柚月裕子のレビュー一覧
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ネタバレ自分の子供と他の子供を殺した死刑囚の遺した言葉の真意を探る物語
読み終わっても、響子が許されないことをしたことに変わりはないけれど、そうするに至った経緯を作ったのはその周りの人間であることは間違いないと思った。
彼らのほとんどは事件後も決して自分の非を認めず、あたかも自分は無関係です、みたい感じで自分たちの行為を振り返ることはないんだろうなと想像した。
今作のテーマとは少し外れているかもしれないけど、印象的だったのがいわゆる「いいとこの家」の人間たちの持つ高いプライドからくる自分たちより下の身分の者たちへの傲慢な態度だった。
過去自分たちが地主やその家系だったからといって嫁入りしてきた真面目な千枝子や響子を蔑ろにして、こき使うくせに自分勝手な自分たちの身内には甘い、という差別も嫌だった。
そういう姿勢でいることって何か得があるのかな、身内との関わりを深くして時には助け合うこともあるんだろうけど、それ以上にその他を傷つけて嫌な思いをさせて根深く人生を歪めることのほうが圧倒的に多そうだなと考えたら。 -
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久々の佐方弁護士シリーズ。過去と現在が交互に、きちんとそれぞれの時系列どおりに進んでいくので、早い段階で事件の真相は分かる。あとは法廷でどのように明らかにしていくのかっていうところに期待があったが、わりと普通だった⋯。ほかの方の感想にもあるが、たまたま目についたとはいえ、この人を狙うか?みたいな⋯諸悪の根源を狙うべきでは。え、こんな下っ端?しかもずっと顔覚えてたんだーとか。
最後は救われる終わり方だったけれども、八方丸く収まる、無難な終わり方という気も。きっとおもしろいはずだ!と思っていた分やや期待外れ感は否めない。無難におもしろくはあった。 -
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天海祐希と松下洸平が出演した連続ドラマ原作のシリーズ第2弾。
不祥事で弁護士資格を失った上水流涼子は、IQ140でめちゃくちゃアタマのキレる貴山伸彦をアシスタントにして探偵エージェンシーを運営する。
涼子のモットーは「殺しと傷害以外はどんな依頼も引き受ける」。本日も「あり得ない」依頼が舞い込む。
・物理的にあり得ない 依頼主が中身を教えない不明の積み荷乗せたクルマの捜索を頼まれる。
・倫理的にあり得ない 別れた元夫から息子の親権を取り戻して欲しいという女性だが。
・立場的にあり得ない 情報を融通し合っている所轄の刑事が摂食障害になった女子大学生を助けて欲しいと。
読みやすい文体と、3編のストーリーということで1つずつ区切っても読みやすい。あいた時間などにもオススメです。
どの話も良いのですが、もっと二転三転したりするのかと思っていましたが、若干肩透かししてしまったかな。キャラが立っていてそういう意味では面白いし、映像で見るのもよさそう。個人的にはもっとひねった話かと思っていたので★3にしました。カジュアルに読みたい時にはいいと思います。 -
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ずーっと暗い。トンネルの出口の光が小さく見えているのに、どれだけ歩いても大きさが変わらないような暗さ。
小島町の寒さや寂しさを、読者の私も最初から最後までずっと感じながら読んだ。
東京育ちの自分には、千枝子や響子の気持ちはわからない。最後の約束も到底納得できなかった。
でも現世で不遇な経験をして疲れ切ってしまって、糸が切れてしまったんだろうな。もう頑張れなかったんだろうな。
田舎の呪い、女であることの呪い、私自身は経験してなくても、それらは幻ではなかったってこと忘れちゃいけないな。
読んでから一夜明けて追記。響子がいかに不遇だったとて特に2人目の殺人は到底同情できないとは思った。そんな事件無かったらその子は大人になれていて、そのことで親はどれほど心を痛めただろう。
人の親になって子供を愛する気持ちを知ったのに、なんて鬼畜なことをしているんだと。
恵まれない環境はたしかに影響しているかもしれないけど、罪を悔いているからといって死後は安らかに地元で眠りたいだなんて、そんなの図々しいと思ってしまったよ。
死後の人間に罪人も関係ないってお坊さんは言ってたし罪を犯さない人なんていないと思うけど、
それでも私は小さな子供をもつ親として、どうしてもかわいそうだけで終われなかったな。 -
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家族と地域(ムラ)の束縛と呪縛の話。
ムラに縛られてる親
親に縛られてる子
自由にできない身体
悪いようにしかならないピースが揃い
最も無垢な存在が犠牲になる悲劇
そして、彼らを嫌悪することしかできない
現在の人々も悲劇的だと思った。
不幸なやつに全部不幸を背負わせればいい
という神様の意地悪が酷い。
最後もあれで良かったのだろうかと
自由な身の自分から見ると疑問が残る。
ママのところで
男とプライベートで関わらずに
元気に生活ができてれば
全然違った結末になってたかもと
思わなくもない。
事件を悔いる(教誨)がメインではなく、
事件の真相を辿るストーリーだったのが
まぁそうなるか…という感想。
わりと聞きなれない制度だから、
もっと取り上げてほしかった。
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Posted by ブクログ
暗く、哀しい物語
我が子を含む二人の女児を殺めたとされる死刑囚の響子。
死刑執行後、響子の遠縁にあたる香純は、響子の遺品と遺骨を受け取るとともに、響子の教誨師の下間の力添いを受けて、遺骨を響子の本家の墓におさめようとします。
そこにあった、村社会の闇。さらに、彼女の最後の言葉、
「約束は守ったよ、褒めて」
その真相は?
という展開です。
香純が掘り下げていく響子の母親やその過去。
地方の村社会、差別、虐待とこれでもかというぐらい、辛く哀しい生い立ちです。
その連鎖からは逃れられないのだと感じました。
哀しいものがりでした。
あんまり、お勧めできない...