あらすじ
米崎地検の検事・佐方貞人の事務官をつとめる増田陽二。高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会した増田は、同じく同級生の木戸とその夜旧交を温める。増田にとって、伊達は柔道をやめずに済んだ恩人であり、ヒーローだった。だが、大阪で警察官になったという伊達には、ある秘密があった……。(「ヒーロー」)
〈佐方貞人〉シリーズスピンオフ作品をはじめ多ジャンル作を集めた、著者初のオムニバス短編集。
感情タグBEST3
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柚月先生の短編集は初めて読んだが、相変わらず無駄がない洗練された文章でとても読みやすく、短い中でも伏線とその回収がなされているのが本当にすごいと思った。馴染みの佐方さんの名前が出てきた時は嬉しかった。
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短編集はそれほど好きではないのですが、佐方シリーズの増田事務官の話が載っているということで読んだところ、他の作品もそれぞれ良さがありました。
初出が『5分で読める!』や『10分間ミステリー』ということもあるのか、すぐ読めるものながらゾクッとするのもよかった。
「泣く猫」は『猫が見ていた』で読んでいました。
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久しぶりの柚月裕子さん!
まぜこぜの短編集。
ちょっと印象に残ったのを…
「チョウセンアサガオの咲く夏」
代理ミュンヒハウゼン症候群か…
分からんでもないけど、キツいな…
やはり、人には、繋がりが必要やねんな。
「サクラ・サクラ」
聞いた事があるような…
日本贔屓の国では、良くあるような感じ。戦争などで、占領しても、現地の人に感謝されるような…
自身もそうありたいな。
「お薬増やしておきますね」
妄想性パーソナリティ障害もキツいな。
自身を女医と思ってる…
診察、先生 vs 先生って感じに、話の内容からは思い浮かべてた。
でも、実際に診察見たら凄い事に!
「初孫」
不妊症だったとは言え、初めて出来た子どもに不信感もなぁ。
オチが、何かイヤらしい事思い浮かべる…
「原稿取り」
何か、ソフトの仕事を思い出した。
記憶媒体で渡して、中を壊してたまま渡して…(^◇^;)
「愛しのルナ」
怖い〜!
「泣く猫」
どんな母親だったとしても…
なんかな…
思い出の一つや二つあるもんな。
好きなだけ泣けば良いと思うけど…
「黙れおそ松」
おそ松くんや!(それだけか!www)
「ヒーロー」
佐方貞人シリーズのスピンオフになるんかな?
事務官の増田さんの話。
まぁ、学生時代の友達で、久しぶりに会うと色々あるわ。社会に揉まれて色々…
聞いて欲しくない事もね。
でも、これからも付き合いたいなら別。
キツいけど、「嘘の先には、嘘しかありません。」(佐方さんの言葉)…
そろそろ、佐方貞人シリーズも読みたいな。何か、連載中みたいやから、そのうち本になるかな?弁護士編みたい。
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短編集だが各作品がとても短いので、すきま時間にさくさく読めた。
ブラックジョークのような星新一のショートショートを思わせるような話と、ほろっとくる話とがある。
個人的には最後の「ヒーロー」が一番いい作品だと思った。
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柚月さんには珍しいオムニバス短編11編。
どれも味のある作品です。
佐方検事の事務官である増田氏のショートストーリーもあります(ヒーロー)。
様々なジャンルにわたる短編集です。
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帯に書かれていた介護の話かと思いましたが短編集でした。
どの作品もヒリットするようなお話でしたが、少し短くてその続きが気になりました。
狐狼の血の作者さんだったのも初めて知りました。
映画は観た事はあるので今度は本も読めたらなと。
どの短編集も確かに映像化したら面白いかもと思いました。
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チョウセンアサガオの咲く夏/泣き虫の鈴/
サクラ・サクラ/お薬増やしておきますね/初孫/
原稿取り/愛しのルナ/泣く猫/影にそう/黙れおそ松/
ヒーロー
様々な感情を呼び起こしてくる お話 たち
また 会おうね
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人の心の密やかな内面を表現した短編が並んでいる。テラーや主人公の本音を知るとゾクゾクしたり感心したり様々な事情を垣間見れる。個人の飽くなき欲望が作る事実は誰かの要望の産物であることを誰も気づけない。気づいた時には嫌悪と許容の狭間で悩むかもしれない。
佐方検事が登場すると、不思議とその一冊がピシッと締まる感じがする。
タイトルは短編の一つですが、いずれも偏った欲望が生み出す物語かと感じました。
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ミステリーから人間ドラマ、ギャグ漫画のパロディから、著者の代表作のスピンオフまで多種多様なオムニバス短編集。作品の最後から数行に潜む驚き。嫌ミスではないが心掴まれる。タイトルの作品は「恩返し」という名の主人公による内面の変化(気付き)がゾクッとした。一作品毎に文体が変化する様子は、さすがプロだなと思わせられる。
Posted by ブクログ
柚月裕子『チョウセンアサガオの咲く夏』角川文庫。
著者初のオムニバス短編集。柚月裕子の作家としての成長の過程が伺える11編を収録。
『チョウセンアサガオの咲く夏』。表題作。イヤミスである。全ての真相が明らかにされた時、暗い気持ちになる。20代の頃から田舎町にある実家で母親の介護を続ける女性。老医師の往診だけが他人とのつながる時間で、それが心の支えでもあった。
『泣き虫の鈴』。口減らしのための奉公など今では考えられないことだが、今は今で貧困に喘いで辛い思いをしている人たちがいる。山形と新潟の寒村から手広く養蚕業を営む豪農に口減らしのために奉公に出された少年の成長が描かれる。ある日、少年が働く村に瞽女たちがやって来る。
『サクラ・サクラ』。既読作。今でも戦争という野蛮な行為は世界で行われている。戦時中の日本軍の美談を描いているが、他国を巻き込んだ野蛮な行為に美談など無い。仕事が嫌になり、パラオに旅行に来て、ダイビングを楽しむ青年。突然聞こえて来た日本の歌に興味を惹かれ、歌っていた現地の老人に声を掛ける。老人が話す太平洋戦争での日本軍の思い出。
『お薬増やしておきますね』。既読作。最後にオチのあるユーモラスな短編。自分を優秀な女医と信じる患者を診察する美人精神科医。患者の病状は悪化の一途を辿っていた。
『初孫』。これもイヤミスである。既読作。結末は想像が付いた。なかなか子供を授かることが出来ないでいる夫婦が不妊治療を受けると僅か1年で男の子を授かる。しかし、夫婦から生まれるはずではない血液型で、疑念を覚えた夫はDNA鑑定を行うと……
『原稿取り』。既読作。こちらも結末は予想が付いた。連載小説の最終回の原稿をベテラン作家の元に取りに来た編集者は電車の中で大事な原稿をカバンごと盗まれてしまう。
『愛しのルナ』。やはりイヤミスの一種かな。既読作。飼い主が犬猫を異常なまでに愛でる様子は端から見て不気味に思うことがある。子猫のルナを飼う女性が毎日ネットに動画を上げるが、ある日、ルナと一緒に自分の姿もネットで公開する。
『泣く猫』。どんなに酷い仕打ちをされ、嫌な別れ方をしても、肉親は肉親。17年間も音信不通だった母親が亡くなり、母親が暮らしていたアパートを訪れた娘。そこに母親の同僚だったという女性が弔問に訪れた。
『影にそう』。『泣き虫の鈴』にも登場した瞽女と類似した設定の短編。一度読んだ限りでは理解出来なかったのだが、もう一度読んでみると意味がよく解った。目の不自由な女性が三人で旅を続けながら、施しを受けて生きる厳しさ。
『黙れおそ松』。変わったタイトルだなと思ったのだが、タイトル通りの漫画の『おそ松さん』の話だった。月刊誌『ダ・ヴィンチ』の企画短編らしい。
『ヒーロー』。佐方貞人シリーズのスピンオフ短編。心に染みるような良い話だ。米崎地検の検事・佐方貞人の事務官をつとめる増田陽二は、高校時代の柔道部の恩師の告別式で、旧友の伊達と再会する。増田は伊達と同じく同級生の木戸の3人で居酒屋で旧交を温める。伊達は増田に柔道を続けさせてくれた恩人であり、ヒーローだった。大阪で警察官を務めているという伊達だったが何か秘密がありそうだった。
本体価格680円
★★★★
Posted by ブクログ
検事・佐方貞人シリーズのスピンオフ作品を含む、ジャンルを問わない11編収録の短編集。
表題作などの特に短い作品は10ページほどなので、すぐに読めてしまうが、人間心理などなかなか奥が深い。
Posted by ブクログ
「泣き虫の鈴」と「ヒーロー」という作品が特に好きな作品だった。
どちらも、自分ではどうにもならないことは受け入れて、それでも前向きに生きていくことの大切さが描かれている。
でも私はやっぱり柚月裕子さんの作品は、長編作品の方が読み応えがあって好きかなと思いました。
Posted by ブクログ
全体:3.4
佐方スピンオフ:4.3
全て佐方シリーズのスピンオフだと思って読んでしまいました。
佐方のスピンオフは最高でした。
嘘の先には嘘しかない。
本人だけは自分が嘘を吐いていると分かっている。
という言葉は心に刺さりました。
他の作品もつまらなくはないです、
Posted by ブクログ
作者の初期の作品を中心とした短編集。読む側としては、何故これらの作品が一つの本にまとめられたのか意図がよく読め解けない。書く側の都合ということなんだろうか。
それなりに面白い作品もあればイマイチも混ざる。単行本としてまとめて読む側としては、余り評価できない。
Posted by ブクログ
オムニバス短編集ということで、本当に短い短編が11編。最後の短編のヒーローが一番長いか?そしてそれは、佐方貞人シリーズのスピンオフ作品。
楽しめました。
■チョウセンアサガオの咲く夏
暗い読後感
実家で母親の介護を続ける女性は子供の頃、けがや体調不良が多かった。その真相は?
■泣き虫の鈴
豪農に奉公に出された少年。奉公先でいじめられながらも耐え続ける毎日。そんなある日、その村に瞽女という盲目の女性の芸子達がやってきて、事件が..
■サクラ・サクラ
パラオで出会った老人が話す太平洋戦争での日本軍の話。ちょっとぞくっときます。
■お薬増やしておきますね
読み返してしまった。美人精神科医とその患者のカウンセリング。
あれあれ?どっちがどっち?
■初孫
ちょびっとブラック。
子供が出来ない夫婦にようやく授かった男の子。
夫が行ったDNA鑑定の結果は..
■原稿取り
これ、コメディ?
編集者が預かった原稿を盗まれてしまって、どうする?っていう展開。
■愛しのルナ
猫を溺愛する女がネットに猫の動画を上げるのに飽き足らず、自分の姿も上げることに..
これはブラックジョークというか..
■泣く猫
ちょっと重い話
亡くなった母親のアパートに弔問に来た女から聞いた母親の話。
■影にそう
瞽女として生きる盲目の女の話。
生きる厳しさを学びます。
■黙れおそ松
これ、パロディ?
大丈夫なの?おそ松君じゃん
■ヒーロー
佐方貞人シリーズのスピンオフ
佐方の事務官の増田は柔道部の恩師の告別式で高校時代の旧友の伊達と再会。大阪で警察官になったという伊達の話を聞いていると、違和感が..その秘密とは..
うまくいかないことってありますよね。
少し、前向きに一歩踏み出せる物語です。
ということで、全部で11編
サラリと読めてしまいます。
Posted by ブクログ
装丁の美しさとタイトルに惹かれて購入した
「虎狼の血」の柚月裕子初の短編集
⑴チョウセンアサガオの咲く夏
美しい花には毒がある。
恐ろしいーっ
⑵泣き虫の鈴
泣き虫八彦、大人の石段登る。
⑶サクラ・サクラ
ペリリュー島の戦い
フィクションとノンフィクションが交差する。
この手の話には弱いのよ、泣ける。
⑷お薬増やしておきますね
頭が混乱する。
え?誰が患者?誰が医者?
⑸初孫
想像していた通りの結末でワロタ
くそ親父
⑹原稿取り
高村先生、一本あり(笑)
⑺愛しのルナ
怖っ
「美」への執念?あぁSNSに下手なコメント
したらダメよ、人の人生変えかねない
⑻泣く猫
どんな毒親だったとしても、二度と会えない
「死」と直面したら、楽しかった思い出と
悲しさでいっぱいになるんだろうか。
⑼影にそう
実親でなくても子を思い、子のために
厳しく育てる親の愛を感じる
(10)黙れおそ松
ほんま、黙れ(笑)
(11)ヒーロー
男の友情物語って熱い
その熱さが羨ましい。女にはないよね。
素敵やーん。
Posted by ブクログ
柚月さんの短編集。
薄い本なのに、その中に5分で読めちゃうような短編がたくさん詰まってて、しかも、テイストも違うし時代もバラバラ。
ちょっと不気味な話やブラックジョーク的なのもあって新鮮でした!
Posted by ブクログ
題名の"チョウセンアサガオ"の毒性をどう物語にするか興味があり手に取ったけど、気を引いた割に短い話でもう少し掘り下げて欲しかったな。
薄めの文庫本で短編11話。
移動時間や待ち時間などにもさらッと読める。
私が好きだったのは、
・泣き虫の鈴
・サクラサクラ
・泣く猫
瞽女(ごぜ)という生業をはじめ知りました。
Posted by ブクログ
超短編&短編集で、サクッと一気に読めました。
個人的には「チョウセンアサガオの咲く夏」と最後の「ヒーロー」が好きでした。
佐方さんシリーズはまだ読んでないので、今後読もうと思います。
Posted by ブクログ
オムニバス短編集。
瞽女さんの話が二つ出てくるけど、瞽女という生業を知らなかったので、知れてよかった。
泣き虫の鈴
サクラ・サクラ
泣く猫
が好きでした。
Posted by ブクログ
佐方貞夫シリーズの短編集かと思っていたら、それは最後の1編「ヒーロー」だけで、思惑はちょっと外れた。
他の10編は、イヤミスあり、繊細な人間ドラマありで、著者のフィールドの広さを感じる。
ほとんどが「5分で読める!」掌小説で、なかに赤塚不二夫のギャグ漫画『おそ松くん』を題材にしたスピンオフ小説もあり、楽しませてくれる。
Posted by ブクログ
佐方貞人シリーズのスピンオフ目当てで買った訳だが、その他の短編に関しても面白く、またそれぞれの作品が少ないと十ページ前後とさくさく読める点も好評価
表題作のホラー要素や他にも推理要素、はたまたお笑い要素までと色々なカテゴリーを網羅しておりカバー裏に書かれているオムニバスの名の通り
Posted by ブクログ
短編集が11作。なかなかエグい内容もあったが、「泣き虫の鈴」、「サクラ•サクラ」、「お薬増やしておきますね」、「ヒーロー」が個人的には面白みを感じた。
作者の代表作である、佐方貞彦シリーズやマル暴シリーズの雰囲気やスリルはなかったが、佐方検事シリーズのスピンオフ「ヒーロー」が読める。