柚月裕子のレビュー一覧
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ネタバレ読み応えあった。
西條や真木をはじめとする医師たちの、医療や患者に対する真摯な姿勢に救われる思いだった。
ミカエルに全幅の信頼をおき、未来に期待していながらも、ミカエルの瑕疵の可能性に思い至った時に、患者のことを考え、真木に助手に立ってもらうことを選択した西條の心の柔軟性が良かった。
反発してるようでいて、出会った時から真木の医師としての姿勢をリスペクトしてしまう西條の人間性。
あと、西條が雨宮と安易に恋仲になったり、体の関係を持ったりすることがなくて安堵。もしそんなチープなことになったら興醒めだなと薄っすら戦々恐々としながら読み進めたけど、さすが柚木裕子、そんなことには一切ならず。よかった。 -
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警官をテーマに、七人の作家が競演する書き下ろし警察短編集
「上級国民」葉真中顕
葉真中さんらしい、人間の陰をえぐる短編。
現代社会の問題を踏まえながら、「下級国民」の強かでしなやかな生息を描きます。
「許されざる者」中山七里
刑事犬養隼人シリーズのスピンオフ的短編。
コロナ禍の東京オリンピックを背景に、不祥事の数々を折り込みます。
「Vに捧げる行進」呉勝浩
あのコロナ禍当初の、息苦しい近隣・職場・日本、そして世界。
「死を捨て街に出る」その衝動を描きます。
「クローゼット」深町秋生
性的嗜好を隠して生きる“クローゼット”。
レイプ事件の被害者と加害者、それぞれの告白を前に、刑事は自らの -
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ネタバレ事件現場で収集した情報を解析・プロファイリングをし、解決へと導く機動分析係。
森口泉は機動分析係を志望していたものの、実技試験に失敗。しかし、係長・黒瀬の強い推薦により、無事配属されることになった。鍛えて取得した優れた記憶力を買われたものだったが、特別扱い「スペカン」だとメンバーからは揶揄されてしまう。
自分の能力を最大限に発揮し、事件を解決に導く――。
泉は早速当て逃げ事件の捜査を始める。そんな折、会計課の金庫から約一億円が盗まれていることが発覚した。メンバー総出で捜査を開始するが、犯行は内部の者である線が濃厚で、やがて殺人事件へと発展してしまう……。
500ページ弱あるこの作品のなかで