最果タヒのレビュー一覧

  • かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。
    魔法少女とアンドロイドという突拍子もない設定でありながら、「目の前の人と向き合えているか」というメッセージに落とし込むのが流石。途中、読みにくいところもあったが、最果さんの文章独特の雰囲気で好きだった。今度は詩集も読みたい。
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき
    主人公はわたしと同じ17歳。
    自分が何をしたいのか、整理をする事が出来ずに、弄れた考えで生活に不満を持つ。
    それでもいずれは、(葉介)兄と同じように、
    生き延びて、変わっていくのだ。
    10代という輝かしい、安定しないときが、
    尊い、なんだかんだ大嫌いで
    大好き、だと思えた。
  • 天国と、とてつもない暇
    頭がぐるぐるしたり疲れたりした時に最果タヒさんの詩を読むと、よくわからないけれど落ち着く。思考が分断されて、自分が目の前の文字列を追うだけの装置になるのを感じる。意味がわからなくても、想像が追いつかなくても、きらきらとした綺麗なことばを拾い上げられると嬉しいな、と思える。そうやって自分は練り上げられ...続きを読む
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)
    言葉を噛み締めたくて、言葉を握りしめたくて、手に取る。
    言葉の舌触り、言葉の手触り。なんとなく感じるそれらを味わいたくて。
    装飾過多に思えたり、するりと逃げてしまったり。詩を読むとは何か。感じていたい味わいたい。そんな気持ちが静かに昂ぶった。
  • 少女ABCDEFGHIJKLMN
    少し難しいと感じた。機械の話の中で、知能が高いからこの世界に生まれることを拒んだというところがあり、なるほどと思った。初めて最果さんの本を拝読したが、他の本も気になっている。
  • 夜景座生まれ
    最果タヒさんの詩は、わかるようでわからない
    わかるなぁ、と思って読んでいた詩が突然自分のよくわからないところまで飛ぶ
    逆に、よくわからないなぁと思って読んでいた詩が、全部読むとものすごく意味がわかったり

    この詩集もそう。
    でもなにより、最果タヒさんの詩には切実さがある。
    それに惹きつけられて
    わか...続きを読む
  • 夜景座生まれ
    言っていることというか、題材が一度他者へ向かって開いていったかと思えば、どんどん孤独へ向かって閉じてきている。その一方で、著者の言語へのアプローチは一貫してポップなので、逆に何か新しい感覚でもって世界の窓を開かれていくような快感を覚える。これは著者の初期の作品『グッドモーニング』からずっとそうで、ポ...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    最果タヒさんの句読点が少なくだだだだっと文字が並んでいる感じがすき。ひとと共有したくない、できるだけしゃべりたくない、の感覚がよくわかってうなずいた。自分と同じような感覚を持っている方(僭越ながら)がいることに安心した。
  • きみの言い訳は最高の芸術
    最果タヒさんのエッセイ。初めてこの方の作品を読んだのですが、凄く面白かったです。流れるように滔々と綴られた文章は軽やかで爽やかな風のよう。言葉から自己を徹底して排除しようとしてる著者のあり方は創作においてなかなか重要な部分なのかなと感じました。他者への理解や共感、何かを共有することの意味も考えさせら...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    タヒさんのエッセイを読んでいると、言葉が滝のように流れてきて、その勢いにごうごうとのまれていくような感じがします。
    その言葉の中に「あっ」と思うものがたくさんあって、読み返したいところにドッグイヤーを付けながら読みました。
    手元に置いておきたい一冊となりました。
  • きみの言い訳は最高の芸術
    最初の話から引き込まれていった~
    独り言のようで深いし面白い不思議、人に向けて書かれているし人によって見られ感じられて消費されている。本人が言う通り人に見られるために文を書くことが好きだということがよく分かる。すごいなぁ。

    思ったことのある感情とか思想がタヒさんの文で論破というか流されるというかそ...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    20/07/04
    エッセイ集を読むことがひさしぶり。そして、歳下の方のそれを読んだのはおそらく初めて。

    よかったもの。

    宇多田ヒカルのこと。
    「わたしは彼女の歌をとても好きになったけれど、彼女に詳しくなりたいとは思わなかった。(略) 彼女の歌は、私の子供時代とどこまでもくっついていて、私にとって...続きを読む
  • 星か獣になる季節
    む〜ん...これは「問題作」だ(^ ^;
    どこがどう問題か...と問われても困るが、
    ものすごい「問題作臭」が漂っている感じ(^ ^;

    一応は「連作短編集」と言えるのだろう。
    同じ世界観の中で、時間軸に沿って話が進むし、
    一作目の内容を「受けて」その後の話が存在している。

    で...何と言うか、全...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    自分を伝えること、他人を理解することの困難さ。

    わかる人だよと伝える、わかる人だと理解するためにも、たくさんの事柄をお互いに共有しなくちゃいけない。まったく異なる他者と。いちから。ほんと気が遠くなる。

    自分や他人をわかるためには、目の前から出てくる言動だけでなく、出てこないそれらも意識しなきゃい...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    チェリーボムボムみたいな、きらきらひかる個装のお菓子を、これはどんな味がするんだろうって一つずつ手にとって、開いて、ゆっくり味わう、みたいに楽しい本。
    最果タヒの思想をだーっと羅列したような文章の書き方、抵抗があったけど、途中からはそんなに気にならなくなった。
    悪意とネガテイブ・ポジティブについての...続きを読む
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき
    タヒさんの小説。身近な人に置き換えて読んでいました。女流作家の感性は…などと言う型に当てはめたくないですが、独特の文体はやはり魅力的です。
    数日間の話なのに心境が目まぐるしく変わる感じ、思春期の高校生をよく表しているなと思わされます。
  • 天国と、とてつもない暇
    詩を読んでも結局なんなのかはっきりわからないけど、それがいいんだよね。
    独特な感性を持っていて、この不思議な文章の羅列に魅了された。
    なんか円城塔を彷彿とさせるような感じだった。私だけかな?
    あとがきまで詩になっているのが好き。
  • 渦森今日子は宇宙に期待しない。(新潮文庫nex)
    独特の文体。結構好きかも、みたいな?
    主人公が宇宙人で女子高生という設定だけど
    違和感?無く読める。
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

    仕事に疲れて会社で泣いた。
    すごく嫌いな上司がいる。
    意欲はないがお金は欲しい。

    部屋が汚い。
    本がたくさんある。
    部屋の家電は姉のお古のポンコツ。

    友達が少ない。
    好きな人がいる。
    何かを伝える時にいい言葉が見つからない。
    人に気を遣いたくない。

    でも1人じゃない。
    どこかへ連れ出してくれ...続きを読む
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき
    愛は感情。
    セックスは現象。
    とても、納得できる言葉。

    人間なんてみんな気持ち悪い。
    感情も体験も記憶も、本当の意味ではシェアできない。
    何を思ってたって、何も起こらなければ何も思ってなかったのと同じ。

    読んでて頭がくらくらした。
    文章のスピードもそうだけど。感情がわーって溢れて、
    読むのに体力...続きを読む