柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
50代の男性が車中で亡くなった。警察の捜査が始まり、付き合っていた介護士の女性の冬香が結婚詐欺師として逮捕された。さらに同じ婚活サイトで知り合った男性たちが、過去にも何人か不審な死を遂げていたのだ。
冬香は、本当に殺人を犯したのか。
世間を騒がせていた事件、フリーのルポライターの由美は、彼女はどういう人間なのだろうかと関心を持ち、彼女について調べて行く。彼女の過去はなかなか困難を極め、どういった人生を送ってきたかの情報が少なく、個人情報保護法のもとで取材も困難を極める。しかし、徐々に冬香の子供の頃の生活が明らかになるにつれて、やるせない気持ちになった。
冬香は決して小説に中だけに存在する人物ではなく、現実にいてもおかしくない。
子供の頃の彼女を救うことができるタイミングが何度かあったはずなのに、日本の法律にもとでは、難しいのだ。
ネタバレになるので詳細は書かないが、こういった問題が起こるたびに、大きく報じられても、なかなか改善はされず、繰り返し同じような事件が起こってしまう。
幼少の時に受けた心の傷は、大人になっても、いろいろな形で影を落とすのだ。
もちろん、どういった理由でさえ、罪を犯すのは許されないが、最後まで読んで、色々と考えさせられる小説だった。
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Posted by ブクログ
ハードボイルドタッチを数多く手掛けてきた柚月さんの5編からなる短編集。
主人公の上水流涼子は、美貌を誇る辣腕弁護士だったのだが、顧問をしていた企業の社長に謀られて執行猶予付きの有罪判決を受け、弁護士資格を剥奪されてしまった。
その結果探偵エージェンシーを設立し、美貌と積極果敢な行動力を武器にして、金と欲に満ちた人たちが抱える難題を高額報酬を得ながら解決に導く物語だ。
もう一人の主人公は、涼子探偵のアシスタントとして積極過ぎる涼子を諌めながら問題の解決に大活躍するイケメン青年の貴山伸彦だ。
東大を卒業し、IQが140を示す通り、頭脳明晰な天才的閃きを備え、難題の解決法の大半を貴山が担っている。
涼子と貴山のコンビが、難問の相談事を易々と解決に導く探偵物語集となっている。
これまでの柚月作品は少々重かった印象があるのだが、今回の『 合理的にあり得ない 』は軽妙なタッチで綴られているので疲労感は全く無しの読書だった。 -
Posted by ブクログ
裏社会が舞台の本を読みたくて借りました。
ヤクザになってしまった金田にフォーカスしたストーリーを期待していましたが違いました。
でも、内容は面白かったです。
主軸の「生保受給と闇社会の問題」と同時に、
生活保護制度の意義がテーマになっているストーリーだと思いました。(貧困ビジネスの仕組みは、事例をもっとたくさん知りたかったです)
本書とは別に、
生保をどうしても受けたくなかった若者がいて、それでも一時的に生保受給をした事で、社会復帰できた記事を昔、新聞で読んだのを思い出しました。
生活保護は恥ずかしいとかいう考えが少なからずあるせいで、
本来生保受給が必要なのに、忌避感から、生保を受けないという人もいると思いますが、そういった認識は負のループだと思います。
本書に書かれているように、
どうしても生保を受けざるを得ない人にとっては必要な制度だと思います。
(そういった状況に陥る可能性は自分にもあると思います)
世間も、生保受給者自身も、
社会復帰するために、あくまで「一時的に」生活保護制度を頼る制度。という認識が必要だと思いました。
パレートの法則と掛け合わせた話でしたが、ここだけ疑問でした。
p.178などで、
そもそも、刑事が世の中の役立たずはいつの世もなくならない、の認識
→それに対するp.419のまとめ方でしたが。
当該認識が「誤算」というより、
そもそもパレートの法則(の解釈)を、
生活保護制度に当てはめること自体が、個人的にはあまり合致しなかったです(すみません)。
理由は、
パレートの法則の8割=生活保護受給者
がしっくり来なかったためです。
あと、犯人は、一応ミスリードされたので期待を裏切られて良かったです(笑)
最後に、個人的には小野寺のキャラは好きでしたが、
主人公のキャラが、隙が無さ過ぎて、あまり好きになれませんでした(笑)
p.419
さまざまな理由で、自分の力で生きていけない人は、いつの時代にも必ずいる。
p.246
あいつら、最初は猫みたいに擦り寄ってくるが、弱みを見つけると豹変する。骨の髄までしゃぶられ。