柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感想
筆者らしいなかなか打ちひしがれる序盤!そして報われない展開・現実。
負の連鎖はあるんだな。亮のじいちゃんがひねくれ者だったことも悪い一因。
あらすじ
真柴亮は福島県の養護施設で育った。工場で4年働き、ようやく正社員になれたが、先輩の甲野に無理矢理誘われて、キャバクラへいく。甲野がそこで半グレと問題を起こし、喧嘩して亮も逮捕される。会社も解雇される。警官の陣内は亮の取り調べをする。亮を送致した頃、大地震が起きる。圭祐は父親と漁師をしている。地震発生時、自分は船を守るため沖に出た。父親に母を託した。
地震の対応で警官が帰れない中、陣内の娘の麻利も行方不明になっていた。そんな頃、亮に傷つけられた半グレの一人が海辺の病院にいたところを津波にさらわれて亡くなる。それが亮のせいだとして友達の半グレが亮を殺しにくるが揉み合いの末に亮がそいつを殺してしまう。亮は故郷に帰るがそこで警官に職質され、揉み合ううちに警官を射殺してしまう。圭祐は安置所で両親の遺体を発見する。その後、妻の遺体も発見するが、5歳の息子が見つからなかった。
亮は、父親からもらった手紙を持っていた。死ぬ前に会いたいと書かれており、場所は岩手県となっていた。亮は検問をすり抜けて北へ向かう。空き家でなおきというしゃべらない少年直人と出会う。彼らは一緒に大渡市を目指す。陣内の子供の麻利が遺体で発見される。陣内の妻は仕事優先で麻利を探さない陣内に不信感を募らせる。
亮は直人を連れながら逃げつつ、父親がいると信じた病院にいく。陣内は亮の過去と父親の日沼について調べる。圭祐は直人を探し歩き、ようやく直人の痕跡を見つける。陣内は日沼から看護師に託された手紙を亮に渡す。亮は直人を解放しようとしたところを撃たれる。 -
Posted by ブクログ
東日本大震災直後、ほんのはずみで半グレと警官の2人を殺してしまった真柴亮を追う、さつき東署の刑事陣内康介警部補。
自分の出生時に父親が起こした交通事故から人生の歯車が狂ってしまった亮は、音信不通の父親から届いた手紙を頼りに福島から岩手へと向かう。
一方、発災時に船で沖へ退避した漁師の村木圭介は、両親と妻を亡くし、行方不明の幼い息子直人を捜し回る。
逃亡中に立ち寄った小屋で直人と遭遇した亮は、人見知りで口の重い直人になぜか懐かれ、やむなく直人を連れ歩く。
追手の気配に絶望的になりながら、直人との未来を夢見始める亮。
人生のどこで道を誤ったのか、これからどこに行こうとしているのか思い悩む亮の境遇に、震災で愛娘を失った陣内は自らを重ね合わせる。
発災後の混乱の中で進む逃亡劇。
警官を含む連続殺人事件に近隣県の警察は総力をあげて亮を追う。
官房長官の早期解決の命を受けた警察庁は、警視庁SATの狙撃隊を送り込む。
緊迫度を増す終盤に、そうはならないことを願いながらも、読者は最悪の結末を予感する。
書かれてみればその結末は最も説得力があり、作品の完成度を高めるものだった。