あらすじ
オーナー・御堂静香の亡き後、非合法のボーイズクラブを引き継いだリョウ。七年もの歳月を娼夫として過ごしてきた彼は、女性達の様々な欲望を受け止め続けていた。性とはなにか。男と女の関係とは、どんなものなのか──深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは。「娼年」シリーズ最終章。
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Posted by ブクログ
映画から入って完結まで読めて良かった。
このシリーズで忘れられないのは、たった数十センチの問題だったというところ笑 本当だなぁと思った。
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なんと切なくて人間くさくて爽やかな話だろう。
いやらしさをそんなに感じないのがすごい。
人間は欲望に素直であるべきだ。
でないと原理原則から逸れてしまう。
リョウくんが女性を大切に扱う描写がすてき。「男性はつねに女性にかける言葉には、細心の注意を払わなければならない。」
「この国では多くの場合、恋愛に先行して性愛がある。」逆だと思ってた。逆な、今の方が歪なのかもしれない。
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しっとりしてて大好きな娼年シリーズ。
「娼年」で「おおおー!」となって、
「逝年」でスキマが埋められて満たされた感覚になって、
「爽年」でその感覚を優しく抱きしめられてた感じ。
それぞれでも十分楽しめるのに、3作品を順序通りに読んでいくと、切なくもあたたかく満たされてゆく。
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性愛をこんな風に考えたことはなかった。隠すべきもの、と思い込んでしまっているが食欲と同じでとても基本的な生き物の営みだ。
作中の言葉(※フレーズに記載)は真実だ。
性欲を必要以上に蔑んだ結果、いろいろなものが歪んでしまった。そこをベースにしているのでこのシリーズが全編ベッドシーンであるにも関わらずいやらしさを一切感じさせない作品になっているのだろう。とても大切なことに気付いた気がする。読んでよかった。
残念ながら、映画版ではそこまで描き切れていないと思った。
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自分の体で感じたこと。それが人生を豊かにする。
人の世のことわりはまだよく分からないけれど、私はこのままいけばしあわせだと思う。
「生きているって、自分の身体をとおして誰かを感じて、なにかを分けあうってことだったんだね」これがこの本のテーマかな?
良い悪いなんてすぐ変わる。本音で心から語り合える仲間なんてそうこの世界で見つけられるもんじゃないけど、私は上辺で語りたくないし、体を通した言葉で話したい。
移り変わるものに重心を置くなら、私は自分に重心を置いて生活したい。責任が取れなくなって、どうにかなってしまう。
アルバイト生活だろうがニートだろうが、私は自分の幸せを求めている。流れ着く先がある、その過程と現れる未来の可能性を信じている。この人生で何を学ぶのか、楽しみだ。
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「娼年」シリーズ最終章。
他2作とは異なり、読後全てを受け入れてもらえたような温かさに包まれているような感じがした。
寂しく哀しい、温かな愛と性の物語。
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石田衣良の「娼年」シリーズは、とにかく買いづらい本。
だが、素晴らしい比喩表現とリアルな感情が渦巻く本である。
それは、1作目でも2作目でも言った。
何を隠そう、一番印象に残った単語は「ハウスマヌカン」である。
昔はデパートの店員のことをそう読んだらしい。少々 時代を感じる。
性の形は、人それぞれ。その事を改めて知るきっかけになった。石田衣良は、女性の心が分かっている…。それも、物凄く深いところまで。リョウと咲良のエピソードは、この3作目で大きな意味を持つ。「感覚」を大切にすることを学んだ。
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やっと手に入れた三部作の最終章、、
最初ほど面白くはなかったけど、
みんな行き着くところに行き着いた
ような物語の終わり方だった。
石田衣良さんは人間の綺麗さを
教えてくれるからとても大好きだと改めて。
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欲望に忠実に生きる人を羨ましいと思うのは、自分もどこかでそうなりたいと思ってるのかもしれない。ないものねだりではなくて、憧れなのかなと思ったり。
とりあえずお気に入りの3冊でしたありがとうございます、、
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娼年シリーズ3作目の完結巻
以下、公式のあらすじ
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映画化(R-18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
最後の、夜。
始まりはこのバーだった。
娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。
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「娼年」「逝年」ときて「爽年」
果たして、「爽」の物語だろうか?
リョウが新たにお店を開き、これまでのお客さんや新たなお客さんと性で繋がる
そして、仲間としてのアズマや同志としての咲良
果たして、物語はどんな結末を迎えるのか?
女性の深堀りはこれまでの作品に比べるとそんなでもない
リョウの仕事に対する姿勢も今までと変わらないので、いい意味でマンネリ化している
これまで登場した人々の現在とその後
「締め」のための作品としてはそこは描きたいよね
お客さん、仲間など様々な出会いがあったけど
死別という別れもある
内容としては「葬年」でもいいような気もするなぁ
そして、リョウの新たな道という人生
普通の大学生をしていたら得られなかったものだろうし、こんな物語もあっていい
全部読み終わって思ったけど
この物語は「性」をモチーフにしているものの
世の中は一人一派の属性が存在するというマイノリティの物語なのかもと思った
性というのは秘めれるべきものという規範があるからこそ、余計見えにくくなっているだけでね
なので、世間には色々な人がいるなぁと改めて思う
Posted by ブクログ
数年前に3部作を買い、久しぶりに再読。
リョウはすべてを受容できる人ですごいな、と思った。
性だけでなく、自分の欲望ややりたいことに従うことで人生がより華やかになるんだと改めて感じた。
Posted by ブクログ
三部作全て読み切った
石田衣良先生の文章に触れると落ち着く
もっと人間を人間のまま、楽しもうと思った
欲望は時に味方にして良いのだ、だからこそ自分にとっての正解の道に進むしるべとなるから
大切なことほどあれこれ頭で考えず、感覚を信じて選択する
Posted by ブクログ
リョウは、自分が必要とされている限りは、娼夫として生きていくのだろう。
どんな欲望にも真摯に向き合って、差別せず、あなたは素敵だと心から伝え続ける。
リョウは、とても優しい。
でも、その優しさが、いつか誰かを傷付けなければ良いと願う。
すべての人に優しいということは、すべての人に優しくないのと、とてもよく似ているから。
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娼年シリーズの完結編。性とは何か。描写が生々しいため、一見官能小説の類いかと感じてしまうが、読み進めるうちにもっと深いテーマが隠されていることを気づかされた。
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娼年シリーズ完結編。
性欲は、心と愛情の繋がりを求める人間の麗しき性質であると改めて知る。
欲望を隠し立てる風潮が、多くの女性を豊かな生活から縛りつけていると思うとなんとも嘆かわしい。
Posted by ブクログ
三部作の最終章。
前作をだいぶ前に読んだので内容が薄らいでいますが、今回の作品もとても面白く読めました。
性に対して様々な感情はあると思うけど、こんなに優しい気持ちで読める本はあまり無いと思います。
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★4.5
前作たちのように大きな波はないが、静かで柔らかな終わり方が心地良い。
題材だけを見て手に取ることをためらう人もいるかもしれないが、
それはとても勿体ないことだと思う。
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娼年シリーズの最後になるのかな。
集大成ともいえる作品。
主人公のリョウが娼年として様々女性とセックスを通して、
女性の内側を解剖していく感じがします。
しかし、作中にあるように世の男性が性への欲望を失くしたというのは
同意できず。
女性の方がその傾向が強いように思えます。
Posted by ブクログ
よかった!と思える結末でした
幸せになって欲しいなと思います
3部作を通して、女性の性の奥深さに共感出来たことと
主人公の女性に対する誠実さや性に対する真摯的な態度に感動します
Posted by ブクログ
人の性も十人十色
娼年シリーズ3作目で完結本です。
今回は御堂静香が亡くなって七年後、今までリョウが相手してきた記憶に残る相手を紹介するような内容。
四十代の処女
無性愛者の女性
口の中が性器のような女性
等々一癖も二癖もある相手との経緯が赤裸々と書かれている
どんな女性に対しても手を抜かず真剣に相手するリョウに対して息抜きの場となった御堂静香の娘、咲良。
二人は定期的にリラックスなセックスを続ける。
やがて咲良は妊娠し二人は結婚する。
男性の作者石田さんがどうしてここまで女性の心理を理解しているのだろうかと感心しながら読めた作品でした。
Posted by ブクログ
娼年シリーズ最終章。静香が亡くなり、ボーイズクラブはリョウの手へ。アズマやアユムと協力しながら、リョウは女性の欲望を満たす日々を送っていた。女性と言っても1人の人間で身体のつくりも持っているものもバックグラウンドも全て違う。その全てを受け入れられるリョウが素敵。咲良との子を授かったと同時に、アズマを失うところも人間の入れ替わりを表しているようで、世界の流れのようなものを感じた。文章だけでここまでリアルに緻密に描けるのが凄い。AVよりリアルな世界。リョウと咲良の子が「東」として幸せに暮らしていけるのだろうか。要望を受け入れる仕事として世に必要不可欠であると思うが、現実には、摘発されてしまうお仕事である。『娼年』という作品の中でのみ成立する世界だからこそ儚く美しい。
Posted by ブクログ
娼年、逝年(これは読んでない)と続き完結の爽年を読んだ。
私はどちらかというと快楽主義者寄りだと思うので、「ぼくはこの国に一番足りないのは、欲望だと思います。」というセリフが響いた。
ホンマやで〜日本!と。
男性(リョウ)が女性の性に対する欲望を肯定し、リスペクトしてる描写も素敵
でも、感覚のままに生きるが故に生でやっちまうのはなんか違くない?
リアルはそういうわけにはいかないよね。笑
Posted by ブクログ
娼年シリーズの完結編は、ハッピーエンドだった。現実離れしているけど、これで良いのだとも思えた。なんかやってる事はけっこう生々しいのだけれど、石田衣良さんの筆力で、とても美しい世界に見えた。人間の欲望に限界はないんじゃないかな…
テクニックばかりを上達させようと必死な男性陣は、sexについて真面目に考える領くんを、少し見習った方が良いと思った。
Posted by ブクログ
ようやく読めた。女性の欲望の底知れなさに、ひたむきに向き合おうとする男娼「リョウ」。彼の魅力も素晴らしく、また出てくる女性達の秘めた欲望がすさまじい。わたしもリョウくんにあったらその優しい言葉にきっと涙しちゃうだろうな。
Posted by ブクログ
「娼年」「逝年」の続編。
御堂静香の死から7年の歳月が経った。クラブは順調である。リョウは様々な女性と出会い、様々な形の性行為をしていく。
そんな中、咲良の妊娠が発覚する。それはリョウとの子供である。リョウは咲良との結婚を決意する。
その後、クラブのメンバーであるアズマが死亡する。苦痛を快感だと捉えるアズマは、首を絞められすぎて死亡するのだ。その死を、リョウと咲良は重く受け止め、今後の人生につなげていく。
やはり「性とは」「欲望とは」ということを考えさせられる。相手のことを想う気持ちの重要性や言葉選びなどが、とても響くし面白い。
Posted by ブクログ
娼年、リョウを主人公にしたシリーズ最終作。このシリーズはただの男性主体の官能小説ではなく、女性の性欲をきちんと理解しようとする姿勢が印象的。それはきっと石田衣良という人の人間性なんだろう。