柚月裕子のレビュー一覧

  • 検事の死命
    4話あるが、実質は2篇の短編と1篇の中編からなる小説である。
    シリーズ物の「最後の証人」「検事の本懐」を読んでからのほうがよい。本作品でネタバレになってしまう。

    内容については、面白い!の一言。
  • ミカエルの鼓動
    最先端医療の普及を目指す医師の患者と技術に対する向き合い方、同僚との葛藤と信頼、苦悩が良く描かれている。生命の平等の実現、緊迫した展開、医師の倫理、そもそも生物は生きようとする存在、生命力の前で医師はその従僕なのである
  • 暴虎の牙 下
    広島呉原最大の暴力団・五十子会と、愚連隊「呉寅会」を束ねる沖虎彦との一触即発の危機に、マル暴刑事・大上章吾は間一髪で食い止めることに成功、沖は収監されることに。時は移り平成の世、逮捕直前に裏切った人物に報復を誓い沖はシャバに戻るが、かつて大上の薫陶を受けた呉原東署の刑事・日岡秀一が沖の暴走を止めるべ...続きを読む
  • 暴虎の牙 上
    「極道がなんぼのもんじゃ!」博徒たちの間に戦後の闇が残る昭和57年の広島呉原――。愚連隊「呉寅会」を束ねる沖虎彦は、ヤクザも恐れぬ圧倒的な暴力とカリスマ性で勢力を拡大していた。広島北署二課暴力団係の刑事・大上章吾は、その情報網から、呉寅会と呉原最大の暴力団・五十子会との抗争の臭いを嗅ぎ取る。賭場荒ら...続きを読む
  • あしたの君へ
    この小説で初めて家裁調査官という職業を知りました。
    そもそも家庭裁判所はどういうところかもよく分からないので調べたところ、家事事件と少年事件を専門的に扱う裁判所だそうです。
    裁判所といえば、裁判官や検事、弁護士しかいないのかと思っていました。
    家裁調査官の仕事は、問題を抱えた当事者の背景を調査し、持...続きを読む
  • 凶犬の眼
    広島県呉原東署刑事の大上章吾が奔走した、暴力団抗争から2年。日本最大の暴力団、神戸の明石組のトップが暗殺され、日本全土を巻き込む凄絶な抗争が勃発した。首謀者は対抗組織である心和会の国光寛郎。彼は最後の任侠と恐れられていた。一方、大上の薫陶を受けた日岡秀一巡査は県北の駐在所で無聊を託っていたが、突如目...続きを読む
  • 検事の死命
    これだけ単発で読んでも面白いが、、、
    是非シリーズ1(最後の証人)から読んで欲しいと思う内容でした。
    登場人物の人間関係を踏まえることで、より胸が熱くなる内容として捉えることができました。
    シリーズ4の検事の信義が楽しみです。
  • ウツボカズラの甘い息
    解離性障害を囮にして「第三者の介在は?」というのが最後まで分からないハラハラさせられた読み応えのある内容でした。
    捜査する刑事側のストーリーもあり、ページ数は多いながらも一気に読めました。
    面白かった!
  • 盤上の向日葵(下)
    孤狼の血を映像で観てこの薄汚れた血腥いストーリーを女性が描いたのかと驚き、柚月裕子さんの作品を読んでみたくなりました。将棋は詳しくないのですが対局の臨場感に引き込まれます。将棋の世界から去らざるをえなかった青年と将棋だけが唯一の希望であった青年がリンクするストーリーは秀逸です。柚月裕子さんの他の作品...続きを読む
  • 盤上の向日葵(下)
    犯人探しミステリーではなく、東野圭吾「白夜行」を彷彿とさせる壮大なヒューマンドラマ。振り返ってみれば、警察が地道に捜査を進めるだけのストーリーながら、丁寧に描かれた生い立ち、各登場人物がそのまままっすぐ進んだが故のラスト、まさに真剣師。決してハッピーな物語ではないのに読後の満足感が心地よい。
  • 盤上の向日葵(下)
    本作品での将棋の場面はほとんどがアマの真剣師による賭け将棋で、昭和のヤバイ闇社会を垣間見ることができる。
    本作品で登場するプロ棋士は、6冠を保持している24歳の壬生芳樹(みぶよしき)であるが、このモデルが羽生善治(はぶよしはる)であることは明らかだ。
    下巻で登場するアマの真剣師・東明重慶(とうみょう...続きを読む
  • 盤上の向日葵(上)
    文庫版になった時の下巻に、☗先手と☖後手の☗と☖が逆という大量の誤植があり、訂正再販を待って購入したのだが2年間も放置してしまった。
    本屋大賞の第2位でもあるし、これは絶対に面白いと決めつけていて、ついに読み始めたところ期待どおり面白い。
    事件が起きるまでに何があったのかの過去からのストーリーと、事...続きを読む
  • 暴虎の牙 下
    結末まで予想がつかない。ヒヤヒヤしながら読み、最後は心を失われた。執着しか希望が持てない沖の心の弱さがなんとも哀れだし、三島の今後の人生も想像するだけで悲しくなる。
  • 凶犬の眼
    亡きガミさんの後に日岡の前に現れた漢(おとこ)
    極道は外道と見做すのか、日岡の心境にも漢を感じました。日岡は国光からどんな影響を得たのか...
  • 暴虎の牙 下
    待望の続編。大上から日岡、ヤクザ社会の移ろい、時の流れが人にもたらすものが描かれている。本当に完結?
  • ミカエルの鼓動
    初めから最後まで、満遍なく面白かった。
    西條も真木も単にプライドの高い心臓外科医ではなかったし、他の登場人物も人間味が溢れていた。
    生い立ちや医者になってからの歩みや、今の境遇や…そういったものが本当に丁寧に書かれていて、ストーリーに少しずつ織り交ぜられていく事で、2人の、雨宮他の考え方や行動の取り...続きを読む
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明

    テレビドラマが楽しみ

    本日、天海祐希の主演でテレビドラマが始まる。小説とどう違うのか非常に楽しみ。小説では思わず引き込まれてしまい、途中で止められなくなった。天海祐希が上水流涼子をどう演じるのかワクワクする。
  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明
    ドラマのCMを見て一足お先に原作を。
    これ、すごく面白い。タイトルは前から知っていて興味がありつつ読んでなかったので、ドラマ化がいいきっかけをくれた。
    連作短編で、主人公の上水流涼子がいろんな登場をするパターンが面白かった。次は誰が涼子なのか、とかわくわくする。
    後半の涼子目線の展開もよかった。助手...続きを読む
  • 検事の死命
    佐方シリーズの第3作目、1→2→4となってしまった。

    タイトル作品は痴漢冤罪。
    痴漢した疑いで捕まった、地元有力者の婿養子。
    痴漢だと騒いだ女子高校生は、非行歴がありシングルマザー。お金欲しさの犯行か、と思われていた。
    色眼鏡でみることなく、一つ一つ丁寧に調べ、思いがけないところから真相にたどり着...続きを読む
  • 凶犬の眼
    『孤狼の血』シリーズ第2作。今作も暴力団抗争を軸に話が進む。
    読んでいてぐいぐい引き込まれるところがさすが。表題の凶犬が誰を指すのかにも注目しながら読むと面白いかも。
    しかし、日岡の上司にあたる大上に続いて、日岡と兄弟の契りを交わした国光まで殺されてしまうのが本当にやるせなかった…