柚月裕子のレビュー一覧

  • パレートの誤算

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    市役所職員と警察官は、同じ公務員なのだから本来は市民のために汗を流さなければならない。ところが、それを忘れて組織の保身を最優先されていると若林刑事は言うが、ケースワーカーの牧野聡美がヤクザに誘拐されると、自分の首は意に介せず独断で行動を起こす。保身の塊である役所とは対照的で面白い。

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    2026年01月17日
  • 風に立つ

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    本著者のこれまでと異なり、ミステリーさは保ちつつ「家族とは」を考えさせられる作品で、親子間のコミュニケーション不足気味の我が家と酷似していると感じた。
    同じ貧困を味わった父小原孝雄は子供には自由を、片や庄司達也は、対照的に子供に決まった道を歩ませようとするが、子はそれぞれ不満を募らせていく。
    それを解決するには、相手を尊重した対等のコミュニケーションが必要なのだと痛感させられた。

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    2026年01月17日
  • 教誨

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    ネタバレ

    自分の子供と他の子供を殺した死刑囚の遺した言葉の真意を探る物語

    読み終わっても、響子が許されないことをしたことに変わりはないけれど、そうするに至った経緯を作ったのはその周りの人間であることは間違いないと思った。

    彼らのほとんどは事件後も決して自分の非を認めず、あたかも自分は無関係です、みたい感じで自分たちの行為を振り返ることはないんだろうなと想像した。

    今作のテーマとは少し外れているかもしれないけど、印象的だったのがいわゆる「いいとこの家」の人間たちの持つ高いプライドからくる自分たちより下の身分の者たちへの傲慢な態度だった。

    過去自分たちが地主やその家系だったからといって嫁入りしてきた

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    2026年08月15日
  • 風に立つ

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    26年夏休み、一気読み、おもしろかった。
    岩手、南部鉄器の職人一家、というか工房で、家庭裁判所の補導委託を引き受ける話し。春斗は、粗野で悪質な手に負えない非行少年という感じはしない。ずる賢さがあるわけでもなく、多くはこういう非行少年なのかな。孝雄と悟との親子関係も、悟は職人を継いで腕を磨いてるわけだし、それほど深刻な葛藤があるようには思えなくて、いまいち物語に没入できない感じがあった。ただ、話の展開に合わせて春斗が変わっていく様子がおもしろくて、一気読みだった。
    いくら親が子のためと思っても、子どもは思い通りに動かない。別人格ってこと、忘れがち。それでもなんとかしたいと思ってしまう。それが親子

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    2026年08月15日
  • 誓いの証言

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    久々の佐方弁護士シリーズ。過去と現在が交互に、きちんとそれぞれの時系列どおりに進んでいくので、早い段階で事件の真相は分かる。あとは法廷でどのように明らかにしていくのかっていうところに期待があったが、わりと普通だった⋯。ほかの方の感想にもあるが、たまたま目についたとはいえ、この人を狙うか?みたいな⋯顔覚えてたんだーとか。
    最後は救われる終わり方だったけれども、八方丸く収まる、無難な終わり方という気も。きっとおもしろいはずだ!と思っていた分やや期待外れ感は否めない。無難におもしろくはあった。

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    2026年08月15日
  • 誓いの証言

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    ネタバレ

    柚月さんの本は幾つか読んだけど、どれも暗かった…。この本は重苦しさはなくて読みやすくて、一気読み出来た。
    でも、事件の動機が弱いかなぁ…若社長や大さんを嵌めるなら理解できるけど、少し関わっただけの若い弁護士を身を挺してまで今更嵌めるなんて、不自然に感じた。久保は復讐する相手では無いやろ!と思いました。

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    2026年08月11日
  • 誓いの証言

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    シリーズの前作を読んだのは随分前だから あまり覚えてないんだけど 佐方の魅力はもっと胸に込み上げる熱いものがあったような。今回はそれが感じられなかった。
    それまでの不幸続きが嘘みたいなハッピーエンドもなぁ。2時間ドラマを見終わったような読後感だった。

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    2026年08月11日
  • 合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明

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    天海祐希と松下洸平が出演した連続ドラマ原作のシリーズ第2弾。
    不祥事で弁護士資格を失った上水流涼子は、IQ140でめちゃくちゃアタマのキレる貴山伸彦をアシスタントにして探偵エージェンシーを運営する。
    涼子のモットーは「殺しと傷害以外はどんな依頼も引き受ける」。本日も「あり得ない」依頼が舞い込む。
    ・物理的にあり得ない 依頼主が中身を教えない不明の積み荷乗せたクルマの捜索を頼まれる。
    ・倫理的にあり得ない 別れた元夫から息子の親権を取り戻して欲しいという女性だが。
    ・立場的にあり得ない 情報を融通し合っている所轄の刑事が摂食障害になった女子大学生を助けて欲しいと。


    読みやすい文体と、3編のス

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    2026年08月10日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    震災さえなければ、殺人を犯すこともなかった。

    恵まれない人生を歩んできた主人公の上にも、災害は平等に降りかかる。
    少しは報われて欲しいと、読み進めたのだけど、最後まで本当に可哀想なままだった。直人との出会いやお父さんの手紙が唯一の光だっただろうか。

    周りの人達も、家族を亡くしているからなんとも言えない気持ちになった。

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    2026年08月09日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    抜け出せない負のスパイラル、真柴の人生が読んでいて辛い。
    「生きている」とはどういうことなのか、自分はなぜここに存在するのか、答えはない。
    だからこそ、答えを持ってるかもしれないキッカケの人に縋りたくなる。

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    2026年08月09日
  • 誓いの証言

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    面白かったです。
    受けた案件を徹底的に調べて弁護する弁護士もの。
    今回は弁護する人が、友人であり、同業の弁護士であり、弁護内容も厳しい。そんな案件に熱い弁護士が難問に挑む。出てくるキャラクター設定も個性があり、一気に読み進めました。

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    2026年08月07日
  • 誓いの証言

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    いいんだけど、先が読めてしまう。いい話に持っていこうとするあまり、筋がわかってしまい、驚きに欠ける。
    文章自体は読みやすく、あっという間に読み終えるのだが、後にあまり残るものはない。

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    2026年08月06日
  • 誓いの証言

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    佐方シリーズ。読み始めた瞬間から嫌な予感がつきまとい、先を知りたいのに読み進めるのが苦しかった。
    登場人物たちはそれぞれ揺るぎない信条を持って生きている。信念を持つことは簡単でも、最後まで貫き通すことは難しい。それでも自分の信条を曲げて生きることは、自分自身を少しずつ損なってしまうことなのだと、物語を通してひしひしと感じた。そして、シリーズを通して佐方が見せるぶれなさがいっそう際立ってみえた。

    重く苦しい物語ではあったが、救いが待っていて、読後には静かな温かさが残った。

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    2026年08月04日
  • 誓いの証言

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    復讐の手段が安易。それにしておけば書きやすいからだろうとは思うが、それでも他のにして、練り上げて書いて欲しかった。

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    2026年07月28日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    ネタバレ

    ・震災当時のことを思い出した、数キロ離れた沿岸部の悲惨な状況と少し内陸側にいたから生きている自分。自分が生きていてもいいのかなと引け目を感じていた

    ・冷静に判断すれば、最悪の結果にはならなかったのかもしれない。父親と同じ運命をたどろうとしている主人公が不憫だった

    ・直人君がなぜ主人公に信頼を寄せたか知りたかった

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    2026年07月28日
  • 誓いの証言

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    大好きな佐方貞人シリーズ♡
    新作待ってました〜!!

    強い信念を持つ 元検事の弁護士・佐方貞人



    ある冤罪疑惑が浮かび上がる事件の
    弁護を引き受けた佐方は
    証言の食い違いや隠された矛盾に
    違和感を抱きます

    過去と現在が複雑に交錯するなか
    真実と正義を求めて粘り強く
    真相へ迫っていきます

    とにかく佐方のブレない眼差しと
    静かで愚直な正義感がカッコ良すぎます……!



    華やかな弁護パフォーマンスはなくても
    証言の「綻び」を見逃さず、感情に流されず
    けれど人の弱さや痛みに誠実に
    向き合う佐方の姿に
    今回もシビれました〜!

    ラストは少しキレイに
    まとまりすぎな気もしますが…笑
    大好き

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    2026年07月24日
  • 凶犬の眼

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    暴力と緊張感に満ちた物語なのに、気づけば登場人物たちの信念や覚悟に目が離せなくなっていました。読後は「正義とは何だろう」と考えさせられる一冊でした。

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    2026年07月18日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    流されるように犯罪を犯す羽目になった亮。しかしそこには抗いきれないとは言い難い自分自身の決断があったことに気がつく。
    大震災の記述と家族を亡くした多くの方達の様子が切ない。

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    2026年07月18日
  • 教誨

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    ずーっと暗い。トンネルの出口の光が小さく見えているのに、どれだけ歩いても大きさが変わらないような暗さ。
    小島町の寒さや寂しさを、読者の私も最初から最後までずっと感じながら読んだ。

    東京育ちの自分には、千枝子や響子の気持ちはわからない。最後の約束も到底納得できなかった。

    でも現世で不遇な経験をして疲れ切ってしまって、糸が切れてしまったんだろうな。もう頑張れなかったんだろうな。
    田舎の呪い、女であることの呪い、私自身は経験してなくても、それらは幻ではなかったってこと忘れちゃいけないな。


    読んでから一夜明けて追記。響子がいかに不遇だったとて特に2人目の殺人は到底同情できないとは思った。そんな

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    2026年07月17日
  • 誓いの証言

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    ネタバレ

    久しぶりの佐方貞人シリーズで、読む方も気合が入った。
    現在と過去の世界を章ごとに書き分けて、登場人物がどこで重なるのか楽しみにしていたら、そう来たかと膝を打った。やっぱりいつも悲しく泣けてくる話だけど、ちょっと動機やターゲットが大雑把かな。最後に入院しているおばさんの事故補償のやり方も、それは変じゃないかと思う。大団円に持っていく方向が若干安易な感じがして、星3個にしました。

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    2026年07月15日