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「どんなことをしても勝ちゃいいのさ」と、うそぶく男は、その名も土方歳三。茨のような鋭い棘を持った悪童、さわると棘で怪我をする危ないヤツ、だからバラガキ、と呼ばれている。攘夷が叫ばれる江戸を舞台に喧嘩三昧、そして京の街でもひと旗あげようと勢い込む。ナカバ的解釈の痛快新選組・青春グラフィティ。江戸で大暴れの新選組、京でもひと旗あげてやる!
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Posted by ブクログ
中場利一が描く話は面白い。とりあえずおもしろくて、あとでちょっとだけほろりときたりすることが多い。
綺麗な文体、幻想的な描写、そういうのも好きだけどそればかりじゃつまらない。お高い文章に飽きることもある。中場利一はそんな「お綺麗」な小説を蹴り飛ばして人間的な温度をくれるから好き。
自分が中場利一という作家を知ったのは幕末ものばかりを乱読してた中学時代、この「バラガキ」を手に取ったのがきっかけだった。
舞台は幕末、土方歳三を主人公に、と言えば「ああまたコレか」た思いもするが、中場利一の書く新選組の面白いところは、登場人物が生き生きと人間臭く書かれているところだ。
土方にしてもたよりになるが恐ろしい「鬼の副長」というよりはただの悪ガキがそのまま大人になったような印象を受ける。頭はいいが知的と言うより悪知恵が働くと言った方がいいような、そんな感じ。
既存の小説にありがちな沖田総司像を見事ぶち破ってるところも好印象。すごく個人的な意見だけどはかない美少年然とした沖田よりもずっと人間味があって好きだ。
悪ぶっている土方とそれをひょうひょうと受け流す沖田の掛け合いが秀逸。だけど面白いだけではないのが中場利一。物語の随所にぽろりぽろりと影がちりばめられている。近藤、土方、沖田の美化しすぎない関係性が絶妙。
時代小説が苦手な人もこれなら絶対読めるはず。
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小説・文芸
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