あらすじ
日雇い派遣で食いつなぐフリーターのサトシが、寝泊りするのはネットカフェ。夢は、脚を伸ばして夜眠ること、そして医者にかかること。そんなサトシが悪徳人材派遣会社に立ち向かう決意をしてユニオンのメンバーになった途端、何者かに襲われて膝を壊された。仲間のメンバーにも次々に襲撃が。「今のぼくの生活は、ぼくの責任」と言い切る彼をマコトもGボーイズも放っておけず、巨大派遣会社に立ち向かうことに。表題作他3篇収録。大好評IWGPシリーズ第8弾!
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Posted by ブクログ
私が今まで考えたこともなかった世界がそこには描かれていて、正直ショックというか、私はこんなことも知らなかったんだと思ったと同時に、今の暮らしがどれほど豊かで恵まれている環境か思い知らされました。とても良い作品だったので1巻から読もうと思いました。
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「千川フォールアウト・マザー」
マコトの出生直後の衝撃的な事実が明かされた。本章はマコトの母親がかなり活躍した。 久しぶりに池袋で泣いた。
「定年ブルドッグ」は年寄りが活躍するいい話だった。事件は池袋シリーズではよくある話と思ってしまうあたり、僕も池袋に馴染んできたのかもしれないw
タイトルの「非正規レジスタンス」は不当な扱いをされる派遣社員と派遣会社の戦いの話。 このお話ほどひどくはないかもしれないが、2024年の現代でも派遣社員の不遇な扱いは耳にする。 本章にもあったが、派遣会社の上は儲かっているんだ。 僕がリアルで会ったことのある若手の派遣会社社長もそうとうなもんだった。 老人ホームの代表もね。 搾取できるモデルに乗れる精神は悪い意味で尊敬する。 僕は悪人にはなりたくない。
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活字欲を満たしながらコミックを読むくらいするすると楽しい話が読めるので重宝しているシリーズ。でもビターエンドで終わる話とか社会問題に切り込む話とかも好き。表題の話は後者の方。2007年に書かれた話でも日雇労働者の問題ってまだ大きくて、でも2024年になっても見えないけれどそんな状況に置かれた人はきっといるはずなのかなと考えた。考えるだけ。
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実を言えば、本書には「傑作選」で読んだ篇が2つ在り、それは再読になったが、それぞれに愉しんだ。
シングルマザーの物語…街のゴミ拾いをしようという運動を起こした青年を巡る物語…交際相手の男が撮った性行為の写真で強請られている女性を巡る物語…非正規雇用、「派遣」の若者達を巡る物語…こういう4篇だ。
4篇の何れも「最近、問題ではないのか?」という小説が発表された時期の事象を取り込んだ物語で、その顛末を介して「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」と問うような感で、更に人生の価値」のようなモノを問う内容でもあると思う。
主人公のマコトは、母親と2人という家庭で育ち、一緒に暮らし続け、母親が営む果物店を手伝っている。このマコトの母の若かった頃と似た境涯である、3歳の幼い男児を抱えた若い女性が登場する篇、そして別な篇では母親が逝去してしまった後に警察官の父親と2人という家庭で育ったという若い女性が登場する。これらの篇は、時代状況を超えた「家族の絆?」、「人の基礎?」を問うような内容だ。
今般、強請られている問題でマコトが問題解決に奔走することとなった女性が登場しているが、この父親は警視庁で課長職に在るという幹部である。この父親の元部下で、公私に亘って親しいという警察OBの男性が登場する篇が在る。この“おじさん”が一寸好かった…
表題作の『非正規レジスタンス』は「傑作選」で読んだ時に心揺さぶられる何かを感じたが、秀逸だと思う。「どうしてこういう時代になった?」という中、酷い境涯に必死に耐えて懸命に生きる若者と、“潜入捜査”か何かのように奔走するマコトと、一寸意外な問題解決…或いはこの篇の作中人物達の「何年か後」というのは読みたいような気もする。
ということで、このシリーズとの付き合いは続きそうだ…
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派遣会社からの日雇い仕事で食いつなぐフリーターのサトシ。
悪徳人材派遣会社に立ち向かう決意をした彼らユニオンメンバーが次々襲撃される。
「今のぼくの生活は、ぼくの責任」と言い切る彼をマコトもGボーイズも放っておけず、格差社会に巣食う悪と闘うことに。
表題作他3編収録。
大好評IWGPシリーズ第8弾。
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「待機児童」「内縁の夫による暴力」「非正規雇用」これらの社会問題は15年ほど経った現在でも解決していないし、むしろどんどん深刻になっていると感じるのは僕だけではないだろう。こんな糞みたいな日本だから、せめて小説の中だけでも僅かな幸せを味わえて良かった。
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ネカフェ難民、シングルマザー。
資本主義の名のもとで自己責任論を振りかざし、弱者を切り捨てる世の中にあって、彼らがマコトと出会えた事は何よりの幸運。
自己責任などという言葉を安易に使えなくなる。
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IWGPシリーズ第8弾。
このシリーズは、書かれたその時代の社会現象であるとか、経済や世相の情勢などから題材が取られる傾向にある。それも、若者目線であるところが魅力だ。
この第8弾が書かれた頃の題材としては、シングルマザーの悲哀、ケータイ全盛期のリベンジポルノ、非正規社員と悪徳人材派遣会社との闘いなど。
不器用で、ちょっと生き方が下手な若者たちの、それでも必死にひたむきに闘う姿は、いつの時代でも心に響くものがある。
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社会の弱者の話で、今から約十年ほど前に書かれた話なのに、当時より今の方が切迫した状況にあるのかもしれないと思いました。
『千川フォールアウト・マザー』はシングルで子どもを育てている若い母親がコンサートに行っている間に、運悪く、一人で留守番していた3歳の子供が3階のバルコニーから転落してしまう話。
一人で仕事と子育てを頑張ってきた若い母親ユイが、友達から大好きなアーティストのコンサートに誘われ、行きたいと言う。その間、3歳の子どものことをマコトに見てもらいたいと頼みに来たのだが、マコトもその日は取材があって駄目だった。
どうしても行きたかったユイは子どもの食事を用意し、お昼寝をしている間に出かけてしまったのだが…。
そのことが新聞にのり、ユイは世間から非難されてしまいます。二年間休まず仕事と子育てを頑張ってきたのに、たった一日の息抜きさえ贅沢と言われる、胸が痛みます。
弱った彼女の心につけこむ悪い男。それを撃退したのがマコトの母親です。ユイが身も心も崖っぷちなのをみて、「だったら子どもを捨てな」と言う。捨てると言っても一時期涙を呑んで子どもを施設に預け、生活を立て直してから引き取りなさい、ということらしい。
マコトの母親も一時期そうしたことがあったようです。それでも、ちゃんと人の役に立つ男に育っているマコトを頼もしく思い、自分の子育てに安堵していることでしょう。なんだかんだと言いたいことを言い合える親子っていいですよね。
ユイが一日も早く子どもを引き取り、幸せに暮らせるようになってくれればよいなぁと思います。
表題作『非正規レジスタンス』も弱者、派遣労働者の話でした。
足を伸ばして寝ることが出来ず、大切な持ち物はコインロッカーに預けて、日々の派遣労働で何とか生活している、地方から出てきた若者。保険証がないので病気になっても病院に行けない。職場で怪我をしても派遣先が労災を使ってくれない。
そんな労働条件を何とか改善しようというフリーターズユニオンがあるのだが、それに加入している者が次々と襲われてしまう。マコトが知り合ったサトシも襲われて怪我をしてしまった。
サトシのためにも大手派遣会社と闘う決意をしたマコト…。
地方から出てきた者が安定した生活をするためには、やはり安定した収入(職)がないと厳しいと思います。
ですが、なかなか正社員での採用が難しい今の状況では、普通の生活すらも夢なのかもしれません。
なんだか切なくなる話でした。
Posted by ブクログ
今回は同じくらいの長さの短編が4作。
シングルマザーが置かれている過酷な状況「千川フォールアウト・マザー」
集まってボランティアで街のゴミ拾いをする若者たち「池袋クリンナップス」
別れた彼から、恥ずかしい写真をネタに脅迫される「定年ブルドック」
そして表題作「非正規レジスタンス」
最初と最後の作品が、奇しくも社会の底辺から這い上がれない若者たちの姿を描く。
シングルで子どもを育てるのに必要な保育園が足りない。
だから夜子どもがが寝ている間に必死で働き、昼間は家事と育児で毎日が過ぎていく。
身も心も疲れ切ったなかで、ちょっとだけ息抜きをしたその時子どもがけがをしてしまう。
「鬼母」「親の資格なし」と、世間から責められる毎日。
困った時にちょっと手を貸してくれる人、話を聞いてくれる人がいたなら、耐えられたかもしれない。
一人で全てを抱えるには、母親だって余りにも若すぎる。
今回はマコトの母親が活躍した。
「そんなに大変なら子どもをを捨てろ」
一度施設に預かってもらって、生活を立て直してから迎えに来ればいいと、ケースワーカーを紹介する。
この解決が必ずしも正しいのかはわからないけれど、ひとりで悩んでいても解決できないのなら、誰かを頼っていいと私も思う。
手助けもしないで「かくあるべし」と糾弾する権利は、誰にもないと思うし。
そして「非正規レジスタンス」
フリー他なんてやっているのは、怠け者だからだ。というのはもう、正しくはない。
一生懸命勉強していい大学に入ったって、就職できない人が大勢いるのが現状なのだ。
そして就職したはいいけれど、サービス残業、長時間労働で疲れ切り、大人としての判断力さえ奪われている人たち。
気が付いたら底辺に押しやられ、這い上がることはほぼできない。
“職業を斡旋する際には、厚生労働省令で手数料の上限が決められているんだ。上限でも10.5パーセントなんだ。それも月給の半年分のね。でも、日雇い派遣にはマージンの上限がまだ決められていない。”(作品中、サトシは4割のマージンを取られている)
“明日が今日よりも貧しくなる。子どもが親よりも乏しい選択しか与えられない。サトシのようにまじめに働く若いやつが、じりじりと格差のどん底に滑り落ちていく。それはこの六十年間で、俺たちに初めて起きている事態だった。”
“おれは日雇い派遣の裏側にある真実が、ようやくわかってきた。ここには誰ひとり責任を取る人間がいないのだ。すべての責任は使い捨てにされるフリーターにある。無限の自己責任。”
最初から就職できず、または体を壊して会社を辞めて、またはリストラされて、一度はみだしてしまえば二度と戻ることは出来ない一般社会という囲い。
崖っぷちを歩いている人は、いつ何時何があって崖から転落するかわからない。
そしてその可能性は、誰にでもある。
そんなリアルな世の中の仕組みを、改めて突き付けられた。
ところで、マコトがボランティアで街のゴミ拾いをするとしても、タカシは絶対にやらないと思う。
タカシはやらない。
ただ、空き缶やたばこの吸い殻をポイ捨てするやつを見つけたら、フルボッコだ。
池袋のキングだからね。
Posted by ブクログ
千川フォールアウト・マザー
池袋クリンナップス
定年ブルドック
非正規レジスタンス
定年ブルドックの、大垣のキャラがいい。『普通』っていうのは難しい。
非正規レジスタンスと、千川フォールアウト・マザーは、実際にこういう人は多いだろうな…と考えるきっかけに。今はもっと格差広がっているんだろうな。
うちが母子家庭なので、千川フォールアウト・マザーは他人事とは思えない。
Posted by ブクログ
弱い者、貧しい者は、どんどん追い詰められて、落ちて、もがいても這い上がれない。そして、それに気づいても、次なる者も、弱く、貧しく、自分を守るのが精一杯だったりする。
小説には、正義の味方が登場したりする。でも、現実には、正義の味方なんて、ほとんど登場しない。
血塗れの暴力は出てこないけど、今回は、ちょっと苦しかったな~・・・。
Posted by ブクログ
このシリーズも久しぶり。脱法ドラッグを扱ったタイムリーな最新作を読みたかったが、やはりマコトの過去をきちんと知らなければ理解出来ない部分もあるかと思い、順番に読むことにした。この巻は単行本の発行が2008年7月、マコトはガラケーを使い、写メという単語が頻出。懐かしい。第1話ではマコトが赤ん坊の頃に施設に預けられた事実が明かされる。表題の派遣業者の話は、今なお続く社会問題だ。4話とも嘘のようにすんなり解決するが、マコトのカッコつけた一人語りがお伽話を信じさせてくれる。キングも健在。いつにも増して知っている地名が沢山出てきて嬉しかった。
Posted by ブクログ
IWGP8作目。
このシリーズは面白さがぶれないなぁ~。
シリーズ8作目で飽きることなくこの面白さ。凄いです。
今回も、笑って泣いて少し考えさせられて。
面白かったです。
ちなみにこれが書かれたのが2008年。
2014年現在、格差は広がるばかりで非正規雇用問題も深刻です。
さらに、つい先日にはベビーシッターの事件も…。
ほんと、やるせない…。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだIWGPシリーズ、第8弾
発行は2010年9月とあって、
小説の中の事件もなんだか現代そのもので生々しかった。
●千川フォールアウト・マザー
シングルマザーがおちりやすい幼児虐待と風俗への落とし穴の関係がよく描かれていた。
●池袋クリンナップス
ゴミ拾いボランティアの青年とお金持ちの父親との誘拐劇
●定年ブルドック
しつこい元カレの脅迫から、同僚の娘を守ろうとする定年警察官。そのしぶといブルドック並みの強さに真島誠もビックリ。
●非正規レジスタンス
派遣会社に登録し、日払いの稼ぎで、ネットカフェに寝泊まりしている若者たち。明日はどうなるのかもわからないその日暮らしの希望のない生活を暴きだしていた。
どの話も、小道具はパソコンや携帯電話が中心。
「非正規レジスタンス」にいたっては、仕事を得るのも携帯電話で申し込んで、携帯メールで連絡を待つというもの。
なるほどね。これなら、携帯電話さえあれば住所不定でも連絡がつき、仕事にありつけるというわけだ。
日雇い仕事のフリーターは一度その境遇に陥ると、そこからは這い上がれないという。ホームレスではなく、ちゃんと仕事をしているというプライドもあり、いつも見ぎれいにしているので、町の中ですれ違っても、そうとうはわからないらしい。
本物の池袋という町を私も知っているが、日雇い仕事のフリーターは本当にいるに違いないと思う。だがもしいたとしても、私は誠ではないので、助けてあげることも仕事を分け与えてあげることもできない。
その点、誠は「トラブルシューター」だから、都会のワナに陥った人々を、嫌味なく胸のすくような方法で救い出してくれているのだ。
読むたびに新しい社会の犯罪の落とし穴を勉強し、
誠の偉業にスカッと爽快な気分になっているのは私だけだろうか。
次のシリーズも楽しみに思う。
Posted by ブクログ
最近はだれも死ぬことがなく、電話一、二本で解決することが多くなってしまったから、ストーリーとしてはマンネリと言われても仕方ない。
でもそのかわりに、虐げられながらも強く生きようとする人たちを描く筆致が鋭さを増している。
シングルマザーの話と、最後の表題作が胸を打った。
強く生きようとしたって、それは誰にでもできることじゃないし、ときにはあきらめてしまうこともある。そりゃそうだよ。人間はロボットじゃない。感情があるんだから。
逃げたくもなるし、何もかもを捨てて一時的にでも楽になりたいと思ってしまうよ。
それでもみんな、最後はちゃんと前に向かって歩いていく。
それはやっぱり、一緒に歩き、一緒に泣いたり怒ったりするマコトにしかできないことなんだろうなあと思った。
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【2024年77冊目】
非正規雇用のシングルマザー、無償のごみ拾いと誘拐事件、M気質の警察官の娘、正社員を夢見るフリーター。池袋ウエストゲートパーク第八弾。
今回は仕事が軸になるお話が多かったですね。特に最後のお話は、現実に即していて、誠と同じように信じられない気持ちになると同時にそうなのかもしれないという恐ろしさを感じました。私も日雇い業をしていた経験がありますが、両親というバリアーがあったので、足を伸ばして寝られていたわけです…。
ついに、社会問題にも深く切り込むようになったのか〜。楽しいだけの読書体験ではなく、考えさせられる読書体験をもたらしてくれるシリーズですね。
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どの話ももはやワンパターン/ 強いて言うなら冒頭の語りに長瀬の顔を思い浮かべながら聞くというスタンスで多少楽しめる/ 石田衣良ももはやじじいなんだろう/ 若者文化のジジ臭さが尋常じゃないし、おそらくちゃんと事象を捉えられていない/ 短編だから仕方ない部分もあるだろうが、解決に関してはすべてご都合/ ちょうど良く情報持ってる奴が現れ、ちょうど良くトラブルに合致する/ ブラック派遣会社の社長の娘がユニオン活動ってなんだよ/
Posted by ブクログ
「千川フォールアウト・マザー」は、シングル・マザーの女性が直面している問題をあつかったエピソードです。
また表題作の「非正規レジスタンス」も、ギリギリの条件で生きている非正規雇用労働者たちのすがたと、彼らから搾取をおこなっている派遣会社についての問題をあつかったものです。これだけでは、あまりにも「社会派」的な話になってしまうのですが、派遣労働者たちのサポートをおこなっている、萌枝というメイド服姿の女性キャラクターを脇役に配しているのは、テーマの生々しさを和らげようという意図なのでしょうか。そうだとしても、結末で彼女の正体が明かされる展開といい、若干ライトノベルふうのテイストを感じて、個人的にはすこし違和感をおぼえてしまいました。
Posted by ブクログ
オンライン読書会の課題図書。
読書会の参加対象が就職氷河期世代なのである。
労働組合って何?
ブラック企業やブラックバイトという言葉が聞かれるようになって、ようやく働く人々も気を付けるようになったのではないかと思うが、労働組合や法律について、普通の人はそんなに明るくない。この作品をきっかけに、働くということ、そして労働者の権利について考える人が増えるのかな?そういう展開になることを期待したい。
Posted by ブクログ
第一話の千川フォールアウト・マザーが最高によかった!!!
マコトのお母さん、すんごいいいキャラしてて大好き。あと普段からマコトがお母さんをめちゃくちゃ恐れてる感じが最高に面白くてすき!
いいお話だった〜
ラブが溢れていたな
母は偉大
Posted by ブクログ
マコトの母ちゃんはやっぱりかっこいい!
千川フォールアウト・マザー
マコトのおかんの話。シングルマザーが立ち直るためにおかんが一肌脱ぐ話。真島家の生い立ちが語られて、それと重ね合わせるように物語が進行する。カッコいい!
池袋クリンナップス
珍しくキングからマコトへの仕事の依頼が舞い込む。ボランティア団体のリーダーが誘拐にあう。当然の成り行きとして身代金の要求となるが、警察には届けずに解決しようとするのは解せない。
定年ブルドッグ
またしてもタカシからの依頼。元カレに脅される女性の話。
ここに出てくる元刑事のかっこいい活躍と女性に相対するときの優しさのギャップがいい。
非正規レジスタンス
非正規の人たちの悲哀を描くのかと思えばそうではなく、非正規の人たちの組合活動を通して支援する女性の話。最後の最後でどんでん返しがあったが、組合代表の女性は最後まで正義を貫き、よかった。
今回の話は最初の話を除いてどれも敵対する構図の中で、相手のお偉いさんと繋がっている点が、なんか違和感を感じるが、マコトとタカシの活躍に他ならないので、よしとするか。
Posted by ブクログ
色々と考えさせられる一冊だったなあ
バリアがあるかないかで叩き付けられる過酷な環境に、平和と謳われておきながら格差社会がはっきりとしている世の中。なんともいえぬ気持ちになりました。
Posted by ブクログ
シリーズ8作目
「千川フォールアウト・マザー」はいいお話し♪
マコトのお母さんはカッコイイ(≧▽≦)
「非正規レジスタンス」は考えさせられる…
私は「自己責任」って言葉がキライ。
本当に責任を負うべき人の言い訳に聞こえるから。
もちろん、本人が負うべき責任もあるだろうけど、最近は過剰に個人が責められてるような気がする。
人は自分の生活が安定していなければ、他のことはすべて二の次になってしまうのは当然だ。
それが「自己責任」というツマラナイ言葉で片付けられているうちは決して世の中は良くならないだろうな。
本当に本当にそれは「自己責任」ですか?
Posted by ブクログ
いつもどおり面白い。
IWGPのドラマを見ていたので、登場人物が想像しやすくて、いいよね。
言い方は悪いけど、ジャンクフードの様な小説。
面白いけど、何も残らない。
読むのは楽だけど深さもない。
ジャンクフードじゃないか、米ってとこかな?
とはいえ、石田衣良さん好きだから作品はほとんど読んでるんだけどね。これが年をとったということなのか…