柚月裕子のレビュー一覧

  • 暴虎の牙 下

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    さて下巻。

    五十子会に対する大上と沖のそれぞれの因縁がどう絡んでいくかと見ていたが、そっちへ行っちゃったか。
    大上は五十子会を潰す目的で沖に近づいたと思っていたのだが…。

    時は移り、平成16年。大上の時代から日岡の時代に。
    長らく収監された沖が出所し、逮捕される直前に裏切った人物への報復にひた走る沖を追う日岡。
    大上の気持ちはもとより周りが変わったことにも気づけず一人だけ昭和なままの沖の姿が浮いていて、話の展開としてはやるせない。
    日岡は沖とはほとんど絡めず、係長をうっちゃって指揮する姿の威勢は良いが、先手を打てない捜査は大上に遠く及ばず。
    シリーズ完結編と銘打たれていた割には尻すぼみな印

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    2024年02月11日
  • 暴虎の牙 上

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    舞台は昭和57年の広島。第一作『孤狼の血』よりも前となる。

    再び登場した大上だが、呉原最大の暴力団・五十子会との過去の因縁が語られる。
    その大上の前に、ヤクザを恐れず五十子会にも噛みつこうとする愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦が現われる。
    ヤクザの父を持つ沖の暴走に絡んでいく大上。
    それぞれの思惑が交錯し、ちょっとしたヤマが積み重ねられるが、大噴火までのマグマが溜められるような展開にじりじりする。
    勿論、日岡はまだ出てこない。さてさて、これからどうなるの?

    福岡連合会が喋る博多弁、「くさ」の使い方が変。

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    2024年02月10日
  • 検事の信義

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    佐方貞人シリーズ四作目

    今までのシリーズと比べれば佐方が一杯食わされた形の印象
    また最後の事件は実際の事件であった"もうあかんか"を思い出してしまった
    事実現代社会における一つの問題でもあるんだよね
    我ながら他人事ではない気がしている

    そして同作者の例の作品もここに登場
    読んでいれば面白みも倍増間違いなし

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    2024年02月09日
  • 暴虎の牙 下

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    ネタバレ

    3部作の最終作!ドキドキワクワクしながら一気読みしました。
    上巻はよかったけど下巻の終わり方が…

    ガミさんのあのパナマ帽沖からもらったってわかった時ガミさんは沖の形見みたいな感じでずっとつけてたんやな〜と思ったら違った。ただ巻き上げて気に入ったから…?沖のこと気にかけてたのは本当だと思うけど…。
    ガミさんは沖がギリギリのところで間に合ったけど(三島がチンコロしたからだけど)日岡は沖を更生させることも止めることもできなかったね…
    また会うことがあるだろうって書いてあったけどもう生きては会えなかったね。
    私読解力がないのか最後殺されたのは三島の方だと思ったけどみんなの感想読んで違うってわかった。

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    2024年02月05日
  • 暴虎の牙 下

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    残念すぎる
    シリーズ最後なのに、日岡が出てきたのに

    終盤の畳み込み方がなんかとても残念だった
    もっと日岡、沖、ガミさんの最後をきちんと描いてほしかった

    素晴らしかった作品だけに、謎が残るとこが多くて、スッキリしない感じになった

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    2024年02月03日
  • 蟻の菜園 ‐アントガーデン‐

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    暗く悲しい話だった。人はなぜ犯罪を犯してしまうのか。幼少期の虐待が姉妹の人生を狂わせた。果たして親と言うだけで家に戻して良いものだろうかと言う作者の問いかけがあると思う。また、虐待が幼少期にあったとしても、困難を抱えながらも一生懸命に生きている人もいることを考えれば、ステレオタイプに読んではいけない小説だと思う。

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    2024年01月31日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    ネタバレ

    エッセイと聞くと日常に起きたことを面白いおかしく書いてる作者が多い中、こちらはもともと真面目な性格なのか、エッセイにおいてもそれが際立っていると言う印象。
    後半の東日本大震災のくだりは、昨今の能登半島地震もあったことから、涙なしには読めない。

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    2024年01月17日
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

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    すっごく映像しやすそうな話だなと思った
    話も短編でまとまってるし男女バディものとしてさっくり読みやすかった

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    2024年01月08日
  • 検事の信義

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    佐方貞人シリーズの4作目。現時点での最新作です。本作も前作に引き続き、検事時代の話となります。

    主人公である佐方貞人は、罪を全うに裁かせるという信念を持っていますが、今作はそれが特に全面に出ていたように感じます。一方で検察という組織の中でも我が道を進む姿勢も強くなっていて、今後何らかの軋轢が生まれるのではないかと思わせるような様子も描かれています。

    内容自体は明瞭で読みやすく、読み応えがないという訳でもないのですが、検事時代の作品が続いていて、それが個人的には中だるみを感じます。次作も恐らく検事時代の話になりますが、何か大きな転換点が書かれると新鮮味が増して良いのかなと思います。

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    2024年01月04日
  • 検事の信義

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    検事、佐方貞人が手がける四つの事件の短編。
    最後の「信義を守る」だけは星4.5でした。
    自分の信義を守るために、上に逆らっても正義の為に進む佐方検事。
    自分の利益の為に真実を曲げようとする人間達にとって目障りな存在である佐方検事を巡る物語は、現代の世の中にはありふれているのでしょうか⁇

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    2023年12月19日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    作家デビューして15年になる柚月裕子さんの初のエッセイ集らしい。エッセイ集としてまとめるために書いたものではなくあちこちに書いたものを一つにまとめたようだ。小説の方でもそうだが,とても読みやすい文章であった。

    数十年ぶりに訪れた土地は建物が一新されていて全く分からなかったが,道だけは変わっていなかったのでそれで思い出せたと言う話が印象深かった。

    女性作家としてやくざ者の作品を書く事になった経緯は興味深い。黒川博行ってやっぱりスゴいのだなと思った。
    紹介されていた「かもめに飛ぶことを教えた猫」に興味を持った。今度読んでみる。
    中で,お母様をガンで亡くした話と,東日本大震災の津波で攫われた話が

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    2023年12月07日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    著者のデビュー時から最近まで、山形新聞とか週刊誌で折々に掲載された文をまとめた初のエッセイ集。
    引っ越しを繰り返した幼少期や、小説家としてデビューしたころの書く喜びとともに書き続ける苦悩と不安などが、率直に綴られている。
    さらに、映画化された自分の著作や今までに読んだ本などについても。
    その中で、心に残る一冊として、北重人という作家の『汐のなごり』を挙げている。読んでみたくなり、書店のネット取り寄せなどに、他の本とともにアクセスしたが、扱い不能の表示が。
    出版社でも絶版になっているのだろうか。いずれかに再版されることを希望したい。

    このエッセイで、著者の両親は東日本大震災で亡くなっていること

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    2023年12月04日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    エッセイとは知らずに読みましたが、内容の一部は短編小説でも読んでいるかのようでした。タイトルに込めた今の柚月さんの気持ちが痛い程伝わった一冊。

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    2023年12月01日
  • ウツボカズラの甘い息

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    生活に疲れ精神的に危うい主婦と殺人事件を追う刑事の2人の視点から物語は進む。
    話しが進むににつれ、それぞれの視点での話が繋がっていく様子が面白い。
    相方の女性刑事が素敵だった。

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    2023年11月29日
  • 猫が見ていた

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    ネタバレ

    登場人物が作家やら出版関係者やらが多くて猫だけじゃなく職業のしばりもあったっけ?と思ってしまった。おそらく書きやすいんだろうけどこうも同じような職業の人がでてくるとちょっと飽きてしまうところはあったかな...。
    三べんまわってニャンと鳴くが一番好みだった。アプリゲームの話からまさか主人公のあんな話が出てくるなんて。青信号渡ってたら急に車突っ込んできた!みたいな衝撃だったけど、ナナちゃんの不幸話で一気にチープになってしまった。あのまま主人公の鬱々とした気持ちを昇華してくれたら...と思うのは完全にわたしの好みです。

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    2023年11月14日
  • 最後の証人

    ネタバレ 購入済み

    惜しい感じ

    悲しいお話でした。

    ただ、裁判で被告人、被害者の名前を一向に出さないことでミスリード誘ってるのがバレバレなのは惜しいし、偶然入ったバーで犯人の半ば自白を耳にする都合の良さも惜しいし、奥さんモルヒネ中毒でしょうに解剖で分からなかったのかな?とか、色々惜しいところが満載でした。

    佐方弁護士のキャラも今ひとつ掴みかねてるので、星はギリギリ3つと言うところです。

    #切ない

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    2023年11月10日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    柚月氏には小説で勝負してほしいので、あまりエッセイを読んでも感慨はない。黒川博行「疫病神」についての話と、タクシードライバーの解説(誰もが気づきたくない孤独)は良かった。「盤上の向日葵」が「砂の器」を意識して書かれたことも納得感ある(とはいえ完成度は比べるべくもない)。最後の「ふたりの自分」に書かれている数編は、三陸生まれの著者ならではのもので、エッセイでなく是非小説として書いてもらいたいものだ。

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    2023年11月10日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    2023/10/11リクエスト 4
    エッセイの途中に何度も出てくる、故郷への想い、両親への想いが溢れている。そのような気持ちを持てる著者を少し羨ましく思う。

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    2023年11月09日
  • ウツボカズラの甘い息

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    最近よく目にする作家さんだけど、読むのは初めて。がっつり推理ものも久々に読むような。
    設定がしっかりしたミステリは、先が気になるのもあって、あっという間に読めてしまう。

    30代後半の主婦・高村文絵は、学生の頃は美少女と囃し立てられていたが、今や太ってしまい見る影もなくなっていた。
    懸賞が趣味の文絵は、ある日懸賞で当たった有名歌手のディナーショーに1人で出かける。その帰り道、郷里の同級生だった加奈子に声をかけられ、後日加奈子の別荘で再会を果たすのだが、そこで加奈子からある「良い仕事」を持ちかけられる。
    初めは加奈子との関わりも仕事も乗り気ではなかった文絵だが、お金持ちになり豪華な暮らしをする加

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    2023年11月01日
  • ふたつの時間、ふたりの自分

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    これまで柚月さんの作品はほぼ読んできたので、手に取りました。彼女の生い立ちや悲しい経験等が書かれていて、これから読む作品も違った考え方で味わえるかな

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    2023年10月22日