最果タヒのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最果さんの思考が手続きを踏まずにそのままストレートに入ってくるような感覚。まあそんなわけはないんだけど。校閲だってあるだろうし。いやでも単行本版のあとがきに「ブログのものがほとんど」ってあったから、やっぱり思考トレースかも?だって考えるときってこんな感じで脈絡なくいくじゃん。
読んでいるとこんな感じで話し方(書き方か?)が似てくる気がします。読み返したら全然似てなくて驚きましたが。一気に人の思考が入ってくるので、興味深いけど一気には読めません。時間をかけて少しずつ味わいました。
文庫版のおまけの方が文章が整っている感じがして、ナマ感が薄い気がします。電車で船を漕ぎながら読んでいたからかもしれませんが。
人の悪意とか、嫌いなものを見たときにその人の本性を感じる、というのは納得です。「うへー!!!」と思う一方で一気にその人を好きになっちゃったり。共通の敵を持て、と似ているようでまた違うんだけど。清廉潔白、非の打ち所がありません!よりも、時に嫌んなりながらも自分と同じでダメなところがあるんだね、と嬉しくなるんだと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不思議な小説だった。印象的なセリフが沢山ある。なにかすごく大切なことが書いてある気がして引っかかるのに、この感覚をなんて言葉にしたらいいか分からない。
応援している地下アイドルに求めていることがひどく歪んでいて言葉を失ったけれど、それは主人公だけじゃなかった。読み進めるほど、人が人に対して求めていることがどんどん浮き彫りになっていった。
対象や程度が違うだけで、みんな同じようなことをして自分の居場所を作ろうとしている。それは自分の過去で見覚えのある人間関係でもあった。
何も求めていないのは森下だけだったかもしれない。だからこそ森下はこんな殺人犯になってしまったのかな。
誰かのために行動するという話と、差別をしないという話で、森下の性質が少し分かった気がした。なぜか森下が一番ピュアに見えてしまい、頭を悩ませられる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ谷川さんの詩は平易な言葉で行間を味わうようだなと感じることが多いけど、最果さんの詩は静かなんだけど乾いてたり傷ついてたり、あるいはぐじゅぐじゅして萎んでる心の隙間を埋める、というよりはぱてぱてと詰めるという感じが自分はする。
そうやって沁みる人も多いことはわかるし、多分自分が10代20代なら共感しかなかったと思う。けど、ミドルというかもはやシニア寄りの自分からするともう痛々しくて仕方ない感じがすごくて、時たま息が詰まりそうです。でも読んじゃうんですけどね。通ってきた道を懐かしむように。必要な人にはとても必要な言葉の集まりだと思います。
「商業主義」「部屋は氷」が自分は好きです。