柚月裕子のレビュー一覧

  • ミカエルの鼓動

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    手術シーンの描写の細かさが凄い。実際に手術を見ているのか、更にアドバイスも受けたのか、とにかく細かい。物語の基本筋は医師と権力、隠蔽、マスコミとよく見るものが並んでるが、この話を独特なものにしているのが医療支援ロボットミカエルで、これは映像化して欲しいと思った。まあまあ現実的な存在のミカエルを通して医療とは、という話が描かれているが、ソフトウェアに関わる立場としては、ミカエル問題の描き方には疑問で、こうはならないんじゃないかな。終盤はプロローグを結び付けるなど情緒的ではありつつも、長く厚い話に決着がつくのではないあたりは好みから外れるかな。

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    2025年01月20日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    4.2/5.0

    私立探偵、上水流涼子と助手の貴山のバディが悪いヤツらのインチキをクールに暴く!
    ドラマ『TRICK』にちょっと近いところもあるけどこっちの方がより爽快。
    爽やかで痛快!

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    2025年02月03日
  • あしたの君へ

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    調査官という職業が描かれているのは珍しく、面白かった。出てくる人物の描写が魅力的で暖かい気持ちになった。

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    2025年01月11日
  • ミカエルの鼓動

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    私は医療の知識がないけれど、実際に手術をしている場面、患者との対話場面が目に浮かぶような言葉が並べられていた。
    最新技術に頼りすぎないように、という話かと思いきや、その裏にある医師たちの患者に対する温かい心も見られる話だった。

    難しい医療用語もあったが、最後まで読み切ることでこそ医師たちの心や情熱の裏側にあるものが見えて良かった。

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    2025年01月08日
  • ミカエルの鼓動

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    胸アツな展開が読ませる。医療に正解はない。この直後にアンメットを一気見したのはタイミング的に良かった。

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    2025年01月07日
  • ミカエルの鼓動

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    ネタバレ

    ミカエルを使用した手術に絶対的な自信を持っている西條が主人公。
    心臓手術に長けている真木が、ドイツから同じ病院へ来たことで、絶対的な自信や自分の信念に揺らぎを感じ始める。
    航の手術を境に、物事が動き出す。

    ◾️良かった部分
    ミカエルをめぐったサスペンス的な要素、病院内のギスギスした世界観など、先が気になりドンドン読み進めることができた。
    登場人物のイメージもつきやすい描写が多く、読み進めるのは難しくなかった。

    ◾️微妙と思った部分
    感情や行動を表すときに、勘であったり経験といった曖昧な背景で描写していたのが自分的には物足りなかった。
    ミカエルを使い続けていた理由が癒着であったり、医療の未来

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    2025年01月06日
  • 検事の信義

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    ネタバレ

    面白かったです!

    特に裁きを望むが好きです。
    序盤から芳賀の理由はなんとなく想像できていて、
    気持ちを想像するととても涙がでました。

    今回は検事の使命などの前作とは、
    まっとうに裁くの感じが少し異なりはしたけれど、
    このまま最後の証人につながる佐方を描いたのかな。
    ということで、それはそれでありでした。

    日岡と絡む佐方や、まだまだ続編をかいてくれるのかな。と今後もワクワクしてます。期待してます!

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    2025年01月05日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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     2025年の最初に手にしたのは、私が好きな作家さんの一人である柚月裕子さんの「合理的にあり得ない 上水流涼子の解明」でした。
     「確率的にあり得ない」「合理的にあり得ない」「戦術的にあり得ない」「心情的にあり得ない」「心理的にあり得ない」の5編の短編で構成されています。
     とあることで意に反し弁護士資格を剥奪された女性が探偵エージェンシーを立ち上げ、様々な難題を解決していく物語です。過去に読んだ柚月作品のような重厚感はありませんが、勧善懲悪?が心地よい痛快な物語に仕上がっています。
     時間がある時にじっくりというよりは、スキマ時間に手軽に読むのに適した感じかな?
     いつも感じますが、柚月作品

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    2025年01月04日
  • 検事の死命

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    面白かったです。
    前回の検事の本懐から続く流れや、
    いくつかのエピソードで楽しく読めました。

    そしていつもより佐方検事が感情を出す場面が多かったかな、魅力満点でした!

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    2025年01月03日
  • ミカエルの鼓動

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    ネタバレ

    何作か読んでいる柚月さん。医療モノは初めて見かけた。帯の宣伝文句が気になり購入。

    対立する二人の医師が白い巨塔のような、振り返ればやつがいるのような感じで(懐かしい)、とてもわくわくした。
    いてもたってもいられなくなって読んでる間にサブスクに加入して白い巨塔のドラマ(唐沢さん版)を見始める始末。

    財前に比べるとそこまで野心はないかな?と思うけど、主人公・西條がミカエルにこだわっている理由は患者を救うためだけではないのも事実で。
    ちゃんと医者の人間らしさも描かれているのがよかった。
    医者は神じゃない!

    今まで読んできた柚月さん作品に比べると割とマイルドな展開かなと思った。
    作中で人が死んで

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    2025年01月03日
  • 孤狼の血

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    広島の極道とマル暴の戦いを描いた小説。主人公の新人日岡はマル暴の大上とチームを組むこととなる。大上は違法捜査を繰り返し、日岡はそれに戸惑う。やがてヤクザのフロント企業の金融会社の社員が失踪した事件を皮切りに暴力団の抗争が勃発。周辺被害を食い止めるため2人は走りまわることとなる。
    登場人物が多く、組織も複数あるので覚えるのが大変。終盤の展開はショックだったが受け継ぐものがいるのでこのタイトルはよくできてると思った。

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    2025年01月02日
  • 検事の本懐

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    最後の証人が大好きで読みました。
    とても面白かった、
    日々の生活の中でついつい簡単な道に進みそうになる自分の気持ちをひきしめることができました。

    また佐方貞人という人物像を沢山知るエピソードが多く、とにかく魅力的でファンになりました。
    素敵な物語をありがとうございました。

    次は検事の死命を読みます♪

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    2025年01月02日
  • ミカエルの鼓動

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    プロローグで語るのは誰?
    と思いながら読み始めたのに、いつしか忘れていた。西條と真木2人の心臓外科医から目が離せない、気持ちが離れない。
    命と向き合う2人の姿勢には共感することがあり、疑問を抱くこともある。
    彼らが医療に向き合う真剣さは尊敬する。
    そしてエピローグ
    どうか…どうか…と願うだけ

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    2024年12月31日
  • 検事の信義

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    古本で買ったせいかタイトルに4が付いていなかったのに、登録の時にシリーズ4と気付く。主人公の佐方検事に記憶があり、どれかを読んだはずなのに思い出せない。
    短編集だが、どれも問題無いとされた事件を佐方検事の独自の嗅覚で調べ直ししたもの。そのため、同僚、先輩、上司に恨まれている。直属上司が理解があり、何とか首が繋がっている。疑問を持つと突き進む。最後は真実を掴み取る。
    最後の第四話が圧巻だった。誰も問題視しなかった逃走時間から被告への違和感を感じ、調べ直す。こういう検事が居たなら、袴田事件のような冤罪も無くなるだろうなと思う。

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    2024年12月29日
  • 検事の信義

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    【佐方貞人シリーズ4】
    「罪をまっとうに裁かせること」ぶれない信念の持ち主。それが検事の立場として不利になろうとも。
    外野からの重圧や脅しにも、自分の信義を貫く。
    かっこいい! 

    出生認知を巡る事件・覚醒剤の再犯ネタ元・同期からの高級温泉宿の誘いに潜んだ事情・認知症の母に手をかけた息子の事件、の4章。

    だんだん検察に居づらくなってきている空気感…筒井副部長との関係はまだ崩れていない。シリーズは続くと期待している。

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    2024年12月25日
  • 臨床真理

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    目を背けたくなるようなシーンもあるが、実際に介護施設等で起こった事件など痛ましい事件はある。
    弱みと言ったら語弊があるが、そこにつけ込むようなことは絶対に許せないし、あってはならない。
    犯罪はなくなることはないだろう。ただ、一つでも痛ましい事件が起こらないよう、厳しい処置を願う。

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    2024年12月19日
  • 月下のサクラ

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    頼りなかった主人公がどんどん成長していき一人前の刑事になる。ひたむきさと信念があれば花は咲く。黒瀬の不器用だがチームメンバーが一致団結して目的に向けそれぞれの役割を果たす姿にリーダーシップを学べた

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    2025年03月08日
  • 凶犬の眼

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    『孤狼の血』の続編。前作の事件で田舎の駐在に左遷された警察官・日岡が、任侠・国光との出会いを機に大上の後継者としての凄みを増し、明石組と心和会の血みどろの抗争に巻き込まれていく。
    任侠小説は苦手だが、このシリーズは別。本作の国光は、“筋を通す生き方”と人間性の高さが際立ち、非常に魅力的な人物だった。

    『孤狼の血』に比べてドロドロ感は控えめ。〇〇組や〇〇会が多く登場し、複雑な抗争の構図に頭を使う場面もあったが、物語自体はシンプルで読みやすい。ただ、もう少し奥深さがあればさらに楽しめたかもしれない。

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    2024年12月18日
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐

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    ◾️サマリー
    ・姉妹は共依存の関係を子供の時から築いてきた。
    ・父親からの虐待で生まれた解離性同一性障害。
    ・悪いのは父か、娘か、自治体か。

    ◾️感想
    児童虐待、姉妹の共依存、ギャンブル依存、殺人という暗澹たるキーワードをベースにした暗い小説だった。
    作者の作品を読むのは2回目である。前作の盤上の向日葵もまた、虐待のシーンが出てくる。
    子を持つ親としては、何とも悲しい気持ちになる作品である。
    子は親を選べないのだから、どのような形であれ、我が子には慈しみを持って接したい。
    作品を読むと誰が本当に悪いのか分からなくなる。
    虐待をした父親が悪いのか、虐待を背景に育ちあげく殺人に手を染めた姉妹が悪

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    2024年12月16日
  • 孤狼の血

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    昭和63年広島のヤクザと警察を舞台にした物語。
    署内で曲者とされる刑事・大上の下につく新人刑事の日岡は、大上の破天荒な行動に振り回されながらも暴力団の事件を追う。
    各章冒頭の、“塗り潰された日誌”を気にしつつ内容に没頭。日誌の目的や塗り潰した日岡の真相が最終章で明かされ、そして読み終えた後に再度プロローグを読むと、日岡に『孤狼の血』が確かに受け継がれており目頭が熱くなった。
    正義にはさまざまな形があり、“法律を守るだけが正義ではなく、むしろ正義を通す為に法律を破る事もある”と大上は身を呈して伝えた。ヤクザの義理人情と警察の体裁重視の対比が際立っている秀逸な作品だった。

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    2024年12月14日