柚月裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柚月 裕子さんの医療ミステリー。
文句無しの★5つです。
500ページを越える長編ですが、グイグイ引き込まれます。
二人の天才心臓外科医の葛藤を軸に、様々な謎が描かれます。
一人は、北海道の総合病院で手術支援ロボット『ミカエル』を駆使する西条医師。方や、ドイツ帰りの開胸式手術のプロである真木医師。
難病の少年の治療方針を巡り、激しく対立する二人。そんな中、ミカエルにある問題が発覚する。果たして、医療の未来は?そして、二人の対決はどうなるのか?
プロローグの雪山のシーンが、最後のエピローグに見事に繋がりました。なるほど、だから雪山のシーンなんですね。 -
Posted by ブクログ
暴力団×警察の物語
暴力団の抗争を止めるべく動く警察。その中で一際目立つ大上 なぜ大上はここまで権力を持っているのか疑問に思いながら読み進めていた。
そして、物語後半に明かされるガミさんの真実。
ガミさんがここまで権力を持っているのに警察内部は、誰も刃向かえない理由に衝撃を受けた。
善し悪しは置いておいてガミさんの生き様に惚れた。まさにパンドラの箱だった。
リアルな広島弁の怒号がすごく面白かった。
世界観は映画の「仁義なき戦い」や「県警対組織暴力」と似ていて、映画と本の関係性が現れていてそこもひとつ魅力的に感じた。
続編の「凶犬の目」を早く読みたい。 -
Posted by ブクログ
佐方貞人シリーズ第4作目。検事時代の3作目。
相変わらず面白い。大好きなシリーズの一つだ。
本作は正に佐方の「信義」が強烈に表現されている。ベテラン検事の「検事の責務は罪を犯した者を糾弾することだ」という発言に対して、佐方は「そうは思わない。なぜ事件が起きたのかを突き止め、罪をまっとうに裁かせる。それが私の信義だ」と言い切っている。この言葉こそがシリーズ全体で一貫している佐方の信念であり信義だ。その信義を貫いたために検事を辞めることになったのだろうが、そこがまた佐方らしい。
もうこれでシリーズも終わりかと非常に残念に思っていたが、今度は弁護士編の新作「誓いの証言」を連載中だという嬉しい情報があ -
Posted by ブクログ
ネタバレ2作目にして、ひっさしぶりの柚月裕子さんの作品。
少年の命を救うのは、天才外科医の神の手か、手術支援ロボット”ミカエル”か。
ミカエルは、患者を救う天使か、それとも悪魔か…
めちゃくちゃ骨太な医療ミステリーでした!
まず驚いたのが、手術シーンが一工程ごとに事細かく描かれている事(柚月さん医師なのか?!)。
改めて心臓外科医は凄い存在なのだなと…
今作では、命の重さについてもストーリーの中で深掘りされています。
ミカエルの不具合が分かった時、主人公西條は、今後もミカエルを使い続ける事で患者を沢山救うか、不具合により患者を死なせないためにミカエルの使用を断念するかで、非常に葛藤します。
少年の渡の