最果タヒのレビュー一覧

  • 星か獣になる季節

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    ネタバレ

    不思議な小説だった。印象的なセリフが沢山ある。なにかすごく大切なことが書いてある気がして引っかかるのに、この感覚をなんて言葉にしたらいいか分からない。
    応援している地下アイドルに求めていることがひどく歪んでいて言葉を失ったけれど、それは主人公だけじゃなかった。読み進めるほど、人が人に対して求めていることがどんどん浮き彫りになっていった。
    対象や程度が違うだけで、みんな同じようなことをして自分の居場所を作ろうとしている。それは自分の過去で見覚えのある人間関係でもあった。
    何も求めていないのは森下だけだったかもしれない。だからこそ森下はこんな殺人犯になってしまったのかな。
    誰かのために行動するとい

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    2023年08月28日
  • 星か獣になる季節

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    詩が連なってできたような小説
    登場人物の命の炎が本当によく燃えていて、壊れかけていて、最高
    お酒に酔っている時に読むのが丁度良い、目が回る文章
    何があっても、世界は平熱

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    2023年06月10日
  • 少女ABCDEFGHIJKLMN

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    少女は、


    儚く永遠であれ。


    一瞬を永遠のように過ごせるから


    少女はいつまでも


    凛として誰も触れられない


    永遠の美しさの中で死んでいく。




    (そんな本です。)

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    2023年05月26日
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    矛盾、繊細、欺瞞、嫉妬、ついでにブラコン。
    10代の支離滅裂な感情をストレートに表した作品。
    本当の自分を見つけられなくて、他人の感情を勝手に想像して自分が形作られていく。
    これは宇宙人・女子高生の内を表現した傑作だと思う、

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    2023年03月19日
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    その先のストーリーは、待っていなかった結末。

    こんな高校生いるのかってくらい、
    人間味が強いのか、ないのかすら、わからない!

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    2023年03月14日
  • 天国と、とてつもない暇

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    意外にも初読みのタヒさん。
    以前、現代詩手帖を読んでいたときに作者を知らないまま目に止まったのがタヒさんの詩だった。
    僭越ながら私にも同じものが奥底にひたひたと流れているのだと感じた。
    タヒさんはそれを言葉にできて、私はまだそれができない。
    いつかこんな風に言葉を使いこなせたらと思う。

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    2023年03月05日
  • きみの言い訳は最高の芸術

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    友達と過ごすのは退屈な時間ぐらいでいい。友達を楽しませるのが私の仕事ではない。

    人と共有するのは、感情、不幸、苦労よりお天気やケーキが美味しいなど他愛のないものの方がいい。

    他人の人生の背景になれるくらいがちょうどいい。

    他者に嫌われることを恐れてる時点で、現時点自分が好かれてると考えてるから、図々しいbyアンタッチャブル柴田さん

    これらの言葉が刺さりました。

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    2023年02月14日
  • きみの言い訳は最高の芸術

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    宇多田ヒカルの歌をとても好きになったけれど、彼女に詳しくなりたい、彼女の歌と密接している人生まで歌を通じて消費したいと思わなかった、という考え方に共感。わかるわ。

    あと、自分が好きなものを言った時に、その内容に優劣をつけようとする他人がいることにうんざりしているくだりも好き。

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    2022年12月26日
  • きみの言い訳は最高の芸術

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    読んでて、絶対にこの人とは友達になりたくないなと思ったけど、そう思った時点で私は最果タヒに敗北してるんだろうな……とか思った あまり好きな本じゃないですが共感できるところも多いのが悔しい!!

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    2022年12月15日
  • 夜景座生まれ

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    まず、『夜景座生まれ』というタイトル自体がとても好き。最初は音の響きが好きだと思っていたけれど、あとがきを読んでそのネーミングの経緯を知るとまた一段と、別のベクトルで好きが増幅する。

    『夜景座生まれ』に収録されている詩は全体的にどこか仄暗く、物悲しさが漂っているような気がした。でも最後にはその物悲しさを包み込んでくれる優しさがあるような気がして、それが救いになっている。特に私は最後の「海の詩」が好きで、これがこの詩集の〆でよかったと思った。

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    2022年08月31日
  • さっきまでは薔薇だったぼく

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    ネタバレ

    谷川さんの詩は平易な言葉で行間を味わうようだなと感じることが多いけど、最果さんの詩は静かなんだけど乾いてたり傷ついてたり、あるいはぐじゅぐじゅして萎んでる心の隙間を埋める、というよりはぱてぱてと詰めるという感じが自分はする。
    そうやって沁みる人も多いことはわかるし、多分自分が10代20代なら共感しかなかったと思う。けど、ミドルというかもはやシニア寄りの自分からするともう痛々しくて仕方ない感じがすごくて、時たま息が詰まりそうです。でも読んじゃうんですけどね。通ってきた道を懐かしむように。必要な人にはとても必要な言葉の集まりだと思います。
    「商業主義」「部屋は氷」が自分は好きです。

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    2022年07月21日
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)

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    最近詩がわからない、悪いではなく良いがわからない。受賞すれば良い詩なのかそうとは思わない。
    「わたしは散っていく自分の可能性、細胞、筋肉が/向こうの海でどうなったかをしりました/いつか/大海の真ん中朝を迎えて、そうね、もう一度/わたしと再会しましょう」
    作品において過去は未来を脅かす存在でいい、そう教えてもらった、いつまでも共感に負けないで。

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    2022年06月26日
  • さっきまでは薔薇だったぼく

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    キスってつまんないな。
    っていう一文がおもしろかった。ボキャブラリー展覧会みたいな詩をつくることもできるはずなのに、語彙がかなり絞られている。それはずっと感じてきたことだけど、今回特に感じた。それでいてこんなにたくさんの新しい詩が読めるって不思議だ。なんでこんなにおもしろいんだろう。

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    2022年06月09日
  • 星か獣になる季節

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    16歳の夏休み、学校の図書室で繰り返し読んだ。私はどっちになるんやろ、とか考えていた17歳の誕生日は風邪で寝込んで終わった。

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    2022年05月30日
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    あらら、ならば私も嘘つき。薄さだけに釣られて買い、最初の数頁で、しまった、これは川上未映子の『『わたくし率 イン 歯ー、または世界』のように、薄いのにやたら時間がかかるやつかと後悔。

    でも違った。わかるよその気持ちと言いたくなるシーンがどれだけあったことか。ラップになりそうな文体とか、確かにオバハンにはついて行きづらいけど(笑)、教師の言動を「あなたパンでも作っているんですか」と言ってみたり、一度は告った相手に「それ言われて喜ぶと思ったの?」と毒づいてみたり。わかるよほんとに。

    傷ついても生きる。今日が好き。

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    2022年05月03日
  • きみの言い訳は最高の芸術

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    『きみが友達との楽しい時間のために、ひねり出した悪意について。』や『わからないぐらいがちょうどいい』が好きです。

    人や人生を簡単な言葉でまとめたり切り取ったりせず、複雑で雑多な感覚や思考をそのまま行きつ戻りつ表現している感じ、いいですね。

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    2022年03月20日
  • パパララレレルル

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    完璧にはわからないけど心地いい音で読めた。
    場面が想像できる本が好きだったけど、
    これはこれであり!

    時々出てくる令和な言葉にクスッとしたり、部分部分で共感できたり。面白い本だった!

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    2022年03月16日
  • パパララレレルル

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    美しい言葉で綴られる不思議な物語の数々。「君はPOP」が写真と言葉のデザインが素敵で、物語の新たな可能性を感じた。

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    2022年02月28日
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)

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    解釈を拒むかのように並ぶ言葉はたしかに日本語なんだけどそれは知らない言葉で
    意味を捕まえかけたと思ったところで言葉は思わぬ方向に飛んでいく
    詩は、言葉で表現できない何かを言葉で表現しようとする試みなのだと改めて

    いつも通り、あとがきが最高です

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    2022年02月23日
  • 星か獣になる季節

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    ※参考にはならないすごく個人的な感想です

    最初の主人公にも文体にも入り込めないうちは、ちょっと苦痛だった。あまりに癖が強すぎて。
    でも読み進めてくうちに理解して解像度が上がって、主人公の中でも解像度があがってくと途端にずぶずぶにのめり込んでた。最初は理解できなかった独特な文体の感情表現が途端に鮮明になってく感じ。
    すごい好き。好きだけど、のめり込めばその分ずっと辛い。後味なんて良くない全然良くない、個人的にはだけど。辛いんだけど、どこを取っても言いようも無い感情が鮮明に伝わってくるからやっぱりすきな小説。

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    2022年02月18日