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  • 人魚と野郎

    人魚と野郎

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    軽井沢の森の奥深く、ニンフのように一人ひっそりと暮している杏子の山荘に、ある日、2人の若者がとびこんでくる。天才的オートバイ・ライダーの片倉譲介と弟分の三次である。杏子と譲介は、一目で惹かれ合うが、譲介はある事情から新案オートバイのパテントを手放さねばならず、失意のまま山の開拓地にひっこんでしまう。一方、杏子は祖父の思いもよらぬ遺言で、コバルトを産出する鉱山を相続するが、その権利を狙う陰謀のために、危険に曝され……。汚れを知らぬ美しい娘と、荒々しく勇敢な若者との、ロマンチック・アクション長篇。
  • 黒い環

    黒い環

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    おれのことを、人はセイントと呼ぶ。聖人のようにわがままに、気ままに生きているからだ。職業は、カメラマン。ボリビアで祭りを撮ったとき知り合った、バロン加納という怪人物が東京に現われたことから、おれは姿のない奴から、命を狙われる羽目におちいった。そして、あの忌わしい戦争の尾を引く財宝さがしの殺人ゲームに、巻き込まれることになった。仲間と敵が、信じられないようなつながりを持っていて、おれをガンジガラメにした。……行動人・石原慎太郎が、現代の「英雄」の危険なゲームに託して、ムキだしの人間群像を描き切った、アクション・ノベルの巨篇!
  • まことはうその皮

    まことはうその皮

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    騙りの老人を捉えたばかりに、娼婦と甥との恋に巻き込まれ、周囲をだますハメとなった一教師を通して、虚像と実像の人間をえぐる長編力作。
  • ヒマワリさん

    ヒマワリさん

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    新聞記者の恋人を都会に残し、僻村へ赴任した新米保健師・小日山ヒロ子。明るく情熱に燃える彼女のニックネームは「ヒマワリさん」。貧困と無知により衛生観念に乏しく、病気になったら神頼みのその村に、保健衛生のタネを少しずつ蒔いていく「ヒマワリさん」と、周囲の人々が繰り広げるヒューマン・ドラマ。1965年公開の吉永小百合主演映画『明日は咲こう花咲こう』の原作小説。
  • うるさい妹たち

    うるさい妹たち

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    元テスト・パイロットで実業家の山村陽之介は、ふとしたことから、あるグループと知り合った。それはビート族と呼ばれる10代のグループで、啓子、桃子、サチ子、国江、男の子・ジローたちだ。彼らは、教室でも平気でペッティングを試みたり、疾走する車に全裸で乗り、スピードに興奮するなど、その行動は奔放だが、意外な明るさがあり、青春がある。だが山村は、このグループに、自分の娘・尚子が近づいていることを知り、驚く。尚子は、陽之介に向い、父さんが母さん以外の女性と交渉を持っても別に不潔じゃないという……。おそるべき10代の生態を描いた長編力作小説。
  • あさ潮ゆう潮

    あさ潮ゆう潮

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    波静かな瀬戸内の海の自然を背景に、巡航船「セト丸」で一緒に高校に通った仲良しグループ「セト丸組」の友情を描く!
  • 十津川警部 箱根バイパスの罠

    十津川警部 箱根バイパスの罠

    小説・文芸
    5.0
    1巻660円 (税込)
    新宿のホテルで黒沢美佐男という客が毒殺された。事件の2ヵ月前、「あなたは、黒沢美佐男を知っていますか?」という奇妙な広告が新聞に掲載されていたことを知った十津川警部は、謎の被害者の正体を追う。さらに、警察と新聞社に、黒沢にまつわる怪文書が次々と届き始めて……。捜査難航を打開するため、十津川が犯人に向けて仕掛ける究極の罠とは?
  • 名探偵 木更津悠也

    名探偵 木更津悠也

    小説・文芸
    3.8
    1巻660円 (税込)
    資産家・戸梶康和が自宅の洋館で刺殺された。財産相続がからんでいるものの、遺族たちには、それぞれ完璧なアリバイがある。被害者の甥・彰敏が証言した幽霊の目撃談。そこから名探偵・木更津悠也が導きだした犯人とは―!?(「白幽霊」) 白い幽霊の出没に連動して事件が起こる4編で、名探偵・木更津悠也と助手役・香月実朝が名コンビぶりを発揮する!
  • 風は緑に

    風は緑に

    小説・文芸
    5.0
    1巻660円 (税込)
    外国映画会社宣伝部の一雄とTV局報道部勤務の圭助をめぐってる、ファッション・モデルの彩子、アナウンサーの三千代、幼稚園の先生の牧子たちとの恋模様。だが、牧子はアメリカ文学者と不倫し、彩子を狙うスポンサーが現れて……。華やかな都会の第一線で活躍する男女の、恋愛の苦悩と情熱を描いた、青春の感動的ロマン!
  • 姫君千一夜

    姫君千一夜

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    上州沼田藩主の姫でわがまま娘のお美紀さまは、藩を脱出し、浪人の潮田又十郎と仙太を家来として、江戸を目指す。人情あり、恋愛あり、笑いありの珍道中。
  • 大豪記

    大豪記

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    大力無双の野人の怪童は、熊野詣りの美女・梢を山賊から救って町に出たが、加藤清正に見いだされ、無類の大活躍! 豪放磊落、野生児の時代雄編。
  • 戦国愛染峡

    戦国愛染峡

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    長篠の戦いの敗退から6年、武田勝頼が治める甲斐の国は、ひたひたと周囲を圧し始めた織田・徳川連合の影に揺れていた。武士の身分を隠して、上杉の越後から情勢を見極めに来た、若き遣い手・朝井若狭之介は、人心が迷い乱れるなか、武田家忠臣の娘・小弓の、毅然と使命に生きる姿に惹かれていく。陣営内の裏切りや策謀に苦しむ小弓たち一族を、必死に助ける若狭之介だったが、武田家滅亡への潮流には抗いようもなかった……。「きんぴら先生」など現代小説で著名となった鳴山草平、得意の時代ものの本作で、戦国末期の若者たちの、鮮烈な心情を抒情豊かに描き出す!
  • 青春海流(上)

    青春海流

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    いのしし先生こと青年教師・猪村彪吉を軸心に、恩師・大加田老先生の姪・英子、かつての教え子・鳥井魚子、阿良夢代、鮎川葉子が織りなす、青春の哀歓賦。<上下巻>
  • 小説関根名人

    小説関根名人

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    明治から昭和にかけて活躍した「近代将棋の父」こと、十三世名人・関根金次郎。生まれは千葉の宝珠花で、子どものころから将棋が強く、人呼んで宝珠花小僧。10代前半で上京、十一世名人伊藤宗印に弟子入りし、その後、若手花形棋士となった青年金次郎は、師匠に勧められ修業の旅に出る。そこには、人情、恋、そして勝負の日々が待っていた……、という表題作のほか、天野宗歩(留次郎)の青年期を描いた「勝負一代男」、「勝負師 木村義雄」も収録。
  • 砂の花

    砂の花

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    真実の愛を求めて、男から男へとわたって歩いた女優・彰子が、払わねばならなかった代償は、あまりにも大きかった。彼女を捨ててアメリカへ去った第1の男・大滝のあとに現われた第2の男・石垣は、戦争で受けた心の翳をいつまでも暗くひいている男であった。彰子から捨てられたと思った石垣は、自殺。傷心の身を岐阜の実家へと戻った彰子の前に現われた第3の男・朝吹は、アル中の病身であったが、彰子との愛に男としての再起なるかとみえた。が、二人の間に横たわる壁は厚かった。そして、女優として舞台復帰を夢みる彰子……。現代女性の一面を、多彩な筆で描く、石原慎太郎の傑作長篇。
  • 剣法奥儀

    剣法奥儀

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    各流派には、それぞれの奥儀がある。一刀流「青眼崩し」、柳生流「八重垣」、知心流「雪柳」、天心独明流「無拍子」など、各流の秘太刀を生み出す剣豪の、妖気ただよう決闘を描く、五味康祐氏の傑作。
  • 禁断

    禁断

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    いまは亡き恋人の愛艇「ロドイスカ」に乗ってヨットハーバーを出た由紀子は、人けのない夜の海に投錨して、ひとり静かに故人の日記を読む。過ぎ去りはしたが、永劫に喪われることのない日々が再現し、彼女はいまなお、彼とともにいた。さりげない最初の出逢い、生まれて始めての接吻、神がそれを希んだような性の儀式、そして至醇な陶酔と怖れと……。不倫と人は言うが、千億に一つの幸福感にみたされて、由紀子は舫いのロープを切り、海の涯へ、二人だけの世界へ漂っていくのだった。妻子ある新鋭作曲家と若い女子医学生との恋に、現代の性とモラルの真意を探る、石原文学の傑作。
  • そんな筈がない

    そんな筈がない

    小説・文芸
    5.0
    1巻660円 (税込)
    医学部の学生で、元警察官の父を持つ滝口康子が、次々と事件の真相を推理。新聞記者の小島純吉、康子の父に昔お世話になった老刑事の真田らも活躍する、4編の連作ミステリー小説集。
  • 0時間の男

    0時間の男

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    千鳥が渕マンションの一室で、パール・ホワイトの受話器から、悩ましい女声の秘密指令をうけると、刈谷は過去を忘れ、未来を考えない男になる。現在の、この0時間に命をかけるのだ。「人狩り特急」では、在日米軍航空医療班細菌主任・小関博士の身辺警戒を命ぜられて、奇妙な誘拐事件のからくりを暴き、「深海魚作戦」では、ジュネーブ宝石商殺しの真犯人、日本の宝石界を牛耳るリュー将軍一味を捕え、「金髪特攻隊」では、外人旅行者相手のニセの旅行小切手偽造組織に挑戦する。ナポレオン・ソロばりの、秘密国際刑事警察機構・ICPOの日本特派員の、胸のすく大活躍!
  • 八頭の黒馬

    八頭の黒馬

    八頭の黒馬と棒線で消された耳の写真――奇妙な手紙に刑事たちの表情が凍りつく。幾度も苦汁をなめさせられた天才犯罪者デフ・マンが帰ってきたのだ。おりしも公園で女の死体が発見されたばかりだった。写真と殺人には何か関連が? クリスマス目前のアイソラで刑事たちに最大の危機が迫る!
  • 熱波

    熱波

    異常な熱波襲来の中、鎮静剤を飲んでアパートで死んでいた男は、なぜ部屋のエアコンのスイッチを切っていたのか? キャレラの胸に芽ばえた小さな疑問は、明らかに自殺と思える事件に波紋を投げかけた。一方、相棒のクリングは妻に浮気の疑いを抱き、ひそかに彼女の行動を監視し始めたが……
  • 幽霊

    幽霊

    全身に無数の傷を受けて死んでいたベストセラー作家、同じアパートで刺殺された主婦――犯人を異常なまでの憎悪に駆りたてたものはなんだったのか? 二重殺人の謎を追い雪のアイソラを駆ける刑事たちの前に浮かび上がる恐るべき真実とは? 警察小説に恐怖の味を加えて描いたシリーズ異色作
  • カリプソ

    カリプソ

    深夜の嵐のなか、黒人のカリプソ歌手が黒ずくめの服装の男に射殺され、数時間後、87分署管轄区外で、黒人の売春婦がやはり黒ずくめの人物に射殺された。通り魔的な二つの殺人事件の背後には、どんなつながりが? 刑事たちをも震撼させた恐るべき事件の驚愕の真相を描く衝撃作。
  • 死者の夢

    死者の夢

    寒風に吹かれて歩いていた盲人ジミーの喉に突然痛みが走った。ふき出した血が舗道をまっ赤に染める。続いて第二、第三の殺人が……盲人ばかり襲う犯人の目的は? ジミーがうなされていたという奇妙な夢の話にキャレラは興味を惹かれる。忌わしい過去を秘めた連続殺人事件を緻密に描く力作!
  • 糧

    糧

    八月、炎暑の季節――キャレラに、グリムという輸入業者が泣きついてきた。自分の倉庫の火事を放火と証明してほしい、保険金が下りなければ破産してしまう……渋々腰を上げたキャレラだが、グリムの自宅が放火されさらに重要容疑者の男が殺されるに及んで、事件はその様相を一変した!
  • 死んだ耳の男

    死んだ耳の男

    刑事部屋の平和を破る一本の電話――「わたしは帰ってきたよ」予告電話を皮切りに次々と舞い込む意味不明の写真。フーヴァー元FBI長官の写真が二枚、つづいてジョージ・ワシントン……奴の狙いは? 奇妙なギャラリーを前に刑事たちも頭を絞る。天才犯罪者デフ・マンと87分署精鋭の死闘!
  • 警官

    警官

    分署の刑事部屋に次々と届けられる脅迫状はいたずらではなかった。公園局長が銃弾に倒れ、副市長が殺された。こんなことがやれるのはあいつしかいない――不安は的中した。『電話魔』の事件以来、復讐の鬼と化したあのデフ・マンの仕業だったのだ! 犯人との闘いをスリリングに描く傑作。
  • 空白の時

    空白の時

    都会の片隅で女が死んでいた。家具付安アパートで何者かに扼殺されて。ところがその被害者には二つの銀行に合せて六万ドル以上もの預金が眠っていたのだ……上記表題作をはじめダイイング・メッセージの名篇「J」と犯人の意外性を秘めた「雪山の殺人」の三篇を収録する初の珠玉中篇集。
  • キングの身代金

    キングの身代金

    野心家のキングは窮地に追いこまれた。彼の息子の誘拐を企てた犯人が、誤って運転手の幼い息子を連れ去ったのだ。身代金の要求は五十万ドル。もし支払えば、キングの一生の夢である会社乗っ取りの賭けがうてなくなる。拒絶すれば、罪のない生命が……! 誘拐事件に真向うから取り組んだ力作
  • 通り魔

    通り魔

    街は女、秋は死の季節。闇は彼の親友、獲物は女だった――通り魔は夜の闇を身にまとい、女を襲った。「クリフォードはお礼を申します、マダム」これが彼の口ぐせだった。刑事たちの追求もむなしく、ついに殺人事件は起った……大都会の犯罪を追う警察官の悲哀をみごとに浮き彫りにした作品。
  • 警官嫌い

    警官嫌い

    夏の夜の大都会――まばゆい灯のかげに街があり、夜空の下でうごめく暗い生活があった……。闇を引き裂く何者かの兇弾が、87分署の刑事たちを次々と倒していった。果して警官嫌いの狂人のなせる業か? 同僚刑事たちの胸は憤激で燃え上った。探偵小説に新生面を開いたシリーズ第一作!
  • デッドクルージング

    デッドクルージング

    小説・文芸
    3.4
    1巻660円 (税込)
    『このミス』大賞作家による、民兵vs元エリート女性工作員たちの過激アクション小説です! 2015年。富裕層と貧困層の格差が拡大し、脱北者の無条件受け入れを開始した日本。企業は不良少年らで民兵集団を組織し、民兵・晃らはミッションのもと、中国人が集うクラブを襲撃し、偽ドル札作りの天才・劉の拉致に成功した。一方、クラブの襲撃により、脱北者で売春婦として生活していたヒギョンが命を落とした。ヒギョンの姉・ファランは妹の死体を前に、ある決意をする……。
  • 法庭の美人 ダーク・デイズ【明治翻案版】

    法庭の美人 ダーク・デイズ【明治翻案版】

    青年医師が心を奪われた女性は、人に言えない秘密をかかえていた。しかし、信じられない事件が起き、二人の運命は一変する…… 十九世紀の大ベストセラー、ミステリー小説黎明期の記念碑的作品であるヒュー・コンウェイ『ダーク・デイズ』を、黒岩涙香が翻案した『法庭の美人』が、現代によみがえる! 本書は、早稲田大学社会連携研究所と株式会社扶桑社の共同事業で刊行したものです。 医師となった青年・卓三は、往診先の娘・お璃巴の美貌に魅せられる。彼女との結婚を望む卓三だが、お璃巴には隠された秘密をかかえる身であった。愛に破れ、自暴自棄に沈む卓三。しかし、思いがけない出来事が二人の運命を変える。狂乱するお璃巴がおそるべき事件を起こしたのだ! 犯罪に巻きこまれた青年の姿を描き、十九世紀英国で一大ベストセラーとなったヒュー・コンウェイ『ダーク・デイズ』を、黒岩涙香が翻案。人名を日本式に変え、大幅な編集で世に問い、明治なかばに探偵談が流行するきっかけともなった『法庭の美人』。明治の風情あふれる涙香の文章はそのままに、かな遣い等をあらため、現代でも読みやすい形で復刻。【電子オリジナル版】
  • ひきこもりのひとりごと

    ひきこもりのひとりごと

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    ひきこもり生活11年。この間SNSに夢中になり、自分のリアルの人生が何年間もお留守になってしまう。自分自身を社会復帰させようと、自らを鼓舞するメッセージを書き続ける。それをまとめたのが本書。 書籍PR: 本書は、ひきこもりの自分がひきこもりの自分を鼓舞し続けたメッセージをまとめたもの。 自分と同じ悩みを持つ、ひきこもりと呼ばれる人々にも参考になる部分があるのではないかと思い、今回それらをまとめて世に出す事にしました。 今の自分と同じような境遇にいる人々やその親御さんの心に一つでもメッセージが刺さってくれれば嬉しいと思います。
  • 夜ひらく谷

    夜ひらく谷

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    性的不能の烙印を負って、山寺=曼荼羅寺にこもる三国実が、妖女艶婦の愛欲の中で、いかにして青春を復活していくかを描く問題作。
  • 青い糧

    青い糧

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    K学園高等部のサッカー選手だった河村は、試合で膝に怪我をした。その頃、厳格な父が死んだ。スポーツのできない体になった河村は、放埓な仲間との新しい生活に踏みこんでいく。賭博、酒、狼藉、背伸びした女遊び……。悪賢い才覚で大金を手に入れ、それを湯水のように使う。彼らがひかれるのは、じつは賭でも犯罪でも女でもない。情熱の浪費、浪費のための浪費、消耗することへの欲望がすべてなのだ。そうした無頼をてらう生活のなかで、河村はキャバレーに働く可憐な恵子を知り、彼女との愛欲に純粋な価値を求めて……。高校生と年上の女のはげしい恋を描いた長篇。
  • 西陣の蝶

    西陣の蝶

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    殺人の容疑者として拷問にかけられた父は、蝶子が5歳のとき、冷酷な検事をうらみながら、死んだ。20年後、蝶子は、京都上七軒町から、芸者として出ていた。幸うすい青春に、父の記憶は黒いシミのように、影をおとしていた。ある日、呼ばれたお座敷に、父を死に至らしめた鬼検事がいた。蝶子は、装った笑顔で、その男に酒をすすめるのだったが……。社会の暗い部分と人間の醜い本能との間に、しめつけられた蝶のような女の、哀れな人生を、細密画のように描いた「西陣の蝶」の他に、「三条木屋町通り」「貴船川」など、全8篇を収録。
  • 終幕

    終幕

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    30年来、新劇界に不死鳥の如く君臨してきた美貌の女優・長塚明子。彼女は脳腫瘍に冒され「五本の薔薇」の舞台を最後に、生命の危険を賭けて危険な手術に臨もうとしていた。数時間後に迫った死の影に脅えながら、彼女は愛の多かった自分の半生を、愛を交し合った男たちを思い返し、真の愛の意味を問いつづけ、舞台で使った5本の薔薇を、彼女の最も愛した人に贈ろうと考える。劇評家の宇佐見、彼女の発見者・春原、演出家の高城……幕が降り、まだ興奮のさめやらぬ群衆に囲まれて楽屋から出てきた彼女が薔薇を手渡したのは、意外な人物だった……。
  • 刺のある樹

    刺のある樹

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    植物学者・仁木雄太郎は、シャボテン・マニアの貴金属商がヨーロッパ旅行中、その邸に住まわせてもらっている。そこへ警視庁の砧警部補の紹介で製菓会社の重役が、警察ではとりあってくれないからと捜査を依頼にくる。自動車に轢かれかけたり、川へ突き落されたりして、死の恐怖におびえる男の出現。この「刺のある樹」は、その妻の死にはじまる。複雑な家庭の、絞殺、青酸カリ殺人の謎と、死の恐怖。電気ミシンのソケットの秘密に挑む、お馴染み雄太郎・悦子兄妹が、密室殺人事件のトリックを論理的に解明してゆく過程を、明るい清新なスタイルで描いた長篇。
  • 坂田家の四季

    坂田家の四季

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    すでに一男二女の父となった、かつてのきんぴら先生こと、坂田金平の家で、長女の縁談をめぐって起こる様々な事件。日常の悲喜こもごもを、小気味よい巧みな筆で描いた、明朗家族小説。
  • 権九郎旅日記

    権九郎旅日記

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    川崎門下の高弟で、新婚間のない土佐藩士・権九郎は、団栗眼、獅子ッ鼻の無骨極まる男だが、藩でも屈指の無外流の達人で、純情硬骨ながら女に甘い。その権九郎が江戸勤番のため急遽、土佐から江戸まで下る道中で、襲いくる女難また女難の果てに、いまだ不本意ながら己が貞操は守られる結果に……。爆笑、哄笑、苦笑い……抱腹絶倒の東海道道中記。
  • 拳銃を磨く男

    拳銃を磨く男

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    大がかりな偽ドル密輸団を追う「私」なる人物は、密輸団の核心に迫るため、前科者・加下千里の偽名で香港ボス・楊長二の元に潜入し、彼の手先の美女・ジェーン李に近づく。そして、ジェーンとともに東京空港へ向かうが、飛行機のタイヤに仕込んだ偽ドルは、パトカーの追跡で放棄せざるをえない。ホテルの女支配人、女高利貸し、バーのマダムと、その用心棒など悪漢の、入り乱れる密輸団と、公安調査官の対決。力作長編ハードボイルド・サスペンス。
  • 銀色の牙

    銀色の牙

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    影の多い国際都市・香港――そこでは、国籍は何の保証にもならない。日本商社の駐在員・越見は、ある日、友人のジョニイ劉が、アパートで殺されているのを発見した。間もなく、ヨットの遭難で話題になった男たちが、つぎつぎに殺される。そして、阿片窟の常連、元日本軍参謀、暗い過去のある大貿易商、美貌の女画家などの、もつれた糸のような動きに巻き込まれた越見にも、黒い殺人者の手が伸びてきた……。サスペンスに富んだ巧緻な物語の中に、落し穴を持つ現代の人間関係をさぐった、この野心的な長篇は、行動派の作者が華麗な才質を注いだ本格小説である。
  • 愛の静脈

    愛の静脈

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    瀬戸内海に臨んだ県立女子高校の新任教師・矢吹は、明朗な性格で人気者だったが、ロレンス思想の礼讃者である彼は、放課後、教師および生徒を前にチャタレイ講義をし、大きな波紋をよぶ。敬虔なクリスチャンの池内先生は、矢吹と激しい恋に陥ち、霊肉一致の苦悩の果て、二人は結婚したが……。この「愛の静脈」は、子を残して先立った美しい妻の追憶に生きる旧師・矢吹の心の支柱たるべく後妻になった夕子が、未来を開く扉は過去からの照明によらねばならぬとして、互いに傷つけ合う教師同士の怖るべき恋愛に、生徒として関係した愛と憎悪を回想する、香り高き告白小説である。
  • ここは静かなり

    ここは静かなり

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    自分の恋の行方を追いながらも、教え子たちのコーラス大会への指導、高校生の恋愛問題など、数々の問題を抱え、同僚教師のストーカーまがいの行動なども起こる。また、寄宿している一家の事業が破綻しそうになり……。好感持てる新任教師物語。
  • きんぴら先生慕情譜

    きんぴら先生慕情譜

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    「きんぴら先生」とは、小田原の海星女子高校の教師、坂田金平氏の愛稱である。生来の硬骨な朴念仁ぶりと正義感、加えて独身とあって、女学生や教師の間には奇妙な人気があり慕われているが、いつも何らかのトラブルに捲きこまれている。そんななか、元同僚「ザベス先生」が神戸から戻ってくることになり、かつてのときめきが蘇るが……。夢多き女子高校生と多感な青年教師が奏でる青春の幻想曲を描いて好評の、「きんぴら先生青春記」「同青春譜」に続く「きんぴら先生」シリーズの決定版。
  • きんぴら先生青春譜

    きんぴら先生青春譜

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    「きんぴら先生」の愛称を持つ青年教師・坂田金平。独身、正義漢、唐変木のコンコンチキである。甲府の男子校、湘南の女学院、横浜の女子高ときて、このたび横浜郊外の望ケ丘女子高校に赴任してきた。クセのある教え子相手に苦戦しているところへ、かつての教え子も現れてさらに一波乱。そして、同僚エリザベス・テーラー似の「ザベス先生」が気にかかり……。『きんぴら先生青春記』の続編。
  • 林檎の花咲くころ

    林檎の花咲くころ

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    出征した夫の留守中、子供を育てながら籍も入れてくれない舅姑に女中のように扱われた3年間の苦しみに耐えたが、夫は戦病死してしまう。2月半ばの吹雪の烈しい日、春枝は三歳の玉夫を背負い家を出ていった。林檎箱の上に戸板を載せ、衣類を売る苦しい生活が続く。戦争は林檎の花咲く里の春枝の幸福を破壊した。しかし戦いは終り、白い花咲く5月、幸福は再び春枝に甦ってくるのだった。……「林檎の花咲くころ」のほか、「手品師ヤッコウ」「冬の歌」「秋風」「ある貞婦の話」「浴みする女」「憎いもの」「私は鑑定人」「妻の経験」の全9編を収録。
  • 麻薬3号

    麻薬3号

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    出所してきた極道が、ヒロポン中毒だったが、いまは流行作家になっている五味という男に書いた手紙、という形式で語られる、神戸のヒロポン宿、中華街などを舞台に、極道者、ヤクザ、パン助などが辿る、それぞれの人生の物語。著者が実際に、神戸で放浪生活を送り、覚醒剤依存症になった経験に裏打ちされている、長門裕之・南田洋子で映画化もされた力作。
  • 犯罪乱流

    犯罪乱流

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    東京新宿百人町のアパートでキャバレーのホステスが殺された。刑務所を仮出所したばかりの男が、情婦の心変わりを怒り、間違えて他の女を殺ってしまったのか? 凶器はピストル。公開捜査中の本部に、続いて殺人の報が届く。――佃河岸にダンス・スタジオ経営の男の死体が浮かび、雑司ヶ谷では深夜密会中の人妻と若い男とが狙われたのだ。事件の連続に色めきたつ記者クラブ。夜討ち朝がけを競って特ダネを追うタイムスの荒木、日日のガンさん、日報の山崎……。現代社会の乱気流が生んだ、凶悪な連続殺人事件の真犯人を追う捜査陣と、事件記者の活躍を描いた力作長編小説。
  • 投げ縄 秀

    投げ縄 秀

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    清元の師匠・お駒の妾の子として、父親の愛情を知らずに育った秀之助は、幼い頃から「縄」をおもちゃ代りに親しみ、「投げ縄秀」と異名をとるほどの名人となった。母親譲りの美声と男前な風貌で、清元の芸人としても人気者となり、お駒の一番弟子のお光と新世帯を持ち、幸せな日々を送るようになる。やがて、江戸の町に次々と起こる怪事件を、得意の早縄で解決した功により、一介の町人が武士に取りたてられ、生活が一変してゆく。江戸末期から維新の動乱期を経て、明治大正昭和の三代を、きびしい芸道の世界に身をおきながら、「縄」を心の支えに生きた芸人の、心情と波瀾の人生を描いた、傑作長編小説。
  • 青い江の島

    青い江の島

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    陽光きらめく湘南・江の島。島の駐在所を一人あずかる藤村亮介は、若くハンサムな警官ではあるが、絵に描いたような朴念仁。職務にはめっぽう熱心である一方で、駐在所向かいの娘・由美の連日の熱い攻勢にも動じることがない。そんな亮介を幼なじみや旅館の若女将、自殺志願の都会の娘らが起こす大波小波が揺り動かしていく。青年の真っ直ぐな心情を描き切る、爽やかな青春小説。
  • 死神の地図

    死神の地図

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    新光映画のスカウトマン・五代がスカウトした人気女優・由木涼子が、自宅の湯殿で殺害され、ついで五代がスカウトした代役は、カメラ・テストの最中に何者かの手で重傷を負わされた。これに代って登場したニュー・フェイスの小滝春子のイヤリングが、涼子殺害の現場に落ちていたことは、五代だけが知っていた……。スカウトマン・五代探偵の活躍する、スリラー長編。
  • 最終都内版

    最終都内版

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    新聞休刊日には大事件が生れる……というジンクス通り、9月23日の昼下り、警視庁桜田クラブの東京日報のデスクへ「女を殺して新宿の北向八幡の境内に埋めた」と、犯人だと称する男から電話が入った。捜査班も各社の記者も急行したが、本当に若い女性の腕が出てきた。バラバラ事件である。捜査一課はもちろん、各社の取材競争が始った……。やがて被害者は、キャバレーのホステスと判明、彼女のアパートからは、客となった者らしい200数十名の名刺が発見された。日報の山崎、タイムスの矢島記者の頭脳作戦! 続いて第2の殺人事件発生! 猟奇とスリル横溢の長編小説。
  • 元禄小源太

    元禄小源太

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    五代将軍・綱吉治下の元禄期は、ある意味で暗黒期と言えた。将軍・幕閣のあいだに、女色はもとより男色の風がはびこり、賄賂はなかば公然とまかり通り、お犬様が人間より優遇された。この風潮に敢然と立ち向かった浪人たちがあった。冠小源太と汀十次郎――いずれも、悪政のいけにえとなった由緒ある家筋の血を引いている。ふたりの反抗は、私憤というよりむしろ世直しの気慨であった。しかし、男が志を立て事をかまえる時、そのかげで泣きくずれている美女がいるのは、いつの世も変わらない。元禄期を舞台に、剣と恋、勇気と策謀、正義と悪がからまり合う時代小説。小源太よ、お主どこへ行く?
  • でめ金挑戦(上)

    でめ金挑戦

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    静岡県の片田舎に、石川豊太は呱々の声をあげた。生まれたとたん、とりあげ婆に3本の指を突きつけたという大物である。小学校は開校以来の秀才で通し、村の神童を謳われた。そして豊太も今や17才の春を迎え、あり余る野心と精力を、ひたすら牝山羊を相手の自涜で消化していた。しかし或る日、耳よりな話が転がり込んで来た。小学校の代用教員に採用が決まったのである。教員を踏台に、ゆくゆくは東京に出て行こう。豊太の野望はふくらんだ。――金と女と酒に人生を賭け、なりふり構わず世間をのし渡って行く痛快児を描く、異色の長篇小説! <上下巻>
  • きんぴら先生青春記

    きんぴら先生青春記

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    戦後すぐの女子高に赴任した新人教師・金平(きんぴら)が、美人生徒たちにモテ過ぎて、新任の美人教師たちにモテ過ぎて、てんやわんやと……。大人気を博した大衆小説の名作シリーズ。
  • 官能文学電子選集 丸茂ジュン『痴女伝説』

    官能文学電子選集 丸茂ジュン『痴女伝説』

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    北海道の繁華街・ススキノに次々と男たちを路地などに連れ込んで犯す痴女が現れた。その痴女の正体を追う新聞記者の運命は・・・・・・。 「ススキノに痴女現る」という新聞記事が街中に大反響を呼んだ。記事を書いた記者・北見の行きつけの小料理屋でもその話で持ちきりだった。痴女といっても、電車の中で男の下半身を触るなどという単純なものではない。酔っ払った男を深夜、路地などに連れ込んでホルマリンをかがせて犯すという強烈なものだ。おまけに犯された男は何も覚えていないのだが、目を覚ますと下半身に生えている恥毛が1本残らずそり落とされているのだ。男たちは熱狂した。「自分も犯されてみたい」と・・・・・・。記事が反響を呼んだために、北見は特集を組むことを命じられる。取材を進めてみると、痴女は色白の美人で、サングラスをしている。年齢は30歳前後で襲われる男は決まって10代後半の若い男だ。北見は知り合いである特殊浴場勤務の女の情報を元に取材を進める。そして、ついに警察が動き始める。第5の被害者が持っていた現金を痴女に奪われたというのだ。しかし、その被害者は32歳ということに加え、恥毛も剃られていない。これまでとは違うパターンだ。狂言だったのだ。振り出しに戻ったわけだが、ある夜、北見は背後から声をかけられた。ハスキーな声だった。出た!と思った時には、もう意識がなかった。北見が発見された時、まわりには深夜とは思えないほど人垣ができていて、無残に剃りとられた恥毛の上に口紅が1本と使用済みコンドームが落ちていた。シャツをめくるとお腹には「これから冬眠。春まで待って!」と口紅で書かれていた。痴女は一帯誰なのか!? 表題作「痴女伝説」に加え、「とまどい」「ウエディングベルが鳴る前に」「夜の指」など9作からなる短編集。美人官能作家として時代の寵児となった著者の会心作である。
  • 官能文学電子選集 館淳一『背徳の眩暈』

    官能文学電子選集 館淳一『背徳の眩暈』

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    美少女アイドルとその母親の元に悪徳所属事務所社長から命を受けたヤクザたちが向かい、陵辱の限りを尽くすのだが・・・・・・。 暴力組織とも繋がりのある芸能事務所社長の勝山は、手段を選ばない男だ。移籍を画策するアイドルは手下のヤクザを使い、陵辱してその様子をカメラに収めて脅迫。移籍封じするどころか、美少女好きの政治家に抱かせるなど骨の髄までしゃぶり尽くしてきた。今度の標的は、人気アイドルの宇佐美メグだ。まだ男を知らない純情な少女だ。熟れた母親・あき子と写真集撮影のために事務所の社員寮に滞在していた。そこに勝山の息がかかった2人のヤクザが忍び込み、まずは母親に陵辱の限りを尽くす。心ならずも体が反応してしまうあき子。ヤクザに犯されながらも我を忘れ、激しく反応し、よがり超えをまき散らして悶え狂う。その様子を見せつけられるメグも一糸まとわぬ真っ裸にされる。その姿に興奮したチンピラのテツは自らの肉棒をメグの口に押し込もうとするのだが、そこでメグが反撃し、膨張したテツのイチモツを爪切り鋏で思い切り切り刻む。そしてあき子を弄んで風呂に入っていた兄貴分のサブに向かってメグが出刃包丁を突き立てて、黒幕の名前を聞き出す。大どんでん返しの結末は・・・・・・。 この「柔肉の報酬」に加え、「悪女の肉宴」「娼婦母 禁断の約束」「注文の多い人妻モデル」ほか計6編を集めた名手・館淳一の短編集。
  • 官能文学電子選集 菅野温子『脱皮』

    官能文学電子選集 菅野温子『脱皮』

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    40歳の行雄は12歳年上の姉に恋い焦がれるシスコンだ。女に甘えることが大好きで、3歳年下の響に身も心も可愛がられて喘ぐ・・・・・・。 37歳の響は、しつこい男や、用もないのに追ってくる男に対しては鉄面を見せる男っぽい性格だ。しかし、ふとしたことで知り合った身長180超えの大男で40歳になる行雄にはなぜか引かれるものがあった。行雄のすることはどこか遠慮がちであり、手慣れなさが垣間見えたからだ。長年にわたって仕事をしている大人の男なのに女の前では少年の部分が顔を覗かせるのだ。じつは行雄は6歳のときに結婚した12歳年上の姉に憧れを持つシスコンだったのだ。だから行雄はことあるごとに響に甘えてくる。響の乳房に頭を埋め、乳首をペロペロ舐め回してくる。響の手首を掴んで、自分の下腹部に持って行く。実際には3歳年上にも拘わらず、目の前の行雄はたまらなくかわいい。さっぱりした性格の響だが、セックスの対象になる男の前では、嘘のように女の部分が増殖してしまう。「体を弄ばれることってなかったから、いろいろなところを触られたい」という行雄に響は欲情する。シャワーも浴びずに絡み合う。髪の毛や腋の下の匂い、性器の匂い・・・・・・汗や体臭さえ燃え上がる女にとってはご馳走になるのだ。密室で男を飼いならしたいという欲望をかなえて、響は満足そうな笑みを浮かべるのだった・・・・・・。今まで著者が書いてきた作品とは一線を画したという自信作「響」に加え、「HUG」「仮面の夜」「冷たい熱帯魚」「脱皮」「ヌードモデル」など9作をまとめた短編集。
  • 官能文学電子選集 藍川京『紅蕊日記』

    官能文学電子選集 藍川京『紅蕊日記』

    小説・文芸
    4.0
    1巻660円 (税込)
    夫の再就職問題で知人だった佐久間に相談したことで、美人妻・千亜紀の運命は急転していく・・・・・・。 夫・真人が勤めていた大手銀行が倒産。再就職に悩む真人のために29歳になる貞淑な妻・千亜紀は学生時代にバイトしていたときに知り合った大手損害保険会社の元専務だった佐久間德二郞に相談した。すると、佐久間からはかつていた会社への再就職を条件に千亜紀の体を弄ぶ。そして、要求は次第にエスカレートしていく。夫のためとはいえ、佐久間に体を許したことが千亜紀の胸に悔恨の念を宿す一方で、体は佐久間にされた破廉恥な行為を待ち望んでいくのであった。そして、佐久間の命令で入った華道教室で講師として待ち構えていたのは佐久間の後妻である美和だった。バイセクシャルである美和のテクニックに千亜紀は頭では拒むものの、体はいつしか美和を求めるようになっていく。精神的に崩壊しそうになると思いつつも、抗うことのできない快楽に千亜紀は溺れていくのであった・・・・・・。
  • 崋山と長英

    崋山と長英

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    幕末に開港論を主張した高野長英と、攘夷の非を鳴らした渡辺崋山が、ともに幕府の忌諱にふれ、鳥居耀蔵の奸計で囚われの身となり非命に死んだ、いわゆる蛮社の獄の経緯を描いた名作。一章「獄中記」は長英の投獄を、二章「檻送記」では崋山の白洲での戦いを、三章「蟄居記」は幽閉された故郷での自害まで。野間文芸奨励賞受賞作品。
  • 蒼氷

    蒼氷

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    蒼氷に覆われる厳冬期、富士山気象測候所に勤務する主人公と同僚たちの生活に入り込んでくる、男たちを翻弄する美女との入り組んだ関係を軸に、厳寒の山の凄さ、颱風の凄さなど荒ぶる自然の前に無力な人間を描いた、傑作長編。
  • 人斬り新兵衛

    人斬り新兵衛

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    田中新兵衛は、鹿児島城下の船頭だった。彼を薩摩勤王党に推挙したのも、商人から武士になった森山新蔵である。尊王討幕の気運がみなぎる京にあって、新兵衛は、孤独な末輩でしかなかった。やがて、彼が心から頼った森山新蔵は、寺田屋の変に連座し、あえなく切腹して果てる。佗しく郷愁に身を焦がしていた新兵衛にも、ここで転機が訪れた。酔って中座同心を斬ったのをきっかけに、九条家の諸太夫・島田左近を斬殺、首を三条河原に梟した。旋風のように、人斬り新兵衛の名は、京洛に鳴り響いてゆくのだった。そして、姉小路卿の暗殺……。幕末転変の人生を描いた佳篇「人斬り新兵衛」はじめ、全12篇。
  • 振りむいたあなた

    振りむいたあなた

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    それぞれに、妻ある人を愛した姉妹。その人の妻の存在を思うとき、情熱に身を任せることのできない、姉の加代子。家を出てアパートに移り、恋人との愛に生きようとする、妹の美佐子。……妻ある男性との恋愛という、現代に多い愛のケースを主題に、世代と心情を異にする2人の女性の心の明暗を描きつつ、新しい愛のモラルを追究した力作。
  • 銀の庭

    銀の庭

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    京都の名刹・聚閣寺の住職・栂春泉には、貞淑な妻と美しい2人の娘とがあった。ある年の5月、アカ新聞が誤解に満ちた筆で、春泉の私行を暴露した。寺の金を横領して、先斗町の女にバアを経営させているというのである。それは、燈全寺派法類間の政治的な争いの材料にされ、栂一家は蟻地獄に突き落とされた。事件の成り行きを通して、それは次第にあきらかになった。そして「法衣を着たけもの」の爪は、春泉の娘・圭子にも迫った。……慈悲の法燈の影にひそむ俗臭と本能とを執拗に追求し、そこに散る花びらの哀切な美しさを描いたこの連作は、水上文学を象徴する野心作である。
  • 兜町狼

    兜町狼

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    三条銀行の頭取・高藤喜七郎は、財閥解体政策によって統制を失っている旧三条財閥を、銀行の主導権の下に復活させることを悲願としている。しかし、三条不動産社長・田淵英造は、高藤に対抗し、不動産の主導権による三条系列再編成を画策する。一方、もと証券取引所守衛・山沢新二郎は、某外国人と組み、三条不動産株の買占め、乗っ取り、さらには東京のド真中・日本橋の租界化を企む。買占めの情報は「とり屋」の栗山に嗅ぎつけられ、事件は影の主役、保守政党政調会長の登場をよぶ。欲望の町・兜町を舞台に、利権を追って浮沈する人間の相をダイナミックに描く長編ロマン!
  • 右京介巡察記

    右京介巡察記

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    将軍代替りのたびに、各藩へむけて発向せしめられた幕府巡察使は、しだいに初めの意義がうしなわれ、形骸化してきている。各藩が失政をおおいかくすため、巡察使に対して酒色と賄賂の奸策を用い、その口を封じようとしたからだ。だが、その年の3人の正副使のなかに、ひとりの気骨ある武士がいた。瀬名伝右衛門。巡察の古習を守ろうとする正義のふるまいは、各藩にとって、若々しいかぎりであった。しかし、藩の秘密を守ろうとする奸計にはめられた伝右衛門は、腹を切って果てる。その怨念を承けついで日かげに育った一子・紫右京介は……。神変無想流をきわめた虚無的な瞳の美剣士が、父の仇を討つ時が刻々せまる!
  • しょうゆ顔少年の謎

    しょうゆ顔少年の謎

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    「おしょうゆ顔」世代のダンディズム研究。汗なし、涙なし、脂気なし。「朝シャン」で髪を整え、バーゲンに賭ける青春? ポスト新人類の思想と行動を鋭く分析、時代を読む痛快キーワード集――「もう、早く洗面所あけてよ。私だって使いたいんだから!」「一体なんなんだ、キミたちは!」……しょうゆ顔少年の朝、至福のひとときは姉貴の悲鳴によって破られる。シャンプー、整髪、お肌の手入れ。東にバーゲンあれば、青春を賭けて並び、西にパーティーあれば、タキシードで駆けつける。彼らのダンディズムとは何か? 軟弱と笑わば笑え、現代少年生態図鑑。
  • シバテン群像

    シバテン群像

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    高知に棲息する天狗の幼虫的存在で、道行く人に相撲を挑み、1000人から勝ちを得ると天狗になれるという、妖怪・シバテンを題材に、江戸時代から明治開花の御世までを舞台に、坂本龍馬なども登場させて、虚実綯い交ぜの民話風味わいの滑稽譚集。
  • 江戸落語奇譚 寄席と死神

    江戸落語奇譚

    小説・文芸
    3.7
    1~2巻660~748円 (税込)
    大学2年生の桜木月彦は、帰宅途中の四ツ谷駅で倒れてしまう。助けてくれたのは着物姿の文筆家・青野で、「お医者にかかっても無理ならご連絡ください」と名刺を渡される。半信半疑で訪ねた月彦に、青野は悩まされている寝不足の原因は江戸落語の怪異の仕業だ、と告げる。そしてその研究をしているという彼から、怪異の原因は月彦の家族にあると聞かされ……。美形文筆家と、なりゆきでその助手になった大学生の謎解き奇譚! 第6回角川文庫キャラクター小説大賞<優秀賞>受賞作。 イラスト/硝音あや
  • モンスターと食卓を

    モンスターと食卓を

    小説・文芸
    3.9
    1~3巻660~682円 (税込)
    杉石有(なお)は、研修医時代のある出来事によるトラウマを抱えつつ法医学者として暮らしている。そんな彼が突然恩師から託されたのは、美しすぎる非常識な青年シリカ。果たして奇妙な同居生活が始まり……
  • 鶴の来る町

    鶴の来る町

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    南国・薩摩半島の農家に生まれ、枕崎のあいまい屋で働いているかね子は、一度だけ男にだまされたことがあった。それ以来、男に気を許すまいと誓っていたのに、蜂飼い男の刀祢吉が店に現われたとき、ふしぎな心の動揺を感じた。刀祢吉は、妻に先立たれ、まだ幼い一人娘をかかえた、風采のあがらない男だった。なぜ馬ヅラの蜂飼い男に惹かれるのか、かね子自身にもわからなかった。まして、それが悲しい運命の序章になるとは、夢にも思わなかった。……この作品は、貧しく世間知らずの二つの魂が、幸せを求めてのたうつ姿を、社会性のある眼で捉えた、美しい心の歌である。
  • 地場者

    地場者

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    地場者、それは日のあたる証券会社の椅子から振り落とされた一匹狼たちである。大相場師と謳われた亡父の夢のお告げに人生を賭けようとしている神沢、客の株券で思惑を張り1800万円の大穴をあけて悩む隅野。彼らは、喫茶店ナインに集まっては自嘲をくり返し、情報を囁きあうのだ。そこで神沢は資金繰りの秘策を練り、隅野は逃亡を決意した。しかし、所詮は地場者、神沢は空しく高騰を続ける相場を傍観するだけだったし、隅野もこの街の魔力から離れることはできなかった。兜町の影に生きる男たちの生態を生々しく描く「地場者」のほか、企業小説2篇を収録。
  • 戦国兄弟

    戦国兄弟

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    敵の内部を分断する反間苦肉の策。秀吉一流の調略に見事はまった織田信雄は、亡父・信長以来の家老・岡田重孝の誅殺を策した。豪邁の士・重孝は「さらば死に狂いの働きを見せよう」と主の面前に進む。暗愚な信雄に、戦国武士の死にざまを示そうというのだ。深傷を負いながらも、なお屈しない凄絶の暗殺劇だった。そして、兄への諫言も空しく残された重孝の弟・義同は憤激した。織田・徳川連合軍相手に奮戦し、小牧長久手の戦いに発展してゆく。義同はやがて前田・加藤両家を転々するが、その雄偉なる骨格、性根は、戦国の世にも異彩を放ってやまない。剛毅に己が信念を貫いた「戦国兄弟」の生涯を描く。
  • 神々の岩壁

    神々の岩壁

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    南は、ハーケンを打つ右手に、異常を感じた。手ごたえが甘い。垂直300メートルに屹立する衝立岩にとりついて3日目、最後の一滴の水もつきていた。バランスを失って、危うく墜落しそうになる。もはや彼の心には、岩に対する憎しみだけがあった。登攀不可能といわれる衝立岩は、神々の手に守られて、人間を拒んでいるかに思える。それでも、南は危険な垂直の前進をやめようとしない! 少年の日、登山家を夢見ていらい、ヒマラヤを志して精進を続けた、天才的クライマーが、魔の谷川岳、衝立岩に挑む姿をえがいた実録小説「神々の岩壁」はじめ山岳小説4篇。
  • 新編 八犬伝

    新編 八犬伝

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    おなじみ、苗字に犬という字があり、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌それぞれの文字のある玉を持つ、8剣士ならぬ8犬士の物語。日本文学最大の長編と言われる滝沢馬琴の名作を、剣豪小説の名手が描く!
  • 小次郎と武蔵の間

    小次郎と武蔵の間

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    佐々木小次郎が宮本武蔵に敗死した後、豊前細川家では長い間、兵法者を召し抱えていない。藩主・忠利が、小次郎の死を哀惜したからに外ならぬ。10数年後に、その忠利が見出したのは、二階堂流の松山主水であった。知行800石で召し抱えられた主水は、軽捷無類、魔法としか思えぬ剣の妙手であった。忠利は、小次郎と流祖を同じくする主水を寵愛した。肥後に国替えになった細川家で、やがて忠利と父・忠興の間に、新旧の相剋が起こる。忠興の家来が主水に辱しめられた事件は、火に油をそそぐ結果となり、「主水、討つべし」と忠興は激昂するのである。武芸者の意気地を描く「小次郎と武蔵の間」ほか8篇。
  • 国枝史郎伝奇文庫 暁の鐘は西北より

    国枝史郎伝奇文庫 暁の鐘は西北より

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    帝政ロシアの極東政策が、ひそかに日本に上陸か? ……得体の知れない奇妙な建物、浅間山の谷間にあるという人体建築の秘密とは? 日本人ばなれした濃艶な娘・ニナ小夜子をめぐって、泉東十郎と坂部軍之進との激烈な恋あらそい。また、オリガ桜子一党と人体建築の主・溝呂木信兵衛一党との凄惨な確執。世紀末的症状を現わす田沼時代の、秘密に満ちた多様な人間の綾なす絵巻!
  • 甘いホテル

    甘いホテル

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    いっけん英国紳士風の直江一良は、「善良な市民のよき相談相手」と称する《直江コンサルタント》を開いている。ある日、麗しい女性の依頼人がやってきた。彼女は細谷てい子といい、金力にものをいわせて温泉マークのホテル建設を狙って画策している萩原仙三に対抗して、品格あるホテルを建て上品な保養地にする計画の実現に力を貸してほしい、という相談であった。躊躇している直江のもとに「彼女こそコール・ガールの組織を操る悪女」という怪電話があり、助手の紀子と竜平の応援をえて、俄然真相究明にのりだす。笑い・スリル・お色気に溢れるユーモア・ミステリー。
  • 花の墓標

    花の墓標

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    勤め先のアメリカ人商社が、密輸容疑で捜索された日、厚子は、社長の使いだという背の低い男に、車で連れ去られた。彼女は、3日後、轢死体となって発見された(「黒い首飾り」)。両親のいない勝子は、幸せを求める女ごころから、隆鼻手術を受けた。医者が、彼女の鼻に入れたプラスチック材に、ダイヤをひそませたことを彼女が知るはずもなかった。彼女は、荒川土手に死んでいた(「鼻のない顔」)。……占領下の日本の街々で、人知れず散った女性たちに、著者が花を捧げるつもりで綴った、異色連作小説7篇を収録する感動的名篇。
  • 歌舞伎剣法

    歌舞伎剣法

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    15歳の美少年・山三郎は、蒲生氏郷に召し抱えられたが……という表題作はじめ、五味康祐、柴田錬三郎とともに、剣豪小説を支えてきた著者による傑作8編。
  • 佳人

    佳人

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    一日中、子供用の肘かけ椅子に行儀よく坐って、紅殻色の出格子にはめこまれた小さなガラス窓から道路をのぞいていた、足なえの童女、その名は圓(つぶら)。薄い皮膚に「いのち」を包んで、それは幻のように美しい童女であった。女にとって、いちばん華やかで夢多い季節になっても、彼女は10歳にも満たぬ躯しかなかった。が、数奇な運命をになう彼女に、結婚の日が訪れる。それは非情な忍従を求める、おそろしい日々の明け暮れだった。清純に死を選んだ彼女が残していった紅絹の匂い袋……。直木賞作家・藤井重夫が哀切な筆でえがいた佳人の生涯。
  • じゃが太郎兵衛無惨帖

    じゃが太郎兵衛無惨帖

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    日光と上野にある輪王寺を守る宮様に仕え、快剣・南蛮刀法を自在に操るじゃが太郎兵衛は、義経の後胤説もある、神出鬼没の動きをする剣客。泰平の御世を喰い物にする水野出羽守忠成とその一味を相手に、胸のすく大活躍をする! テンポのいい文体で描く連作短篇集。
  • この子の父は宇宙線

    この子の父は宇宙線

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    11人の女性だけを月に送り込んだ国と、9人の男性ばかりを送り込んだ国があったが……、という表題作はじめ、山岳小説で有名な著者が描いた、貴重な4つのSF小説。現在の電気通信大学卒で気象学者という、理系の作者だと実感できる。
  • エデンの海

    エデンの海

    小説・文芸
    3.0
    1巻660円 (税込)
    瀬戸内海にのぞむ女学校に、新任教師として赴任した南条は、教師の間で「問題児」として見られている清水巴に惹かれて行く。複雑な境遇のため祖母のもとで育った巴は、「成熟の側からは不逞にみえ、未熟の側からは可憐にみえる」特異な少女であった。教師として巴に対しながらも南条は、彼女の姿態の中に女を見、はげしい感情にとらえられる。二人の行動は、周囲の好奇の目にさらされて行く……。教え子への想いに、教師としての限界に悩む青年教師と、純粋な感情のままに、奔放にふるまう女生徒との愛の行方を、明るい太陽とひろがる海を背景に描き、青春の光と影を鮮やかに刻む傑作ロマン。
  • 国枝史郎伝奇文庫 猫の蚤とり武士(上)

    猫の蚤とり武士

    小説・文芸
    -
    1~2巻660円 (税込)
    秘密結社・明暦義党は、徳川幕府転覆を謀る組織である。首領の鵜の丸兵庫は、由井正雪の異母弟で、猫の蚤とりという賤業に身をやつし、義挙の機会を狙っている。だが、盟主とあおぐ紀州・頼宣の違約により、計画の実現は容易でない。松平伊豆守の女隠密・梶子、頼宣の嫡孫・萩丸、兵庫の恋人・菊女、義党にとって凄愴な敵・刃三十郎など、種々多様な人間模様の、種々多様にからみあう、謀反と反逆と宝探しの面白さ。<上下巻>
  • 国枝史郎伝奇文庫 明暗二道

    国枝史郎伝奇文庫 明暗二道

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    戯作者の鵞湖亭茅舎が、木曽へ向かって旅立ったのは、天保10年の夏のことでした。鳥居峠まで来た時でした。一人の武士が鵞湖亭を見詰めながら立っていました。ところがちょっと意外なのは、その武士が顫えていることでした。…………老婆が一人崖っぷちに、切り倒されておりました。(さっきの武士が切ったんだろう)(抵抗力もないあんな老婆を、何故あの武士は切ったのだろう?)…………鵞湖亭茅舎の行く先々にもちあがる、意外、不思議な事件の数々!
  • 花嫁の父となりぬ

    花嫁の父となりぬ

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    娘の結婚に、どこの家の父親も……。銀行員をしながら作家をしていた著者の、ユーモアあふれるホームドラマ。父と娘の愛情を描き、連続ドラマにもなった作品。
  • カミさんと私

    カミさんと私

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    結婚して25年の雄三夫婦。カミさんは男8人女3人の11人兄弟姉妹の7番目で、実家にいるときは7番さんと呼ばれていた。銀行員をしながら作家をしていた著者の、ユーモアあふれるサラリーマンもの・夫婦ものの物語。
  • いとしい恋人たち

    いとしい恋人たち

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    幼い頃に父を亡くし、母の手一つで育てられた矢沢次枝は、恋人・勝田伸にプロポーズされたことを、母に言い出せなくて悩んでいた。依怙地な母は、娘の様子に恋人の存在を感じても、知らぬ振りをしている。伸はそんな状況のなかで、自分自身の勇気のなさに苛立ちつつ、次枝の態度に歯がゆさを覚える。次枝母娘と同じアパートに住む宮内咲子は、勤めのかたわら夜は学校へ通っているが、同級生の加治千太のやさしさを好意以上のものと感じながらも、伸に心ひかれるのだった。それぞれの思いを胸に秘めて、ひたむきに生きる恋人たちの姿と、人々の善意と哀歓を描く青春長編小説。
  • 鬼役外伝

    鬼役外伝

    小説・文芸
    5.0
    1巻660円 (税込)
    ――毒を啖うて死なば本望と心得よ。将軍の毒味役、通称鬼役の矢背蔵人介は、毒味御用の一方で、江戸の悪を成敗してきた。そんな鬼役を支える家族がいる。養母で薙刀の達人の志乃、剣は不得手だが勉学熱心な息子の鐡太郎、成敗御用を支える用人の串部六郎太……。そんな家族たちの「もうひとつの物語」を綴った短編六編を収録。鬼役ファンならずともハマる一冊。
  • 野火

    野火

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    若い兄弟の孤児が、つまずきやすい青春を支え合い、貧しいながらも美しい恋を得て、人生行路を乗り出す、正義と純情の現代ロマン。競馬場のシーンがたくさん出てきて競馬ファンにもおすすめの1冊。
  • 冬の椿

    冬の椿

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    戦火がいよいよ烈しさを加えて来た昭和19年、画学生・笹田香澄は、母とともに鎌倉に疎開して来た。隣家の青年実業家・瀬木龍彦は、香澄の美しさに惹かれ結婚を申し込んで来るが、香澄の心には同じ研究所の画学生・伊吹慎一の面影が焼きついて離れない。しかし伊吹に赤紙が来て、応召の前夜、香澄は伊吹に抱かれた。……何年か後、香澄は財力にものをいわせた求愛の前にくずれ、瀬木の妻となっていた。しかし戦死を伝えられた伊吹が突然生還し、香澄の情熱は再び燃えあがった。ふとした事で知った革染の美と伊吹への恋が、香澄の前に明るく開けて来る……女の恋と情熱を描く長篇!
  • 第三の火

    第三の火

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    滝村くみ子は、青森行きのみちのく号から水戸駅に降り立ち、東海村へと向かうが……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による傑作。
  • 生きる場所

    生きる場所

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    結婚5年目の伊乃、南仏リビエラのハインリッヒ……。山田耕筰に師事するも、病気のため音楽をあきらめた作家による傑作小説集、全9篇。
  • 新粧

    新粧

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    新婚旅行に出かける香澄と晴彦。蛇のびっくり箱の悪戯に、電車の中は大騒ぎに。そこに居合わせた晴彦の知り合いの竹内と出会い……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による、若者たちの姿を描いた傑作。
  • 思はぬ人

    思はぬ人

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    戦後の混乱した世相と、その中に生きる人間のひとひとりの苦悩とを、『人生劇場』の尾崎氏一流のユーモラスな筆致で描いた傑作、全4編。
  • 子供の眼

    子供の眼

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    利発な、長いまつげをした小学校3年の修。実母は病気で世を去り、新しく来た母・幸子は歯科医で、結婚後も実家の仕事場通い。父も勤め人だし、家を切りまわすのは若い叔母の喜世子だけ。黙って梨の実をかじる修の童心の四季に、父の不満や義母の気苦労、婚期にある叔母のあせりなど、おとなの生活と愛情の重みが投影する。「第二の母をもった私の経験が、この作品にいちばん入っている」と作者は自らいう。一度はこわれかけて、また作り直される善意の人々の<家庭>の中に、ひとり眼をみはる修少年のすがたを、流麗の文章にうたいあげた秀作。
  • 今日のいのち

    今日のいのち

    小説・文芸
    -
    1巻660円 (税込)
    才色兼備の南方理子は親のあとを継ぎ、医者になる決意をしていたが、戦争で失ってしまった青山の病院を再建する話とともに、青年医師で研究者の吉成朝巳がプロポーズをしてきて……。山田耕筰に師事、音楽を目指した病気で断念した著者の傑作。石原裕次郎、津川雅彦、浅丘ルリ子らも出演して映画化された作品。

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