最果タヒのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレいつも本の装丁と厚さとサイズ感がすごくいいと感じさせてくれますが本書も色使いが絶妙と思います。
作品全体としてはこれまでと同様に、透明感があり、ヒリヒリとした感じがあり。でもヒリヒリも数年前とはちょっと質が変わって若者にありがちな鋭い壊れ物のような感じからちょっと鋭さが取れ、けれど丸くなったという訳でもない諦めに似たようなといいますか、引いた感じの老成感を感じます。
個人的な感覚なのでうまく表現できないのですが(伝わるかなぁ。本書を読まれた人の何人かにはこの感覚同意を得られる気がしますが)
好きな人ははっきり好きだし苦手な人ははっきり苦手なんじゃないかなと思われる一冊。
「氷柱」「光の注文」「波音の詩」「線香花火の詩」「金色の詩」「本棚の詩」「麻酔」が自分は良かった。 -
Posted by ブクログ
「不透明にした自分のあちこちを、持ち上げて光に当ててみる。そこに見える光について、今、ここに、書いていきたい。」(はじめにー『コンプレックスプリズム』最果タヒより)
詩人・最果タヒさんの初エッセイ集。
昨日、タヒさんのコンプレックスプリズムを購入。最近考え事をする事が多く、「劣等感」というワードが私の中で流行っていた。そんな時に、見つけた本。出会った瞬間に「読むしかない…!」って思った。
タヒさんが世界と交わる中での葛藤、傲慢、劣等感など…得体の知れない感情を言葉にしてくれる。ナイフで突き刺すように。その傍には優しさもあるようで素敵だった。
これからもコンプレックスも連れて生きると思うけど、それも含めて「私なんだ!!」と自分自身が受け入れられるようになりたいし、もっと感情的になって、人と向き合って、真正面からぶつかってもいいんだって思えた。少し気持ちが楽になった。
最果さんが書く言葉は歳を重ねるにつれ、その言葉も変化していくような「生命力」があると感じた。ある意味それは、「私」自身のアンテナ箇所が、日々変化しているからでは?とも思った。タヒさんすごい…これから本を読むのがますます楽しみになった。 -
Posted by ブクログ
最果さんの思考が手続きを踏まずにそのままストレートに入ってくるような感覚。まあそんなわけはないんだけど。校閲だってあるだろうし。いやでも単行本版のあとがきに「ブログのものがほとんど」ってあったから、やっぱり思考トレースかも?だって考えるときってこんな感じで脈絡なくいくじゃん。
読んでいるとこんな感じで話し方(書き方か?)が似てくる気がします。読み返したら全然似てなくて驚きましたが。一気に人の思考が入ってくるので、興味深いけど一気には読めません。時間をかけて少しずつ味わいました。
文庫版のおまけの方が文章が整っている感じがして、ナマ感が薄い気がします。電車で船を漕ぎながら読んでいたからかもしれませんが。
人の悪意とか、嫌いなものを見たときにその人の本性を感じる、というのは納得です。「うへー!!!」と思う一方で一気にその人を好きになっちゃったり。共通の敵を持て、と似ているようでまた違うんだけど。清廉潔白、非の打ち所がありません!よりも、時に嫌んなりながらも自分と同じでダメなところがあるんだね、と嬉しくなるんだと思います。