石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりの石田衣良さん。
ウェストゲートパークよろしく、主人公は頭が良くて情にあつい声優志望の若者。(石田衣良さん作品はこの手の主人公が多い。作者さんの性格がこんな感じなのだろう)
高校を卒業し、声優学校に入学した主人公。そこで中国からきた留学生「心心」と出会う。そんな心心は中国有数のIT企業の社長令嬢で、主人公たちはそのゴタゴタにまきこまれる、というお話。
第一章が声優めざすぞパートで、第二章は中国・上海で心心のために尽力するぞパート。
声優パートがメインのいわゆるお仕事系の小説かなと思っていたら、実は二章の上海パートの方に重きが置かれており、全体としてみればエンタメ色の強い作品だった。
また、本作はただ面白いだけではなく、「幸せとはなにか?」だったり、お隣の中国に関することだったり、昨今の声優業界事情についてだったりと、さまざまなことを小説を通じて学ぶことができる。
本作を読んで中国に対してのイメージがすこし変わった。
自分は中国に行ったことがないので、なんとなくテレビ経由の偏見、例えば「爆買い中国人」、「迷惑ユーチューバー」みたいな悪いイメージがあったけれど、それはあくまでも中国の一側面であって、エネルギッシュで挑戦的な、いきいきとした中国人を小説のなかでみることができた。
とても面白かったです。
というわけで⭐︎5つ。 -
Posted by ブクログ
書店に行った際、たまたま目に入ったので読んでみることにした。石田衣良さん自体は「娼年」の作家として知っていたが、一度も読んだことがなかった。アラサーの恋愛模様を描いた物語だが、男性が書いたとは思えないリアリティに驚いた。社会人になり、年を重ねるに連れ、結婚相手に対しては皆経済的に安定した男性を求める。学生時代は盲目的に相手を求めるが、いつの間にかそのような恋愛はなくなっていくのだろうかと思いながら最後まで楽しく読めた。私は共感できる場面がとても多く、大人の恋愛について少し知ることができたような気がしたのでとても面白かったが、恋愛の胸キュン要素を求めている人には全くと言っていいほど響かない小説だと思う。都会の風景描写も目の前に広がるようで総合的に大変満足した。
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Posted by ブクログ
今年はじめて読んだ本でした。
言い方はよくないが、どちらかというと貧しい方が多くでてくる作品だなと感じました。ケチケチしたところや人を憎むなどの感情の表現もあり、人の嫌な部分が全くない作品ではない(逆に多いのかも)が、あまり読んでいて嫌な感情に引っ張られず、逆に美しいと感じる部分が多くありました。
人は自分だけ繊細で他の人は鈍感だと思っている、という一文が印象に残りました。確かに思ってしまうなぁと思い、気をつけたいと思いました。
日菜子さんは自分は弱い弱いと思っているけれどいざとなったときに強いのはケンジさんではなく日菜子さんなんじゃないかなと思いました。
日菜子さんは、ケンちゃんは私と同じ世界にいる人じゃない、こんなところで終わる人じゃない、とよく言っていましたが、ケンジさんからしたらとんでもなくプレッシャーだし嫌だろうなと思いました。自分の恋人に対して、自分の恋人はもっとすごい人なんだ!と思ってしまうことは確かにあるし、そう思いたい気持ちも分かり、実際私もそう相手に対して思っていてダメになったこともあるので読んでいて心が痛かったです。やっぱり他人の才能などを良い方でも悪い方でも決めつけてはいけないし、決めつけられた方はどちらでも苦しいだろうなと感じました。
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Posted by ブクログ
ネタバレカンタは発達障害をもつ耀司の幼馴染で兄弟のような存在だ。
水商売をし家を空けがちな母に代わりカンタの母、恵美が耀司の面倒を見ることもよくあった。
2人の少年たちは高校受験まではずっと学校でも一緒だった。耀司がしばしばカンタを守っていた。
これは小学生の頃に恵美が耀司と約束した為だ。「カンタをこの世界の厳しさから守ってください」
発達障害の息子を遺す親の遺言だ。 すぐ後に母はカンタにも遺言をのこすが耀司は知らない。
カンタは耀司と同じ受験にはクリアできなかった。これでは耀司はカンタに付きっきりでいる事はできなかったけれど、高校のレベルを落とすことや目立たないようにすることで何とかなる。
高校在学中にある事件が起きて耀司が変わってしまう。カンタと一緒にいるのは相変わらずだけど。
大学に進学してから2人で企業する。大成功する、地に堕ちる。までがこの作品のあらすじ。
少年時代はピュアな気持ちと優しさに溢れていて良かったです。企業してからのサクセスストーリーも良かったです。 後輩のカンタの母の遺言が効きました。カンタの決意にはボロクソに泣きました。怖かったですが、最後まで読めました。
いい作品です。