柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれは面白かった。ぐいぐい引き込まれた。
著者は何者?医療業界にもこんな詳しくて、読んでないけど、孤狼の血はヤクザと警察の話しだからそっち系も生半可な知識じゃ描けないだろうし、こんな骨太の作品を次々書いて、知識量ハンパない。もちろん知識だけじゃ書けないだろうし…。
西條(ミカエル推進派)VS真木(ドイツ帰りの天才外科)のようにみえて実はふたりとも恵まれなかった生育歴、医療に対する真摯な姿勢は支笏湖診療所の駒田医師が指摘したように、よく似ている。
絶大な信頼をおいてミカエル(手術支援ロボット)を的確に操作できる西條がそのミカエルに不具合があるとわかった時に出た行動が、医師の矜持だったのだろう。
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Posted by ブクログ
孤狼の血で大興奮、凶犬の眼で大興奮、そして本書、「孤狼の血level2」で....やはり大興奮した。おうおう、鼻からの出血多量で死ぬど?ぐぬぬ、全て最高ではないか...星が足りぬ。
と、めちゃめちゃに楽しんでいたのだがどうしても何かが物足りない。何だろう。あぁ、アレだ。「漢」の哀愁とそれに伴うアンニュイなカッコ良さだ。アウトローな武闘派だったヤクザ達は良くも悪くも肩身を狭くしていき、ゲスいビジネスで鎬を削る姿は嫌なリアルを纏っている。むむぅ、かっちょいくない...シリーズにて築き上げた「漢」の幻想が崩れてしまうではないか。
....なんて、この落胆はゴリゴリの武闘派上林の釈放によって盛大に破壊 -
購入済み
面白かった
もう一度読みたくなる。いつもこの作者さんの本は生い立ちなどがかわいそすぎて泣けてきてしまう。なぜだかわからないがいつも泣いてしまう。ザラザラした気持ちにもなるが前をむいてほしいなと心から思える作品だなと思う
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Posted by ブクログ
幼女誘拐陵辱殺人事件捜査と冤罪事件への対応を柱にした長編サスペンス。
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警察や検察、中央省庁といった権力組織の「権威(メンツ) 第1主義」を問題視したものが柚月作品には多いように思います。
たしかに「官僚は間違えてはならない」という強固な意識が現実に大きな問題を生むケースがよくあるので、テーマになるのは当然のことでしょう。
ところで作者は多くの作品で、そんな「組織の論理」に立ち向かう人物を主人公にしているけれど、本作において、神場は財産を、鷲尾は職を、それぞれ失うことになります。 ( 別作品でも、例えば検事の佐方は内部批判 -
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Posted by ブクログ
女性探偵が「あり得ない」事件の謎解きに挑む連作短編集。
5編からなり、各話のタイトルが「~にあり得ない」で統一されている。(こういったこだわりは好き。)
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探偵で元弁護士の上水流涼子が、有能だが無愛想な貴山をパートナーにして、数々の難しい依頼に対し、その肝を解明して鮮やかに解決していく。
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柚月裕子さんには珍しく、ライトテイストのトリックミステリーでした。
第1話のみトリックに無理があるように思いますが、その他は現実的な範囲でうまくまとめられていました。
「マルコ・ポーロ」。大好きな紅茶が出てくるのも嬉しい。各話とも楽しん -
Posted by ブクログ
ネタバレドハマりした柚月裕子作「狐狼の血」シリーズの映画版LEVEL2のノベライズ作品。
今日も仕事なのにベッドに入ってから読み始め、結果徹夜で読み終えてしまった^^;
尾谷と五十子の抗争から3年。
「暴虎の牙」で暴れまくった虎よりも危ない奴が登場します。
それは一ノ瀬によって首を落とされた五十子会正平を唯一のオヤジと仁義を通す昭和の匂いがプンプンする上林。
まぁ無茶苦茶にヤバイ奴です。
どんなにヤバイかと言うと相手が生きている状態で目に親指を突っ込み目ん玉を取り出すことを躊躇なくやれる程ヤバイです(><)
本作も痛いシーンが満載ですが、primeにて映画版「狐狼の血」を見た私には活字を -
Posted by ブクログ
ネタバレ午前中に「孤狼の血」を読み終え、勢いそのままにprimeで映画版を楽しみ、夕方からシリーズ第2作となる本作を読み終えました。
「狐狼の血」と比べ、血生臭い抗争シーンが少ない分、非常に静かな作品です。
ヤクザ物で静かな作品って表現もどうかとは思いますが、確かに本シリーズの主人公は警察の日岡ですから本来は血生臭過ぎるのが違うのかもしれませんが...
しかし静かな立ち上がりでしたね。
左遷され田舎の交番勤務となった日岡の静かな日常が心和会の国光の登場とともに一気に荒れ狂う。
「あんたが思っとるとおり、わしは国光です。指名手配くろうとる、国光寛郎です」
「わしゃァ、まだやることが残っとる身