最果タヒのレビュー一覧

  • きみの言い訳は最高の芸術
    友達と過ごすのは退屈な時間ぐらいでいい。友達を楽しませるのが私の仕事ではない。

    人と共有するのは、感情、不幸、苦労よりお天気やケーキが美味しいなど他愛のないものの方がいい。

    他人の人生の背景になれるくらいがちょうどいい。

    他者に嫌われることを恐れてる時点で、現時点自分が好かれてると考えてるから...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    宇多田ヒカルの歌をとても好きになったけれど、彼女に詳しくなりたい、彼女の歌と密接している人生まで歌を通じて消費したいと思わなかった、という考え方に共感。わかるわ。

    あと、自分が好きなものを言った時に、その内容に優劣をつけようとする他人がいることにうんざりしているくだりも好き。
  • きみの言い訳は最高の芸術
    読んでて、絶対にこの人とは友達になりたくないなと思ったけど、そう思った時点で私は最果タヒに敗北してるんだろうな……とか思った あまり好きな本じゃないですが共感できるところも多いのが悔しい!!
  • 夜景座生まれ
    まず、『夜景座生まれ』というタイトル自体がとても好き。最初は音の響きが好きだと思っていたけれど、あとがきを読んでそのネーミングの経緯を知るとまた一段と、別のベクトルで好きが増幅する。

    『夜景座生まれ』に収録されている詩は全体的にどこか仄暗く、物悲しさが漂っているような気がした。でも最後にはその物悲...続きを読む
  • さっきまでは薔薇だったぼく
    谷川さんの詩は平易な言葉で行間を味わうようだなと感じることが多いけど、最果さんの詩は静かなんだけど乾いてたり傷ついてたり、あるいはぐじゅぐじゅして萎んでる心の隙間を埋める、というよりはぱてぱてと詰めるという感じが自分はする。
    そうやって沁みる人も多いことはわかるし、多分自分が10代20代なら共感しか...続きを読む
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)
    最近詩がわからない、悪いではなく良いがわからない。受賞すれば良い詩なのかそうとは思わない。
    「わたしは散っていく自分の可能性、細胞、筋肉が/向こうの海でどうなったかをしりました/いつか/大海の真ん中朝を迎えて、そうね、もう一度/わたしと再会しましょう」
    作品において過去は未来を脅かす存在でいい、そう...続きを読む
  • さっきまでは薔薇だったぼく
    キスってつまんないな。
    っていう一文がおもしろかった。ボキャブラリー展覧会みたいな詩をつくることもできるはずなのに、語彙がかなり絞られている。それはずっと感じてきたことだけど、今回特に感じた。それでいてこんなにたくさんの新しい詩が読めるって不思議だ。なんでこんなにおもしろいんだろう。
  • 星か獣になる季節
    16歳の夏休み、学校の図書室で繰り返し読んだ。私はどっちになるんやろ、とか考えていた17歳の誕生日は風邪で寝込んで終わった。
  • 十代に共感する奴はみんな嘘つき
    あらら、ならば私も嘘つき。薄さだけに釣られて買い、最初の数頁で、しまった、これは川上未映子の『『わたくし率 イン 歯ー、または世界』のように、薄いのにやたら時間がかかるやつかと後悔。

    でも違った。わかるよその気持ちと言いたくなるシーンがどれだけあったことか。ラップになりそうな文体とか、確かにオバハ...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    『きみが友達との楽しい時間のために、ひねり出した悪意について。』や『わからないぐらいがちょうどいい』が好きです。

    人や人生を簡単な言葉でまとめたり切り取ったりせず、複雑で雑多な感覚や思考をそのまま行きつ戻りつ表現している感じ、いいですね。
  • パパララレレルル
    完璧にはわからないけど心地いい音で読めた。
    場面が想像できる本が好きだったけど、
    これはこれであり!

    時々出てくる令和な言葉にクスッとしたり、部分部分で共感できたり。面白い本だった!

  • パパララレレルル
    美しい言葉で綴られる不思議な物語の数々。「君はPOP」が写真と言葉のデザインが素敵で、物語の新たな可能性を感じた。
  • グッドモーニング(新潮文庫nex)
    解釈を拒むかのように並ぶ言葉はたしかに日本語なんだけどそれは知らない言葉で
    意味を捕まえかけたと思ったところで言葉は思わぬ方向に飛んでいく
    詩は、言葉で表現できない何かを言葉で表現しようとする試みなのだと改めて

    いつも通り、あとがきが最高です
  • 星か獣になる季節
    ※参考にはならないすごく個人的な感想です

    最初の主人公にも文体にも入り込めないうちは、ちょっと苦痛だった。あまりに癖が強すぎて。
    でも読み進めてくうちに理解して解像度が上がって、主人公の中でも解像度があがってくと途端にずぶずぶにのめり込んでた。最初は理解できなかった独特な文体の感情表現が途端に鮮明...続きを読む
  • きみの言い訳は最高の芸術
    この方の詩が時に深く突き刺さり、時に私を救う理由がなんとなくだけど分かった気がした。孤独は悪いことではなく、人と繋がらなくなって平気、そんな自分を肯定してあげたい。
  • きみの言い訳は最高の芸術
    最果タヒの思考はめんどくさい
    そのめんどくささをそのまま言葉にした本作
    でもそのめんどくささが僕は好き
    全く違う経験をしてきた知らない誰かと交差点で一瞬すれ違う
    それより美しいことは多分この世界にはないってこと
    そのことを最果タヒはずっとうたってるんだと思う
  • パパララレレルル
    最果タヒが言葉で紡ごうとするのは言葉にならない何か
    「さみしい」と言ったときに削ぎ落とされる何か
    規格化した言葉ではない何か
    言葉の先にある何か

    物語であろうと詩であろうと彼女のやろうとしていることは変わらない
    そんなことを強く感じた一冊でした。
  • きみの言い訳は最高の芸術
    ふっと過ぎ去っていく違和感(違和感とすら感じていないけど、ちょっとひっかかる)みたいなものを拾い上げている感じ。しくしくひりひりする感じ。
    でも、ことばは目のうえを滑っていってしまいがちでした。
  • 夜景座生まれ
    (ぼくの恋人は水色や白色の景色をみつめて、孤独で仕方が無いのに生きるのは誰かと恋をしているからだろうかと思った、でも恋人はこれからもずっと、ぼくに出会うことがない)

  • グッドモーニング(新潮文庫nex)
    何も考えずに書かれたであろう最果タヒさんの処女作
    ことばのひとつひとつが綺麗 色に例えたらカラフル
    子宮外の酸素は攻撃的で美味しくないけど綺麗だよねって感じました
    473円です みんなお菓子我慢して読んでみてください