最果タヒのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近、突如現れた自分の「好き」の気持ちに戸惑っていて、そんなときにこの本に出会えたのは、何かの縁だったと思う。
何も「好き」が無いときに読むと、ちょっと濃い口と思ったかもしれない、だけど、今の自分には全てのページに必要としていた言葉が書かれていたような感覚。うんうんうんって100回くらい頷いた。
好きなのに、キラキラだけしていられない。ふと、こんなに「好き」を中心にして大丈夫かな?とか思う。何してるんだろう…という気分にのまれる。そういう戸惑いがある。
だから、気持ちがすごく支えられた。
誰かを好きな「自分」について考え続ける。結局、好きを自覚することって、自分の内面に深く潜っていくことかなと思ったり。だから、葛藤があって当たり前と思いながら、好きを大事にしていきたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短かったり、長かったり、1話の中で場面が変わったり、色々な長さの話が入っている短編集。全てSFで、3作目以外どこか百合風味な雰囲気。大森靖子とコラボしてるのを見て納得。
以下、自分なりに纏めたあらすじ。主観ですので少々違うところもあります。
「きみは透明性」
リップマークをSNSのように気軽に相手の顔に飛ばせる時代。それを貰った人は付けてたままでも自分で取ってもいいのだが、主人公の姉は自分の顔より人から貰ったリップマークの方が価値があると言って取らず、顔をリップマークだらけにしている。主人公が好きなさらさらの髪も綺麗な顔も見れない。それに苛立ってクラスで器械ばかりいじっている陰キャの男の子に話しかける。するとその子は透明のリップをバグで作り、リップマークは上から張り付いて下のは見えなくなるので、透明なリップマークを沢山姉に飛ばせば顔が見えるようになると作ってくれる。お礼に主人公がカフェでお茶でもと誘うと、君と話しているより機械の方が好きだと2度も言われる。それがショックなのに、なぜか胸が痛くて。これが恋だったら嫌だな、で締まる。
「わたしたちは永遠の裸」
きみがご存じなくったって、きみを殺せば、私はきみを身ごもるんだ。可愛く育ててあげる。そうしていつか、きみが私に殺された日のこと、思い出してくれたなら、殺してくれたっていい。きみの恋人になりたいと思ったぐらいに、きみの子供になってみたいと、思った日もあるよ。
殺人を犯すと殺した人を身ごもり、何故かその赤ちゃんを愛しく思い育て、ある程度育った頃に育てた子供は親に殺された事を思い出し恨むようになる、という都市伝説がある時囁かれた。皆それを都市伝説だと信じずも日本の殺人件数は減少していた。
私立の女子進学校に通う主人公は幼なじみの保富くんがすき。でも保富くんは同じ公立の女の子と付き合った。私がぐずぐずしている間に。私、保富くんとだけはなぜか、敬語じゃなくなるんです。
ある日トイレで転校生に都市伝説の話を信じるか聞かれ、信じると答えた。だって保富くんを殺して身ごもりたいと思っていたから。
そして2人で本当かどうか確かめようとした時、生徒会長が身篭った。相手は分からない。そして生徒会と仲良くしていた1人の女の子が消えた。本当に殺した人を身ごもるのかもしれない。その期待と不安になりながら、真相に迫っていく。
「宇宙以前」
主人公は記憶を失っていた。実はこの国の王子だった。そして妹が嫌いだった。自分がなんでも出来るから、私には出来ませんと言って平気で責任を押し付ける妹が。
そして自分の星が地球と思っていたがどうやら違った。丸くではなく、半円の自分の惑星、天文学は禁止されていて、プラネタリウムなんて言ったら殴られる。王家しか見られない天文学の本。
「きみ、孤独は孤独は孤独」
薬品を飲めば現れる愛という感情。自然発生はほぼないらしい。人を自然に好きになればそれを証明する為にその人の前で自殺をする風習があり、先輩の目の前で人が死んだ。自殺の第一発見者はどこかに連れていかれる。でも先輩はどこにも行かなかった。…ロボットだから?先輩に惹かれて幼なじみで主人公に酷い言い回しをするあけみと同じ科学部に入部する。主人公はロボットを上手に作ることが出来てA判定、対してあけみはいつもよく分からない色水ばかり作ってE判定。でも、今回完璧にできたロボットは目を覚まさない。先生は白い玉を寄越してこれを埋め込みなさい、と話した。でもこれは知能を下げる代わりに感情を入れるもので、このロボットは完璧だからこれを使うと欠陥品になってしまう。ある日あけみに呼び出された日、先輩にも海に行こうと誘われた。当然、先輩について行った。先輩は自分がなぜ連れていかれなかったか答えた。それは人間だからだった。そして自分はロボットだった。先輩は主人公が作ったロボットは完璧で、賢すぎたから、目覚める前に、目覚めたくないと思ったんだろうね、と話した。そして動かないロボットに白い玉を入れようとした。それは先生に貰ったものと同じもの?先輩は目覚めたロボットに向かって話しかけた。…自殺したあの子の名前を。あけみは主人公の事が好きだと言って自殺した。 -
Posted by ブクログ
25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
「好き」という感情にとことん向き合って書かれている。
綺麗な感情だけではなくなりそうだけど、それでもより真っ直ぐ向き合おうとする自己葛藤もあり、読んでいる時には、自分の中にある「好き」の対象への感覚を整理することが出来た。
私の中の「好き」という感情のあり方は理想形が定まっておらず、ガタガタなところもあるけれど、それを舗装する一助になってくれた、とても好きなエッセイ。
「好き」というのは自己満足ではなくて、宛先があるということが書かれていて、その部分が好き。自分の中の感情の強度を高めつつ、時には疑いもするが、相手が受け止めてくれるだろうということを信じる強さも持ち合わせていきたいと綴られた内容をもとに自身でも考えるようになった。
これまでのエッセイでのスタンスから少し変容しているように感じたが、読み進めるにしたがって心に馴染んでいった。
私も好きな作家や相手に、ファンレターを書こうと思う。