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池袋の雑居ビルで若者が飛びおり自殺を図る。彼は急成長したチェーン店の従業員だった。無能の烙印を押され、退職を強要された末にヤケになった若者。そして、次の犠牲者が――。耳触りのいい言葉で若者を洗脳し、つかい潰すブラック企業の闇に、マコトとタカシが斬りこむ! 表題作ほか3篇を収録のIWGPシリーズ第12作。 解説・今野晴貴
※本作品は 2018年9月3日まで販売しておりました単行本電子版『西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
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Posted by ブクログ
このシリーズについては、市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っている。本書に所収の各篇もそういう感じだ。或いは「何処となくモヤモヤしている…」に「一定の形」を与えてくれているというような気がしないでもない…
主人公のマコト達が通っていた小学校が閉校となった跡に開設されているアート活動スペースのギャラリーでのトラブル…「ユーチューバー」という人達の活動を巡る一件…容貌に妙なコンプレックスを持つ女性や、整形を巡る一件…そして表題作の「ブラックバイト」と4篇各々に面白い。
「ブラックバイト」というのは、語の定義としては、「時間を作ることが出来る時に一寸働く」という学生のバイトに関して、「学校に行けない程度のバイトになってしまって抜けられず、過酷な仕事を強いられてしまう」という状況を指すということだ。本作で登場するのは、寧ろ所謂「ブラック企業」で働く人達に主人公達が出くわして、色々と起こった騒動を何とかしようと奔走するという物語である。
「自分がどうでもいい…」と飛び降り自殺を図る若者が現れ、「そんな筈が無い!」と必死に助けようとする仲間が在り、その仲間達を何とか助けようと奔走する主人公のマコト…
人を磨り潰すかのようなやり口…そんなモノが起こる社会…「どうしてこういう時代になった?」という中で展開する物語に、強く引き込まれてしまう…そして、このシリーズの作品では関連するような題材が存外に眼に留まるような気もする。或いは「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」が増えている時世なのかもしれない…
Posted by ブクログ
【2024年84冊目】
アーティストと芸術破壊、ユーチューバー戦争、美醜の判断と整形話、低賃金長時間労働のブラックバイト。池袋ウエストゲートパークシリーズ第十二弾。
一作目から変わらず4つの短編集で構成されてますが、今回は表題作が一番刺さりました。低賃金で働かされる若者。そこに添えられるのはやりがいという名の搾取。心に残った一文は記録するようにしているのですが、今作の「おれ、誰でもいい人間はもう嫌なんです」という発言が、今の日本を表しているというかなんというか…!
どんどんと社会課題を取り入れる小説になっていってる気もしますが、それが読み手にとっては重要なのかもしれない。目を背けず、向き合わなければいけない問題が多すぎるし、もし政治家の人がこのシリーズを読んでるとすれば、フィクションとして捉えず、日本を映す鏡として読んで欲しいなと思うほどのシリーズになっていると思います。
日本の未来は正直言って暗い、けれど物語の中でだけは解決に導いて欲しいし、この本でちょっとだけ救われたりしますね。
Posted by ブクログ
IWGPの12作目
今回のテーマは現代アート、Youtuber、美容整形、ブラック企業の4本
Youtuberってそんなに新しい話題だったか?
この小説の発表当時は2015年
もっと前からいたような気がするんだけど、タカシが詳しく認識してなかったあたり、情報のアンテナは大丈夫かね?
ま、キングは俗世間の事は知らなくてもいいってことか?
PVを稼ぐためにどんどん過激な方向にいく理屈はわかってはいるけど、なんとかならないものかね?と思う
その昔、テキストサイト全盛期でも同じような事があったよなぁ
別にお金が発生するわけではないけど、自分のWEBページのアクセス数を増やすために大手に喧嘩売ったり中堅同士でバトったりの、今でいう炎上マーケティングは存在した
手っ取り早くアクセス数を稼げるけど、その業界全体が殺伐として荒れていくんだよなー
まぁ、youtubeの場合は運営側がコントロールする手段があるからそうひどい状態にはならないんだろうけどさ
ブラック企業、特にブラックバイトに関しては解説で語られている通り、若い人に犠牲を強いる酷い時代になったものだ
企業として労働力の確保が困難というのは数年経った今でも変わらず
そしてそれを補うために既存の社員の負担が増えて益々ブラック化していく
企業が利益を求める集団というのはわかるんだけど、もっとその勢いが緩まないものかね
ま、そんなこと言ってたらすぐに会社が潰れてしまうんだろうね
そしてある時期からは毎回思う「マコトとタカシは今いくつよ?」問題
若者がGボーイズのキングとか言ってるのはある意味で微笑ましいけど、もうすでにおっさんな年齢になってるんだよなぁ
その辺の描写をかなり曖昧にしてるけど、このシリーズの数年後がさらに心配(笑)
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