柚月裕子のレビュー一覧
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作者は岩手のご出身で震災被害の当事者とのこと。覚悟の作品である。
北へ向かう真柴亮。彼を追う刑事陣内。陣内は自らが被災し娘を亡くしており、そのために家族との関係が崩れかけている。
亮は愛情を受けることなく、幸せの記憶のないまま、生きる以上のことを望まない人生を生きてきた。彼の選択は、ことごとく彼の望まない方へ繋がり、彼を二度と戻れない道へと導く。追い詰められた彼が、その道を選んだのは自分だと思い至り、罪悪感を抱くのが辛い。両親の思いを知ることができたのはよかったけれど、その意味を考える時間が必要だったはずなのに。
津波の被害で失われた人と生活、被災時の人々の状況、一方で家族を失わなかった人にも -
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「孤狼の血」シリーズ完結
ガミさんが帰ってきた!
「孤狼の血」前日譚といったところでしょうか。
ガミさんがまだ30代半ば、この頃から既に血気盛んで
安定の単独行動、やり口も無茶苦茶な暴対(笑)
妻子を亡くした経緯、五十子会との因縁関係も分かってきた。
堅気には手を出さない、外道は極道だろうが、チンピラだろうが容赦しない信念のもと現れた獣「沖虎彦」
ガミさんとの対決はどうなる?!
ガミさんのトレードマークでもあるパナマ帽のエピソードから、胸熱。
ページ数少なめなのもあるけれど、1日で読んじゃった。
ただ上巻では日岡が出てこんかった、残念。
さて
ここで恒例の(いつそうなった?w -
Posted by ブクログ
ネタバレ人生経験や実務経験の少ない主人公の大地が一つ一つの案件に葛藤しながらもクリアしていくストーリー。
重くなりがちなテーマだが大地というキャラクターのフィルターを通す事によって客観的に見る事が出来る。問題を抱えた家事事案で一番影響を受けるのはどうしても子ども達。
この子達の未来が少しでも明るく希望を見出せるようにと願わずにはいられない。
最終話の悠真は結局最後の調停前に大地とはお別れだっのかな?!(そうだったとしたらお役所仕事、融通効かんなぁ…。)
タゴールの人生航路の詩の引用は、ちょっと調子よく解釈し過ぎなような気がするなぁ。
どちらかがどうと結論づける調停と言う場では、救い上げられるのはどち -
Posted by ブクログ
柚木裕子さん著「逃亡者は北へ向かう」
芥川賞、直木賞共に受賞無しと物議を醸した第173回直木賞の候補作だった作品。
物語の背景は2011年の東日本大震災。
調べてみたら著者は岩手県出身で津波でご両親を失ったとのこと。
『より当事者寄りのひとりの人間として、真正面から小説に向き合う』という覚悟で描かれた作品とのこと。
素晴らしい…、だけれどこの作品の執筆は何よりも辛かった事だったろうと思わずにはいられない…
主人公の真柴亮、かの有名なボクシング漫画「はじめの一歩」、フリッカージャブで有名なあのアウトローの顔が頭から離れない。
普段小説を読んでいて主人公や登場人物達がどんな顔なのか?とかを想像