【感想・ネタバレ】西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXIIのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年11月01日

このシリーズについては、市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」...続きを読むというような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っている。本書に所収の各篇もそういう感じだ。或いは「何処となくモヤモヤしている…」に「一定の形」を与えてくれているというような気がしないでもない…
主人公のマコト達が通っていた小学校が閉校となった跡に開設されているアート活動スペースのギャラリーでのトラブル…「ユーチューバー」という人達の活動を巡る一件…容貌に妙なコンプレックスを持つ女性や、整形を巡る一件…そして表題作の「ブラックバイト」と4篇各々に面白い。
「ブラックバイト」というのは、語の定義としては、「時間を作ることが出来る時に一寸働く」という学生のバイトに関して、「学校に行けない程度のバイトになってしまって抜けられず、過酷な仕事を強いられてしまう」という状況を指すということだ。本作で登場するのは、寧ろ所謂「ブラック企業」で働く人達に主人公達が出くわして、色々と起こった騒動を何とかしようと奔走するという物語である。
「自分がどうでもいい…」と飛び降り自殺を図る若者が現れ、「そんな筈が無い!」と必死に助けようとする仲間が在り、その仲間達を何とか助けようと奔走する主人公のマコト…
人を磨り潰すかのようなやり口…そんなモノが起こる社会…「どうしてこういう時代になった?」という中で展開する物語に、強く引き込まれてしまう…そして、このシリーズの作品では関連するような題材が存外に眼に留まるような気もする。或いは「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」が増えている時世なのかもしれない…

0

Posted by ブクログ 2020年10月20日

大好きなシリーズです。時代を追っていますね。テンポの良い文体、短めのストーリー、限定された登場人物。YouTuberが1番面白かったです。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年10月14日

キングタカシ登場率高し。表題作は、キング誕生の続編としてもイカしてる。格好よすぎ。
話としてはユーチューバーが面白かった。いまいち時代設定がよくわからないが、マコトもタカシもネット関連にはかなり弱い様子(マコトは大分昔からパソコンを持っているはずなのだが。)。やってることはアホの極み、そんなネタで皆...続きを読むが見るのか不明だし、なんの意味があるのかよくわからないが、カタのつけ方はIWGPらしくて良かった。
とにかくタカシファンは読む価値あり。あと、マコトはちょっとタカシが好きすぎでは。どうしたのかと思った。

0

Posted by ブクログ 2018年09月08日

IWGPシリーズは文庫で購入と謎の縛りから待ちに待った一冊。
相変わらずエッジのきいた内容でワクワクハラハラ。
あっという間に読み終えてしまった。
キングの新たなる伝説の目撃者になってしまった…
またマコト君やキングに会いたいから、もうこの“文庫縛り”やめよう(笑)

0

Posted by ブクログ 2024年04月14日

【2024年84冊目】
アーティストと芸術破壊、ユーチューバー戦争、美醜の判断と整形話、低賃金長時間労働のブラックバイト。池袋ウエストゲートパークシリーズ第十二弾。

一作目から変わらず4つの短編集で構成されてますが、今回は表題作が一番刺さりました。低賃金で働かされる若者。そこに添えられるのはやりが...続きを読むいという名の搾取。心に残った一文は記録するようにしているのですが、今作の「おれ、誰でもいい人間はもう嫌なんです」という発言が、今の日本を表しているというかなんというか…!

どんどんと社会課題を取り入れる小説になっていってる気もしますが、それが読み手にとっては重要なのかもしれない。目を背けず、向き合わなければいけない問題が多すぎるし、もし政治家の人がこのシリーズを読んでるとすれば、フィクションとして捉えず、日本を映す鏡として読んで欲しいなと思うほどのシリーズになっていると思います。

日本の未来は正直言って暗い、けれど物語の中でだけは解決に導いて欲しいし、この本でちょっとだけ救われたりしますね。

0

Posted by ブクログ 2022年01月11日

やっぱりめちゃめちゃかっこえーなー。ブラックバイトの話でキングが久々に戦うのも、そのあとのキングとマコトとお母さんのクリスマスも。とにかくやっぱ空気感が最高

0

Posted by ブクログ 2020年01月30日

IWGPの12作目
今回のテーマは現代アート、Youtuber、美容整形、ブラック企業の4本

Youtuberってそんなに新しい話題だったか?
この小説の発表当時は2015年
もっと前からいたような気がするんだけど、タカシが詳しく認識してなかったあたり、情報のアンテナは大丈夫かね?
ま、キングは俗...続きを読む世間の事は知らなくてもいいってことか?

PVを稼ぐためにどんどん過激な方向にいく理屈はわかってはいるけど、なんとかならないものかね?と思う
その昔、テキストサイト全盛期でも同じような事があったよなぁ
別にお金が発生するわけではないけど、自分のWEBページのアクセス数を増やすために大手に喧嘩売ったり中堅同士でバトったりの、今でいう炎上マーケティングは存在した
手っ取り早くアクセス数を稼げるけど、その業界全体が殺伐として荒れていくんだよなー
まぁ、youtubeの場合は運営側がコントロールする手段があるからそうひどい状態にはならないんだろうけどさ


ブラック企業、特にブラックバイトに関しては解説で語られている通り、若い人に犠牲を強いる酷い時代になったものだ
企業として労働力の確保が困難というのは数年経った今でも変わらず
そしてそれを補うために既存の社員の負担が増えて益々ブラック化していく
企業が利益を求める集団というのはわかるんだけど、もっとその勢いが緩まないものかね
ま、そんなこと言ってたらすぐに会社が潰れてしまうんだろうね


そしてある時期からは毎回思う「マコトとタカシは今いくつよ?」問題
若者がGボーイズのキングとか言ってるのはある意味で微笑ましいけど、もうすでにおっさんな年齢になってるんだよなぁ
その辺の描写をかなり曖昧にしてるけど、このシリーズの数年後がさらに心配(笑)

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年06月03日

目次
・西池第二スクールギャラリー
・ユーチューバー@芸術劇場
・立教通り整形シンジゲート
・西一番街ブラックバイト

ユーチューバーや整形依存症など、相変わらず現代の闇を切りとるのが上手い。
しかしそれはもう、池袋だけの問題ではなくなっている。
日本全体が閉塞感に押しつぶされそうになりながらあがい...続きを読むていて、弱者にそのツケを払わせようとしているかのよう。

今の子どもたちが憧れる職業、ユーチューバー。
撮影しているか、編集しているか、企画を練っている。
一日の自分の時間のほぼすべてをそれに捧げて、ようやくユーチューバーとして食べていけるようになったころ、運営から報酬額を一方的に切り下げられる。

数年前に実際にこれが行われたのだとしたら、最近人気ユーチューバーがテレビに出るようになった理由もわかるというもの。
一生懸命作ったものが評価されているのに、金銭的に報われないというのなら、ユーチューブの世界もあまり将来性はないのかもしれないなあ。

そして表題作。
「ブラックバイト」と言っているけど、これは「ブラック企業」の告発だ。

”ひとりの人としてあつかわれない。認められない。口でいうのはカンタンだが、そいつはでたらめに人の心を傷つけることだった。おれたちのまわりには、経済の原理だけで人を切る空気ができていないか。あんたやおれは誰でもいい人間なのだろうか。”

過重労働、過剰な責任。
なのに無謀なノルマがクリアできないと人格を否定される。
「こんなこともできないお前には、この世に居場所なんかどこにもない」と面罵される。

これは若者にだけ起こることではない。
だから中高年の引きこもりが増えているのではないだろうか。
会社にそこまでする権利があるのだろうか。

労働力なんていくらでも補充できる。
人口が減りつつある日本で、どうしてそんな傲慢なことができるのかわからない。
人が人としてきちんと尊重される会社を、どうやって増やしていけるのか。
それはマコトやタカシの仕事ではなく、今の大人たちが考えなければならないことのはずだ。

0

Posted by ブクログ 2019年05月17日

相変わらず社会を風刺した太陽が面白い。
たまにはタカシやGボーイズが出ない作品があってもいいかなと思う。

0

Posted by ブクログ 2018年11月16日

池袋ウエストゲートパーク
西一番街ブラックバイト
石田衣良さん。

長瀬智也のマコト。
窪塚洋介のタカシ。
を思い浮かべながら。
昔の仲間に会うように、物語に入り込む。
やっぱり好きだ。
時代に沿うような話。
ブラック企業怖ろしい。
洗脳は怖ろしい。
マコトとタカシ。
カッコいい。仲間って良いな。
...続きを読むタカシの家族の事。
忘れてしまったから、
「キング誕生」読み直さなくちゃ。
おもしろかった。

0

Posted by ブクログ 2018年10月11日

1810 相変わらずの面白さで安心して読める。やっぱり多少の暴力が入った方がIWGPらしいスピード感が出ます。

0

Posted by ブクログ 2018年09月30日

西池第二スクールギャラリー
ユーチューバー@芸術劇場
立教通り整形シンジケート
西一番街ブラックバイト

ギャラリーは卒業した小学校を利用してる、職業ユーチューバーに整形ビジネス、バイトのブラックな現状。
社会問題になることにマコトとキングが彼らの流儀で対処していく。誰かが解決してくれるのではなく自...続きを読む分たちで自分たちなりの方向性を見ているのがスッとする理由かな。

0

Posted by ブクログ 2018年09月16日

IWGPが帰ってきた。前作,大人になってしまったマコトの変り様に落胆したものだが,本作が本当のIWGPだ。若者社会の闇をマコトとタカシが駆け抜ける。荒々しいが胸に沁みる物語。とても良かった。
あらすじ(背表紙より)
池袋の雑居ビルで若者が飛びおり自殺を図る。彼は急成長したチェーン店の従業員だった。無...続きを読む能の烙印を押され、退職を強要された末にヤケになった若者。そして、次の犠牲者が―。耳触りのいい言葉で若者を洗脳し、つかい潰すブラック企業の闇に、マコトとタカシが斬りこむ!表題作ほか3篇を収録のIWGPシリーズ第12作。

0

Posted by ブクログ 2023年09月28日

『あんただって、すぐ四つか五つくらい、金より大事なものをあげられるよな。』

発刊当時に読んだ方が良かったかも。
廃校の美術館、YouTuber、ブラックバイト…マコちゃんもキングもびっくりしているけれど、2023年現在ではもはや常識(orやや古め)になってしまった。

彼らの格好良さは顕在だけど、...続きを読む歳も考えると、こんな解決策で良いのか?とも少し思ってしまったり。自分が歳を取ったのかな…?

0

Posted by ブクログ 2023年07月11日

強いて言うなら「西池第二スクールギャラリー」かな/ おっさんが30の時に色々考えて芸術に目覚めるのは良かった/ ただもう水戸黄門よろしくどれ読んでも一緒/ 解決方法も適当だし/ 

0

Posted by ブクログ 2021年06月30日

地元で鳴らしたヤンキーでも、大人になったら社会に出ないといけない。
今まで怖がられていた中年やガリ勉君と、立場が逆転するかもしれない。
クローズとか読んでても思うときあるけど、若いときの自由の代償感じる瞬間。

0

Posted by ブクログ 2021年03月26日

救いのないこともあるけれど、かろうじて勧善懲悪の体をなしているような、そうでもないような。1巻の頃が懐かしい。
2021/3/26

0

Posted by ブクログ 2020年07月17日

シリーズ12作目である。
毎度毎度、時事問題に鋭く突っ込むこの感覚というのは石田さんの持ち味だよなぁ。
それ故に、このシリーズは文庫化されるのを待つとやや旬を外してしまうから困りもんだ。

0

Posted by ブクログ 2018年10月13日

長編だと思って購入したが、短編集であった。
本文よりも、巻末の「追い詰められる若者たち」に心が痛んだ。学生時代にはその時代にしか出来ない事をして欲しい。

0

Posted by ブクログ 2018年10月04日

このシリーズがいつまでも続いて欲しい気もするし、
そろそろマコトを卒業(?)させてやって欲しいという気持ちも。

0

Posted by ブクログ 2018年09月19日

行きがかり上全巻読んでる。マンネリといえばマンネリだけど、それなりに楽しめるレベルを維持しているところは流石。

0

Posted by ブクログ 2018年09月17日

安心して読める、水戸黄門的な一冊。

初期のシリーズでは登場人物の特技とかパイプとかが生きて解決するものも多かったと思うんだけど、この巻はタカシだけだったなあ。
ブラックバイトのダンゴとヤスとマサルくらいか。

いまのマコトとわたしは同じ年くらい。
夢みたいな技術や人脈だけじゃなくて、きちんと弁護士...続きを読むとか警察とか、警察みたいなキングタカシとか、大人のやり方も使うようになっているのが共感できる。

0

Posted by ブクログ 2018年09月14日

安定の面白さ。
メイン登場人物の年齢がだいぶ高くなってきたからか、昔に比べての迫力やスリル感は減ったけれど、その分、人と人の繋がりが強くなったような気がする。

安心のマンネリだから、結果最良の解決に行き着く事は分かっていても楽しめる。
これってよくよく考えて見ると1冊になった時の構図が『東京バンド...続きを読むワゴン』と一緒なんだな。
まあ、IWGPの方が先に書かれ出した作品だけれど。

久しぶりの文庫化だからか、時事ネタがちょっと古い。
それでもいまだに続いているネタも多く、IWGPは池袋を日本の縮図にした作品なんだなと思わされる。

帯はなかなか。
言葉もマコトが言いそうな言葉だし、赤と黒のコントラストもいいな。

解説は、初めてのパターン。
ほぼ作品についての話はしていない上に4章中の最後についてのみなのだけれど、この解説を読むとすごく考えさせられるし勉強になる。
こういう解説もアリだな。

0

Posted by ブクログ 2018年09月13日



シリーズ12作目。
今回のテーマはブラックバイト。前作の非正規雇用者に引き続き、若者の労働雇用環境について。
ブラック企業も今じゃ当たり前のものに。
政府は労働環境の働き方改善なんて言ってはいるが...
ますます企業の利益を優先され、雇用環境の劣悪さは酷さを増すばかりだ。
ここのところ、労働環境...続きを読むネタが多いな。シリーズ初期のがわりと好みではあるが、好きなシリーズに変わりはないな。

0

Posted by ブクログ 2018年09月09日

おお~最新刊出てる。やっぱり安定して面白い。
マコトとタカシが安定しているからだろうな。街も人も世界も変わるけど変わらないものもある。今回マコトの口から疲れたという言葉が出て驚いたけれどもこれは作者の言葉なのかもしれないなぁなんて読みながら思いました。でも、ファンとしては続けてほしいシリーズだなぁ。...続きを読む
若者視点ではなくても、これからもマコトの目から見た日本社会の問題を取り上げてもらえると嬉しい。全面解決は無理でもお話の中だけでも救われた人が居れば現実に同じようなトラブルを抱えている人が、問題に立ち向かうちょっとした勇気と希望みたいなものをもらえたらいいなと思ったりするのです。

西池第二スクールギャラリー
空いたスペースを利用した現代アートって確かにこの頃よく聞くかもなぁ。ちょっと廃材ゴジラは見てみたい。

ユーチューバー@芸術劇場
アフィリエイトで稼ぐって言葉が何年か前は理解できなかったけれども。ネット広告の方が今や主流になりつつある時代なのか。個人的には小中学生はスマホで動画サイトとか見てるのかなぁとそこが気になったり。

立教通り整形シンジケート
綺麗になりたい心理はわからなくもないけれども行き過ぎは良くない。コワイ。でも別にその辺りの価値観は人に言われて納得がいくものではないから自分で決めるしかないんだろうな、と思ったりもする。

西一番街ブラックバイト
外食産業、コンビニ、宅配サービスと便利な世の中になった分だけその裏で酷使されている労働者が居るって事なんだよなぁ。なんでこの値段でやっていけるんだろうって思うモノが巷に溢れている。宅配も不在時の再配達は有料にするべきだとは思う。昔は隣近所に預かってもらったりとかしてたけどなぁなんて事を思いだしました。

0

「小説」ランキング