無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
久しぶりに最果タヒさんの詩集を読みました。
この詩集は、今までのようなポップな感覚は少し薄まり、ひどくうら悲しいような淋しい気持ちになる詩が多いと感じました。
淋しいと言ってもそこはやっぱり最果タヒさんなので、2020年的淋しさですが。
あとがきで、最果さんは「自分が生きている日々すべてを、自分がちゃんと選んだとは思えない。むしろ、流されてしまうこと、自分じゃ止められなかったこと、”そうせざるを得なかったこと”がいくつも自分の中にうずまいていて、それでもその日々が自分の人生として、自分の人格として、刻まれていってしまう。そのことにひどく疲れることもあるけれど、それでもその先にある明日や明後日が真新しいものであることを信じずにはいられない」と述べられていますが、そういわれてみると、この詩集はそういう趣旨のもとにかかれたものであるような気もしました。
「流れ星」
本当にぼくは孤独だ、と言ったときの、
本当に、は、だれに証明するための、もので、
だれがぼくの孤独を疑ったのか。(だれも疑っていない
だれもが聞き流している、川が流れている、
ぼくを聞き流している、
春の水が夏の水になった瞬間をぼくも知らない、
水はみんなぼくを聞き流して簡単に海に行ってしまう。)
さみしいって言えよ、とだれかが言った。
腹が立って、ぼくはさみしいと叫んだ、
だれももうさみしいという言葉を使えないぐらいに
うつくしく叫んだ。そうやって人類は、歌を発明しました。
ぼくは、心がなくて、
きみにはあるから、きみはぼくにそれをちょうだい。
人類はそうやって、愛を発明しました。
「傷跡」「天国手前」「5月」「氷の詩」「海の詩」もよかったです。
Posted by ブクログ
言っていることというか、題材が一度他者へ向かって開いていったかと思えば、どんどん孤独へ向かって閉じてきている。その一方で、著者の言語へのアプローチは一貫してポップなので、逆に何か新しい感覚でもって世界の窓を開かれていくような快感を覚える。これは著者の初期の作品『グッドモーニング』からずっとそうで、ポップではないにせよ『何故か明るい気分になる』『今まで誰も言葉にしてくれなかった思想を言葉にしてくれたと思ってしまう』という持ち味があると思う。それが最新作でも味わえたので驚き。常に新しくてすごいなあおもしろいなあと思う。どんどん平易で恣意性の高い言葉選びに傾き、かたや読者は誰も言ったことのないことを言っているように感じるというのは、どういう仕組みなのかほんとうに不思議。なんでこんな詩が書けるんだろう。
あと個人的に、佐々木さんがデザインを担当した著者の本の中では、今回のエディトリアルデザインがいちばん1ページごとにハマっていて目を惹かれた。本を読むことに疲れているときも、次のページを開くと読んでしまった。
言葉って、文字って綺麗だなあ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸