石田衣良のレビュー一覧
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このシリーズ、中抜けしながら15冊程度読んだけど、過去一良かった。やや食傷気味、このシリーズもいい加減マンネリだなぁと思っててごめんなさい。
表題作「神の呪われた子」宗教2世絡みの某裁判の報道とリンクして、リアル過ぎて、しんどくて泣けた。。自分も宗教2世だったアヅ。貧困家庭の子どもたちのために食堂を開いている。お腹を空かせた子どもに寄生して自分が元気をもらっているって吐き出すけど、たとえ、そう思ってても良い。それで救われる子どもが居るのも事実だから。
最後の鈴木エイトさんの解説も良かった。現実にはマコトもタカシも居ない。だけど、違った形で子どもを救う方法はたくさんある。自分も何かできないか -
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池袋ウエストゲートパークを舞台に、主人公マコトがトラブルシューターとして活躍するシリーズの第11作です。 マコトは果物屋の息子で、池袋の街で起こる厄介事を、高校時代の友人タカシ率いるGボーイズとともに解決していきます。本作は以下の4編からなる連作短編集です。1. 北口スモークタワー ?脱法ドラッグを扱う“スモークタワー”というビルに放火しようとした少女ミオンと出会い、マコトがその店を潰すために動く物語。2. ギャンブラーズ・ゴールド ?パチンコ依存症の男性ユキヤと、その影響で苦しむ家族を救うため、マコトが依頼を受けて奔走する話。3. 西池袋ノマドトラップ ?池袋のコワーキングスペースを
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Posted by ブクログ
池袋という場所柄、マコトを頼ってやってくるのは同世代か、それよりも下の若い世代が多いけれど、実際、本当に困っているのは45歳から50歳の大人たちなんじゃないかと、自分がその世代になって強くそう感じる。
世間からも、社会からも、結婚していれば家族や子どもからも、いろんな義務やら責任やら制約やらなんやらで、ストレスまみれで好きなことすらろくにできない。ましてやトラブルを暴力で解決なんてもってのほか。
こんなおじさんおばさんからのトラブルでも、マコトやタカシは手伝ってくれるのだろうか。力になってくれるのかな。
最近は物騒すぎて、誰もが自衛のためとスプレーを持ち歩く時代。政治家も全く頼りにならない -
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Posted by ブクログ
石田さんの作品は初めてだったが、文章は読みやすく、筋も面白いので先が気になってどんどん読み進めた。
冷め切った夫婦の関係。
そこに現れる、魅力的な異性。
禁断の恋の果実と、代償。
結婚して子どもが生まれたら、夫婦間の性関係が無くなっていく場合も多い。
しかし、人間の性欲はなくならない。
単なる性欲なら風俗で事足りるが、それでは心は満たされない。
だから不倫が生まれるのだろう。
この本では、マンネリ化した夫婦の関係性と、不倫相手との情熱的な関係性の対比がとてもリアルに描かれている。
こんな恋愛をしてみたい。
そう思いながら読み進めるが、終盤には「やはり不倫には幸せな終わりは無い」という諦 -
繊細さと透明感のある作品
リョウはコールボーイ。たとえ彼がVIPクラスの相手をする「特別な男の子」になったとしても、やっていることが売春であることには変わりありません。
売春という行為は、私には考えるだけでもとても抵抗がありますし、それをする人を認める気も全くないのですが、それでもこの作品を読んでいると、その価値観を人に押し付けるのも、どうなのだろうと考えさせらました。
リョウに仕事を辞めさせたがった彼女の気持ちはとても良く分かりますし、その行動もきっと間違ってはいなかったと思います。
それでも、彼女の正義感の押し付けが、まるで言葉の暴力のように感じられてしまったのです。
何が「普通」で、何が「混線している」かなどと