柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
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母はなぜ、
8歳の愛娘を
殺めてしまったのか?
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堀川恵子氏の「教誨師」を読んだあと、
書店でたまたま本書を見つけてに取りました。
解説は堀川恵子氏。
幼女二人を殺めた、三原響子の死刑が執行された。
「約束は守ったよ、褒めて」
最期の言葉に残された謎、想像を絶する動機とはーー。
死刑執行された三原響子の遺骨を受け取った吉沢香純が、彼女の過去について故郷を訪れ物語は始まります。
過去を辿る間に三原響子の過去が差し込まれるのですが、なぜ彼女が殺人という罪を犯したのかは謎のまま進みます。
じわじわと彼女の生い立ちや心の変化、
彼女を取り巻く過酷な環境が
だんだんと明らかになっていき、
苦しくなりました。
作り話とわかっていても、
今もどこかに似たような苦しみのなかで
生きている人がいるかもしれない。
どんな状況でも故郷は大切で、
たった一人の母親で。
一気読みでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「朽ちないサクラ」で警察の闇に触れた森口泉は、念願叶って刑事となる。ストーリーは泉が県警の捜査支援分析センター機動分析係に特別に配属されたところから始まる。(※本来は選抜試験に落ちているにもかかわらず抜擢)
そんな中、県警の金庫から1億円近い現金が消失する事件が発生。機動分析係は内部犯行を視野に捜査を進めるが、その背後には前作同様、公安の影が見え隠れする。
「100人を守るためには1人を切り捨てる」という公安の論理と、「1人の犠牲の上に正義は成り立たない」という泉の信念が真正面から衝突する本作は、読者の価値観を容赦なく揺さぶってくる。
事件の真相に近づくほど、“正しさ”が機能しない現実が浮き彫りになる中で、泉と機動分析係の面々の踏みとどまり続ける姿だけが、かろうじての救いに見える。
「この国にはまともな正義を執行できる人間はいない」という黒幕の言葉は特に印象的であり、正義とは不変のものではなく、立場と目的によって形を変える。その事実を突きつけられる作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【国家と秩序と人命、何が優先されるか】
女子大生がストーカーに殺害される。両親が繰り返し被害を訴えていたにもかかわらず、警察は対応を遅らせ、その裏で慰安旅行に出ていたという不祥事が世間にリークされるという歪んだ現実からストーリーは始まる。
県民安全相談係の職員・森口泉は、この事案をリークした人物が県警担当記者の友人・千佳を疑うが、彼女は否定。その直後、千佳は遺体となって発見される。友人の死の真相を追う中で、泉は“見えない力”と対峙していく。
タイトルの「サクラ」は警察の象徴であると同時に、より上位の国家権力そのものを示している。個人の正義では抗えない力の前で、ただの職員である泉が真実に迫ろうとする姿は、勇気をもらえる。
国家も秩序も、そして人命も、本来は守られるべきものだ。しかし現実には優先順位が存在し、その中で人命が後回しにされる瞬間がある。
「守れなかった」のではなく「守られなかった」、現実世界ではこういう事が起きないことを切に願う。