柚月裕子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作、前前作に引き続き、男臭い一冊でしたねー。
いや、男でひとまとめにしてしまっていいのだろうか?こんなに不器用で自分を曲げない昭和臭漂う男、います?いや、いません。
主人公佐方貞人のこの気質は父から受け継いでいるということがよく分かりました。義理堅くて真っ直ぐな男なのだけど、正直、家族にいたら厄介です。家族の苦労はいかばかりなことだっか。
でも、検事として、弁護士として、曲げてはならない信念は確かにあると思います。というか、そんなの当たり前なんじゃないの?と素人は思ってしまいますが、組織が絡んでくるとそうも言ってられないのですかね?
真っ直ぐな男、佐方貞人がヒーローなんて思われない世の中にな -
Posted by ブクログ
『最後の証人』の弁護士佐方貞人の検事時代の短編集。
佐方貞人がいかにして佐方貞人になったのか、短編とは思えない情報量と人物描写でどっしりと読者に伝えてきます。
短編一つ一つの事件も、ぶっちゃけ佐方検事が違うと言ってるんだからきっと犯人は別にいるのだろう‥‥と思いつつも、なんで?どうして?と先を読まずにはいられない見事なストーリー展開でした。
そしてなんといっても、佐方貞人の過去。
少年佐方貞人にこんなことがあったのか‥‥それで今の佐方貞人があるのか‥‥
常に真実を追い求める佐方貞人。でも、それ以上に大切なのは恩と義理。
『最後の証人』だけでも面白かったけれど、本作を読むことでグッと深さが増しま -
Posted by ブクログ
ネタバレ全てを読んだ後の「解説」がよかった。
「あしたの君へ」というタイトル、各章には個人名と年齢が書かれている。ともすれば、その個人名が主人公の物語と普通は思う、思った。しかし読み進めるといかに人はひとりで構成されていないと痛感する。いろいろな人が絡み合いひとりの人生になっている。「裁判」と聞くと白か黒か、と結論をつけたがる、そう考えたくなるところを耐える、そこがいかに難しいことか、本当の意味で共に悩むとは大変なことだ。主人公の大地と様々なケース、柚木先生の作品ではあるが解説までが絡んでくる、ある意味でこの本としての味が出ていたように感じた。 -
Posted by ブクログ
『孤狼の血』シリーズ完結編じゃのう♪
再度マル暴刑事ガミさん登場で、
その存在感が際立つ(๑•̀ㅁ•́๑)✧キラーン
時代背景としては『孤狼の血』以前と『凶犬の眼』以後
そこにいたガミさんと秘蔵っ子日岡を繋ぐ役目をするのが、今回の主人公「呉虎会」の沖虎彦という男
やっている事は破茶滅茶だが、彼は絶対堅気には手を出さない
そんな自分と似ている沖が気になり、敵対視しているものが同じだというのもあり、ガミさんがちょっかいを出す
トレードマークのパナマ帽のエピソードは意外だった
単に好きでかぶっていた訳ではなかったんだね
私は沖にはハマらなかったけれど、育った環境が良くなくて、寂しい奴だったん