柚月裕子のレビュー一覧
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長く出口の見えなかった難解事件。その停滞した空気を切り裂いたのは、鋭いプロの鑑識眼ではなく、引退した刑事がふと立ち寄った「定食屋」での何気ない出来事でした。この設定の妙が、本作の最大の牽引力となっています。かつて第一線で戦った男が、現役を退いてなお消し去ることのできない「刑事の性」と、定食屋の温かな日常。その対比が、物語の導入から読者の心を静かに、かつ強く掴んで離しません。
【キャラクター:善意の包囲網】
本作を読み進めていて最も印象に残るのは、登場人物たちの「人の良さ」です。犯人を除けば、物語を彩る人々は驚くほど純朴で、善意に満ちています。
ともすればリアリティに欠けると批判されかねない設定 -
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ネタバレ背負う者
望月大地
福森家庭裁判所調査官補。少年事件担当。カンポちゃん。二十二歳。法学部出身。
鈴川友里
十七歳。
溝内圭祐
福森家庭裁判所調査官。少年事件担当。家裁調査官として八年のキャリア。
直子
友里の母親。
真鍋恭子
福森家庭裁判所に勤務する家裁調査官。総括主任。四十六歳。
藤代美由紀
大地と同期。
志水貴志
大地と同期。
小林正春
友里の窃盗の被害者。福森市在住の会社員。二十八歳。
杏奈
友里の妹。
隆司
友里の父親。三年前に他界。
名木沢
ネットカフェの店長。
横山雅恵
直子の義理の姉。
横山利男
直子の十歳離れた兄。五年前に心筋梗塞で急逝。
要綱
雅恵の -
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ネタバレ牧野聡美
社会福祉課職員。臨時職員として就職。山川の死後、仕事を引き継ぐことになる。
猪又孝雄
津川市役所福祉保健部社会福祉課の課長。
山川亨
社会福祉課職員。三十七歳。社会福祉課は八年目。ベテランケースワーカー。生活保護受給者の自宅に訪問中、火災に巻き込まれ死亡。解剖報告書では、火災が起きる前に死亡していた。
その後、ヤクザと不適切な関係を築いていた可能性が浮上する。
小野寺淳一
社会福祉課職員。三十歳。市役所に勤務して八年。この春に市民課から社会福祉課に異動した。
西田美央
社会福祉課職員。新卒で市役所に勤務して四年。
森口守
生活保護受給者。六十歳くらいの男性。
沢内憲吾
生 -
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人は個である、との持論を西條は持っている。親でも兄弟でも、ひとりの人間だ。精神的な自立があり、その先に支え合いが成立すると思っていた。それは今でもかわらない
生きるとはどういう意味か、
心臓が動き、脳が正常に働き、呼吸をしていれば、生物学的には生きていることになる。が、医療に関する書籍を読み、実際に医療現場で働いている者から話を聞くなかで、生存と生きることは別なのではないか、と思うようになった。
本人に意識がなくとも、機器によって生命を維持していれば、生存しているとみなされる。が、それは果たして生きているといえるのか。逆に、肉体は滅びたが人々の記憶に残っている限り、死とはいえないのではないか