柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての柚月裕子さんです!
久しぶりの医療系小説で、手術の説明部分飛ばし読みしちゃいました笑 ただ、500ページとは思えないくらいスラスラ読めて楽しめました!
医師という職業は、自分には絶対できないし尊敬しかないので、神的な存在になっていますが、本作を読んで、神とするか悪魔とするか大きく別れそうだなと思いました。
患者を救いたいという想いと、自分の立ち位置を確かなものにしたいという欲。嫌な対立を目の当たりにしつつ、気持ちが分かってしまう難しさがありました。
そして、本作の肝となる部分ではより難しさを感じました。
ミカエルを使うことによって救える命と、使うことによって失われるかもしれない命。それが、関係ある1人の命と関係ない100人の命だったら?選ばなければいけない時、何が正解?
そんな問いを投げつけられている感覚でした。当然、命に軽いも重いもあっていいわけないけど…。答えられない…。
って感じです。笑
どの職業にも着いてまわる、自己犠牲や保身、出世欲などを含んだ人間関係をこれでもか、というくらい突きつけられる作品でした。
没頭したい人にオススメです! -
Posted by ブクログ
ネタバレまあまあおもしろくて、さくさく読めました。人間ドラマです。
定年退職した元刑事が、妻とともに四国八十八カ所を歩き遍路で巡り始めるところから始まります。16年前、彼は、幼女へのわいせつ殺人事件で逮捕された男が冤罪の可能性があるのに再捜査できなかったことを、今も後悔しています。そこに、同様の手口で幼女が殺害される事件が発生。娘の彼氏でもあり後輩でもある刑事が、捜査にアドバイスをくれ、と電話連絡してきます。果たして、過去の事件と関連はあるのか。
巡礼しながら元刑事の回想も随所にちりばめられており、刑事ものというよりは1人の人間ドラマでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ佐方検事シリーズ二作目、本作もおもしろかった。
人として、筋を通せる人・仕事をするうえでの拠り所となる信条を持っている人はかっこいいなぁと思うのだが、佐方検事はまさにそんな人である。
どんなルーツがあるのかと思うが、本作を読むと遺伝だし育て方なんだなぁと気づく。
一方で、そんな芯の通った人が100%報われるとは限らないのがこの世の中。4章は佐方検事の扱い方など若干の不条理さにもやもやが残る。
また、5章に関しては正しさとは何か?みたいなことをフワフワ考えるきっかけになった。
個人的には本作の結末にはなんとなく納得してなくて、どことなく座りの悪さを感じている。
たぶんみんなが真実(佐方検事の父親の陽世さんが頼まれて遺産の一部を隠し子に渡したこと)を知らないことについて、フェアじゃないと思っているんだと思う。
これは完全に個人の価値観の問題。
中山七里さんの作品にも少し雰囲気が似ている部分があるが、こういう類の小説は人情味を感じられるところや、人としての芯を問われる感じが好きだ。
あともう二作くらいシリーズ残ってるのかな?
大事に読みたいと思う。 -
Posted by ブクログ
子どもも亡くなり、親も2人とも他界、当人も死刑執行…救われない前提で始まったこの物語。その死刑執行直前に残した「約束は守った」という言葉の謎を、たくさんの人の話を手掛かりに解いていく、というお話でしたが、謎が解けても、あまり納得できるものではありませんでした。
昔ながらの田舎の人のつながり。自分は子育てをしている最中で、小さい村の「みんなで育てる」のような雰囲気にある種憧れを抱いていましたが、この話を読むと、そのつながりというのもいい面ばかりではないのだな、と感じました。誰か1人でも、響子さんの危機に気付いて、手を差し伸べていれば違った結末が待っていたのだろうなと思うと、胸がつまります。 -
Posted by ブクログ
10年前に刊行された刑事物小説。
引退した刑事神場が妻と念願の四国遍路を行脚している最中、地元群馬県で幼女殺害事件が発生した。
それは16年前に起こった事件とあまりにも酷似していた。当時、冤罪疑いがあったにも拘らず、被疑者逮捕に踏み切った経緯を嫌でも神場に思い起こさせた。
遍路を続けながら、現場の現役刑事とやり取りし二つの事件の繋がりと犯人を追う。それは自分の刑事人生を振り返り懺悔の思いを強くするものだった。
刑事物をあまり読まないせいか、ストーリーより夫婦間のやりとりが気になって仕方ない。
ぶっきらぼうで素っ気ない夫に付き従う昔ながらの良き妻や、「お嬢さんを下さい」とモノのように言ってしまうジェンダー感に引っ掛かりまくり、10年前ってこんな感じだったのか?もしかしてこの手の小説は今もこんな感じなのか?とハテナが脳裏に渦巻いた。