柚月裕子のレビュー一覧
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家庭裁判所調査官補が主人公で、
まだ研修生ながら、実際の案件を担当して勉強、実績を積んで成長していくお話。
病気の妹を助けるために窃盗してまで稼がなければならなかった話。
夫に見捨てられ、子供に過干渉のため、子供の心の居場所が狭くなり、他人を傷つけてしまう子。
モラハラ夫に苦しんで離婚したい妻。
親権争いをしていた夫婦と、どっちも選べない子供。
それぞれの事情や立場があり、生い立ちによって自分の主張すら言えない人達がいる。主張しても互いが譲らず、何が正解かわからないことも多いが、主張の裏に隠された「なぜ」を追い続け、お互いの和解点をみつけて、みんなの新しい人生に繋げていく仕事はすごい -
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オムニバス短編集ということで、本当に短い短編が11編。最後の短編のヒーローが一番長いか?そしてそれは、佐方貞人シリーズのスピンオフ作品。
楽しめました。
■チョウセンアサガオの咲く夏
暗い読後感
実家で母親の介護を続ける女性は子供の頃、けがや体調不良が多かった。その真相は?
■泣き虫の鈴
豪農に奉公に出された少年。奉公先でいじめられながらも耐え続ける毎日。そんなある日、その村に瞽女という盲目の女性の芸子達がやってきて、事件が..
■サクラ・サクラ
パラオで出会った老人が話す太平洋戦争での日本軍の話。ちょっとぞくっときます。
■お薬増やしておきますね
読み返してしまった。美人精神科医とそ -
Posted by ブクログ
まず、タイトルを見てびっくりした。
-----ウツボカズラの甘い息!
どこかの官能小説?と思わせる。
読もうかどうしようか躊躇してしまった。
でも、柚月さんの本だから面白いよなと思って読んでみた。
いつものように、登場人物や、捜査本部などのしっかりした描写でストーリーに入り込める。
中盤までの主人公的な人物である高村文絵がとても魅力的だ。できれば終盤まで文絵には活躍して欲しかったのだが、後半三分の一は文絵を離れて、犯人を追い詰める旅?になる。
途中で、一瞬、文絵は多人格症で、加奈子という人物も文絵が作り出した妄想かと思ったが、それでは捜査会議で一旦決着しそうになったものと同じだし。
終盤は、次 -
Posted by ブクログ
前作「朽ちないサクラ」の映画をテレビで見て、原作の小説を読み、続編のこの小説を読みました。
今回も公安警察が事件に絡んでいる。
このシリーズは、主人公vs公安警察という構図になっている。タイトルにサクラ(公安)がついているのだから必然的にそうなる。
前半は読みやすかった。
後半の事件を解決していく部分は、捜査により解決したというよりは、推測を容疑者と思われる人物にぶつけて自白させたかった、という感じ。
主人公の正義感、信念がこの小説の軸になっているが、能力(記憶力)については疑問を感じる。
前作同様、映画化されると面白いと思った。
捜査分析係のメンバーがどのようなキャスティングになるのか、 -
Posted by ブクログ
題名と新聞か何かの内容紹介に惹かれ購入。
何回か1章は読んでいたが、いつも途中で
挫折してしまい、ようやく今年読めた。
内容としては、ロボット手術医師と、
胸手術派の医師の対立という話で物語は
進むが、ある患者の手術をきっかけに物語は
大きく変わる。
物語の中心であるミカエル(ロボット手術)に
隠された大きな闇が明かされた時は驚いた。
登場人物が多いので、その理解をするのが少し
大変だった。また中盤以降で出てくるある患者の手術に
ついて過程や手術中の緊迫感や勢いみたいなもの
が、文字なのに読み手にも画としてはっきり伝わって
くる。
また登場人物の心情の移ろい方や画の書き方など、
細やかな文