柚月裕子のレビュー一覧
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さて下巻。
五十子会に対する大上と沖のそれぞれの因縁がどう絡んでいくかと見ていたが、そっちへ行っちゃったか。
大上は五十子会を潰す目的で沖に近づいたと思っていたのだが…。
時は移り、平成16年。大上の時代から日岡の時代に。
長らく収監された沖が出所し、逮捕される直前に裏切った人物への報復にひた走る沖を追う日岡。
大上の気持ちはもとより周りが変わったことにも気づけず一人だけ昭和なままの沖の姿が浮いていて、話の展開としてはやるせない。
日岡は沖とはほとんど絡めず、係長をうっちゃって指揮する姿の威勢は良いが、先手を打てない捜査は大上に遠く及ばず。
シリーズ完結編と銘打たれていた割には尻すぼみな印 -
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ネタバレ3部作の最終作!ドキドキワクワクしながら一気読みしました。
上巻はよかったけど下巻の終わり方が…
ガミさんのあのパナマ帽沖からもらったってわかった時ガミさんは沖の形見みたいな感じでずっとつけてたんやな〜と思ったら違った。ただ巻き上げて気に入ったから…?沖のこと気にかけてたのは本当だと思うけど…。
ガミさんは沖がギリギリのところで間に合ったけど(三島がチンコロしたからだけど)日岡は沖を更生させることも止めることもできなかったね…
また会うことがあるだろうって書いてあったけどもう生きては会えなかったね。
私読解力がないのか最後殺されたのは三島の方だと思ったけどみんなの感想読んで違うってわかった。 -
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佐方貞人シリーズの4作目。現時点での最新作です。本作も前作に引き続き、検事時代の話となります。
主人公である佐方貞人は、罪を全うに裁かせるという信念を持っていますが、今作はそれが特に全面に出ていたように感じます。一方で検察という組織の中でも我が道を進む姿勢も強くなっていて、今後何らかの軋轢が生まれるのではないかと思わせるような様子も描かれています。
内容自体は明瞭で読みやすく、読み応えがないという訳でもないのですが、検事時代の作品が続いていて、それが個人的には中だるみを感じます。次作も恐らく検事時代の話になりますが、何か大きな転換点が書かれると新鮮味が増して良いのかなと思います。 -
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作家デビューして15年になる柚月裕子さんの初のエッセイ集らしい。エッセイ集としてまとめるために書いたものではなくあちこちに書いたものを一つにまとめたようだ。小説の方でもそうだが,とても読みやすい文章であった。
数十年ぶりに訪れた土地は建物が一新されていて全く分からなかったが,道だけは変わっていなかったのでそれで思い出せたと言う話が印象深かった。
女性作家としてやくざ者の作品を書く事になった経緯は興味深い。黒川博行ってやっぱりスゴいのだなと思った。
紹介されていた「かもめに飛ぶことを教えた猫」に興味を持った。今度読んでみる。
中で,お母様をガンで亡くした話と,東日本大震災の津波で攫われた話が -
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著者のデビュー時から最近まで、山形新聞とか週刊誌で折々に掲載された文をまとめた初のエッセイ集。
引っ越しを繰り返した幼少期や、小説家としてデビューしたころの書く喜びとともに書き続ける苦悩と不安などが、率直に綴られている。
さらに、映画化された自分の著作や今までに読んだ本などについても。
その中で、心に残る一冊として、北重人という作家の『汐のなごり』を挙げている。読んでみたくなり、書店のネット取り寄せなどに、他の本とともにアクセスしたが、扱い不能の表示が。
出版社でも絶版になっているのだろうか。いずれかに再版されることを希望したい。
このエッセイで、著者の両親は東日本大震災で亡くなっていること -
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最近よく目にする作家さんだけど、読むのは初めて。がっつり推理ものも久々に読むような。
設定がしっかりしたミステリは、先が気になるのもあって、あっという間に読めてしまう。
30代後半の主婦・高村文絵は、学生の頃は美少女と囃し立てられていたが、今や太ってしまい見る影もなくなっていた。
懸賞が趣味の文絵は、ある日懸賞で当たった有名歌手のディナーショーに1人で出かける。その帰り道、郷里の同級生だった加奈子に声をかけられ、後日加奈子の別荘で再会を果たすのだが、そこで加奈子からある「良い仕事」を持ちかけられる。
初めは加奈子との関わりも仕事も乗り気ではなかった文絵だが、お金持ちになり豪華な暮らしをする加