柚月裕子のレビュー一覧

  • ウツボカズラの甘い息
    このタイトルは犯人の生き様というか信条を表しているような感じで悪くないが、この作品のメインは所謂「幻の女」だ。本当にサングラスの女はいるのか?容疑者のでっち上げか幻想ではないのか?
    後半で子供の話が明らかになり一層その疑惑が強まる。
    まあ「幻の女」といえば歴史に残るミステリの名作があるので同じタイト...続きを読む
  • パレートの誤算
    生活保護に纏わる殺人事件。新人ケースワーカーの女性を軸に話が展開。怪しい人物が二転三転し、最後まで飽きなかった。題材も良かったしエンタメ作品としても優秀だった。他の作品も読みたい。
  • 検事の死命
    登場人物それぞれにしっかりとキャラが設定されて、展開にリズム感があり、読み手を飽きさせない。
    そして最後にしっかりとカタルシスを感じさせてくれる。
    さすがです。
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐
    早いタイミングで不可解な事件の真相が分かるのだが、そこからラストまで一気に加速していく展開が、読者を飽きさせない。
    北陸が舞台というのが、松本清張っぽくていい。
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    面白かった。ドラマの演出が個人的に合わず期待値を低めにしていたのでより面白く感じたのかも。
    小説はターゲットや"依頼"がメインで、ドラマは涼子と貴山のふたりがメインという描き方なのかなあという印象。
  • 検事の死命
    佐方検事のお父さんの件で一安心。
    すっきりした!
    痴漢の事件も正義感あふれる検事の姿が見れてよかった。
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    話のテンポが良く、美男美女のバディものとしてとても面白く読めた。
    テレビドラマ版の影響でもう少しコミカルなのかなと思っていたけど、こっちはシリアス多めな印象。
    少し海外ドラマのような要素ややり取りなんかもあったりして個人的にとても楽しめました。
    続刊があるらしいのでそちらも期待。
  • 暴虎の牙 下
    面白い。かのヤクザ映画『仁義なき戦い』を見るよう。圧倒的な暴力シーンの連続。裏切り者は誰か?やっぱりそうか。日岡刑事に手柄を挙げさせてやりたい。続編希望。
  • 検事の本懐
    佐方貞人という検事を、いや人物を、様々な人のエピソードを通して描いた短編集。
    一人の人物の洞察を深めた、短編ながら読み応えのある一冊。
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    印象的なフレーズ→誰だって自信などありません。勝つか負けるか、成功するか失敗するか、その狭間でいつだって人間は悩んでいます。
    ただ、負けた時の覚悟があるのとないのとでは、その後の人生が全く違います。あなたのお父様がなぜ成功されたのか。それは、自信があったからではない。失敗した時の覚悟ができていたから...続きを読む
  • ウツボカズラの甘い息
    家事と育児に疲れている平凡な主婦の文絵が旧友の加奈子と再会し、加奈子からの甘い誘いに疑いながらも乗ってしまう。
    最初は上手くいっていたが、当然そんな上手い話はあるわけがなく、文絵の知らない所で投資詐欺が起きていた。
    さらに仕事仲間の章吾が殺され、その容疑まで文絵にかかってしまう。
    中盤のここからが面...続きを読む
  • 暴虎の牙 上
    孤狼の血シリーズ第三弾の上巻。284ページ。あの大上デカが帰ってきた。愚連隊・呉寅会の頭・沖虎彦とどうなっていくのか?日岡刑事はまだ登場せず。
  • 暴虎の牙 下
    グロい系が無理な人は読まない方がいいかも…というくらい指詰めるとか腕切り落とすとかドンパチ系満載。
    ただ、そういうグロさを超える面白さがあります。とうとうシリーズ全部読んでしまいました。寂しい。
  • ウツボカズラの甘い息
    この方の小説読むの2作目なんだけど、刑事の描き方が古臭く感じてしまう。それとも今でも刑事ってこんな感じの人ばっかりなの?
    話はすごく面白かった。途中、容疑者の精神病ゆえに冤罪に発展しそうになるのが、容疑者が存在していたと主張する人物が、存在してはいたけど既に死亡してたと発覚したあたりから物語が加速度...続きを読む
  • あしたの君へ
    家庭裁判所調査官という小説でも珍しい題材。
    扱い案件は小さいが、まさに人間の人生に向き合う職業、新卒には難しい職業だと思いながら一気読んだ。読む人の年齢により捉え方は違うと思うが、子を持つ親の中年としては色々考える所ありました。福岡が恐らく舞台で、情景が浮かぶのも感情移入できはまって読めた。警察もの...続きを読む
  • ミカエルの鼓動
    ミカエルは旧約聖書に出てくる天使らしい。
    医療現場でミカエルというロボット支援下手術を行う西條と従来の腕で手術をする真木とのライバル関係を中心に物語は進んでいく。
    私失敗しないので・・・を思い出す。

    さて、誰が天使で、誰が悪魔なのか?帯にはそう書いてあるが・・・。
    ライバル関係による対立というあり...続きを読む
  • あしたの君へ
    家庭裁判所調査官という立場からの視点が新鮮でした。
    全体的に面白かったですが、②抱かれる者と⑤迷う者が特に好き。
    一人ひとりの表出されきれてない感情や意思を汲み取ろうと奮闘する、大地のまっさらでまっすぐな人柄が、暗く重い人間模様でも、優しく包んでくれているようで温かい気持ちになれました。
    短編という...続きを読む
  • 暴虎の牙 下
    おもしろかった。沖の動きに目が離せない。大上亡き後の日岡に頼もしさを感じるようになった。日岡はいつも間に合わないという言葉、心に残った。
  • ミカエルの鼓動
    Audible で。
    主人公が自分にも医療にもとことん誠実な姿が潔く、好感を持ちました。
    ここに描かれた医療はここ数年のうちに現実になる、その時に、この作品で指摘された問題は一般国民にどう捉えられるのだろうと、興味深かったです。
  • 検事の信義
    第三話の広島の暴力団の話が出てきた時は、お!と思った。孤狼の血シリーズとクロスオーバーしていてワクワクした♪

    本作も佐方検事が、安定の正義感で気持ちが良い!

    「裁判は私のためにあるのではありません。罪をまっとうに裁くためにあるのです」

    「立場なんて関係ありません。私は自分の信義を守るだけです」...続きを読む