柚月裕子のレビュー一覧
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天海祐希と松下洸平が出演した連続ドラマ原作のシリーズ第2弾。
不祥事で弁護士資格を失った上水流涼子は、IQ140でめちゃくちゃアタマのキレる貴山伸彦をアシスタントにして探偵エージェンシーを運営する。
涼子のモットーは「殺しと傷害以外はどんな依頼も引き受ける」。本日も「あり得ない」依頼が舞い込む。
・物理的にあり得ない 依頼主が中身を教えない不明の積み荷乗せたクルマの捜索を頼まれる。
・倫理的にあり得ない 別れた元夫から息子の親権を取り戻して欲しいという女性だが。
・立場的にあり得ない 情報を融通し合っている所轄の刑事が摂食障害になった女子大学生を助けて欲しいと。
読みやすい文体と、3編のストーリーということで1つずつ区切っても読みやすい。あいた時間などにもオススメです。
どの話も良いのですが、もっと二転三転したりするのかと思っていましたが、若干肩透かししてしまったかな。キャラが立っていてそういう意味では面白いし、映像で見るのもよさそう。個人的にはもっとひねった話かと思っていたので★3にしました。カジュアルに読みたい時にはいいと思います。 -
Posted by ブクログ
ずーっと暗い。トンネルの出口の光が小さく見えているのに、どれだけ歩いても大きさが変わらないような暗さ。
小島町の寒さや寂しさを、読者の私も最初から最後までずっと感じながら読んだ。
東京育ちの自分には、千枝子や響子の気持ちはわからない。最後の約束も到底納得できなかった。
でも現世で不遇な経験をして疲れ切ってしまって、糸が切れてしまったんだろうな。もう頑張れなかったんだろうな。
田舎の呪い、女であることの呪い、私自身は経験してなくても、それらは幻ではなかったってこと忘れちゃいけないな。
読んでから一夜明けて追記。響子がいかに不遇だったとて特に2人目の殺人は到底同情できないとは思った。そんな事件無かったらその子は大人になれていて、そのことで親はどれほど心を痛めただろう。
人の親になって子供を愛する気持ちを知ったのに、なんて鬼畜なことをしているんだと。
恵まれない環境はたしかに影響しているかもしれないけど、罪を悔いているからといって死後は安らかに地元で眠りたいだなんて、そんなの図々しいと思ってしまったよ。
死後の人間に罪人も関係ないってお坊さんは言ってたし罪を犯さない人なんていないと思うけど、
それでも私は小さな子供をもつ親として、どうしてもかわいそうだけで終われなかったな。 -
Posted by ブクログ
家族と地域(ムラ)の束縛と呪縛の話。
ムラに縛られてる親
親に縛られてる子
自由にできない身体
悪いようにしかならないピースが揃い
最も無垢な存在が犠牲になる悲劇
そして、彼らを嫌悪することしかできない
現在の人々も悲劇的だと思った。
不幸なやつに全部不幸を背負わせればいい
という神様の意地悪が酷い。
最後もあれで良かったのだろうかと
自由な身の自分から見ると疑問が残る。
ママのところで
男とプライベートで関わらずに
元気に生活ができてれば
全然違った結末になってたかもと
思わなくもない。
事件を悔いる(教誨)がメインではなく、
事件の真相を辿るストーリーだったのが
まぁそうなるか…という感想。
わりと聞きなれない制度だから、
もっと取り上げてほしかった。
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Posted by ブクログ
暗く、哀しい物語
我が子を含む二人の女児を殺めたとされる死刑囚の響子。
死刑執行後、響子の遠縁にあたる香純は、響子の遺品と遺骨を受け取るとともに、響子の教誨師の下間の力添いを受けて、遺骨を響子の本家の墓におさめようとします。
そこにあった、村社会の闇。さらに、彼女の最後の言葉、
「約束は守ったよ、褒めて」
その真相は?
という展開です。
香純が掘り下げていく響子の母親やその過去。
地方の村社会、差別、虐待とこれでもかというぐらい、辛く哀しい生い立ちです。
その連鎖からは逃れられないのだと感じました。
哀しいものがりでした。
あんまり、お勧めできない... -
Posted by ブクログ
初めての柚月裕子さんです!
久しぶりの医療系小説で、手術の説明部分飛ばし読みしちゃいました笑 ただ、500ページとは思えないくらいスラスラ読めて楽しめました!
医師という職業は、自分には絶対できないし尊敬しかないので、神的な存在になっていますが、本作を読んで、神とするか悪魔とするか大きく別れそうだなと思いました。
患者を救いたいという想いと、自分の立ち位置を確かなものにしたいという欲。嫌な対立を目の当たりにしつつ、気持ちが分かってしまう難しさがありました。
そして、本作の肝となる部分ではより難しさを感じました。
ミカエルを使うことによって救える命と、使うことによって失われるかもしれない命。それが、関係ある1人の命と関係ない100人の命だったら?選ばなければいけない時、何が正解?
そんな問いを投げつけられている感覚でした。当然、命に軽いも重いもあっていいわけないけど…。答えられない…。
って感じです。笑
どの職業にも着いてまわる、自己犠牲や保身、出世欲などを含んだ人間関係をこれでもか、というくらい突きつけられる作品でした。
没頭したい人にオススメです! -
Posted by ブクログ
ネタバレまあまあおもしろくて、さくさく読めました。人間ドラマです。
定年退職した元刑事が、妻とともに四国八十八カ所を歩き遍路で巡り始めるところから始まります。16年前、彼は、幼女へのわいせつ殺人事件で逮捕された男が冤罪の可能性があるのに再捜査できなかったことを、今も後悔しています。そこに、同様の手口で幼女が殺害される事件が発生。娘の彼氏でもあり後輩でもある刑事が、捜査にアドバイスをくれ、と電話連絡してきます。果たして、過去の事件と関連はあるのか。
巡礼しながら元刑事の回想も随所にちりばめられており、刑事ものというよりは1人の人間ドラマでした。