あらすじ
IWGP第2シーズン、満を持してスタート!
ストリートの“今”を切り取り続けてきた本シリーズ。時を経て池袋は少しずつ変容しているが、あの男たちは変わらない。脱法ドラッグ、仮想通貨、ヘイトスピーチ。次々に火を噴くトラブルをめぐり、マコトやタカシ、そしてとびきりクールな仲間が躍動する。 解説・安田浩一
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
池袋ウエストゲートパークを舞台に、主人公マコトがトラブルシューターとして活躍するシリーズの第11作です。 マコトは果物屋の息子で、池袋の街で起こる厄介事を、高校時代の友人タカシ率いるGボーイズとともに解決していきます。本作は以下の4編からなる連作短編集です。1. 北口スモークタワー ?脱法ドラッグを扱う“スモークタワー”というビルに放火しようとした少女ミオンと出会い、マコトがその店を潰すために動く物語。2. ギャンブラーズ・ゴールド ?パチンコ依存症の男性ユキヤと、その影響で苦しむ家族を救うため、マコトが依頼を受けて奔走する話。3. 西池袋ノマドトラップ ?池袋のコワーキングスペースを荒らす“ツインデビル”と呼ばれる兄弟を追放するため、マコトが動くエピソード。4. 憎悪のパレード ?池袋のチャイナタウンで行われるヘイトスピーチのデモに対し、マコトとGボーイズが立ち向かう社会派の物語。シリーズを長年読んでいるので、惰性で手に取ったつもりでしたが、読み始めるとやはり面白く、夢中になってしまいました。 マコトの読者に語りかけるような文体はクセになり、タカシのクールさも相変わらず魅力的です。ドラマ版ではマコトを長瀬智也さん、タカシを窪塚洋介さんが演じていましたね。懐かしい。原作とは少し違ったテイストですが、マコトもタカシも魅力的でした。 本のほうはより社会問題に踏み込んでおり、読んだことがない方にもぜひ一冊は手に取ってほしいシリーズです。スピンオフ作品もあり、そちらも面白く、堅苦しくない文体で読みやすい点も魅力です。 まさに“娯楽”として気軽に楽しめる一冊でした。
Posted by ブクログ
20代後半になったマコトの池袋シリーズが再開。
脱法ドラッグ、ギャンブル依存症、ツインデビルの暴走。 いつもの感じで楽しかった。
作タイトル「憎悪のパレード」については語らない方がいいだろう。
解説が不愉快でした。「憎悪のパレード」だけを使って彼の我が世の春を文字にされた気分。池袋シリーズを好きな人なのだろうか。
Posted by ブクログ
「小説が上梓されたような頃の“話題”」が巧みに容れられ、“街の探偵”的な動きもしている市井の若者の目線で様々な出来事が展開する、シリーズの読者には馴染みのスタイルの作品である。
市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っている。
本作では「脱法ドラッグ」を巡る一件、「ギャンブル依存症」に陥ってしまっている男と出会う一件、「ノマドワーカー」なる人達と出会うことから“ネズミ講”的な金儲けに纏わるトラブルに出会う一件、「ヘイトスピーチ」という問題の中で別な悪事が蠢いていたという一件と4篇各々の出来事が展開する。
「ヘイトスピーチ」という問題の中での出来事が、この一冊のタイトルにも採られている『憎悪のパレード』という篇で描かれている。この篇は「どうしてこういう時代になった?」と、本当に考えさせられるような内容だった。
池袋には“チャイナタウン”と俗称されている一画が形成されているということだが、この辺りで「ヘイトスピーチ」という問題が見受けられて酷かったというのだ。
作中、「ヘイトスピーチ」と呼ばれるスローガンを叫んでデモ行進をするグループが登場する。その有様が、主人公のマコトの目線で活写される。「出来過ぎた創作!?」と思ったが…どうやら実際に見受けられた事象を、作者自身が多分目撃しているということであるらしく、少し驚いた。
何やら「満たされない…」が積み重ねられる、積み重ねられ続けているかの状況の中、「人の普通な繋がり」が何処となく軋んでいて、様々な問題が顕在化してしまっている?或いは、作者自身の問題意識を反映しているであろう、主人公のマコトの目線が向いているのはそういう状況なのかもしれないとも思った。
本当に、気軽に手軽に愉しめる一冊で広く御奨めしてみたい…
Posted by ブクログ
この作品は1作品目の池袋ウエストゲートパークから好きで私が初めて読んだ小説と言ってもいいくらいの思い入れのあるシリーズです。
最近は新しいのが出てたことにすら気づいてなかったのですが、たまたま本屋でぶらぶらしてたら見つけました。
相変わらずほのぼのとしてて面白いです。
主人公のマコトとキングのタカシの相性も完璧だし、マコトのゆるくてでも頭がすこぶるキレる感じがものすごくかっこいい。
Gボーイズの絆も素敵だし、友情が深く描かれていて、マコトの人の良さとかタカシのかっこよさとか読んでいて引き込まれます。
今回の作品では凶悪な事件を解決するというよりは池袋で起こる小さいけど弱者が困ってる事件にマコトが思わず手を出してしまうというものが多くて、マコトの人の良さとかが色濃く描かれていたと思います。
必ず事件を解決してしまう感じが勧善懲悪で読んでいてスッキリするシリーズなのでオススメです。
Posted by ブクログ
久しぶりのIWGP。とうとう連絡手段がスマホになった!と時代を感じる。笑
表題のパレードは登場人物が多すぎ&ややこしかったけど、他のはサクサクよめて相変わらず。
Posted by ブクログ
ここから第二部ということだけど、二部になったら作風変わってびっくりしました。主人公や周辺人物が丸くなった分、物語の切れは落ち着いたかんじがする。ノマドは良かったな。
Posted by ブクログ
2020.02.24
〔北口スモークタワー〕
脱法ハーブ、危険ドラッグの話。
関係なさそうな場所での被害、ギャンブルのような快楽に溺れる若者
結末は案外シンプル
〔ギャンブラーズ ゴールド〕
ギャンブル依存の父親の救済の物語
日常の崩壊の種は、そこかしこに転がっている
〔西池袋ノマドトラップ〕
新しい働き方、その裏にも暗いビジネスがある
…が、この話はGボーイズ
とりわけキングの真骨頂が光る
〔憎悪のパレード〕
正直マコトがする仕事か?とは思う
現代社会にかなり突っ込んだ現在進行形のトラブルだ
パレードは止まらないだろう
正義は炎となりあらゆるものを焼き尽くすだろう
されどその裏の怪しさを逃すことなかれ
マコトもアラサーと言うのに驚いている。
スマホや働き方や生活は随分変わったよな
Posted by ブクログ
久しぶりにこのシリーズ読みました。
相変わらずのテンポの良さと現代を切り取ったテーマで、
一気に読めます。
クラシックの知識もあれば、もっと楽しめるのに、と
シリーズ読むたびに思うが、なかなかね。。
Posted by ブクログ
凄く久しぶりのIWGP。
マコトももう20代後半なのか…と、
現実でも作中でも時間の流れを感じる。
内容は、良くも悪くもいつも通りの安定感で、
安心して読めた
Posted by ブクログ
マコトとタカシに久々の再会!
やっぱりこの二人は回りがどんなに理屈っぽい
大人になってもいつまでもボーイズで居て欲しい。
彼らの解決は決して根本的なものではないかもしれないが
現代社会の痛いところに手当してくれる。
見逃さない勇気に乾杯!
Posted by ブクログ
池袋ウエストゲートパークシリーズ11作目。
久方ぶりの第二シーズン。
脱法ハーブ、仮想通貨、ヘイトスピーチ。
時事ネタを盛り込む社会派は変わらず。
旬なネタが、今をよく描いてる。
これまでのシリーズを読み返すと、確かにあの頃こんなことが社会でも話題になってたなー、と。
Posted by ブクログ
IWGPシリーズの11作目
一応10で1部完となってからの2部みたいだけど、特に変わった様子はなし
というか、10の最後でタカシとマコトにも彼女ができたはずなんだけど
今回のはそんな存在はまるでなかった事にされている(ただ描いていないだけか?)
年齢も20台後半としか書かれていないし、1部だと4遍構成で「春、夏、秋、冬」の順番なのに「冬、春、夏、秋」の順番だし
時系列が確定できないなぁ
まぁ、これまでのも多分1冊で1年というあいまいな推測でしかないんだけどね
とりあえず、クーとリンが出てきてるので、それよりは後って事くらいしかわからぬ
次の巻ではもう30歳になってるんだったらわかりやすいんだけどなぁ
それはそうと、今回のテーマは脱法ハーブ、ギャンブル(パチンコ)依存症、ノマドワーカー=ITワーキングプアー、ヘイトスピーチ
この辺のストーリーは安定のクオリティ
まぁ、ちょっと物足りないところも含めて・・・
Posted by ブクログ
いまどきのテーマで帰ってきたマコトとGボーイズ、自分がおじさんなので昔より一歩引いて楽しく読める
ヘイトスピーチ、危険ドラッグ、ちょうどいいテーマは、今でも溢れてる
Posted by ブクログ
1609 改めてIWGP好きなんだなぁと実感。昔の走り抜ける様なテンポ感は薄くなった感じがするけど、お馴染みのメンバーが池袋で!ってだけで楽しいです。
Posted by ブクログ
【2024年83冊目】
スモークタワーと少女の願い、ギャンブル狂いの嘘つき男、ノマドワーカーとツインデビル、憎悪まみれの反中デモ。池袋ウエストゲートパークシリーズ第二章開幕、第十一弾。
どんどんとトラブルシューター誠が扱う事件が大きくなっていっているような気もしつつ、時には町のチンピラが絡んできては池袋という舞台の話だということを再認識する、絶妙なバランス。
社会問題を小説の中に織り込んで、身近な話として落とし込む手腕が相変わらず素晴らしい。解説にもこれは小説の中だけの話ではないとありましたが、本当にどこで起こっててもおかしくはない話、ただしそこには誠もタカシもいないから、解決されないことがほとんどなんでしょう。
社会問題を知り、考えるきっかけとしてもぴったりな題材のシリーズになってきましたね。アングラで人体を切り刻むショーとかやってた頃がちょっと懐かしい。あれも、探せば本当にあるのかもしれませんけど、フィクション感はありました。
Posted by ブクログ
マコトおかえり!
マコトがいない間にも
ストリートは止まることなく、
事件にならない事件が後を絶たないよ。
マコト、早く不器用な良いヤツを
救ってやってくれ!
これからもね!
Posted by ブクログ
第2シーズン1冊目。第2シーズンの意味がいまいちぴんとこない。変わらずにシリーズは続いている。爽快なアクション的要素は減って、社会問題に焦点があてられている印象。
2021/3/14
Posted by ブクログ
全体としては低調。
でも、ギャンブラーズゴールドの中で「嘘つきで、見えっ張りで、攻撃的で、自己中心的。自分が完璧なはずなのに、それでも全然安らげない。不安が心を探す、やめたいのに他者への攻撃を抑えられない。憎しみの対象を探さずにはいられない。」という言葉には物語としてというより、人間の持つ弱みが端的に書かれている気がして、心に残った。ギャンブル依存者だけでなく、皆が持っている心の闇。そこから這い上がって正直に、皆に感謝しながら生きていこうとする人の話も心に刺さる話だった。
Posted by ブクログ
池袋を舞台に、違法ドラッグやパチンコのイカサマ、ノマド用ワークスペースの放火や反日デモなど、いかにも治安の悪い地域に起こりそうなフィクション。
世の中のクロな部分を取り上げられているので、ある程度の大人が読まないと変な知識がついてしまう懸念。
Posted by ブクログ
久しぶりのIWGP。10代の頃、夢中になって読んだ自分にとっての「バイブル」。
時代の空気や社会問題の捉え方やセンスのいい比喩表現は健在。20代後半になったマコトやタカシも「らしさ」を失っていないのが嬉しい。
(少し丸くなった印象もあり)
何より著者がマコトの言葉を通して伝えるメッセージの説得力と根底にある優しさが魅力的。
Posted by ブクログ
IWGP第2シーズン、満を持してスタート!
ストリートの“今”を切り取り続けてきた本シリーズ。
時を経て池袋は少しずつ変容しているが、あの男たちは変わらない。
脱法ドラッグ、仮想通貨、ヘイトスピーチ。
次々に火を噴くトラブルをめぐり、マコトやタカシ、そしてとびきりクールな仲間たちが躍動する。
Posted by ブクログ
マンネリ感は否めないけど、やはり腐っても鯛? よかったのではないかと。憎悪のパレードは憎悪の「連鎖」と言う意味かな。こういう内容だとどちらか一方に肩入れしたくなるのが普通だけど、かなりニュートラルな視点で表現されてたと思う。解説の某氏はちょっとその点を読み取れてないのではという気がする。