最果タヒのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰もが一度は抱いたことのあるコンプレックスやその感情を、タヒさんの世界で救ってくれる本
途中でたびたび挟まれるまんががなんか好き
「たったひとつ手にしている「好き」という感情は、自分そのものだと言えるかもしれないけど、感情自体ではなく感情を吐き出した「何か」こそが自分」p.97
好きだという感情は自分の中にある価値観を露わにする なぜ好きなのか、苦手なのか 人格を形づくる最小の単位だからこそ、その答えを導き出させたものが「私」である
「誰かを救わなければ、誰にも信用されることはない。愛されることはない。」p.44
心の内を見透かされた、と思った 誰かの何かにならなきゃと強く信じていたことの -
Posted by ブクログ
この本の女の子のように、うつくしいものに目が行って、それをうつくしいと思える世の中であり、自分であったらいいなと思った。
今、一時的に学校に勤務しているが、一見大人しく優しそうな子供たちの心が、実は割と刃を人に突き刺しているのを感じて、何を見てもうつくしいと思えなくなってきた。荒んでいる子供に関わろうとしても、ハラスメントだなんだと騒ぎ立てられそうで、結局何もできず、介入しなければ寄り添えず愛情も沸かず、悪循環なのが情けない。そして、そんな世の中に絶望してしまう。
こんなふうにうつくしいものをうつくしいと感じられる世の中であって欲しい。 -
Posted by ブクログ
「だから捨ててといったのに」から全ての物語が始まる短編集。作者によって「何を捨ててと言ったのか」を読むのが楽しいですね。昔星新一の「ノックの音が」を読んだときのようなワクワク感があります。普段あまり本を読んでいないので、この手のタイプの短編アンソロジーはいろんな作者さんの作品を一冊でたくさん読めるのが本当にありがたいです。多分読書家の方なら、作者を伏せても「この話はこの人が書いたのかな」と分かるのかもしれないなと思いました。そういう楽しみ方をしても良いのかも。
真下みこと「お守り代わり」
五十嵐律人「累犯家族」
芦沢央「久闊を叙す」
多崎礼「海に還る」
谷絹茉優「猟妻」
こちらの5編が特に好き -
Posted by ブクログ
むしょうに最果タヒの詩が読みたくなって。あとがきの、
「ずっとそこにあって、そして突然美しく見える瞬間をもたらすものだったらいいな。詩を読んだその人にとっての『世界』が、新しさをまとって現れるきっかけになることがあれば、素敵だって思う。」
という言葉のとおり、私のなかにはすでに最果タヒの詩があって、それをふと思い出すような、眠っていた感覚が目覚めるような感覚で、あらためて触れたくなる。愛と世界はかくも美しい。
愛しているって言って、伝わらない間、
その言葉は唯一、永遠の言葉になる。
〈指輪の詩〉
愛の美しさではなく、星として、
あなたたちはきれい。
〈最小の星座〉
誰も行くことができない -
Posted by ブクログ
【全体の感想】
こんな感受性を持ちたいと思う気持ち…30%、共感を得る気持ち…20%、「生きづらそう」と感じる気持ち…50%くらいの割合がブレンドされた感情になりました。
最果タヒさんのエッセイは2作目で、自分にない考え方や感受性が欲しくなった時に読みたくなります。(大体「生きづらそう」と感じてしまうことの方が多いわけですが…笑)
以下、好きなタイトルと思ったこと。
▪︎はだし
→「その時の状況に合う言葉を紡ぐこと」と、「伝えること」は異なることと書いてあり、同時にやって上手くいかないのは、そうだよなと思った。
気づかせてくださるお言葉。
▪︎言葉は表情
気持ちを考えなさいと言われるけれ -
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Posted by ブクログ
渦森今日子、17歳。女子高生で、アイスが好きな宇宙人。
最後で「え?」と思ったかもだけど、私も、私の友達もそんなことは気にせず毎日を過ごしている。
ポップで可愛い青春小説。
宇宙人の渦森今日子を主人公とした、鮮やかな青春小説です。
主人公は、地球で女子高生をしているけれど本当は宇宙人。だけど、本人も友人たちもそんなことは気にせず、アイスを食べて部活動に勤しみ、体育祭で盛り上がり進路に悩む。
さしたる理由もなく地球に滞在し、ふわふわモラトリアムを享受する主人公に、未来へのほんのりとした不安から目をそらしながらも、何の覚悟も持たずただ無敵に楽しく生きていられた学生時代を思いだいました。
将来に -
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