最果タヒのレビュー一覧

  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    文体と作中のキャラクターの特徴上、パワーワード(恥ずかしい言い方)が大分出てきたイメージ
    言葉の手触りとかじゃなくて、普通にキャラクターになりきる能力が高いと思った。最果タヒさんが書く小説って感じが伝わってくる。
    最初から最後まで駆け抜けていった。結局自分は何読んだのか分からないみたいな、少し懐かしい気持ちになる。10代がもつイメージみたいなのは言いたく無くなる。今を生きようと思える

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    2025年10月30日
  • ファンになる。きみへの愛にリボンをつける。

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    何かのファンであるというだけで、その愛だけでこの一冊が作り上げられている。
    それって本当にすごい。宝塚愛がひしひしと伝わってくる文章だった。

    好きっていうのは「祈っている」という言葉に近いのだと思うという文章、とても腑に落ちた。
    私も推しの現場に行く時、いつもステージにいるその人に向かって祈っている。近くなくても、どれだけ遠くからでも、自分の存在をわかっていてほしいなんてそんなことは望まない、ただ祈りながらその人の歌を聴いて、声を聞いて、話を聞いている。
    ファンみんながステージで輝いている推したちを見つめている様子はやっぱりみんな祈っていて、愛おしくてたまらないんだろう。。。

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    2025年10月19日
  • ファンになる。きみへの愛にリボンをつける。

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    お友達におすすめされた本。
    何かのオタクをしている身としては、上手く表現出来ないけど渦巻いている感情を、とても的確に言語化してくれていてありがたい。

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    2025年09月30日
  • きみを愛ちゃん

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    愛!!!
    スピンで連載してるキャラクターがテーマの詩がすごいなと思ってたけどなるほど、このキャラクターの解像度があったからできてた事なのか〜!Σ( ˙꒳​˙ )

    キャラクターのかっこいいところやおもしろいところだけでなく残酷な事実や悲しみまで丁寧に考えていて愛を感じたなあ。自分にない視点がたくさんあって勉強にもなった!
    最果タヒさんの漫画みたいな娯楽だけになりがちなものに対しても繊細で丁寧なところに尊敬するなあ(˶' ᵕ ' ˶)

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    2025年09月25日
  • 恋と誤解された夕焼け

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    頭でははっきり理解できないが、心で何となく理解できる。移り変わる情景や心情をぼんやりと眺めているうちに不思議とフワフワ心地よくなる。そんな詩集だったと思います。

    根拠はなく大きな主語、強めの述語がバンバン飛び交っている世界は最初は不思議だけど慣れると絵画を観ているような気分になります。

    個人的に好きだったのは「波紋の詩」という詩です。自分の感覚にすっと合って、しっぽりとすることができました。

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    2025年09月18日
  • 恋の収穫期

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    テーマは近未来だけど、今読むべき感覚の本だと感じた。
    著者が詩人ということもあり言葉の選び方がおしゃれで、でもすごく理解しやすくて、曖昧な感覚をうまく表現するなと思った。
    餃子を作っている時の表現がすごく好き。

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    2025年09月05日
  • 恋と誤解された夕焼け

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    「あなたと私」の関係に世界が絡んでくる閉塞感と壮大さが同時に迫ってくるような一冊でした。
    エッジが効いていると言ったらいいんでしょうか?
    ナイフを手にしながらも冷静でいるような、残酷さと熱量を文体から感じました。

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    2025年08月14日
  • 恋と誤解された夕焼け

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    ほぼ全ての詩が意味を理解できなかったのに、言葉を超えて何かが伝わってきて不思議な体験だった
    書かれた言葉と言葉の繋がりや意味を理解できないのに、一つの詩を読み終えた後に何かが心に残る感覚
    不思議な読書体験だった

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    2025年08月11日
  • 恋の収穫期

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    ネタバレ

    面白かった。同時に難しかった。
    詩人が書いた文章ということで、読者との距離が異様に近い文体が非常に面白かった。
    前半は「恋ってなんなのか」という問いにもがく山科さんにすごく共感できて面白かった。
    後半が難しかった。
    文章はとても平易で読みやすいんだけど、構成の意図を完全に汲み取れた自信はない。
    それでもなお十分面白かった。
    セリフが全体的に、ポップなんだけど詩的で、SFというか幻想的で、特殊な空間だった。
    あとがきをちゃんと読めばちゃんと読むほど理解が深まる気がする。(それでもなお俺の理解は追いつきてないだろうけど)
    他者を底から理解することも、他者が俺のことを底から理解することも決してないと

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    2025年07月23日
  • 恋の収穫期

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    すごく良い。
    私は恋に恋してるから、最近恋ができないのかな。
    あとがきがすごく良い。
    本文前に何回も読んだ。
    帯に書いてて、読後まで待てなかった。

    ところどころ分からなくなるところも
    この作者の世界観で、作者のどの本読んでも感じる。

    分かるということは、分からないの上で成り立つ。

    君の目を、私の目として見つめていられる。
    すごい言葉だと思う。

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    2025年07月16日
  • 恋の収穫期

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    他人の気持ちなんて、どこまでいっても分かりようがない。心があるかどうかすら分からないのだから。でも、それって、自分も同じ。他人が自分を見るのも、自分が自分を見るのも。
    でも、だからって、だからこそ、他人と関わるのは煩わしいし、他人と関わりたいと思うもの。
    うわべの自分が話していても、義務感や演技を自覚していても、恋は楽しくうれしい。恋とは、一緒に戦うこと。恋だけじゃないけど。
    そんなお話、とても、すとんとお腹に落ちた。
    感情移入しづらい登場人物だし、クセのある言い回し、それが読み進めるととに目に咲いた花のように馴染んで溶け込んで、心地よくなっていく。そして、登場人物みんなを、少し好きになる。

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    2025年06月29日
  • 恋と誤解された夕焼け

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     理詰めで考えることに疲れた頃に無性に絵がみたくなったり
     目から入ってきた情報がアタマから溢れだした頃に無性に音楽が聴きたくなったりするように
     論述を重ね過ぎて行間が酸欠になった頃には無性に韻文を摂取したくなります。
     
     詩人というフィルターを通して水中にポコポコと生まれた泡のような言葉たちが
     酸欠でギスギスしていたわたし(みのり)の言葉にくっついてきて
     プッと頬を膨らませたように丸くて柔らかなモノにします。

     語彙がそれほど豊富でもなく、言葉さばきがそれほど巧みでもないのに
     なぜか詩人の言葉たちは勝手に吸い付きあい連なって意味をなします。
     あな不可思議な現象です。。。

     き

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    2025年06月26日
  • 星か獣になる季節

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    最果タヒさん初読
    さいはてさんとお読みするらしい
    詩人で小説家
    最年少中原中也賞受賞等早くから詩への評価が高い方のようです

    2014年初出 2部構成
    「星か獣になる季節」
    17歳という危うさの表現
    推しのアイドルが殺人を犯したらしい
    その罪を自分が負うために連続殺人を犯す高校生
    10年前の作品と思えない斬新さ
    同じアイドルを推す同級生と推しへの純粋な愛情に歪んでいく感情とその行為
    最期自らを殺してもらう選択をした友人に共犯的な懺悔を読む
    「正しさの季節」
    殺人犯として捕まった男子高校生の元同級生の女子と彼の幼なじみの男子の1年後
    星にも獣にもならなかった彼らは
    正しさに囚われているのか
    獣に

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    2025年06月23日
  • 恋の収穫期

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    都市では科学技術が発展して一方で地方都市はそれとは大きな格差が生じている近未来で、軽井沢の高校に東京から早見君が転入してきます。梢(こずえ)と光(ひかり)と飯島君と早見君の思いを語った物語りだったと思います。冒頭恋愛小説のようでもあったのですが、文学的で哲学的な多少の救いがあるディストピア小説の印象でした。私としては分類不能で少し面白い小説。星4つとしました。

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    2025年06月21日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    本編の『チ。』も大変面白かったが、この本ほど、芸術作品の感想を他人と共有する面白さを感じた本はない。

    私自身はこの物語を、基本的には「物理学史の中で大きな出来事のひとつの地動説」として捉えており、それに付加される形で、想いを託す生き方、学問の暴力的な性格、倫理と迷いといったサブテーマを学んでいた。

    しかしながらこの本を読んで、とても哲学的な思考、それも大変深い洞察を与えてくれる漫画なのだと再実感した。

    この本を読んだ後にもう一度読むと、見方が大きく変わりました。

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    2025年06月16日
  • 夜景座生まれ

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    著者の思いがおそらくそのまんまの言葉で書かれていて、理解できるものもあれば、自分では届かないものもあった。人間の生と死を俯瞰しているような感覚になる。
    また、あとがきを読んだあとの方が、詩の意味をさらに理解できるようになった気がする。

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    2025年06月13日
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき

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    長い歌の歌詞を見ているようだった。

    あとがきを読んだら、本編の文章の凄さがよりわかる。本当に10代の少女の台詞とやり取りのように情景がみえた。

    言葉が鋭くエッジがきいているのだけれど、どれも脆くて。刺さりはするけど、横から触るとすぐに壊れてしまいそうなそんな文章。刺さったあとに触ったら逆に危険かもね。

    読んでよかった。

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    2025年06月09日
  • 恋の収穫期

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    「恋がしたいんじゃなかった、恋ができるくらい、心がぶあつくなりたかった。」
    まさしくそんなSF青春小説でした。

    あとがきも素晴らしい。

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    2025年06月04日
  • だから捨ててと言ったのに

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    短編なのでサクサク読めた。
    今回の書き出しテーマは『だから捨ててと言ったのに』…だいたい恋愛絡みか、夫婦関係こじらせ系が多かったように思う。
    誰に対して言っているかで、作者ごとに思い付く話が違い、個性があって面白い。
    アンソロジーは、知らない作家さんを知って、見つける機会にもなる。
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    ↓読んだ中で印象に残ったもの。

    ●良い話
    砥上裕將『母の箪笥』
    金子玲介『恋文』

    ●じわじわ来る系
    潮谷験『無理解』
    五十嵐律人『累犯家族』
    背筋『こわくてキモくてかわいい、それ』

    ●設定の世界観が独特
    黒澤いずみ『捨てる神と拾う神』
    舞城王太郎『食パンと右肘』
    多崎礼『海に還

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    2025年05月31日
  • 天国と、とてつもない暇

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    詩集って普段あまり読まないけど、ときどき読むと勝手に救われる。こんなふうに世界を掴もうとしてもいいんだな、とか、こんなふうに言葉を楽しんでもいいんだな、とか。視界がやわらかくなる感じ。
    最果タヒさんのことはずっと気になっていて、ようやく読むことができた。少し悲しかったり、寂しかったりするなかで、愛とか、人やものや季節から与えられるものを信じている感じが心地いいな。

    【読んだ目的・理由】最果タヒさんの詩集を読んでみたかったから
    【入手経路】買った
    【詳細評価】☆4.2

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    2025年05月25日