柚月裕子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読後が良いとは言えないが素晴らしい本であった。
改めて著者の筆力に脱帽する。
東北大震災をテーマとした本として女たちの避難所(垣谷美雨さん)の本と何となく似ているような感じがした。
但しストーリーは全く異なる。
人間、皆、平等だ、、、、などという綺麗事とは全くの真逆。
ちょっとしたきっかけから人生が予想外に展開してしまう。
最後の自分の人生を振り返る部分が心にしみた。
どうしてこんなことになってしまったのか、考えた。いったい誰を恨めばいい。娘を失った悲しみのあまり、自分に間違った父親像を植え付けた祖父か。車に轢かれた高齢者か。酒を飲んでいながら、車を運転した父親か。
甲野が店で半グレと揉めな -
Posted by ブクログ
「約束は守ったよ、褒めて」
逆境のなか幼い二人の命を奪った死刑囚は、執行の直前にこう漏らした。
遺骨引受人となった遠縁の主人公はこの言葉に違和感を覚え、事件の舞台となった青森の小さな町を訪れる。
物語は、かなり社会性の強いテーマで進む。
人の出入りの少ない田舎、閉鎖的な環境の中の小さな学校で起きる“イジメ”……多くはその親の感情が子どもたちを動かしている。また、大人たちも目に見えない束縛から逃れられない。
世間は自分では判断できない事象に当たると、わかりやすい解釈に飛びつく。
それは報道であり、報道もまたわかりやすい解釈に飛びつく。
いまはそれがネット
誰もストップをかけられないその世 -
Posted by ブクログ
舞台は、岩手県盛岡市の南部鉄器工房「清嘉」。職人の自宅兼工房。職人の家族を中心に描かれている物語。中心人物は小原悟、38歳。悟の父であり親方でもある孝雄。この工房で長らく職人を続けている林健司。悟の妹である由美は、居酒屋の店主である里館太郎と結婚し、その店で働いていた。
第1章。物語は動く。それは、孝雄が補導委託を受けるということから。このことを孝雄の判断で決めていた。驚き、戸惑う悟。できれば補導委託を撤回させようと考える。孝雄の本心は分からないけれど、孝雄なりの理由があるのは伝わってくる。しかし、悟には伝わっていない。その曖昧なところがどうなっていくのだろうと思う。親子でありながら、師匠と -
Posted by ブクログ
上下巻まとめて
関東の山中から白骨死体が発見される。白骨死体は将棋の駒を抱えていた。
白骨死体は誰なのか、誰が何を目的として遺体を埋め、駒と一緒に葬ったのか。
上条桂介のパートと、刑事の駒の持ち主をあぶり出すパートで構成
将棋は詳しくないので読み飛ばしてしまったが。
上条桂介にとって、死が身近な日常の中で、幼少期に出会った唐沢さんの存在は生きる意味を教えてくれるものであり。
大学時代に出会ってしまった東明には、どれだけ恨みを抱えても、畏怖を抱いている。
将棋を介して出会い多大な影響を与えた二人。桂介の人生に大きな影響を与えていく。
もし駒を一緒に埋葬しなければ。警察は真相にはたどり着