最果タヒのレビュー一覧
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最果タヒの一見難解な、独特な言葉遣い。だけど自然にすーっと染み渡るように深くわたしの中に入ってくるような感覚。そしていつだったか覚えていないけれど、たしかに昔感じた気持ち。それらが詩中の言葉によって掘り起こされるようだった。
七夕の詩が好きです。Posted by ブクログ -
死ぬという言葉を惜しげもなく使うからすごい。表現者としてこれだけは最後まで使わんとこう、と思う言葉をひょいひょい使って、それでもまだ言葉が尽きない。震撼。Posted by ブクログ
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前回の三部作以来の詩集。どれも静謐という言葉が似合う。静かに終わりが近づいている、そんな優しい詩が多かった気がする。個人的には「おやすみ」の最後の部分がとても好きだった。そして巻末の初出を確認せずに「生存戦略!」を読んだときはびっくりしたが、ピンドラを知っているからこそこの詩を読んだときに湧く喜びが...続きを読むPosted by ブクログ
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三部作後の新作、ということで、いささか明るい。いや充分暗いけど。
なんかもう最果さんの詩集への感動は、「この人が同じ時代にいることがうれしい」という域になっているからうまく評価できない。この人が同じ時代にいてうれしい。だってさあ、「生存戦略!」とか「宇多田ヒカル」とか「SNS」とか、今この時代に生...続きを読むPosted by ブクログ -
みんな「自分なんかふつう」だと思っていそうなキャラクターばかりなのに、連続殺人なんてイレギュラーなことが起きてしまう青春の鬱屈。鈍色に輝く青春って感じ。Posted by ブクログ
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決して読みやすくはない文章が、バランスの取れておらず、感情に押し流され、突き動かされていくような心を描いているようです。世界がまだ閉じたままの青春時代に、選択肢はそれほど現れない。私たちは運良く、大人になれただけなのかもしれません。Posted by ブクログ
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なかなかよかった。阿部共実の漫画みたいな、ナイーブで危うい青春、といった感じ。
阿部作品よりもスッキリ感があって、その分余韻は後を引かない感じだが。
女の子のキャラがよかった。Posted by ブクログ -
女子高生青春系、かと思ったら主人公が宇宙人という特殊な設定。しかも日常に溶け込んでふつうの女子高生をしている。アイスが硬すぎて愚痴る宇宙人というのを初めて見ましたけど違和感はありませんでした。宇宙人だけど友人との関係や恋愛やふつうに進路に悩んだりしてておもしろかったです。最果先生らしいことばや節回し...続きを読むPosted by ブクログ
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愛ってなんだろう。かつては、恋人という人がわたしにもいましたが、愛しているという感覚はもう忘れました。確か、いろいろな感情にかられたような気はします。ひとりでいては、覚えることもないような感情です。あの日々は錯覚だったのかな、と思うくらい遠いところに来ました。最果さんの紡ぐ言葉に、かつてを少し思った...続きを読むPosted by ブクログ
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決められた型に嵌まらない表現は、さすがとしか言いようがない。
夜から朝にかけての不明瞭な時間は、だけど多くの大きかったり小さかったりする感情や記憶や価値観のかけらでできていて、朝焼けの眩しさとともに、夜明け前の自分が瓦解する。本当にそんな感じの一冊。Posted by ブクログ -
最果さんの紡ぐ言葉が大好きです。十代の頃に書かれた第一詩集ということで、今まで読んできた詩集よりも、ひとつひとつが傷のような気がしました。言葉の渦に圧倒されました。夜、眠る時に一旦死に、朝、蘇る、日々はその繰り返し。生きるはきたない。最果さんのように的確に言葉に出来ないですが、この衝動は私の中にもあ...続きを読むPosted by ブクログ
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とにかく一言で言えば斬新だった。
種とか次元とか有機無機の壁をも取っ払って、感情や言葉を持ったらどうなるんだろう
どんな形態でも種の存続をかけて生存戦略は本能的に存在するとして、その上で何が残せるのだろうかと考えてみる
時間をかけて考えるものではない。
経験値を積めば答えが出るものではない。
もう刹...続きを読むPosted by ブクログ -
大森さんの歌を歌うことへの執念の裏にあるもの、それがよくわかって、面白かった。
今後大森さんの音源を聴くたび、ライブをみるたび、この本に書いてあったことを思い出すんだすのだろうな。
旦那さんからのプロポーズの言葉、かっこよすぎ!!Posted by ブクログ -
最果タヒ。もうすっかり信用しているので、小説になって、時々ちょっとわからなくてもどうってことない。この人が持っている感覚や言葉は、生まれ持ったものだけではなくて、じっくり考えて、努力して手に入れたものだと思うので。表紙の著者名のタヒって文字間隔が近すぎて何度も見た。Posted by ブクログ
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書き下ろしで後編である「正しさの季節」のほうが好き。
だけど、でも、けど、ばかりの正しさ の分かり合えないもどかしさ、決して交わらない心苦しさ。
誰かの正義は確かに誰かを傷付け否定するねPosted by ブクログ -
主人公は地球で女子高生をやっている宇宙人。でも普通に地球人と同じ生活をし、普通の高校生となんら変わらず友人との関係や進路について悩んだりしている。奇抜な世界設定や特殊能力が幅を効かせるのでもなく、いわゆるキャラクター小説でもない。誰もが思春期に持つ現状や将来に対する漠然とした不安を描きだすことに主眼...続きを読むPosted by ブクログ