柚月裕子のレビュー一覧
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死刑囚、響子が最期に残した「約束」の正体を探るミステリー小説。400ページと読みやすいボリュームだったため、若干展開が早かった。響子は何をやっても幸せになれない、誰にも認められない不憫な女の子で、彼女の壮絶な人生を知ると居た堪れない気持ちになった。自分はそのような境遇に陥ることはおそらくないが、そういった人が周りにもいることを理解しないといけないと感じさせられた。実際、小学校の頃にはいじめにあっていた人を横目で見ていた。話の中にも度々話題に上がった、狭いコミュニティならではの強い帰属意識はそういったいじめの温床なのかもしれない。小学校の頃は自分自身も友達がいなかったため、何もできなかったが、これからはそういうった不憫な人を助けたいと思う。
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ネタバレ東北大震災の中、殺人犯として追われる身になった青年。
自身も被災した刑事は、青年の人生を辿りながら彼を追う。
第173回直木賞候補作。
はあ~ このやるせない読後感は「教誨」と似てますね。
真柴が不憫で、どうしても”たられば”を考えてしまう。
手紙を読めたことは救いになったんでしょうか。
災害時、自衛隊や警察消防の方は辛いですね…理代子の立場だったら同じようになるかもしれない。小さい娘が亡くなった極限の状態で、頭ではわかっていても「探さなかった」事が許せないかもしれない。
そんな中でも陣内が真柴やその父に自分を重ね、心に寄り添って捜査していたのが印象的。 -
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新刊発売時に買ったものの、なんか暗そうだしなぁ…と読むのを日延べしていた一冊。読み始めたら2日で読み終わりました。
田舎の良くないところがこれでもかと煮詰まったように出てくる作品。別に田舎だから悪いわけではないのだけれども。物事には良い面と悪い面があるので、良くも悪くも人は社会動物だから社会の中での評価と共にしか生きられない存在なのだよなぁと思い知らされる感じです。こういう共同体というか息苦しいほどの密な社会を嫌って、都会に出て戻らない人がいるのはよく理解出来る気がする。
後は男の身勝手さ、横暴さが非常にわかりやすく表現されている。一昔前の昭和の男どもってこんな感じの考え方だったんだろうなぁというのを諦めもありつつ納得するというような。その一方、教誨師の僧侶など心ある人ももちろん出てくるので、一方的に男性だからという訳ではないのだろうけれども。
母親が守りたかったもの。娘が守りたかったもの。母の愛というものはかくも重いものか、と思いながら読み終えました。それにしても母娘に救いのない話でした… -
Posted by ブクログ
ベテランケースワーカーの殺人をきっかけに、新人ケースワーカーがその理由に辿り着くまでを描いている。
生活保護受給者の後ろで糸を引く暴力団は人の弱みに漬け込んで精神的に支配し、真っ当に生きようとする生活者の足をつかんで離そうとしない。
結果的に貧困ビジネスに加担する事になる猪又や佳子も、きっかけはどこにでもありそうなエピソードで、魔がさせば自分も道を踏み外してしまうかもしれないと感じた。
経営が苦しく不正受給に手を染めなければ生き残れなかった菅野病院も、一回の判断ミスが後戻りできない所にまで行ってしまったと思うと、つくづく暴力団に関わるきっかけができると果てしないんだと恐ろしくなった。
裏切れば金田のようになってしまうという事を知ってる佳子も逃げることはできない。
そんな事がわかっていても生活保護受給者の自立を諦めなかった山川には、高級腕時計をつける事で自分を奮い立たせていたのかもしれないと思った。