天国と、とてつもない暇

天国と、とてつもない暇

1,188円 (税込)

5pt

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詩の世界に新風を吹き込んだ詩人の最新詩集。

現代を生きる若者たちを魅了した詩集三部作(『死んでしまう系のぼくらに』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』)を経て、今、未知の世界がこの詩集から始まる。若き言葉の魔術師が贈る最新詩集、待望の刊行。

《私には本当は私しかいないというそのことを、/季節の境目でだけ、思い出します。/生きていれば幸福より優しさがほしくなる、/この指で与えられるものがひとつずつ、ふえていく、/散りゆく世界、積もる白、私の人生、私の、/私への、果てのない、果てのない優しさ》――(「自分にご褒美」最後の6行)

《きみはかくじつに誰かに愛されるし、かくじつに一人ではないし/それでも孤独があるという花畑なんだ、ここは。/燃やそう、だから一緒にすべてを燃やそう、次の太陽にみんなでなろう》――(「冬の濃霧」最後の3行)

《軋むようだ、/骨が軋んだ、その時の音のように、/小さく、みじかく、私にやってくる、感情。/名前をつけて、いつまでも飾ることは、できない、/腐っていくから。/それでも、その瞬間の、小さな音、/それが、私の声をつくる、/身体から旅立つ、声を。/おやすみ。/私は、あなたが懐かしい。》(「声」最終連)

漢字、ひらがな、そして、句読点までもがポエジーを奏でる。
その上、タテ組、ヨコ組、行替え、行間の空白――斬新な詩行の列がポエジーを支える。(2018年10月発行作品)

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 詩集・俳句
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    96ページ
  • 電子版発売日
    2018年10月19日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    11MB

閲覧環境

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天国と、とてつもない暇 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    詩集って普段あまり読まないけど、ときどき読むと勝手に救われる。こんなふうに世界を掴もうとしてもいいんだな、とか、こんなふうに言葉を楽しんでもいいんだな、とか。視界がやわらかくなる感じ。
    最果タヒさんのことはずっと気になっていて、ようやく読むことができた。少し悲しかったり、寂しかったりするなかで、愛と

    0
    2025年05月25日

    Posted by ブクログ

    直後に読んだ本
    死を考えることは日常の中で大月はないけど、死にたいって当たり前に思うよねって思えた!
    私だけじゃないよー!って思うと少しは楽になる
    感情とかもやもやを言語化するのめちゃ下手だけど、この言葉すごい代弁してくれてるっていつワードに出会えてのがよかった!

    0
    2025年02月03日

    Posted by ブクログ

    今じゃない、読むのは今じゃないって思い続けてずっと積んでたけど、その今がきました

    今、って時に読むと、響く言葉がたくさんある

    凍っていくように目が覚めたい
    とか、真逆のことを書いてるのになぜか心に落ちるんですよね

    だから、最果タヒさんが好きです

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    意外にも初読みのタヒさん。
    以前、現代詩手帖を読んでいたときに作者を知らないまま目に止まったのがタヒさんの詩だった。
    僭越ながら私にも同じものが奥底にひたひたと流れているのだと感じた。
    タヒさんはそれを言葉にできて、私はまだそれができない。
    いつかこんな風に言葉を使いこなせたらと思う。

    0
    2023年03月05日

    Posted by ブクログ

    頭がぐるぐるしたり疲れたりした時に最果タヒさんの詩を読むと、よくわからないけれど落ち着く。思考が分断されて、自分が目の前の文字列を追うだけの装置になるのを感じる。意味がわからなくても、想像が追いつかなくても、きらきらとした綺麗なことばを拾い上げられると嬉しいな、と思える。そうやって自分は練り上げられ

    0
    2021年09月09日

    Posted by ブクログ

    詩を読んでも結局なんなのかはっきりわからないけど、それがいいんだよね。
    独特な感性を持っていて、この不思議な文章の羅列に魅了された。
    なんか円城塔を彷彿とさせるような感じだった。私だけかな?
    あとがきまで詩になっているのが好き。

    0
    2019年10月17日

    Posted by ブクログ

    最果タヒの一見難解な、独特な言葉遣い。だけど自然にすーっと染み渡るように深くわたしの中に入ってくるような感覚。そしていつだったか覚えていないけれど、たしかに昔感じた気持ち。それらが詩中の言葉によって掘り起こされるようだった。
    七夕の詩が好きです。

    0
    2019年03月26日

    Posted by ブクログ

    前回の三部作以来の詩集。どれも静謐という言葉が似合う。静かに終わりが近づいている、そんな優しい詩が多かった気がする。個人的には「おやすみ」の最後の部分がとても好きだった。そして巻末の初出を確認せずに「生存戦略!」を読んだときはびっくりしたが、ピンドラを知っているからこそこの詩を読んだときに湧く喜びが

    0
    2018年12月29日

    Posted by ブクログ

    三部作後の新作、ということで、いささか明るい。いや充分暗いけど。

    なんかもう最果さんの詩集への感動は、「この人が同じ時代にいることがうれしい」という域になっているからうまく評価できない。この人が同じ時代にいてうれしい。だってさあ、「生存戦略!」とか「宇多田ヒカル」とか「SNS」とか、今この時代に生

    0
    2018年10月02日

    Posted by ブクログ

    最果タヒさんの作品に触れたのはこれが初。「愛情を躊躇なく与えること、正面から受け止めること」に対する問いを投げかけるような、独特の視点から書かれた詩が多いと感じました。

    特に印象的な詩は「♯もしもSNSがなかったら」「かるたの詩」の2作品。「墓石には誰でも気楽に声をかけられるから、墓石を持っていた

    0
    2023年05月07日

天国と、とてつもない暇 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 詩集・俳句
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    96ページ
  • 電子版発売日
    2018年10月19日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    11MB

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  • 【閲覧できる環境】
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