャ〜〜ン
と、2時間サスペンスドラマを見ているようで
一気に読まされた。
熱くなり回りが見えなくなる主人公を
ちょっと待て、とクールダウンさせてくれる
友人栗原の存在がいい。
デビュー作がこれほどとは
他の作品も推して知るべしだ。
それにしても、
男性作家...続きを読むが書いたような作品である。
Posted by ブクログ 2023年12月02日
柚月裕子のファンとしてはイマイチな気もするが、これがデビュー作だとなれば流石だと思う。
ミステリとしてはどんでん返しまで含めて途中で展開が読めるが、私たち読者がこういう展開の作品に慣れ過ぎて驚かなくなってしまったので仕方ない。「共感覚」という要素を取り入れたことで、読者への新しい知識を提供しながらも...続きを読む多少SF要素が感じられてしまう。
本作はそういうミステリやSF要素はさておき、根底には精神を疾患した社会的弱者への作者の思いが溢れており、それを理解してもらうためにミステリという方法を採用したのではないかとさえ感じさせる。
それにしてもこのクオリティのデビュー作の後、「最後の証人」「検事の本懐」という傑作を生み出す力量は驚くしかない。
現在、最も好きな作家の一人だ。
Posted by ブクログ 2023年11月12日
目の前の問題から目をそらさずに容赦なく描き切る。孤狼の血へと続くのが分かるデビュー作。少し先が読めてしまったが、登場人物の関係性がよかったので補完された。王道のシリアスなミステリーの中にほんの僅か顔を出す甘酸っぱさに惹き込まれる。
Posted by ブクログ 2023年08月28日
重いテーマに更にミステリーも加わって、読んでいて辛くなるところも多く精神的に疲れました。これがデビュー作とは。信念のある主人公がここから生まれたのかと納得。栗原くんがいなかったら、もう色々ヤバかったので、美帆さんはもっと大事にしてほしいですね。
Posted by ブクログ 2023年07月27日
知的障がい者施設で暮らす藤木司は、人の声に色がついて見えると言う。
嘘の感情は赤、真実の感情は白といった具合に。
大勢の人がいる場所において,、彼に見える世界というのは様々な色に満ちて、それはまるで、心を疲弊させる趣味の悪い抽象画の中に迷い込んだようなものなのかもしれないと思う。
その施設内で水木彩...続きを読むという少女が自殺未遂を図り、救急車で搬送途中に亡くなってしまう。しかし司は、彩は自殺ではない、殺されたのだと繰り返す。彼女の最後に発した言葉は、死を望んでいた人の色ではなかったからだと。
統合失調症だった弟を救うことができなかったことをずっと後悔していた佐久間美帆が、患者である司の言葉を信じて彼の力になったのは、弟の死に対する贖罪の気持ちからだ。だから危険を顧みずに多少無理なことをしたり、臨床心理士の立場を逸脱した行動を繰り返した。
美帆は警察にいる学生時代の友人の助けを得て、事件の真相を解き明かそうとする。彩が自殺でないとしたら、自殺に見せかけて殺害した犯人がいるはずだ。真実に近づけば近づくほど、彼女自身の身にも危険が迫ってきて。。。
わたしはこの著者の本が大好きで、デビュー作であるこの本もいつか読んでみたいと思っていたが、正直に言うと期待していたほどはよくなかった。
しかしこの本の中にすでに、骨太な力強い文章や迷いのないバイオレンスの描写などが随所に見られ、既に彼女の才能の種は発芽していることが分かる。
そしていずれ『慈雨』や『孤狼の血シリーズ』などの素晴らしい本を生みだすのだ。
そう考えると、非常に感慨深い。
Posted by ブクログ 2023年06月14日
臨床心理士が知的障害者入所更生施設での少女の自殺について人の感情が色で見える共感覚の少年と一緒に同級生の警察官の力を借りながら真実を解明していく物語。主人公の美帆は「私にしか、彼を救えないから」という強い想いで思ったことはすぐに行動に移すのでハラハラさせられる場面が多く一気に読んでしまった。
Posted by ブクログ 2023年05月05日
美帆に加え、特殊な能力は信じないけれど「おまえ」と呼び対等に向き合う栗原の存在は、司のこれからの人生にとって良い出会いだったと思った。
しかし美帆は2回も酷い目に遭って大丈夫なんだろうか?
Posted by ブクログ 2023年04月22日
3
人が話しててその言葉の感情が色でわかる
まぁそんな事誰も信じない
その能力で救われた人もいる そんな能力があるせいで苦しんできた
主人公は信じてあげて理解しようと努力する
関係性が良かった
自分の中で登場人物にちょっと微妙だなと思う所はあったぐらい
主人公をいびる上司心理士のキャラが好きだった
Posted by ブクログ 2023年02月23日
「臨床真理」柚月裕子氏のデビュー作で、以前から読みたかった作品。
相変わらず読みやすくてそれなりに面白かったですが、なぜか主人公の行動にイライラしてしまい共感出来ず。また、ストーリーも序盤から予想通りの流れと結末。大好きな作家さんだったので、読む前から期待してハードルを上げ過ぎました。
Posted by ブクログ 2023年01月30日
著者のデビュー作。臨床心理士の主人公と「共感覚」を持つ青年、主人公の友人の警察官が死の真相を明らかにしていく。どうしてこの犯罪が生じたのか、丁寧で大胆で筋の通った描写に引き込まれる。
Posted by ブクログ 2022年10月12日
読み始めて気づいたけど、再読だった。
理不尽で不条理な事件だけど、人が人を愛する気持ちに溢れた話だと思った。
描写が生々しくて読んでてちょっとしんどい。
Posted by ブクログ 2022年05月26日
知的障害者更正施設に入所していた青年・藤木司を担当することになった臨床心理士の佐久間美帆が、司の親しくしていた少女の死の真相を友人の警察官とともに調べながら、恐るべき真実にたどり着いてしまう作品。
著者の問題意識の強さが主人公の意思の強さとして現れているのだろう。どんな逆境でも諦めない主人公をつい...続きを読むつい応援したくなる。
主人公を応援しながら読み進めていく中で、知的障害者の雇用問題、彼らに対する性犯罪の問題等、今まで意識したことのなかった社会問題にも自然と気付かせられた。
ただ、得られる気付きは多いものの、ミステリー小説としてはかなり踏み込んだ性的描写を含んでいるので、未成年にはお勧めできない。
Posted by ブクログ 2022年04月24日
面白かった!
柚月裕子さんのデビュー作!
ハードボイルドサスペンス&ミステリーってな感じ
主人公は臨床心理士の美帆。この人すごい!心が強い!
その美帆が担当するのは、人の言葉の感情が色で分かるという「共感覚」の持ち主の司。
司を通して、知的障害者厚生施設で起きた彩の自殺の真相を明らかにするとともに...続きを読む、施設の闇を暴いていくという展開です。
警察ではなく、美帆が事件の真相を暴くというところがちょっと面白い。
もちろん、美帆の友人の警察官栗原がいろいろ助けてくれます。この関係も良いです。
黒幕はなんとなく途中からわかってしまいますが、ラストのその黒幕との対峙シーンがまたすごい!
お勧め!
Posted by ブクログ 2021年12月04日
柚月裕子のサイコミステリー。「このミステリーがすごい!」大賞に輝いたデビュー作。
* * * * *
吐き出される言葉が色付きで見えることによってその人の感情や真意が解るという司をキーパーソンにした設定はおもしろい。さらに脇役陣を種々取り揃えてくれているのもOK。
しかし惜し...続きを読むむらくは主人公の美帆とサポート役の栗原の個性が弱く感じられたことでした。個性は魅力とイコールだと思います。もっと強烈でもよかったのではないでしょうか。
また誰が悪役かがわかりやすく、特にラスボスが高城なのは途中から見え見えだったのも残念でした。
ということで☆3にしました。