検索結果

  • 笠雲
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    明治維新後、富士山麓の開拓にのりだした清水次郎長。一の子分の大政こと政五郎は新時代の中で「夏火鉢」扱いに甘んじていたが、現場を任され一筋縄ではいかない男どもをまとめあげてゆく。だが動員された囚人の脱走騒ぎに続き、古参の子分・相撲常(すもうつね)が変死。事件のからくりに気づいた政五郎の怒りが爆発する(講談社文庫)
  • かってまま
    3.6
    不思議な少女、おさいの「さい」は才? 災? 賽? 謎と人情が心に沁みる七つの物語。著者渾身の連作短編集。 【あらすじ】 不義の恋の末に、この世に生を享けた美しい娘・おさい。 江戸を襲った大火によって彼女の数奇な運命は回り始める。 遊女、女スリ、大盗賊の娘、そして若き天才戯作者――出会った人の心を少しずつ揺らし、救いながら、おさいは誰かをずっと待っている。 果たして誰が、いつ……?
  • 葛飾北斎殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿
    3.8
    ご先祖は八丁堀同心――若き歴史探偵が謎に迫る! 東京スカイツリーにほど近い葛飾北斎ゆかりの寺の前で世界的デザイナーの近田流星が遺体で見つかる。歴史研究家・月村弘平の恋人で警視庁刑事・上田夕湖が捜査するが有力な手掛かりは見つからない。一方、北斎の傑作〈富嶽三十六景〉をテーマにしたツアーに参加した月村も富士山で死体と遭遇し――北斎と事件の謎に迫る、書き下ろし歴史トラベルミステリー!
  • 鎌倉残影 歴史小説アンソロジー
    3.6
    2022年の大河ドラマで描かれた、いくつもの野望と愛が交差する鎌倉時代。そんな武士の世への転換点を駆け抜けた人々――源頼朝、北条政子、後鳥羽上皇、和田義盛、そして北条義時。歴史小説の名手たちが彼らの面影を丹念に描き上げた珠玉の小説集! 義時の恋が、政子の激情が、鎌倉の光景をありありと蘇らせる。
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国
    4.5
    榎本釜次郎武揚。日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男。旗本出身ではあるが、海軍伝習所に学び、三年半ものオランダ留学を経験した男。科学者であり、技術者であり、万国公法に通じた法学者―幕末から維新を駆け抜けた、「武士の鑑」か「武士の風上にも置けぬ」裏切り者か。真にあるべき「新しい日本」を唯一捕りに行った、不屈の挑戦の物語!
  • からくり乱れ蝶
    3.0
    幕末、甲斐の侠客・竹居の吃安の娘お冴えは売り出し中の若親分・黒駒の勝蔵と愛しあうが、吃安が獄死し一家は離散する。女壺振りに身を変えたお冴えは、清水の次郎長と抗争を続ける勝蔵を助けるため次郎長に近づくが、逆に惚れ込まれて後添いに……。二代目お蝶の短くも鮮烈な生き様を描く傑作時代小説。
  • 空っ風
    3.0
    5尺そこそこの体に3尺余の長脇差。抜群の喧嘩度胸と居合抜の腕で「清水一家の狂犬」と恐れられる小政こと音五郎。すさんだ心の傷を埋めるのは、幼なじみ・てるへの想い。だが、そのために大喧嘩に間に合わなかった小政は、一家の中で孤立してゆく。時代に牙をむく男の生涯を描く、新世代股旅物の傑作。(講談社文庫)
  • 完結記念!! 「百舌シリーズ」ガイドブック
    無料あり
    5.0
    スタートから33年――、ついにシリーズ完結!! 本シリーズの完結を記念して、小社PR誌に掲載された俳優・西島秀俊さんとの対談や「劇場版 MOZU」の監督・羽住英一郎さんとの対談、シリーズ全体を振り返る著者インタビューを収録したデジタルガイドブックを配信いたします。さらに百舌シリーズの試し読みも収録。公安と殺し屋の攻防を描いた“伝説の物語”を見届けろ! 逢坂剛の世界をより広く知るために、小社配信のほか作品の試し読みも収録。

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  • 破斬 決定版~勘定吟味役異聞(一)~
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    1~8巻770円 (税込)
    兄の急逝で家督を継いだ旗本・水城聡四郎は、将軍家宣側近の儒者・新井白石によって、勘定吟味役に取り立てられる。勘定に疎い聡四郎だったが、巨額の金が動いた普請に目をつけたことから、見えざる敵が蠢きだす。はたして幕府に巣食い、蜜を吸っていた者とは――。聡四郎が襲い来る刺客に一放流で立ち向かう! 聡四郎シリーズの「原点」が決定版として登場。
  • 勘定侍 柳生真剣勝負〈一〉 召喚
    3.4
    大坂商人、柳生一族の陰謀に巻き込まれる! 時は寛永十三年――江戸城黒書院に呼び出された、惣目付を務める柳生但馬守宗矩。 上段の間の襖が開くと、老中の堀田加賀守より、「役目に奨励をもって、四千石を加増する」との旨が伝えられた。 本禄の六千石と合わせて、ついに一万石となり、晴れて大名となった柳生家。 だが、宗矩の顔は沈んでいた。 大名を監察する惣目付が、大名になっては都合が悪いためだ。 案の定、宗矩は即日惣目付を解かれ、監察される側に回されてしまう。 惣目付時代に買った恨みから、痛くもない腹まで探られてはかなわない。 なにしろ旗本から大名になれば、典令や家政が大きく変わるため、隙を生みやすいのだ。 一族最大の危機から逃れるべく、策を講じなければならなくなった宗矩は、なかでも武士が苦手とする金勘定が危ういと考え、ある秘策を思いつく。 なんと、大坂一と言われる唐物問屋淡海屋七右衛門の孫である一夜を召し出すという。 いったい柳生家と一夜は、どんな関わりがあるのか? 武士となった一夜に、宗矩の嫡男である十兵衛は、柳生家の者として剣術を身につけよと新陰流を指南するが……。 果たして一夜は柳生家を救えるのか? 痛快時代小説シリーズ第一弾!
  • “勧善懲悪”大いに結構 西部劇は男のロマン
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 逢坂剛さんと月村了衛さんが、愛してやまない「西部劇」について語り合った。逢坂剛さんの「西部劇ベスト10」には何が入っているのか? 月村さんの「マカロニ・ウェスタントップ10」は? そして、西部劇に復活の可能性はあるのか? ファン必読。
  • 関東郡代 記録に止めず 家康の遺策
    3.4
    将軍家から格別の恩恵を賜っている伊奈家は、関東郡代を世襲し権勢を誇っていた。その裏には神君家康が隠匿した莫大な遺産を護るという役目が。だが、逼迫した財政を立て直すべく、幕府重鎮・田沼意次がその奪略をもくろむ。当主・半左衛門は武と智を尽くして応戦するが……。やがて迎えた対決の時、死してなお世を揺るがす家康の策略が明らかになる!
  • 奸婦にあらず
    -
    その美貌と聡明さを武器に、忍びとして活躍する村山たかは、ある時、内情を探るために近づいた井伊直弼と激しい恋に落ちる。だが、苛酷な運命が二人に襲いかかって……。著者の代表作が新装版で登場!
  • 奸婦にあらず
    3.3
    井伊直弼の密偵、村山たかの数奇な一生を描いた第26回新田次郎賞受賞作 【あらすじ】 彦根・多賀大社で忍びの者として育ったたかは、内情を探るため接近した井伊直弼と激しい恋に落ちる。 しかしその後2人を過酷な運命が待ち受ける……。
  • 完本 妻は、くノ一(一) 妻は、くノ一/星影の女
    -
    涙が出るほど純であり、 ぶれずに生きる彦馬を愛してください。 ―― 十代目 松本幸四郎 愛した妻は、敏腕くノ一だった!? 狭い江戸ですれ違い続ける二人に目が離せない、 時代小説の金字塔が読みやすく進化した「完全保存版」になって登場! 平戸藩御船手方書物天文係の雙星彦馬は、天体好きの変わり者。 そんな彦馬の下に、織江という嫁がやってきた。 彦馬は、美しく気が合う織江を生涯大切にすると誓うも、わずかひと月で新妻は失踪してしまう――織江は平戸藩の前藩主・松浦静山の密貿易疑惑を探るため、幕府が送り込んだくノ一だったのだ。 そうとは知らない彦馬は、織江の行方を追って江戸へ。 様々な謎を解きながら愛する妻を捜す、彦馬の新たな暮らしが始まった! ★加筆・修正をした“最終版”。 ★第1巻には執筆裏話満載の書き下ろし「あとがき」を収録。
  • 合本 あくじゃれ瓢六捕物帖【文春e-Books】
    -
    牢屋敷に捕らわれの身の、世之介ばりの色男・瓢六と、無骨な同心・篠崎弥左衛門との凸凹コンビが、難事件を次々に解決する痛快時代小説!シリーズ全5冊がこの1冊に。 【あらすじ】 『あくじゃれ 瓢六捕物帖』 絶世の色男、粋で頭も切れる目利きの瓢六が、つまらぬことで小伝馬町の牢屋敷に放り込まれた。 ところが丁度同じ頃起きた難事件解決に瓢六の知恵を借りるため、与力・菅野一之助は日限を切っての解き放ちを決める。 『こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖』 晴れて無罪放免となった瓢六だが、お袖と熱々の平和な日々も長くは続かない。 わけありの母子を匿ったり、瓦版を作ったり、そして今度はお袖が牢に入れられる……!? 粋で愉快でほろりとする六篇を収録。 『べっぴん あくじゃれ瓢六捕物帖』 売れっ子芸者のお袖との仲も円満、親友に恋の指南もするとびきりの色男・瓢六。智恵と愛嬌を買われ駆り出されたある事件の聞き込みで、致命的なミスを犯してしまう。 自分には何かが欠けている――お袖とも離れ、重い心を抱えた瓢六は、事件の陰にいる謎の美女を追い詰められるのか。 『再会 あくじゃれ瓢六捕物帖』 天保の大火でお袖を失い自堕落な生活をおくる色男・瓢六。 しかし老中・水野忠邦と“妖怪”鳥居耀蔵の陰謀に苦しむ人々を見ていられず、また謎の武家女性・お奈緒の魅力に導かれるように、相棒の堅物同心・篠崎弥左衛門と幕政の理不尽に立ち向かう。 『破落戸 あくじゃれ瓢六捕物帖』 文化人を弾圧し悪名高い「天保の改革」。 瓢六は弥左衛門やお奈緒らと陰に陽に立ち向かうが、やがて圧政者たちも決して一枚岩ではないことに気付く。 「妖怪」こと鳥居耀蔵の裏切り、それによる水野越前守の失脚と復活。一方瓢六は勝家の若き当主・麟太郎と親交を深める。
  • 【合本版】若さま同心 徳川竜之助(新装版シリーズ全13巻収録)
    NEW
    -
    【本電子書籍は『若さま同心 徳川竜之助 〈新装版〉』シリーズ全13巻を1冊にまとめた合本版です。重複購入にお気を付けください】 御三卿・田安徳川家の十一男に生まれついた徳川竜之助は、御曹司の身分を隠して江戸の町を守る見習い同心となり、持ち前の聡明さと機転、そして練達した剣の腕によって様々な事件を颯爽と解決していく。 剣戟あり、人情あり、ユーモアもたっぷりの長編時代小説の新装版が全13巻収録の【合本版】として登場! 風野真知雄の人気作『若さま同心 徳川竜之助 〈新装版〉』シリーズ、その魅力あふれる作品世界を是非最後までご堪能ください。 《収録一覧》 「消えた十手」「風鳴の剣」「空飛ぶ岩」「陽炎の刃」「秘剣封印」「飛燕十手」「卑怯三刀流」「幽霊剣士」「弥勒の手」「風神雷神」「片手斬り」「双竜伝説」「最後の剣」
  • 希以子(小学館文庫)
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    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 東京・下町生まれの希以子には二人の母親がいた。養母マツには美しい娘・美佐緒がおり、希以子にとってはあこがれの存在だった。しかし、生母よしが男と出奔したころから人生の歯車が狂い出す。大洪水や関東大震災に被災して人の命の儚さを知り、美佐緒の嫁ぎ先の長男・市太郎と互いの愛を確かめ合うも許しを得られずに離別。親のすすめで結婚するが、夫の暴力に耐えかねて離婚。その後、満州で成功した市太郎と再会。彼の誘いのままに、幼子を連れて大陸に渡るが…。苛酷な運命に翻弄されながらも、激動の時代を、明るく逞しく生き抜いた女の物語。
  • 消えた将軍 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    -
    「大奥同心・村雨広の純心 新装版」シリーズ第2弾! 大奥に忍び込む暗殺集団を撃て! 怒濤の時代エンターテインメント!! 新将軍、危機一髪! 異形の忍者が将軍を襲う―― 一途な愛で大奥を守り抜け! 自らが将軍となるため、幼い将軍・家継の暗殺を目論む紀州藩主・徳川吉宗。 配下の忍び・川村幸右衛門は御三家尾張藩の忍びの頭領・柳生幽斎たちを心理的に操り、家継を狙わせる。 異形の忍者たちが江戸城に潜入していることを察知した村雨広たち同心との対決の行方は? 一方、大奥を仕切る年寄の絵島は歌舞伎役者の生島新五郎に心奪われて…。
  • 奇策―北の関ヶ原・福島城松川の合戦
    3.7
    独眼竜vs.老将!圧倒的な軍勢に真っ向立ち向かった、知られざる“北の関ヶ原”。――慶長五年(1600)、東北の覇権を狙う伊達政宗が二万の兵を進めるなか、福島城を守る上杉方は僅か四千だった。圧倒的不利の中、裏切りの常習者である福島城代・本庄繁長は、いかにして戦うか!?

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  • 帰蝶
    3.7
    「上さまは、いつから、悪鬼に魂を売りわたされたのか――」夫・信長が、神をも畏れぬ所業に手を染めていく。歯止めをかけるべく、出身である美濃の家臣たちの期待を一身に背負った正室・帰蝶(濃姫)は、残虐さをあらわにしていく夫に怯えながらも織田家の奥を束ね、したたかに、たくましく生きていく。そんな帰蝶が心を許せるのは、美濃衆と、心の友とも言えるあの男だった……。そして起きた本能寺の変――。信長に叛旗を翻したのは、帰蝶の従兄・明智光秀。光秀に最後の決断を促したのは、一体誰なのか。織田家の要となった帰蝶の運命はいかに。大胆な発想を交え、女の目線から信長の天下布武と本能寺の変を描き切った衝撃作。解説は、作家で、同じく帰蝶を題材に小説を執筆している宮本昌孝氏。
  • キッドナッパーズ
    3.3
    オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも
  • キッドナッパーズ【文春e-Books】
    -
    直木賞作家・門井慶喜のデビュー作「キッドナッパーズが電子版で登場! オール讀物推理小説新人賞を受賞した、逆転また逆転の誘拐ミステリー。 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! 宮沢賢治の父・政次郎を描いた『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞した門井慶喜さんのデビュー作。 2003年のオール讀物推理小説新人賞受賞作です。 [オール讀物推理小説新人賞「選評」から] 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員)
  • 牙をむく都会(上)
    4.0
    行きつけのバーで出会った女は、業界最大手の広告会社の社員だった。彼女の依頼で、現代調査研究所所長・岡坂神策は、映画祭プロジェクトのPRを手がけることに。一方、新聞社が主催するスペイン内戦シンポジウムのコーディネーターも引き受ける。二つの依頼の背後から、戦後史の重大な疑惑が浮上する。
  • きままな絵筆
    3.0
    カラフルで楽しい、絵入り身辺エッセイ集。 パリの小さな広場に出ている花売りのマダムが、あまりにきれいだったので、広場の端からスケッチをした。マダムはそれと気づいたが、少しも嫌な顔をせず、婉然たる微笑を送ってよこした──。幼いときから絵を描くことが好きだった池波正太郎が、「うまく描けたかしらん」と、はにかみながら発表した、絵と小文。
  • 鏡影劇場(上)(新潮文庫)
    4.0
    1~2巻1,100円 (税込)
    ある日、逢坂剛氏のもとに奇妙な宅配便が届いた。中身は旧式のフロッピディスク。添付の手紙にはフロッピ内の原稿を読んでほしいとあった。差出人は〈本間鋭太〉なる人物で、タイトルは「鏡影劇場」。物語は、マドリードの古書店から始まっていた……。謎だらけの古文書、十九世紀の異端作家ホフマンにまつわる秘密。東京で進む解読は、予想外の事態を出来させ、謎はいっそう深まっていく。
  • 侠客 (1)
    完結
    -
    悪を以て悪を制す――― すべての「侠」はここから始まる 後の大侠客・幡随院長兵衛となる若者がいかにして「侠」の道に歩み入ったのか…… そこには、権力者に恭順することをよしとしない江戸時代初期を生きる漢たちの壮烈な魂があった―――― 『仕掛人 藤枝梅安』に続く池波正太郎の傑作ノワール、待望のコミカライズ!!
  • 侠客 上
    -
    夕立に煙る路上で六人の刺客に襲われた塚本伊織は、息子の伊太郎(のちの幡随院長兵衛)に「からつ」と言い残して死んだ。流浪の末に奉公先を得た二十歳の伊太郎は、父の死の謎を解いて敵を討つため、三千石の大身旗本、水野百助の援助で元唐津藩士だった茂平次を彦根に探し出す。そしてすべてを知ることになるが……。江戸一の〈人いれ宿〉を営む山脇宗右衛門の元に身を寄せる伊太郎。だが、その背後に刺客が迫る。
  • 侠客(上)
    4.0
    「お若えの、お待ちなせえやし」――名調子の主は幡随院長兵衛。その波瀾万丈の生涯は、ある刃傷沙汰から始まった。塚本伊太郎(後の長兵衛)は父を殺され、仇討ちを決意。が、伊太郎も刺客に襲われて重傷を負う。その後、親友の旗本水野十郎左衛門の協力で、父の主君であった唐津の殿様の異常な性格を知る。決意を胸に秘めつつ、伊太郎は恩人の山脇宗右衛門の元に身を寄せるが……。
  • きりきり舞い
    3.4
    『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘、舞。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘であるお栄たち居候に翻弄される日々だった。十八歳だというのに縁談はみな父が壊してしまう。そんな舞を武家の若者、野上市之助が見初めた。今度こそ恋が実るか!? 奇人変人に囲まれた娘が懸命に生きる姿を、ユーモアと人情味たっぷりに描く時代連作集。
  • きりきり舞いのさようなら
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    文政の大火で焼け出された人気戯作者十返舎一九一家。娘の舞を頼りに、亭主の尚武、養子の丈吉、継母のえつ、葛飾北斎の娘お栄と、奇人変人の面々が命からがら逃げ出して、北斎先生の借家でいちから出直す悪戦苦闘の日々。幽霊騒ぎ、盗難騒ぎ、ついには一世一代、十返舎一九の野辺送りと、尽きない騒動に舞の苦難は今日も続く、きりきり舞いの人気シリーズ最新刊!
  • 金の殿
    3.6
    江戸中期、美人画に現をぬかす毎日を送っていた尾張藩主・徳川宗春は側近の星野にもらった将軍吉宗公からの贈り物・南蛮の煙草を吸って気を失ってしまう。目覚めてみると、そこは現代の名古屋市で!? 星野の子孫・すずに導かれ、江戸と現代を往復する宗春。様々な美女との出会いを糧に、倹約第一の天下に抗う破天荒な名政策を考案しはじめ…。惚れて、踊って、世を救う! 尾張の恋するお殿さま――徳川宗春、現代に現る…!? 『超高速参勤交代』の著者がおくる、驚愕の時代エンターテインメント!!
  • 逆襲の地平線
    3.7
    一八七六年、アリゾナのとある町。複雑で壮絶な過去を持つ十七歳の少女、記憶喪失のサムライとチームを組んだ、凄腕の賞金稼ぎトム・B・ストーンの元に「仕事」が舞い込んだ。莫大な報酬と引きかえに、十年前、コマンチ族にさらわれた少女を連れ帰ってほしいというのだが……。広大なアメリカを縦断する決死の追跡が始まった。
  • 銀河鉄道の父
    4.3
    第158回直木賞受賞作、待望の文庫化! 『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。 清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。 家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。 普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。 しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。 その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。 天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。
  • 空白の研究
    3.5
    季子が夫の愛人を殺したことは、本人の自白からも、証拠品などからも間違いないらしい。だが、裁判までの過程で、供述に微妙なぶれがあるとして、精神鑑定の依頼を受けた祝田が、犯行時の一瞬の空白を探ってゆくと……。表題作他、心理分析を背景にして描く奇妙な味のミステリー集。
  • 傀儡に非ず
    3.8
    類まれな知略と胆力を見込まれ、織田信長の膝下で勢力を拡げた荒木村重。しかし突如として謀叛を企てる。明智光秀、黒田官兵衛らが諫めるが村重は翻意せず、信長の逆鱗に触れた。一族郎党皆殺し。仕置きは苛烈なものだった。それでも村重は屈せず逃げ延びることを選ぶ。卑怯者の誹りを受けることを覚悟の上で、勝ち目のない戦に挑んだ理由とは。そこには恐るべき陰謀が隠されていた──。
  • 楠の実が熟すまで
    4.0
    期限は初冬、楠の実が熟すまで。21歳の利津は、御徒目付を務める伯父に命じられ、潜入捜査のため京の下級公家・高屋家に嫁いだ。安永年間、禁裏での出費増大に頭を悩ませた幕府は、公家たちの不正を疑うが、探索のため送り込んだ者たちは次々に謎の死を遂げていた。最後の切り札として単身乗り込んだ女隠密・利津は、高屋家に夫の弟・右近が幽閉されているのを知る。証拠はどこに…? 著者の新境地を拓く、長編時代ミステリー。
  • 死霊大名 くノ一秘録1
    2.7
    伊賀国最強のくノ一・青蛾が育てた娘・蛍――。16歳の若きくノ一は千宗易(千利休)の意を受け、父とともに戦国最大の悪漢・松永久秀を探る。そこで目にしたのは「死と戯れる」秘技だった――。死霊が増殖する動乱の世で、蛍は父を助けるため悲壮な闘いに挑む。気宇壮大なスケールで描かれる「くノ一秘録」シリーズ、ついに始動!
  • 雲霧仁左衛門(前)
    4.1
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。

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  • 雲霧仁左衛門(前後)合本版(新潮文庫)
    3.0
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。 ※当電子版は新潮文庫版『雲霧仁左衛門』前後巻をまとめた合本版です。
  • 雲ながれゆく
    3.9
    老舗菓子舗「笹屋」の若後家・お歌は、雨宿りのひととき、行きずりの謎の浪人に手ごめにされてしまう。体も大きく気が強い自分が、犯されて抵抗しなかったことに納得がゆかぬお歌だったが、奇妙な再会をとげ、やがて男への憎しみは愛しさへと変わってゆく。少女のようにときめくお歌。二人の深まる恋は、ひょんなことから敵(かたき)討ちの助太刀に発展し、やがて迎える別れの朝…。江戸に生きる勝気な女の姿が、21世紀の日本人をも魅了する、新感覚の長篇時代小説。
  • 遊郭医光蘭 闇捌き(一)
    5.0
    吉原で開業する医師・光蘭。遊女を治療するかたわら持ち前の医学知識を駆使して事件を腑分けし、公儀が裁けない悪を闇で捌く!
  • 黒船秘恋
    3.7
    黒船来航、台場建造で騒然とする江戸品川。川越藩樋口家の主・杢右衛門と妻・沙代は、台場守備の陣屋築造のため、下屋敷に移り住むことになった。砂塵が舞う仮住まいの暮らしに、みおという砂まみれの女が下女としてやってくる。そして夫の朋友彦三郎も同居することに……。夫と妻と女と男、妖しく揺らぐ恋情を、新たな時代の息吹のなかに濃やかに描き出す長編小説。
  • 黒幕
    3.8
    徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。

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  • 軍師の挑戦 上田秀人初期作品集
    4.1
    桶狭間、忠臣蔵、桜田門……歴史を変えた事件にひそむ謎を大胆に解き明かしていく。推理する歴史探偵もまた、後世の歴史上の人物がつとめる。興趣あふれる厳選八編。
  • 決戦!賤ヶ岳
    3.7
    ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。今回の舞台は豊臣秀吉の天下を決定づけた、もう一つの天下分け目である「賤ヶ岳の戦い」。そして、描かれるのは「賤ヶ岳の七本槍」として名高い、加藤清正、福島正則、片桐且元ら七人の武将。新進気鋭の若手歴史小説家たちが、若武者たちの戦いと、その後の人生を活写する!
  • 決戦!新選組
    3.7
    葉室麟が、門井慶喜が、土橋章宏が「新選組」を描く! 累計28万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。 戦国時代の著名な戦場を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は初の幕末。 「新選組」の活躍と悲哀を、当代きっての人気作家が描き出す。
  • 決戦!関ヶ原 徳川家康編 人を致して
    -
    1~7巻202円 (税込)
    幼少期は人質として、成年しても織田信長や豊臣秀吉、はたまた口うるさい家臣にまで"使われてきた"苦労人の徳川家康。秀吉が死に、ようやく天下取りのチャンスがまわってきた家康の屋敷を、"あの男"が訪ねてくる。
  • 剣客群像
    3.0
    女武芸者の佐々木留伊が、夜の町に出没して<辻投げ>をおこなうのも、つまるところは、男を漁り男を得、子を生み妻となり母となりたいがためのことなのである──という書き出しで始まる「妙音記」は、美しく強い女の人生の転機をユーモラスに描いている。ほかに試合で負けたものは勝者の弟子になるという、奇怪な申し出で闊歩する男たちを描いた「秘伝」など、小気味よい江戸の日常を背景に、エロスに根ざす人間の欲望を個性ゆたかな剣客の姿を機智をもってとらえた七篇。
  • 喧嘩旗本 勝小吉事件帖
    4.0
    口先と押しの強さは天下一品! 勝海舟の父、最強にして最低の親ばか小吉。無頼がたたって座敷牢に閉じこめられていた。牢での暇をもてあますあまり、奇妙な才能を開花させた。江戸市中で頻発する事件の謎を、たちどころに座敷牢探偵(アームチェア・ディテクティブ)するのだ。涙あり、喧嘩あり、これぞ人情時代小説!
  • 喧嘩旗本 勝小吉事件帖【合冊版/全3巻】
    -
    ガキの頃から金に目敏いろくでなし。そのくせどこか抜けていて、懐はいつもぴいぴいの本所界隈一のバカ侍― 幕末の雄、勝海舟の父小吉は積年の悪行のせいで実家の座縛牢へ幽閉された。ところが無頼の顔役は、反省どころか悪友の早川又四郎に市中を騒がす怪事件の数々を集めさせた! 江戸の座敷牢探偵が私欲のために謎を解く、痛快時代小説の傑作、全3巻の合冊版!
  • 西郷盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.0
    元幕臣で北辰一刀流の達人の写真師・志村悠之介は、ある日「西郷隆盛の顔を撮れ」との密命を受ける。鹿児島に潜入し西郷に接近するが、美しい女写真家、人切り半次郎ら、一筋縄ではいかぬ者たちが現れ……。
  • ニコライ盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.3
    来日中のロシア皇太子が襲われるという事件が勃発。襲撃現場を目撃した北辰一刀流の達人にして写真師の志村悠之介は事件の真相を追うが……。明治政府を震撼させた大津事件の謎に挑む、長編時代小説。 ※本書は二〇〇一年八月、新人物往来社より刊行された単行本「ニコライ盗撮」を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 鹿鳴館盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.3
    写真師で元幕臣の志村悠之介は、幼なじみの百合子と再会する。彼女は子爵の未人となり鹿鳴館の華といわれていた。逢瀬を重ねる二人は鹿鳴館と外交にまつわる陰謀に巻き込まれ……。大好評"盗撮"シリーズ!
  • 剣の天地(上)
    3.9
    時は戦国――のちに「剣聖」と仰がれる上泉伊勢守は関東制覇の要衝・上州は大胡の城主。上杉謙信・武田信玄・北条氏康の野望に巻き込まれ、戦場から戦場へ体を休める暇もない。その武勇を「上州の一本槍」と天下に轟かせるも、一介の剣士として剣の道に没入できる平穏な日々の訪れを秘かに願う伊勢守だった。折しも国盗り合戦は佳境を迎え、上州の勢力図にも大きな変化が……。

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  • 剣法一羽流
    3.0
    諸流派が日本各地に盛名を競った天正年間、常陸の剣客諸岡一羽斎の、剣の理法と謎の秘伝書は、3人の高弟たちを翻弄する。力と技では及ばない、「剣の心」を渇望する剣士たちの死闘を描く表題作他、人斬りに失敗した刺客、秘命に斃(たお)れた隠密、悪名高い復員兵等、男の人生の風雪を鮮烈に描く、初期傑作短編集。
  • 元禄お犬姫
    4.0
    中野で犬小屋支配を勤める森橋家の娘・知世は、母の療養のため、祖父、弟ともども小石川の剣術稽古場・堀内家の離れに移り住む。彼女は、どんな犬でも手懐けてしまうことから、「お犬姫」と呼ばれている。家族や道場の人々との語らい、仇を追う浪人への恋心、盗賊一味との対決、そして赤穂浪士の討ち入り。知世の周囲で織りなされる、さまざまな人間模様、犬模様を、やわらかに、あたたかく描いた時代小説。〈解説〉安藤優一郞
  • 恋ぐるい
    4.0
    才能に溺れて落ちていく男に、女は一途な想いを寄せ、慕い続ける…稀代の才人・平賀源内と野乃との人知れぬ恋。本草学者、戯作者で発明家としても一世を風靡しながら、取るに足らぬ男を殺めて入牢した源内は、獄中で回想と妄想に身悶えしながら、野乃との狂おしい交情を憑かれたように綴る―しくじり続きの男をひたすらに愛した女の情愛を描き尽くす時代長篇。
  • 恋の川、春の町
    3.3
    女に愛され、ふざけながら、幕府に挑んだ男。 武士ながら戯作者として人気を博した後、謎の死を遂げた恋川春町。 六人の女を通して描く、その情けなくも愛おしい、不器用な生き様が胸に迫る――。 「妻は、くノ一」著者、全力の自信作! 駿河小島藩の年寄本役・倉橋寿平のもう一つの顔は、江戸で人気の戯作者・恋川春町であった。 戯作者としての矜持は、黄表紙を通じお上を批判しながら、人々を楽しませること。そして探し求めるのは、共に世の中を遊べる“菩薩のような女”――。 しかし、定信による娯楽の規制は厳しさを増してゆく。 女たちと関わりながら、定信からの呼び出しを無視し続ける春町だが、盟友の朋誠堂喜三二は筆を折り、さらに江戸一の人気戯作者の座は若き山東京伝に奪われつつあった。 悩みぬいた春町が辿り着く先は? 笑えて泣ける戯作者魂と恋模様を、洒脱な筆致で描ききった勝負作。
  • 恋ほおずき 完全版
    3.5
    女ゆえに、女たちを苦しみの淵から救いたい―― 時は天保、江戸は浅草田原町。恋の痛みをいやしてくれる若き「女医者」がいた。自身も切ない過去を抱え、この道へ進んだ彼女だが、叶わぬ恋に落ちてしまう。あろうことか、子堕ろしを取り締まる同心と……。女たちの悲哀と恋模様を巧みに織りなした時代長篇。新たに最終章を書き下ろした完全版。
  • こちら警視庁美術犯罪捜査班
    3.1
    1巻660円 (税込)
    新米刑事の三田村豪気が配属されたのは、警視庁捜査二課美術犯罪捜査班。そこは、美術品犯罪に対応する警視庁唯一の部署。やる気と体力は人一倍だが、美術にはとんと疎い三田村は、抜群の鑑定眼をもつ美貌の上司・岸すみれの薫陶のもと、にわか仕込みの知識を駆使して、狡猾な詐欺的ビジネスを続ける美術品販売会社の犯罪を暴こうとするが……。美術ミステリーの新境地!
  • ことり屋おけい探鳥双紙
    -
    姿を消した夫の帰りを待ちながら鳥を商うおけい。美しい娘が鳥に興味がないのに紅雀、相思鳥と次々と買い求める理由とは?店に持ち込まれる様々な事件を解決しながら、しなやかにたくましく生きるおけいと市井の人々を活写した、清々しい時代小説。
  • この世にひとつの本
    3.5
    「ユーレイが消えた!」――著名な書家の幽嶺が、山奥の庵から忽然と姿を消した。後援していた大塔印刷では、御曹司の三郎に捜索をまかせることに。だが、工場でもあいついで病死者が出るという異常な事態が起こっていた。これは会社存亡の危機だ! いささか頼りない三郎は、有能な社長秘書の南知子と、切れ者ながら史上最速で窓際族になった社史編纂室の建彦の助けを借り、事件を探りはじめる。病死はただの偶然か、それとも無版印刷をめぐる陰謀なのか? そして、一見まったく関係がなさそうなそれぞれの事件は、世界に一冊しかないある書物へと、つながっていき――。「文字」を愛する活字中毒者に贈る傑作ミステリ。/解説=古山裕樹
  • 木もれ陽の街で
    4.0
    昭和26年、恋はまだひそやかな冒険だった――。 向田邦子をこよなく愛する著者が初めて描く昭和の恋 【あらすじ】 戦争の記憶がまだ新しい、けれども人々の生活が徐々に活気を取り戻し始めた昭和26年の東京・荻窪。 丸の内の商社に勤める小瀬家の長女、公子は、崩れた魅力を放つ画家の片岡と知り合い、惹かれていくが……。
  • 狐狸の恋―お鳥見女房―
    4.0
    夫伴之助が任務を終えて家に帰り、矢島家には平穏が戻りかけていた。お鳥見役に任命された長男久太郎には縁談が持ち上がり、次男の久之助にも想い人が……その成長は頼もしいが、久太郎の相手は一家の敵・老中水野忠邦に連なる家の娘、久之助の見初めた娘にも家がらみの事情があった――子らそれぞれの幸せを願って温かい珠世の笑顔が、家族の絆を支える好評シリーズ、第4弾。
  • コルドバの女豹
    4.0
    強烈な太陽。薄暗い路地。カスタネットの響きと闘牛の雄叫びの町スペインを舞台に、ファシストが、王党派が、共産党が、トロツキストが、アナキストが、ETAが、血で血を洗い、裏切りで裏切りを裂く。――この恐怖と魅惑の町にいま、黒い情念と極秘の使命を帯びた謎の日本人たちが侵入してきた……。
  • 殺しの掟
    3.8
    江戸の暗黒街。昼間は実直な職人や清貧の剣客が、夜闇の中では金ずくで人を殺める殺し屋に変貌する。法の裁きの及ばぬ悪を闇から闇へ葬る裏稼業の男たちの非情さと日常に立ち戻った瞬間ふと見せる人間味を、練達の筆致で描く著者十八番の暗黒小説集。人気シリーズ“仕掛人・梅安”の原型をなす傑作9編を収録。
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖
    4.0
    色男・瓢六が大活躍。人気捕物帖シリーズ第二弾 晴れて無罪放免となった瓢六だが、お袖と熱々の平和な日々も長くは続かない。 わけありの母子を匿ったり、瓦版を作ったり、そして今度はお袖が牢に入れられる……!? 粋で愉快でほろりとする六篇を収録。痛快無比の時代小説。
  • 近藤勇白書
    3.5
    幕末動乱のとき、真剣なら無類の強さを発揮する天然理心流の道場主・近藤勇は、志を同じくする土方歳三、沖田総司らと江戸から京に上り新選組を結成、尊皇攘夷、倒幕を画策する長州や薩摩など西南雄藩の活動家と闘う。芹沢鴨一派との内部抗争を経て、京の池田屋に長州藩の過激派を襲い、天下にその名を轟かせるが……。幕府瓦解の前夜、一瞬の光芒を放った新選組。その局長、近藤勇の激闘の日々と隊士との交情を熱く描く傑作。
  • 号外! 幕末かわら版
    4.0
    嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
  • ご機嫌剛爺 人生は、面白く楽しく!
    3.0
    小説家、逢坂剛、77歳。直木賞をはじめ数々の受賞歴を持ち、小説家として第一線で活躍し続ける一方、フラメンコギター、スペイン語、古書収集、野球、将棋、西部劇などの映画に精通し、多芸・多趣味でも知られる。ユーモラスで温厚な人柄から、敬意と親しみを込めて「剛爺(ごうじい)」と呼ばれる小説家の<上機嫌生活>指南書。人生100年時代。仕事も趣味も楽しみ尽くして、日々を機嫌よく過ごすためのヒント満載。 下記、目次一部。 第一章 画家の父、母の早世、二人の兄 ~探求心は職人気質の父から、勉強は秀才の長兄から、遊びは多趣味の次兄から学ぶ 「小説家」の原点は画家の父/母の思い出/六畳一間の男四人暮らし/兄二人から教わったこと/お金にこだわらないセンス/ふるさとは神保町 第二章 ハメットと出会った十代、開成での六年間、ギターまみれの大学時代 ~自主性を学生生活から、創作姿勢をハメットから、修練の達成感をギターから得る 自主性を学んだ開成時代/「文才あるね」背中を押した教師のひとこと/ハメットという衝撃/英語が上達した理由/第三志望の男/法曹界を目指しかけるも……/ギター三昧の大学生活/探求の楽しみを知る 第三章 PRマン時代、スペイン ~第三志望の就職先、知恵と工夫で仕事を面白がる 再び、第三志望の男/楽しみを見出す、創る/娯楽こそが本業なのだ/初めてのスペイン、一生の出会い/どんな仕事も面白がる 第四章 二足のわらじ、直木賞受賞、サラリーマンと執筆と ~会社員と小説家の兼業をこなす中、生涯書き続ける決心をする 会社員生活の傍ら、小説執筆を再開/プロの感想を聞きたくて/〈兼業作家〉としてデビュー/無理なく続いた「二足のわらじ」/自分にとって最適なリズムで/オリジナルをとことん楽しむ 第五章 多彩、多芸、鍛錬と開花、幅広い交友 ~好きな街に身を置き、リズムとリフレッシュを交え、仕事と長年の趣味に没頭する 日常に、文化の薫りを/永遠のマイブーム/リズムとリフレッシュ/趣味はいつでも見つけられる/愛しの古本コレクション/オーダーメイドの楽しみ/逢坂流・語学上達のコツ/五十を過ぎて、野球チームを結成/いつでも動ける体を維持する/趣味仲間とディープに交流する 第六章 「終活」より「修活」だ! ~断捨離するより愛着品を楽しみ尽くし、争いごとは遠ざけて、上機嫌で過ごす 好き嫌いに忠実に/一番の刺激は、頑張る同世代/終活? まっぴらごめん!/話術はメモから/不便から学ぼう/DIYの楽しみ/デニムを着こなすには/夫婦共通の趣味は食べ歩き/まだまだ捨てたもんじゃないぞ、街中の人情/若き編集者に出した“宿題”/調べずにはいられない!/機嫌よくいる。それが一番/争いごとを引き寄せない/歳をとったら兄弟仲良く/一生勉強!(いや、娯楽気分)/一度きりの人生、好きなことを
  • 極道大名
    3.8
    久留米藩主・有馬虎之助には裏の顔がある。なんと江戸のごろつきで知らぬ者はない極道〈水天宮の虎〉なのだ。そんな虎之助だが八歳の将軍家継にはなぜか懐かれ、このかわいい将軍を支えて自分は副将軍にと目論んでいた。だがある日を境に事態は急変、かつて散散殴りつけた男の影がちらつき始め……。帰ってきた伝説の暴れん坊、新シリーズ始動!
  • ご破算で願いましては―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    3.6
    間口二間の小さな店を開いたお瑛は今年十六。両親をなくし、兄の長太郎と立ち上げた「みとや」は三十八(みとや)文均一の雑貨店だ。ところが能天気な兄が仕入れてくるのは、いわくつきの品物ばかりで……。不気味な守り刀、恋歌が書かれた五枚の不思議な絵皿、なぜか手に入った亡き父の煙草入れ。山ほどの算盤が意外な結末に結びつく表題作をはじめ、色とりどりの人間模様が心に沁みる情味豊かな六編。
  • 五分後にホロリと江戸人情
    5.0
    江戸の長屋を舞台に、当代を代表する作家たちが描いた、笑って泣ける人情絵巻。 新しいショートショートの世界をご堪能くださいませ。 江戸時代――。それは日本の歴史のなかでも稀有なほどに、 人と人が肩を寄せ合い、互いに助け合った時代。 そこには日本人の原風景ともいえる情緒が溢れていた。 長屋に集う住人たちの日常あれこれを、7人の名手が描く掌編競作。
  • 五弁の秋花―みとや・お瑛仕入帖―(新潮文庫)
    4.3
    看板娘のお瑛と兄の長太郎が切り盛りする雑貨屋『みとや』。一律三十八文が売りの小さな店だが、のんきな兄が鼻高々で仕入れてくるのは、おかしな品ばかり。大量の黄表紙、煙臭い市松人形、小花の簪、山ほどの下駄。訳あり品に秘められた下町人情、意外な縁、嫉妬の罠とは……。時代小説の名手が、背負った過去にも負けずに生きる人びとの姿を、しみじみと描き出す。好評シリーズ第二弾。(解説・中江有里)
  • 破落戸 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    円熟の江戸活劇、いよいよクライマックスのシリーズ第5弾! 文化人を弾圧し悪名高い「天保の改革」。瓢六は弥左衛門やお奈緒らと陰に陽に立ち向かうが、やがて圧政者たちも決して一枚岩ではないことに気付く。 「妖怪」こと鳥居耀蔵の裏切り、それによる水野越前守の失脚と復活。一方瓢六は勝家の若き当主・麟太郎と親交を深める。 時代はうねり、活劇シリーズいよいよ佳境へ。 解説・大矢博子
  • 水中眼鏡(ゴーグル)の女
    3.6
    黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。自宅で発生した火事によって夫を失ったことが原因かと思われたが――。治療が進むにつれ、驚愕の真実が浮かび上がっていく表題作ほか、難病の妻の介護人として雇われた女性が、歪んだ夫婦関係に巻き込まれていく「ペンテジレアの叫び」など。サイコサスペンスの傑作全三篇を収録。
  • 再会 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    新ヒロイン登場! 絶世の色男が活躍する幕末活劇シリーズ第4作 今度の敵は“妖怪”だ!  瓢六が仲間たちと立ち上がる 天保の大火でお袖を失い自堕落な生活をおくる色男・瓢六。 しかし老中・水野忠邦と“妖怪”鳥居耀蔵の陰謀に苦しむ人々を見ていられず、また謎の武家女性・お奈緒の魅力に導かれるように、相棒の堅物同心・篠崎弥左衛門と幕政の理不尽に立ち向かう。 大切な人を喪った者のみが知る優しさが漂うシリーズ第4弾。 解説・細谷正充
  • 西郷隆盛 新装版
    4.3
    「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)――作家・常盤新平氏 近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。 ※本電子書籍は、昭和五十四年四月に刊行された『西郷隆盛』(角川文庫)を底本としました。
  • 最果ての決闘者
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ究極のエンターテインメント! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。 頭部に被弾し記憶を失った土方は、彼を慕う時枝ゆらとともに、アメリカ西部へと渡った。執拗にゆらを狙う悪徳保安官・ティルマンを討った土方の元に、さらなる刺客が迫る。その正体は、美しき女ガンファイターと元・新選組隊士。全てを喪った男は、大切な者を守り抜き、記憶を取り戻すことができるのか!
  • 坂本龍馬殺人事件
    4.0
    先祖が八丁堀同心の名探偵が二人の龍馬暗殺の謎を解く! 京都の高級ホテルで〈現代の坂本龍馬〉コンテストが開かれていた。旅行中の歴史ライターの月村弘平と恋人の警視庁捜査一課・上田夕湖もそのイベントを覗いていると、偶然会ったなじみの編集者に、龍馬暗殺の珍説を書くよう依頼を受ける。その打ち合わせの後、現代の坂本龍馬が殺されたというニュースが……新感覚トラベル歴史ミステリー!
  • 錯乱
    3.5
    第43回直木賞受賞作「錯乱」他計5作品を収録した短編集。池波作品を人気を決定づけた「鬼平犯科帳」「剣客商売」な ど江戸の市井人を描き出し人間模様の巧みさは独壇場である。収録作品は表題作「錯乱」「碁盤の首」「刺客」「秘図」「賊将」の5作品。
  • 真田騒動―恩田木工―
    4.0
    信州松代藩――五代目・真田信安のもと、政治の実権を握り放縦な生活に走った原八郎五郎を倒し、窮乏の極にある藩の財政改革に尽力した恩田木工を描く表題作。関ケ原の戦い以来、父昌幸、弟幸村と敵対する宿命を担った真田信幸の生き方を探る『信濃大名記』。ほかに直木賞受賞作『錯乱』など、大河小説『真田太平記』の先駆を成し、著者の小説世界の本質を示す“真田もの”5編を収録。
  • さまよえる脳髄
    3.2
    精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。試合中、突然マスコットガールに襲いかかり、殺人未遂で起訴されたプロ野球選手。制服姿の女性ばかりを次々に惨殺していく連続殺人犯。そして、事件捜査時の負傷がもとで、大脳に障害を負った刑事。やがて、藍子のもとに黒い影が迫り始める――。人間の脳にひそむ闇を大胆に抉り出す、傑作長編ミステリ。
  • さむらい劇場
    4.0
    酒と女に溺れ家中の鼻つまみものである榎平八郎は二十一歳。七百石の旗本の三男に生れながら妾腹の子ゆえに家来にまで蔑まれている。ある夜女を抱いた帰途、何者かに襲われる。やがて、それは彼を疎む父親の命であることが判明する。徳川吉宗が将軍位について二十余年、いきいきとした時代を背景に、青年ざむらいが意地と度胸で、己れの道を切りひらいていく姿を描く長編時代小説。

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  • 沙羅沙羅越え
    3.9
    戦国時代末期。越中の佐々成政は、天下取り寸前の秀吉の野望を挫くため、孤軍奮闘していた。八方ふさがりの中、成政は、秀吉に対する徹底抗戦を家康に懇願しようと決意。敵地を避けて家康に会うには、厳冬期の飛騨山脈を越える必要があった。何度でも負けてやる――天下ではなく己の目前の道を見据えた、愚直な戦国武将。その悲哀と苦悩、誇り高き生き様を描いた本格歴史小説。第21回中山義秀文学賞受賞作。解説・末國善己
  • 三年長屋
    4.3
    ゆえあって藩を致仕した左平次は、不慮の事故で最愛の娘を失ってしまう。悲しみに暮れる左平次は、訳ありの老女の導きで長屋の大家を始めた。入居したのは、三年暮らせば願いが叶うと噂される山伏町の「三年長屋」だった。はじめは「お武家様」と軽んじられる左平次だったが、持ち前のお節介さを武器に、住人たちとの間に強い絆を築いていく。頼りになる大家と、くせ者住人たちとの心温まる関わりを描く、笑って泣ける人情小説。
  • 散歩のとき何か食べたくなって
    4.0
    映画の試写を観終えて、銀座の〔資生堂パーラー〕に立ち寄り、はじめて洋食を口にした40年前を憶い出す。外神田界隈を歩いていて、ふと入った〔花ぶさ〕では、店の人の、長年変らぬ人情に感じ入る。時代小説の取材で三条木屋町を散策中、かねてきいていた〔松鮨〕に出くわす。洋食、鮨、蕎麦、どぜう鍋、馬刺から菓子にいたるまで、折々に見つけた店の味を書き留めた食味エッセイ。

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  • 斬馬衆お止め記上 御盾 〈新装版〉
    -
    老中土井利勝はまだ安泰とはいえない徳川将軍家を盤石にすべく、外様大名の勢力を削ぎつつあった。次に狙うは関ヶ原の恨み残る信州松代真田家。取り潰しに追い込もうと策謀する。真田家では、老齢の信之から藩政を任された信政が老中の動きを察知し、斬馬衆、仁旗伊織(にきいおり)へ命を下す。「公儀隠密へ備えよ」。老中、伊賀組、戦陣坊主らの権謀術数蠢くなか、刃渡り七尺の伊織の大太刀が閃く!
  • 刺客が来る道
    -
    いわれなき罪に問われ、江戸へ命からがら逃げてきた信夫藩の元藩士・佐山壮之助。慣れない江戸で親子四人、細々と生活を始めたが、その前に壮之助を狙う刺客が現れる。斃しても次々に放たれる刺客――。壮之助は、はたして家族との生活を守りきれるのか。武士を捨て町人として懸命に生きようとする男の心情を見事に描き切った作品。風野真知雄、光文社文庫初登場。
  • 仕掛暮らし
    完結
    4.0
    「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
  • 仕掛人・藤枝梅安 全7巻合本版
    3.8
    池波正太郎「仕掛人・藤枝梅安」シリーズ全7冊を、ひとつにまとめてお届けします。
  • 四十八人目の忠臣
    4.0
    赤穂浅野家に仕えるきよは浅草小町と謳われる美女。当主内匠頭(たくみのかみ)の寵臣礒貝十郎左衛門と、夫婦の約束をしている。だが、内匠頭が吉良上野介を殿中で斬り付け、お家は断絶。礒貝は、家老大石らとあだ討ちを画策する。きよは恋と忠義のはざまで、討ち入りの日を迎える。本懐後も忠義を貫き、遺族の赦免と浅野家再興を目指し将軍家へ近づいていく……。歴史に名を残した実在の女性を描く全く新しい忠臣蔵誕生!
  • 四十郎化け物始末 3冊合本版
    3.0
    元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋の巨大な人魂、そば屋の閻魔、医院の骸骨。次々に依頼が舞い込むが、その正体は……。化け物騒動の裏に見え隠れするのは、あやうい人の心の闇。「心に闇、人が化け物――」今日も四十郎は、そう呟くのだった。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ3冊合本版!
  • 妖かし斬り 四十郎化け物始末 1
    3.6
    元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋に巨大な人魂が出るというのだ。だがその人魂の正体は…。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ第1弾。
  • 忍びの旗
    3.8
    戦乱の渦がいやおうなく忍びの世界をも巻きこんだ豊臣秀吉の治世――甲賀忍者・上田源五郎は、亡父の敵とは知らず、その娘を愛した。彼の運命を変えたのは、実にこの時であった。“忍びの生死は闇から闇へ消えるもの。だが俺は……”組織の非情の掟にそむき、執拗な追跡をうけつつも、人間の熱い血と忍者の苛酷な使命とを、見事に溶け合わせて生きぬいた男の流転の生涯。
  • しのぶ恋 浮世七景
    -
    浮世絵からうまれた7つの名篇 近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 斜影はるかな国
    4.5
    1936年、フランコ将軍らが蜂起して勃発したスペイン内戦。その最中に、ギジェルモ・サトウと名乗る日本人義勇兵がいた。通信社特報部の記者・龍門二郎は、男の足跡を取材するためスペインに飛ぶが、その裏には大いなる秘密が隠されていた――。スペインの過去と現代を舞台に描かれた、壮大な冒険ミステリー。
  • 灼恋
    3.4
    徳川の中期、将軍綱吉の時代。零落した公家の娘染子は侍女として大奥に出仕する。綱吉に見初められてその寵愛を受けるが、大奥に囚われるのを拒んだ染子は、重臣柳沢吉保の側室となり、綱吉の子を生す。二人の男との三つ巴の関係のなかで激しい恋情に身を焦がす染子。絢爛な元禄の歴史を背景に、権謀術数の渦中でも、志に燃え恋に心解き放つ女と男の、強靭な恋愛を描く長編小説。
  • シュンスケ!
    4.0
    伊藤俊輔、のちの伊藤博文は農民の子に生まれながらも、その持ち前のひたむきさ、明るさで周囲を魅了し、驚異的な出世を遂げる。新生日本の立役者の青年期を、さわやかに痛快に描く歴史小説。

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