柚月裕子のレビュー一覧
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ネタバレ大学進学を期に東京に出た上条は、賭け将棋の真剣師、東明に出会い、その将棋に圧倒される。東明が東北で行う真剣に同行することになった上条だが、賭け金のない東明は、上条の駒を勝手に担保にして掛け金を用意した挙句、勝った後に忽然と姿を消したー。
ストーリーとしては、上巻の続きで駒の行方を追う石破、佐野と、プロへの道を諦めた後も将棋に人生を翻弄される上条の姿が描かれる。遺体は父親か、あるいは駒を売った東明への復讐かと予想したが、自ら最期を選んだ東明へのはなむけの駒だったとわかり、駒を入れた理由も含め納得できた。警察と上条の接触シーンはなく、佐野が元奨励会員ということで何か重要なシーンで絡みがあると思 -
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ネタバレ呉原抗争、大上の死を経て山奥の駐在所に飛ばされた日岡。管轄区内のゴルフ場建設地に、敵対関係にある明石組のトップを殺害して指名手配されている、心和会の国光が潜伏していることを知る。国光は、まだやり残したことがある、終われば必ず日岡に手錠をかけさせる、と言い、それを飲んで様子を見ることにした日岡だが、明石組による心和会への報復が激化していく。
国光を捕らえて本部に返り咲きたい日岡の葛藤もわかり、仮にも殺人を指揮した国光を信用できるのか?という気持ちもあって読み進めたが、きっちりと筋を通し、また舎弟思いである国光の姿に、どんどん魅力を感じていった。立て籠ってまで日岡との約束を果たし、兄弟の誓いを交 -
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ネタバレシリーズ4作目となり、面白さとしては落ち着いていくかと思っていたが、練られたストーリーの短編が4作揃い、少し期待はずれだった前作よりも良かった。
タイトルの通り、検事・佐方の「まっとうに罪を裁かせる」という信義が各短編で出てきて、今回の軸となっていた。その信義が揺るぎかねないような難しい局面というのは、得てして検察内の忖度であったり便宜であったりと、身内に都合の悪いケースが多く、事件としても人間関係が絡んで複雑になりやすいからこそ、一癖ある、読んでいて面白い作品が揃ったのかなと感じた。
佐方との直接の絡みはないものの、「孤狼の血」シリーズの日岡が出てくるシーンもあり、今後シリーズを超えたタ -
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南部鉄器の職人で工房の親方でもある父、孝雄が、保護観察処分の少年を預かるボランティアをすると言う。初めにやってきたのは16歳の春斗。
何も相談されなかったと悟は憤るが、工房の面々と春斗の心配をしているうちに、自分と父、そして父の身心の変容に気づいてくる。
終盤、春斗の父や孝雄の、幼少期の辛い思いと幼い頃に知った世の中の理不尽さが語られるところは、人それぞれの捉え方があると思うが、この本のタイトルが腑に落ちる。
誰にでも、風に立ち向かう瞬間はあると思うが、立ち向かい続ける強さはまた別物かもしれない。
春斗の変容が急展開し過ぎる感じもあったが、子どもは、あっという間に成長するから、、、
孝雄の「幸 -
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ネタバレ心を掬う
酒処ふくろうの親父
増田陽二
米崎地検で事務官を務める。
筒井義雄
刑事部副部長。
佐方貞人
増田の担当検察官。
佐々木信雄
増田と同じ、検察事務官。歳は増田の二つ上。地元高校の先輩で、ときどき酒を飲みに行く仲。大学まで柔道を続けていた。
滝川義明 /
佐々木の叔父。娘に手紙を投函したのに届かなかったと嘆いている。
滝川須美代
佐々木の叔母。
森脇文雄
ふくろうの常連客。定年退職した元高校教師で、妻に先立たれ、ひとり娘が北海道に嫁いでいた。手紙を投函したのに届かなかったと話していた。
福村正行
米崎中央郵便局監察官。歳は筒井と同じくらい。後頭部がかなり淋しい。痩せぎす -
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ネタバレ
樹を見る
南場輝久五十二歳。三年前に米崎東警察署の署長になった。
小林賢
県警本部長。
佐野茂
南場の警察学校時の同期。痩せた体躯と蟷螂を思わせる容貌は昔と変わっていない。県警本部刑事部長で警視正。警察学校時代から口が達者。人間関係を円滑に築いていく能力があった。南場へのライバル意識が強い。
蒲原信司
北陽署の署長。歳は南場とそう変わらない。
須藤昇
県警の捜査一課長。
佐藤公平
松本署の署長。
幸恵
南場の妻。
桑島泰則
東署の刑事課長。
新井友則
二十九歳。工事現場作業員。地元の建設会社でアルバイトとして働いていた。住居は街の中心部にある木造アパート、コーポラス青木。独り -
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ネタバレ佐方貞人
元検事で今は中野に法律事務所をかまえる弁護士。国立大学の法学部を卒業し、司法試験に合格。その後、司法修習を経て検察官に任官した。任官して五年目の秋、検察官を辞めた。
小坂千尋
佐方の弁護士事務所に勤めている優秀な事務員。弁護士を目指していて、今は法科大学院の夜間に通っている。
庄司真生
今回の事件で佐方と対決する米崎地検の女性検察官。推定年齢三十代前半。
高瀬光治
三森市に岡崎クリニックを開院して五年目。開院前は大学の付属病院に勤務していた。祖父と父も内科医。父母は早くに胃癌で他界。家族は妻の美津子と息子の卓のみ。
高瀬美津子
光治の妻。光治の大学の同期だった浜田の妹で、足を -
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誰がわざわざ、自分で不幸の道を選ぶだろう。
主人公の亮は、自分で選んだ訳ではないのに
どんどん負のスパイラルに落ち入ってしまう。
なぜ彼はこうなってしまった?
彼がもっと早くに父親と会って話しが出来て
いたなら‥祖父が嘘をついていなかったら‥
母親が真実を打ち明けていたなら‥
警察官が彼に父親の事を話していたら‥
でもそれは全て仮定。
二人の人間を殺してしまった亮が
狙撃されてから始まる物語。
救いようのない話だけれど、
少しだけ温かさを感じるのは何故だろう。
直人が最後まで亮に懐いていたからだろうか。
東日本大震災で被災された多くの方の
絶望と、生きていこうとする強い意志。
想像を絶する -
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ネタバレ日岡秀一
呉原東署に赴任。所属は捜査二課。暴力団係に配属。二十五歳。
斎宮正成
呉原東署の二課課長。
大上章吾
呉原東署捜査二課主任。暴力団係の班長。四十四歳。日岡の上司。県警内部で、凄腕のマル暴刑事として有名な人物。ガミさん。
苗代
赤シャツの男。日岡にパチンコ屋で因縁をつけられる。加古村組で喧嘩が一番強いと言われてる男。若頭の野崎の下についている。
加古村猛
加古村組の組長。八年前に呉原市で立ち上がった新興組織。
野崎康介
加古村組の若頭。
上早稲二郎
加古村組の系列の呉原金融の経理担当。行方知れずになっている。三十三歳。三年前に懲役二年の実刑をく喰らい、広島刑務所に入所してい -
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ネタバレ山中での殺人シーンから始まり、凶暴な愚連隊である沖虎彦と、そこに近づいていく刑事・大上の様子が丁寧に描かれている。極道だった父を憎む気持ちから、極道を目の敵にする沖と、その気持ちを利用して五十子会を弱体化させたいと考える大上、という構図を明確にするところまでがこの上巻だが、これまでには明らかになっていなかった大上の妻子の死の真相などもわかり、シリーズものの一部としての役割もしっかりと果たされている。大上と沖の関係性がどうなるのか、ときが変わって平成の日岡との出会いはあるのか、沖の行く末は、など、楽しみな要素が沢山あるので、引き続き読み進めたい。
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ネタバレ極道との抗争に向け過激さが増していく、沖率いる呉寅会と、その行く先々に現れる大上。血で血を洗う抗争の描写は、文字で追うだけでも苦しくなるようなものもあったが、なかなか手を止めることのできない展開に、気づいたらのめり込んでいた。
そして、全面抗争となる前に逮捕された沖が20年ぶりに釈放されると、大上の後釜として貫禄のついた日岡が待っていた。広島を統一するというかつての夢に縋り、仲間を再び集める沖だが、勢いとは裏腹に空回りする。そして、思いがけない最期。出所後の沖がどこまでいくのか、という期待も最初は持っていただけに、やるせない複雑な気持ちにさせられた。ラストの盛り上がりという意味では少し物足り -
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真剣師として生涯を送った重慶の人間としてのクズさと、将棋の前での凄みが違いすぎ。下巻は上条青年の半生が主点なので、上巻よりも入れ替わりがないためじっくり読める。
上条青年の大学時代が結構無味乾燥な気がして切ない。親身になってくれる友人や恋人があれば、、、。どこまでも孤独な青年が自分を顧みて自愛できる瞬間があったら、、、。
将棋なことはさっぱりわからないものの、勝負の息詰まるような緊迫感や時間や体力を見越す駆け引きがすごくおもしろかった。
読み終わってから気づいたんだけど、これ構成が将棋と同じだわ。一手一手を指すように、交互に話が進んでたんや。最後の詰めまで。これは、、、すごいなー。
そして -
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プロローグの天童市で行われるタイトル戦最終日で対戦する2人のエピソードをさらっと説明して、からの犯人宣言。
そこからは刑事と少年の視点が入れ替わる形で話が交互に進む。上条少年の生い立ちがグッとくる場面が多く、刑事視点になるたびに早く続きが読みたくてどんどんページが進む。
上巻の刑事パートは地道な捜査が軸なので、移動距離は半端ないもののおっさん2人がひたすら駒を巡る捜査を行う。ここのパートは割とリアルな感じがする。
長野県諏訪市を舞台にした上条少年パートでは、観光地としても有名そうな温泉や、名物の料理なんかをちらちら見せつつ過酷な環境で生活をせざるを得ない少年をめぐって大人たちが奮闘するシーンが