最果タヒのレビュー一覧
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枕草子を最果タヒさんが現語訳をしています。
本の装丁といい、タヒさんの訳といい、とても詩的でエモいです。
千年の時代を越えても、見えてくる景色やそれを感じる感性など、通ずるものも多々あって、それが妙にエモい!
誇張するわけではなく淡々と、良いモノは良いなどと言ってるだけなんですけどね…読んでいて、私も千年前にタイムスリップして、同じ景色を見ている気持ちでした。
今と違って娯楽も少ないでしょうし、目に映る全てのことへの洞察力なんかすごいのでしょうね。
春はあけぼの以外、あんまり読んだことがなかったのですが、いくつか妙にしみたものがあります。
改めていいですね、枕草子! -
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「落雷はすべてキス」という題名と「最果タヒ」という作者の名前に惹かれてというか、気になって読んでみた。
愛や恋、死を題材にした透明感とヒリヒリ感が印象的な詩が多い。
どう解釈したらいいのか難しいんだけれど、詩の中の言葉が心に染みるというか、心にささる不思議な詩。
あとがきもステキだ。
〝優しくいるということは、
傷ついてもいいと契約すること〟
(『夕焼けの詩』)
〝「愛している」が誰かを救うことなんてないのかもしれないが、
それは誰のことも愛さない理由にはならないから、
ぼくはいつまでも君が好きで、いつまでも寂しい〟 (『こいぬ座の詩』)
〝大切だったかどうかわからなかったものの方が、
大切なものより、失うとつらいんだよ〟
(『麻酔』)
〝私は、大切な人には美しい季節や、朝に気づいてほしい。毎日でなくても。たまに、気づいてほしいなって思う。幸せになってほしい、とかはむずかしい、具体的なことが何もわからないし、あなたは何が幸せなのか、私にはわからないから。でも、世界はずっとずっと美しいと思う。その美しさが私やあなたと少しも関係がないまま遠くに佇んでいることはとても多いけど、それらが何かを埋め合わせてくれるわけではないのかもしれないけど、でも、そんな時でも頭上には秋の空気が流れていたり、冬の切れ端がカーテンの端を揺らす。
それらの瞬間に気づく「あなた」はどこまでも、あなただけのものだ。
たとえその美しさが遠くても、あなた自身はあなたの真ん中で、その新しさに気づいている。 (『あとがき』)
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作品紹介・あらすじ
こんなことになるなんて!
1行目は全員一緒、25編の「大騒ぎ」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第四弾。
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25編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第4弾とのこと。既に第3弾と第6弾は読み終えた。
最初の一文は必ず「だから捨ててと言ったのに」で始めなければならない、という括りがある。
他のシリーズと同様に玉石混交。ただ他のシリーズよりも本書の方が面白い作者が多かった。ただ、飛び抜けて面白いというわけではなかった。
以下が面白かった作者。
須藤古都離
黒澤いづみ
岡崎隼人
砥上裕將
清志まれ
舞城王太郎
高田崇史
背筋
多崎 礼
谷絹茉優
夕木春央
最果タヒ
このうち清志まれはいきものがかりの水野良樹のペンネーム。谷絹茉優はChevonというバンドのヴォーカリスト。ミュージシャンが二人参加している。
上記の中では砥上裕將と夕木春央が特に良かった。歳を取ると、こうした小さな感動話に思わずウルっとしてしまう。そして最果タヒの文章。詩人だからなのかもしれないけれど、とても心に響いてきた。 -
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『星がすべて』っていいタイトル。はじめて最果タヒさんの言葉に出会ったときも、そこには流れ星があった。
昨年、詩のプラネタリウムを鑑賞してきたのでそのときの映像を思い出しつつ読んだ。
本物の星をみつめるときに言葉はいらないけれど、見えていないときでも星は変わらず存在しているから、そういうのにいつまでも思いを馳せて、憧れていたいなと思った。
——私は美しいものを見ていると、それこそ星空を見ていると、心からただ光を溢れさせて、それだけで、それだけが「気持ち」であるかのように無垢に、全力で生きている自分が、この人生であり得たのではと考えることがある。ただ心という器が、美しく美しくきらめいて、それだけのために存在するような人生があったのではないかって。ただ愛すること、ただ信じること。どんな人生なのか具体的には想像がつかないが、とてつもなく美しいものを見たとき、自分の心もそうなり得たような気がして、そしてそうはならなかったことをなんだか思い知る気がして、不思議だ。 -
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文芸誌で連載されているのを読んでいて、封神演義の太公望について書かれていたことに激しく共感したので単行本化したら絶対買うと決めていた。とんぼせんせいの絵が可愛いね。
中性的で繊細な美形を好きになりがちな自分が封神演義で一番好きなキャラは太公望で、なぜか惹かれるけどその理由が自分でもわからない、好きだけど不思議な部分も多かった。
「神は人を愛せない」「愛しているから離れる」という愛、こんなに綺麗に言語化できるのがすごい。やっぱり太公望好きだなぁと改めて思った。
最果タヒさんが言語化したことが全て正解というわけではなく人それぞれに解釈はあるけれど、すーっと胸に言葉が入り込んでくるような、そういう安心感がこの人の文章にはあると思う。
知らない作品も多かったけど、個人的に読んでみたくなったのはルナティック雑技団です。