最果タヒのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年かぶりに読んだけれど、当時と今とを比べても変わらず切っ先の鋭い言葉を突きつけられているような感覚だ。
彼氏(ではないけれど)、友人(ではないけれど)、兄、兄の婚約者(ビッチ)、兄の親友(自殺志願者)、全方位に敵。過激で、極端で、むきだしの女子高生の頭の中。私も17歳の時は不機嫌そうな顔でずっとこんなことばかり考えていたような気がする。からあげはおいしい。
それにしても、あの頃の全速力で駆け抜けるような時間のことを今の私が大人ぶって「なつかしい」なんて言って懐古したらやっぱり怒られるのだろうか。「は?きも。お前に私のなにがわかんの?」
今の私と、過去の私は、たしかに限りなく他者だ。だって未来 -
Posted by ブクログ
言っていることというか、題材が一度他者へ向かって開いていったかと思えば、どんどん孤独へ向かって閉じてきている。その一方で、著者の言語へのアプローチは一貫してポップなので、逆に何か新しい感覚でもって世界の窓を開かれていくような快感を覚える。これは著者の初期の作品『グッドモーニング』からずっとそうで、ポップではないにせよ『何故か明るい気分になる』『今まで誰も言葉にしてくれなかった思想を言葉にしてくれたと思ってしまう』という持ち味があると思う。それが最新作でも味わえたので驚き。常に新しくてすごいなあおもしろいなあと思う。どんどん平易で恣意性の高い言葉選びに傾き、かたや読者は誰も言ったことのないことを
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Posted by ブクログ
む〜ん...これは「問題作」だ(^ ^;
どこがどう問題か...と問われても困るが、
ものすごい「問題作臭」が漂っている感じ(^ ^;
一応は「連作短編集」と言えるのだろう。
同じ世界観の中で、時間軸に沿って話が進むし、
一作目の内容を「受けて」その後の話が存在している。
で...何と言うか、全体を通してかなりの異常性を感じる。
人が簡単に死にすぎる(^ ^;
殺人のハードルが異様に低いぞ(^ ^;
サイコパスと言ってしまえばそれまでかも、だが、
シリアルキラー本人の中では整合性が取れており、
何の矛盾も破綻もない...のが怖い(^ ^;
一作目のメインの二人は、二作目以降は
訳あって