柚月裕子のレビュー一覧
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ハードボイルドタッチを数多く手掛けてきた柚月さんの5編からなる短編集。
主人公の上水流涼子は、美貌を誇る辣腕弁護士だったのだが、顧問をしていた企業の社長に謀られて執行猶予付きの有罪判決を受け、弁護士資格を剥奪されてしまった。
その結果探偵エージェンシーを設立し、美貌と積極果敢な行動力を武器にして、金と欲に満ちた人たちが抱える難題を高額報酬を得ながら解決に導く物語だ。
もう一人の主人公は、涼子探偵のアシスタントとして積極過ぎる涼子を諌めながら問題の解決に大活躍するイケメン青年の貴山伸彦だ。
東大を卒業し、IQが140を示す通り、頭脳明晰な天才的閃きを備え、難題の解決法の大半を貴山が担っている。
涼子と貴山のコンビが、難問の相談事を易々と解決に導く探偵物語集となっている。
これまでの柚月作品は少々重かった印象があるのだが、今回の『 合理的にあり得ない 』は軽妙なタッチで綴られているので疲労感は全く無しの読書だった。 -
Posted by ブクログ
裏社会が舞台の本を読みたくて借りました。
ヤクザになってしまった金田にフォーカスしたストーリーを期待していましたが違いました。
でも、内容は面白かったです。
主軸の「生保受給と闇社会の問題」と同時に、
生活保護制度の意義がテーマになっているストーリーだと思いました。(貧困ビジネスの仕組みは、事例をもっとたくさん知りたかったです)
本書とは別に、
生保をどうしても受けたくなかった若者がいて、それでも一時的に生保受給をした事で、社会復帰できた記事を昔、新聞で読んだのを思い出しました。
生活保護は恥ずかしいとかいう考えが少なからずあるせいで、
本来生保受給が必要なのに、忌避感から、生保を受けないという人もいると思いますが、そういった認識は負のループだと思います。
本書に書かれているように、
どうしても生保を受けざるを得ない人にとっては必要な制度だと思います。
(そういった状況に陥る可能性は自分にもあると思います)
世間も、生保受給者自身も、
社会復帰するために、あくまで「一時的に」生活保護制度を頼る制度。という認識が必要だと思いました。
パレートの法則と掛け合わせた話でしたが、ここだけ疑問でした。
p.178などで、
そもそも、刑事が世の中の役立たずはいつの世もなくならない、の認識
→それに対するp.419のまとめ方でしたが。
当該認識が「誤算」というより、
そもそもパレートの法則(の解釈)を、
生活保護制度に当てはめること自体が、個人的にはあまり合致しなかったです(すみません)。
理由は、
パレートの法則の8割=生活保護受給者
がしっくり来なかったためです。
あと、犯人は、一応ミスリードされたので期待を裏切られて良かったです(笑)
最後に、個人的には小野寺のキャラは好きでしたが、
主人公のキャラが、隙が無さ過ぎて、あまり好きになれませんでした(笑)
p.419
さまざまな理由で、自分の力で生きていけない人は、いつの時代にも必ずいる。
p.246
あいつら、最初は猫みたいに擦り寄ってくるが、弱みを見つけると豹変する。骨の髄までしゃぶられ。 -
Posted by ブクログ
柚月裕子『上水流涼子』シリーズ第2弾。
元弁護士・上水流涼子の探偵事務所『上水流エージェンシー』には、秘密裏に解決して欲しい依頼が持ち込まれる。
容姿端麗、頭脳明晰な助手・貴山ともに依頼の解決にあたる。
殺しと傷害以外の依頼は引き受けるが…
『あり得ない』依頼が次々に舞い込む…
密輸入品を乗せ、行方不明となったミニバンの捜索して欲しいという依頼。
離婚した元夫から息子の親権を取り戻して欲しいという依頼。
節食障害となった女子大生を救って欲しいという、刑事・丹波からの依頼。
どの依頼も裏が…
涼子と貴山が依頼をスカッと解決していく。
最後もスッキリ。
テレビドラマ化もされ、上水流涼子だけに、米倉涼子主演だったような気がしていて、第2弾は⁇かと…イメージは米倉涼子のような…
主演は天海祐希でした。
貴山は松下洸平ではないような…
これはスッキリせず…
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面白かった。殺人やミステリーを扱うイメージの柚月さんですが、本作はさの字もミの字も出ません。いわゆる人間ドラマ作品です。岩手南部鉄器の工房にて、とある非行少年の補導委託を請け負い、その少年と主人公親子、そして工房で働く人物達との関わりの中で生まれる人間ドラマが展開していきます。ご都合主義感は否めませんが、内容や人間関係、キャラクターもわかりすくて好きな作品でした。割と長編ですが、セリフのやりとりも多いため読みやすい作りになっています。セリフのクダリが多い所を踏まえると映画化を狙っているのかはわかりませんが、普通に出来そうな印象ではあります。やるとしたら主人公の孝雄は、また役所広司あたりになりそうかな…
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前々作、前作を読んでからだいぶ時が経っていたため、あれ?大上さん死んでなかったっけ?と違和感を覚えながら読み進めていくことに。
「孤狼の血」よりも前の時代設定だったんですね。
今作の主人公?である沖の逮捕前後で大上・日岡が入れ替わる展開。その時点で大上さんが亡くなり、そこで時代設定を完全に理解するという乏しい私。
そんなこんなで沖、三島、重田の三人が半グレとしてヤクザを相手に立ち回るが、日岡の見せ場が少ないように感じ、大上の後継者としての役割がかすんでしまった感がある。
終盤までは話も入り組んでいて面白かったが、サクッと終わってしまったラストに少し拍子抜けしてしまった。