柚月裕子のレビュー一覧
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柚月裕子さんの作品には力強さの中にある緻密さや繊細さのようなものが宿る一言一句に惹き込まれてしまいます。本作もなかなかでした。
運命なのか、人生の歯車なのか。東日本大震災直後の東北を舞台に、選択ができないような生かされ方に翻弄されるままの真柴亮(22歳)が連続殺人犯となり、さつき東署の陣内康介が相棒の藤島とその犯人を追い詰めていくという話です。
逃亡犯となってしまった真柴はある人を探し会うため北へ向かいます。一方、陣内も震災で家族が被災します。果たして真柴は会いたい人のもとへたどり着けるのか。この捜査の特命班長に任命された陣内は、ある人を救い無事に事件を解決できるのでしょうか。
逃げる真 -
Posted by ブクログ
昭和63年の広島を舞台に、型破りな刑事大上と新米刑事の日岡がやくざの抗争を止めるために奮闘する物語。
柚月裕子さんの名前は知ってたけどちゃんと読むのは初めて。
濃厚な広島ヤクザの仁義なき戦いの世界に没頭した。最初は組織関係図が頭に入ってこなくてなかなか進まなかったけど、途中からグイグイ物語に引き込まれた。
終盤まで警察VSヤクザの物語として読んでいたのに、本当の敵はそっちじゃなかったってところが闇深で鳥肌立った。章の冒頭の日誌の削除部分の意味が明かされて、ガミさんの孤狼の血が日岡に受け継がれるエピローグ、胸熱。
私は広島弁が好きなので、ガミさんのコテコテの広島弁(大阪弁以外をコテコテと表現す -
Posted by ブクログ
「約束は守ったよ、褒めて」
逆境のなか幼い二人の命を奪った死刑囚は、執行の直前にこう漏らした。
遺骨引受人となった遠縁の主人公はこの言葉に違和感を覚え、事件の舞台となった青森の小さな町を訪れる。
物語は、かなり社会性の強いテーマで進む。
人の出入りの少ない田舎、閉鎖的な環境の中の小さな学校で起きる“イジメ”……多くはその親の感情が子どもたちを動かしている。また、大人たちも目に見えない束縛から逃れられない。
世間は自分では判断できない事象に当たると、わかりやすい解釈に飛びつく。
それは報道であり、報道もまたわかりやすい解釈に飛びつく。
いまはそれがネット
誰もストップをかけられないその世 -
Posted by ブクログ
舞台は、岩手県盛岡市の南部鉄器工房「清嘉」。職人の自宅兼工房。職人の家族を中心に描かれている物語。中心人物は小原悟、38歳。悟の父であり親方でもある孝雄。この工房で長らく職人を続けている林健司。悟の妹である由美は、居酒屋の店主である里館太郎と結婚し、その店で働いていた。
第1章。物語は動く。それは、孝雄が補導委託を受けるということから。このことを孝雄の判断で決めていた。驚き、戸惑う悟。できれば補導委託を撤回させようと考える。孝雄の本心は分からないけれど、孝雄なりの理由があるのは伝わってくる。しかし、悟には伝わっていない。その曖昧なところがどうなっていくのだろうと思う。親子でありながら、師匠と