柚月裕子のレビュー一覧

  • ミカエルの鼓動

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    ネタバレ

    読み応えあった。
    西條や真木をはじめとする医師たちの、医療や患者に対する真摯な姿勢に救われる思いだった。
    ミカエルに全幅の信頼をおき、未来に期待していながらも、ミカエルの瑕疵の可能性に思い至った時に、患者のことを考え、真木に助手に立ってもらうことを選択した西條の心の柔軟性が良かった。
    反発してるようでいて、出会った時から真木の医師としての姿勢をリスペクトしてしまう西條の人間性。
    あと、西條が雨宮と安易に恋仲になったり、体の関係を持ったりすることがなくて安堵。もしそんなチープなことになったら興醒めだなと薄っすら戦々恐々としながら読み進めたけど、さすが柚木裕子、そんなことには一切ならず。よかった。

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    2025年10月22日
  • 警官の道

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    警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集

    「上級国民」葉真中顕
    葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
    現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。

    「許されざる者」中山七里
    刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
    コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。

    「Vに捧げる行進」呉勝浩
    あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
    「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。

    「クローゼット」深町秋生
    性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
    レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らの

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    2025年10月21日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    主人公がひたすら不憫だった。
    桃鉄で言ったらキングボンビーがずっと憑いているような。
    なおとがいつか地震とそれからの数日間のことを思い出すことがあったときに、辛い記憶だけじゃなかったらいいなと思う。

    東日本大震災と犯罪を絡めるの、ものすごくヘビーだった。でもこれを読んでまた、突然家族や生活、環境などを奪われてしまう恐ろしさを感じたし、相次ぐ災害に対して自分にできる支援をしようと改めて強く思った。

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    2025年10月18日
  • 逃亡者は北へ向かう

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    東日本大震災の渦中に起こった殺人、という題材。
    警官の視点と犯人の視点が、交互に出つつ、さまざまな人間模様が描かれる。
    面白くないことはないのだが、柚月裕子作品であれば、もっと面白いのあるよなあ、という思いを持ちました。

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    2025年10月15日
  • 朽ちないサクラ

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    ラストの件は良かったし、主人公の新たな決意の想定外で良かった。けど、少しばかり、警察組織の闇というか深みが感じられなかった。勿論、あまりそこを深くすると、新たな決意が嘘っぽくなってしまうので、こんな感じが良いのかも。

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    2025年09月29日
  • ウツボカズラの甘い息

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    ネタバレ

    他の人の感想と同じく後半から引き込まれていきました。前半では文絵と加奈子が殺人を起こしてしまう?と思っていたが、文絵が何も知らない間に、事件が起きていた。というところから、あれ?どうなっていくんだろう?と気になって読み進めました。マルチ商法、宗教、離婚、植物人間、認知症、詐欺、事故、メンタルクリニックなどあやしげなキーワードが散りばめられ、あやしげな人たちのあやしげな世界に淡々と真っ直ぐに真相に迫っていく刑事の様子。真犯人にたどり着いた時にはガッツポーズしたい気持ちになりました。

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    2025年09月28日
  • 慈雨

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    お遍路を通して主人公が刑事人生の後悔と罪に向き合う物語。大切なものを守るために必要な強さを主人公から感じました。

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    2025年09月26日
  • 月下のサクラ

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    ネタバレ

    事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングをし、解決へと導く機動分析係。
    森口泉は機動分析係を志望していたものの、実技試験に失敗。しかし、係長・黒瀬の強い推薦により、無事配属されることになった。鍛えて取得した優れた記憶力を買われたものだったが、特別扱い「スペカン」だとメンバーからは揶揄されてしまう。
    自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導く――。
    泉は早速当て逃げ事件の捜査を始める。そんな折、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚した。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚で、やがて殺人事件へと発展してしまう……。


    500ページ弱あるこの作品のなかで

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    2025年09月26日
  • 朽ちないサクラ

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    伏線があるので途中から結末は簡単に予想できる。後半は、それをどう回収するかを読んでいく感じだった。登場人物のうち、何人かは描写や情報、回収が足りない部分があるのが気になる。
    物足りなさは感じるけど、エンタメとしては面白いので星3つ!

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    2025年09月23日
  • 朽ちないサクラ

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    ネタバレ


    杉咲花を想像しながら楽しく読んだ。
    残り少ないページでどう解決するのか…と思ったら、しなかった。。。
    まあそれが逆に現実的。
    解決なんてしないんよね。
    でもそれでいいのかエンタメ小説。
    続編が実質後編なのか。
    それはこれから読むのでまだわからない。それ次第で評価が変わりそう。
    だけど、映画はこれで完結してるだろうし消化不良にならんのかしらん。

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    2025年09月22日
  • 慈雨

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    お遍路と主人公の人生を重ねたストーリー。
    綴られている言葉が美しい。
    ミステリーというよりも人間ドラマ。
    登場人物はやや昭和な感じ。
    今の時代ならどのようなストーリーになるのかを考えてみるのも、読書からの気づき。
    この作家さんの他の本も読みたくなった。

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    2025年09月21日
  • 盤上の向日葵(上)

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    #盤上の向日葵 上・下

    #ミステリの秋2025 の開幕は本作から。
    遺棄された身元不明の遺体と名駒の繋がりを追う先に、異色の経歴を持つ天才棋士が浮かび上がる。
    前半の雪の東北での真剣師東明の将棋と、後半、向日葵の群生の中での圭介の昇竜戦。その対比が棋士達の狂気を鮮烈に印象づける。

    #読書好きな人と繋がりたい
    #ミステリ
    #映画化

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    2025年09月18日
  • 慈雨

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    お遍路巡りを題材としつつも、警察小説。
    広島の大上刑事のシリーズが思い出されたけど、今回は今回で人間味溢れる登場人物が描かれて、柚月ワールド楽しめる作品でした。

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    2025年09月18日
  • 教誨

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    どこかで聞いたことある事件がモチーフになってると思われる。
    我が子と近所の子を殺めて死刑囚となった女性の最期の言葉から、事の真相を追う女性の物語。
    事件の主人公である死刑囚も、彼女の家族もこの世に存在しない中、どうやって真相が?と気になって読み進む。
    確かに親ガチャとか、育った環境とか、周囲の無理解とか、色々同情の余地はあるにせよダメなことはダメなのよ。
    真相を追った彼女のモヤモヤはアレで晴れたのかなぁ?

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    2025年09月16日
  • 教誨

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    子供が亡くなってしまったことに色々な理由があるのはわかる。環境が悪かったのも。
    でも、どうも気持ちが入らない。
    自分が母なだけにか?悲しい結果になんとかならなかったのかな?と思う。親戚だというだけでそこまでするのだろうか?理解が色々難しい。

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    2025年09月14日
  • 教誨

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    思っていた通りの重たい話だった。最後も決して救われたと言える終わり方ではない。
    「物事には、原因と結果がある」
    負の連鎖を断ち切れるのは何なのだろう?

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    2025年09月14日
  • 臨床真理

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    ネタバレ

    最近 気になる作家さん

    一気に読めたが、性的描写が苦手

    司 共感覚もつ 健常者だとばれないように精神病者を真似る

    警察官である栗原くんをうまく利用しすぎ

    安藤と内田は遠い親戚だと遙が言った
    結局 内田(息子:精神病)は美帆(弟:精神病)を心配していた

    後半から高城が怪しいと感じた
    加奈の相手は高城

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    2025年09月04日
  • 教誨

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    響子は死刑になるその時まで約束を守ったかもしれない。

    ただ、約束が何か明かされたところで、響子を擁護する気になれない。

    終始、幸せな気持ちになれなかった。

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    2025年09月03日
  • パレートの誤算

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    展開が早かったのでなかだるみせずに読めた。
    小野寺のキャラがよかったなあ。
    生活保護の人を支えるケースワーカーの大変さがすごく伝わった。

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    2025年09月02日
  • 猫が見ていた

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    猫が見ていた、という題がピッタリな感じのアンソロジー。人間の営みのそばを通り抜けていくネコチャンみたいな印象

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    2025年09月01日