石田衣良のレビュー一覧
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ネタバレ石田衣良の恋愛短編小説集「スローグッドバイ」を読み了える。
脛の傷、心の闇、隠したい過去を抱きながら生き抜く男女を描く10編。性を交す作品が多いけれども、そうでない作品もある。
サクセス・ストーリーへの執着が見られ、シナリオ・ライターとして成功してゆく「曜子」とそれを見守る「史郎」の「夢のキャッチャー」、イラストレーターとして「山口高作」を発掘するPR誌の「サツキ」の「線のよろこび」などがある。
憶測を交す男女が、結末でどんでん返し的に和解するストーリーを含めて、最後の表題作「スローグッドバイ」を除けば、ハッピーエンドの物語である。
「スローグッドバイ」では、2年間の同棲をしていたフ -
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Posted by ブクログ
突然、山形の工場で派遣切りに遭った若者4人。東京まで野宿をしながら歩いて帰るというひとりについて行くような感じでなんとなく始まった4人の徒歩の旅。
表紙の感じからも青春ロードムービーのような感じかな?と軽く読み始めた。
寡黙な大男、修吾、ネットおたくの伸也、中国残留孤児3世の豊泉、ふつうな主人公の陽介。旅が進むにつれて、4人のそれぞれのキャラクターの過去や抱えているものが次第に明らかになっていく。
ネットで拡散した「明日のマーチ」は次第に注目され、メディアや政治まで動き出す大きなうねりになっていく。
初めのころの素朴な野宿、一歩一歩進んでいくことの清々しさ、4人のぶつかり合いや次第にできてくる -
Posted by ブクログ
「約束 石田衣良」
2006年9月頃
僕の声はでかいわけでもないが、よく通るらしい。
5Fフロアのちょうど真ん中あたりに座っている僕は、
部署の人との会話がよく筒抜けになっているらしく、
ある日は「給料が安い。やっていけない・・」とぼやいたら、
3日後に人事部長に呼び出され、1時間会議室で説教され、
吐きそうになった。
ということで、
「最近、家で暇なときなにやっとるん?」って聞かれて、
「読書」
「珍しい・・なにをよんどるん?」って聞かれて、
「石田衣良」って言ったら、翌日、僕のとなりの空いている席(物置代わり)に、
この本が置いてあった。
1日は誰のか知らないから、放っておいたけど、
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Posted by ブクログ
短編の連作集ですが、
中でも表題作の『約束』と
『青いエグジット』と『ハートストーン』で
盛大に泣いてしまいました。
さまざまな苦しみから立ち上がり、
うつむいていた顔をあげて、
まっすぐに歩きだす人々の姿。
石田さんの作品は、いつも心をわしづかみにされたように
胸にひっかかって消えません。
私はただの読者のひとりに過ぎないけど
作家の皆様方の紡ぎだす作品世界に触れるたび
人生の深みを少しずつ感じられるような気がしています。
私もきっといつか、大切なものを失うときがくると思います。
家族や、健康や、夢。
それが大切なものであればあるほど、
失ったときの哀しみと喪失感は果てしない