石田衣良のレビュー一覧
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灰色のピーターパン
小学五年生の子供がマコトに仕事の依頼。健気な理由でパンチラ写真を売りまくるチグハグな子供とマコトとの交流。説教臭くないけど子供の心を入れ替えさせるマコトとの交流は微笑ましい。
サルとの友情もいい。
野獣とリユニオン
凶悪犯と被害者の話。裏の事情を解き明かし、誰も傷つけずに問題を解決するマコト。被害者の言葉に感動。現実にここまで割り切れる奴がいるのだろうか。吉岡やタカシも出てきて、いい味出してる。でも、いい話だね。
池袋フェニックス計画
風俗に流れた姉の救出依頼から、大きな事件へ。色々あったが、最後はマコトらしい裁きで、終わる。後味は悪くない。こういう結末があってもいいかもね -
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学生の時にこの本を見つけた時は
短編集にも30代の人達の生活や葛藤にも
全く興味がなかったのに
10年以上経った今、興味を持って
前から知ってたこの本を
買って読む気になって
読んだら
いろいろ考えさせられて
あの時と比べて
自分も何かが変わったのかな、と思った。
石田衣良さんは富裕層の表現がうまいので
自分の生き方と登場人物の生き方を比べて
今までの人生、違うの選択肢を選んだ方が
もっと幸せに生きられたのではないか。
と考えさせられることもあるけど
自分はこんな人生を選んだ
違う人はあんな人生を選んだ
っていうことを
客観的に見れれば
もっと楽に生きられるのかもしれないですね。
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アメリカ人の父を持つ14歳の時田武。事故があっても死ななかったことから〈アンダイング=不死身〉のあだ名がある。顔が東洋系ということで母とともに日本に戻ってきたが、アメリカの血を引くということで様々ないじめ、迫害を受ける。勤労奉仕や食糧不足の中、親友たちと夢を語り合い日々を送っていたが、その日はやってくる。家族を守るために、長い夜が始まった。
戦争の内容で深く暗くならずに、2つの国籍を持つ武の複雑な想いが描かれたのは、そして、厳しい生活の中での青春を描いたのは、石田さんの力だと思います。若い人に読んで欲しい内容だと思うので、硬くなりすぎずにうまくかけているのではないでしょうか。最後の方に、SF要 -
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ネタバレ石田衣良の恋愛短編小説集「スローグッドバイ」を読み了える。
脛の傷、心の闇、隠したい過去を抱きながら生き抜く男女を描く10編。性を交す作品が多いけれども、そうでない作品もある。
サクセス・ストーリーへの執着が見られ、シナリオ・ライターとして成功してゆく「曜子」とそれを見守る「史郎」の「夢のキャッチャー」、イラストレーターとして「山口高作」を発掘するPR誌の「サツキ」の「線のよろこび」などがある。
憶測を交す男女が、結末でどんでん返し的に和解するストーリーを含めて、最後の表題作「スローグッドバイ」を除けば、ハッピーエンドの物語である。
「スローグッドバイ」では、2年間の同棲をしていたフ -
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突然、山形の工場で派遣切りに遭った若者4人。東京まで野宿をしながら歩いて帰るというひとりについて行くような感じでなんとなく始まった4人の徒歩の旅。
表紙の感じからも青春ロードムービーのような感じかな?と軽く読み始めた。
寡黙な大男、修吾、ネットおたくの伸也、中国残留孤児3世の豊泉、ふつうな主人公の陽介。旅が進むにつれて、4人のそれぞれのキャラクターの過去や抱えているものが次第に明らかになっていく。
ネットで拡散した「明日のマーチ」は次第に注目され、メディアや政治まで動き出す大きなうねりになっていく。
初めのころの素朴な野宿、一歩一歩進んでいくことの清々しさ、4人のぶつかり合いや次第にできてくる