最果タヒのレビュー一覧
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好きな人、と表現しているのが好ましかった。推しという言葉では言い表せない気がしていて、好きな人とファンっていうのが、なんかシンプルで好きだった。
私も、ファンレターを書いたことがあるので、ところどころ共感した。「あなたのことをとてつもなく好きな人があなたの視界に広がる客席にいるよ、」と伝えるためだけに書いてるってこととか。
エッセイには、目が合って嬉しいことについても書いてあった。私も、気のせいかもしれないけれど、好きな人と一瞬目が合った気がした。そのとき、相手が、くっ、とした瞳で黙り込んだ。涙がとまらなくなったら、ステージの上のあの人もうるんできた。そんなことが、私にも伝わったし相手にも -
Posted by ブクログ
25編のショートショート集で、ちょっとした時間にも読み進める事ができて楽しかったです。
全て『だから捨ててと言ったのに』の一言から始まり、そのあとは作者さんによって推理物になったり、ホラーになったり、感動物になったりと、ショートショート集なのにとても読みごたえがありました。
知っている作家さんの作品には作家さんらしさが出ていて楽しめました。初めての作家さんの作品もあったので好みの作風の作家さんの他の話も読んでみたくなりました。
このショートショート集をきっかけに読書の幅が広がりそうです。
今回は第四弾目とのことで、前作も読んでみたくなりました。 -
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Posted by ブクログ
「好き」という感情にとことん向き合って書かれている。
綺麗な感情だけではなくなりそうだけど、それでもより真っ直ぐ向き合おうとする自己葛藤もあり、読んでいる時には、自分の中にある「好き」の対象への感覚を整理することが出来た。
私の中の「好き」という感情のあり方は理想形が定まっておらず、ガタガタなところもあるけれど、それを舗装する一助になってくれた、とても好きなエッセイ。
「好き」というのは自己満足ではなくて、宛先があるということが書かれていて、その部分が好き。自分の中の感情の強度を高めつつ、時には疑いもするが、相手が受け止めてくれるだろうということを信じる強さも持ち合わせていきたいと綴られた内容 -