石田衣良のレビュー一覧
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ネタバレ北斗、読むのに半年以上かかってしまった。理由は虐待シーンが過酷で、手が進まなかったから。至高の怖さに一緒になって怯えてしまい、気持ちに余裕のある時じゃないと読み進められなかった。それくらい描写がリアリティのあるものだった。
北斗の半生は過酷極まりない。さらに様々な偶然が重なり、殺人へと至る道を思うと、人生はなんて不平等なんだと憤りを感じる。実際、殺人事件は幸福な人が犯すものではないし、北斗のように様々な不幸が重なった人によって引き起こされる。そこを思うと、人間社会の歪さや、人生の不条理を見せつけられる思いがする。
北斗は、素直な人間だと思う。自分のしたことを反省する心があるし、被害者やその遺族 -
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面白かった。タピオカもサンタフェもホストも良かったけど、最後のコロシアムの話がやはり良かった。それぞれの話に共通して、マコトの根底にもあるものなんだろうけど、人を想うということがとても好き。自分がおっさんになっても若いままのマコトは少しずるいけど、相変わらずカッコよくて、それでいて友達・家族・困っている誰かに共感して、困ってる奴がいたら助けて一緒に笑いたいだろ?と何の躊躇いもなく言ってくれそうなマコトが相変わらずかっこいい。自分の仕事やプライベートに置き換えても、人を想うことや一緒に笑うことが本当に大事だよなと改めて考えさせてくれる気がした。石田衣良はいっとき表現にキレがなくなった期間も感じた
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もうすぐクリスマス~ってことで、吉村和敏さんのクリスマス写真集「SILENT NIGHT」です。カナダのクリスマスが楽しめます。そして、石井衣良さんの3つの短編、すごーく短いものだけれど、クリスマスにまつわるストーリーも読めます♪
写真の方は、吉村和敏さんが18年間カナダのクリスマスを撮りためたもの…カナダではクリスマスは家族と過ごすのが定番なんですって…。日本のように恋人や友達と過ごすものではなく、クリスマスに外を歩いていると、なぜ家族と過ごさないんだ??と言われ、家の中に招き入れてくれることもあるらしいです…。あ、これ最後のお二人の対談からです。異国とはいえ、ちょっとだけあたたかさを -
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シリーズ本編16作目
以下、公式のあらすじ
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――闇の虐待ショーをぶち壊せ!
ダークウェブの深奥にある「逆隊コロシアム」。
通常の手段ではアクセスできないサイトでは、競うように児童虐待動画がアップされている。
「逆隊コロシアム」を潰して、その一部始終をドキュメンタリーにしたいというテレビ・ディレクターの梅原から依頼を受け、3人の虐待サバイバーの若者とともに調査に乗り出したマコトは、ある日テレビで見た子どもの虐待死のニュースが、「逆隊コロシアム」の動画に映っていた少女のことだと気づく。
小さな命を救えなかった悔しさと怒りを胸に、マコトはタカ -
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面白かったー。
これでデビューしたんだって。すごいね。
この作家さんの作品、どれもわりと好きかも。
軽やかだけど扱っていることはなかなかに深くて、性問題も暴力問題も、なかなかの描写なんだけど、グロくはなくて、さらっと読ませる。
このお話は勧善懲悪のヒーロー物語で、そういう意味で読みやすいんだけど、ヒーローが、何でもないはずの青年で、何か特殊能力を持っている訳じゃないけど、なぜか争いを解決していく、っていう(笑)。
短編集(話は繋がっている)だから、細切れで読まざるを得ない最近の私でも、読みやすかったです。
マコト君、なんかすごいクールガイを想像しちゃうけど、実際はどんな顔なんだろうか(笑)。