最果タヒのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
他人の気持ちなんて、どこまでいっても分かりようがない。心があるかどうかすら分からないのだから。でも、それって、自分も同じ。他人が自分を見るのも、自分が自分を見るのも。
でも、だからって、だからこそ、他人と関わるのは煩わしいし、他人と関わりたいと思うもの。
うわべの自分が話していても、義務感や演技を自覚していても、恋は楽しくうれしい。恋とは、一緒に戦うこと。恋だけじゃないけど。
そんなお話、とても、すとんとお腹に落ちた。
感情移入しづらい登場人物だし、クセのある言い回し、それが読み進めるととに目に咲いた花のように馴染んで溶け込んで、心地よくなっていく。そして、登場人物みんなを、少し好きになる。 -
Posted by ブクログ
理詰めで考えることに疲れた頃に無性に絵がみたくなったり
目から入ってきた情報がアタマから溢れだした頃に無性に音楽が聴きたくなったりするように
論述を重ね過ぎて行間が酸欠になった頃には無性に韻文を摂取したくなります。
詩人というフィルターを通して水中にポコポコと生まれた泡のような言葉たちが
酸欠でギスギスしていたわたし(みのり)の言葉にくっついてきて
プッと頬を膨らませたように丸くて柔らかなモノにします。
語彙がそれほど豊富でもなく、言葉さばきがそれほど巧みでもないのに
なぜか詩人の言葉たちは勝手に吸い付きあい連なって意味をなします。
あな不可思議な現象です。。。
き -
Posted by ブクログ
最果タヒさん初読
さいはてさんとお読みするらしい
詩人で小説家
最年少中原中也賞受賞等早くから詩への評価が高い方のようです
2014年初出 2部構成
「星か獣になる季節」
17歳という危うさの表現
推しのアイドルが殺人を犯したらしい
その罪を自分が負うために連続殺人を犯す高校生
10年前の作品と思えない斬新さ
同じアイドルを推す同級生と推しへの純粋な愛情に歪んでいく感情とその行為
最期自らを殺してもらう選択をした友人に共犯的な懺悔を読む
「正しさの季節」
殺人犯として捕まった男子高校生の元同級生の女子と彼の幼なじみの男子の1年後
星にも獣にもならなかった彼らは
正しさに囚われているのか
獣に -
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Posted by ブクログ
短編なのでサクサク読めた。
今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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↓読んだ中で印象に残ったもの。
●良い話
砥上裕將『母の箪笥』
金子玲介『恋文』
●じわじわ来る系
潮谷験『無理解』
五十嵐律人『累犯家族』
背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』
●設定の世界観が独特
黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
舞城王太郎『食パンと右肘』
多崎礼『海に還 -
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Posted by ブクログ
誰もが一度は抱いたことのあるコンプレックスやその感情を、タヒさんの世界で救ってくれる本
途中でたびたび挟まれるまんががなんか好き
「たったひとつ手にしている「好き」という感情は、自分そのものだと言えるかもしれないけど、感情自体ではなく感情を吐き出した「何か」こそが自分」p.97
好きだという感情は自分の中にある価値観を露わにする なぜ好きなのか、苦手なのか 人格を形づくる最小の単位だからこそ、その答えを導き出させたものが「私」である
「誰かを救わなければ、誰にも信用されることはない。愛されることはない。」p.44
心の内を見透かされた、と思った 誰かの何かにならなきゃと強く信じていたことの -
Posted by ブクログ
この本の女の子のように、うつくしいものに目が行って、それをうつくしいと思える世の中であり、自分であったらいいなと思った。
今、一時的に学校に勤務しているが、一見大人しく優しそうな子供たちの心が、実は割と刃を人に突き刺しているのを感じて、何を見てもうつくしいと思えなくなってきた。荒んでいる子供に関わろうとしても、ハラスメントだなんだと騒ぎ立てられそうで、結局何もできず、介入しなければ寄り添えず愛情も沸かず、悪循環なのが情けない。そして、そんな世の中に絶望してしまう。
こんなふうにうつくしいものをうつくしいと感じられる世の中であって欲しい。