石田衣良のレビュー一覧

  • シューカツ!

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    順風満帆、挫折知らずで大学生活を終えようと言う時に訪れる最初の挫折が就活。
    多くの人が七転八倒するわけですが、この小説では、水越千晴、ほか仲間7人の七転八倒を描いています。
    文系の学部(四大の院でない)卒としての就活。
    時代背景や、実情などは、文庫の森健の解説が網羅的に親切でわかりやすいです。

    僕の場合は、理系の学部卒。卒業研究でやるような実験室の仕事はマスター以上じゃなきゃ仕事としてはありません。が、そんな無理を望まなければ、推薦入学のような就職でした。

    小説は、私立のトップの大学をモデルにしていると思います。公立の大学ではだいぶ様子が異なるでしょうし、マスター卒や専門性の高い勉強をしている人たちも異なるでしょう。さらには、大学以外の学校の人の場合はもっとだいぶ違うでしょう。むろん僕のような私立理系とも違います。しかし、とても面白く拝読しました。

    ハイライトは、関東テレビの最終面接で失敗し不合格となった後の千晴だと思います。

    挫折をどのように乗り越えるのか。人それぞれの性格が反映されるシーンです。
    二種類の人がいると思います。
    恨みに思い、敵と認識し、戦いを決意する人。
    それとは対象的に、自分の課題として認識し、自分でできる対処法を考える人。
    この二種類の人間の間には、深くて大きな溝があります。が、僕がそうと気がついたのは、だいぶ歳を取って、近年になってからです。

    ちなみに、この小説のヒロイン水越千晴は後者で、失敗の原因を分析し(本人が分析するのではなく、事実が地の文で解説されるのですが)いくつか、学習し、最終的にはほかのものがうらやむような就職先から内定を二つもゲットします。
    この逆転劇までの千晴の変化をどう読むか、がこの小説の味わいになると思います。もちろん人それぞれだと思いますが。

    今で言えば、少し盛って「この本読みました。」と書いた、失敗のネタについて。
    「ずうずうしく適当な感想でもいっておけば合格だったんだろう」
    と言う良弘に対し、
    「あんなにつまらない本で見栄を張ったわたしが悪いんだし。」
    と、自分の中で整理しています。

    こういう人と一緒に仕事をしたいな。と僕は思いました。
    全ての不具合の原因を他者に求めて、自らは唯我独尊を装い、ハッタリ、口八丁手八丁でうまく泳ぐ人も、
    正直に実力で勝負する人も、
    就職した後のそれぞれの人生は、それぞれ。うまくいく場合も、失敗する人もそれぞれの場合でいろいろです。一概にどちらが成功し、失敗するとは言えないようです。
    ただし、ハッタリが効く人が実績評価も高く、出世する傾向にあるようです。つまり、そこそこ出世した人は皆ハッタリが効く人です。が、評価されなくてもまじめに仕事に取り組んでいる人もいるはずです。(はったりが利くのは、実効性のある仕事をしている人がいるからです。)
    このバランスをどう取るかは、もっとえらい経営者層の手腕次第ですので、ぼくらにはなんともすることはできません。それぞれの会社の特徴って、この二種の人間のバランス具合によるところが多いようです。

    現場で働く自分としては、千晴のような人と一緒に働けたら気持ちが良いだろうな、と思います。
    世の中にはいろんな人がいます。外に出れば七人の敵がいると言いますが、正直に実力で勝負する方向に切り替えた、千晴のような人となら仕事も楽しい、と思いました。

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    2019年03月10日
  • 不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲

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    一気に引き込まれて読破。
    Podcastでも折に触れて話されていた東京大空襲の物語。
    空襲について、戦争を知らない世代である僕達は、どこか遠い昔のことのように、他人事のように思ってしまっている。

    空から爆弾を落とすという視覚的な情報ではなく、空襲によって奪われていく一人ひとりの命。
    死というものを生々しく身近に感じさせられた。

    この生々しさは、どこから来るのかということは、あとがきを読んで納得。

    このような人々の悲惨な死に様を知らなければ、戦争を知らない世代の僕らはまた同じことを繰り返してしまう。
    そのことに気付き背筋が凍った。

    70年前という遠くない日本で起きた出来事を覚えていたいと心から思った。

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    2019年02月28日
  • 不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲

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    この本を読み、本当の戦争を知った気がします。

    主人公タケシの視点で語られる世界は生々しく、壮絶すぎて。
    大空襲の夜の描写は想像するのが苦痛になるほどのもの。
    タケシたちにどうか生き延びて欲しいと、祈りながら、読んでました。
    またタケシを通じて描かれる当時の状況。
    空腹感、暮らし、中学生が未来を考えられない生活。
    その中での仲間との相撲、登美子との初恋などのキラキラした日々。
    少ないながらも時折出てくる笑顔のシーンは辛い物語の中での光のようでした。

    かけがえのない時間、大切な周りの人に気付かされました。

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    2019年02月22日
  • 反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークV

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    ちょうどいい話の長さで、読み応えもありました。ドラマが凄く好きで、小説があったことに驚き読み始めましたが、ドラマではおちゃらけ具合が怖さを引き立ててるキングも、小説では氷のような冷たい言葉で端的に話クールな男。まこっちゃんなんてクラシック聴いてコラムニスト!と最初は驚きながらも、これはこれで凄く楽しかったです。キングとタッグを組んでいろいろな事件を解決していく様はかっこよかった。

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    2019年02月20日
  • 不死鳥少年 アンディ・タケシの東京大空襲

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    小学生の時、「戦争の話を取材する」という宿題があった。

    都営住宅に住んでいた私は、母と相談して「13階の高橋さんのおじさん」にお話を伺うことにした。

    高橋さんは、少年時代に第二次世界大戦を経験。

    航空機に追いかけられて、すぐそばに爆弾を落とされ、九死に一生を得た体験を語って下さった。


    この小説を読んで、高橋さんのことを思い出した。

    戦争が、ただの歴史でなく、人と人が殺し合う最高にむごいことであることを実感したのだ。


    時は、1945年3月。
    物語の舞台は、東京の本所区(現在の墨田区)。

    主人公のタケシは14歳。
    アメリカ人の父、日本人の母のもとに生まれた。

    9歳の時にシアトルから東京本所に母と引っ越してきた。

    父の国と母の国が戦争をしている。

    「鬼畜米英の子」「スパイ」などと酷い言葉を浴びせられながらも、中学生の青春の日々は続く。

    そのささやかな日常を、戦争が全て奪っていく。


    1945年3月10日未明。
    東京大空襲。
    タケシの住む地域では半分の方がなくなり、9割の家屋が焼き尽くされた。

    父の国の飛行機から焼夷弾が落とされ、町中が火の海に包まれる。

    目の前で人が死んでいく。たった数時間のうちに何度も何度もだ。

    これが戦争だ。


    著者は、文化の力で絶対悪の戦争に切り込んでいく。

    「池袋ウエストゲートパーク」にも必ず登場するクラシックの名曲を、戦時下のタケシの部屋に登場させる。


    戦争に立ち向かう文化の力。

    暴力に対する対話の力。


    戦争は美談なんかではない。

    青年の未来を奪い、子供の希望を打ち砕き、母に涙を流させる。


    語り継いでいかなければならないものがある。


    戦争ほど残酷なものはない。
    戦争ほど悲惨なものはない。


    タケシ、ミヤ、テツ、登美子。

    1945年の4TEEN。

    石田文学の金字塔がまた一つ。

    #石田衣良
    #不死鳥少年
    #池袋ウエストゲートパーク
    #4TEEN
    #NetGalleyJP

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    2019年01月26日
  • 北斗 ある殺人者の回心

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    あまり明るい話ではありませんでしたが、主人公の育った環境や背景、それ故の思い、考え、行動が文章から痛い程に伝わってきて、最後は本書を読みながら涙してしまいました。

    結構長編で、終始深く重い話が続く作品ではありましたが、読んで良かったと本当に思います。

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    2018年12月09日
  • 夜の桃

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    一言で言うと、エロすぎる

    仕事も結婚生活も恋愛も順風満帆なのに、新人の部下ととんでもないくらいに身体の相性が合いすぎてしまい、ドンドン快楽の果てに堕ちていく

    石田衣良の理想と性癖が感じられる作品って感じ。笑

    低評価の方も多いけど、自分はこれ大好きです、読んでても引かれない官能小説みたいな笑

    俺もこの主人公みたいに、
    若い時につけておいた筋肉を誇らしく思いたい
    筋トレしてなかったけど

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    2018年11月13日
  • 眠れぬ真珠

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    石田衣良さんて男なのになぜ女性の心情を描けるの?笑

    ホテルシーンで登場するオムレツが食べたいんですけどどなたか作ってくれませんか…

    ついでにビートルにも乗りたいし年下の男に恋したくなるんですけど…

    黒のともぞうとか呼ばれたい

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    2018年11月13日
  • 約束

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    青のイグジット、昔現代文の練習問題で出題されていて、解いた記憶があった。
    何年も前なのに覚えていたのは、当時の自分も感情をこの話に揺さぶられたからだと思う。また出会えて良かった。
    そのほかの話も共通して、辛さを抱えたまま、それでもまた前を向けるような希望を描いており、暖かい読後感が心地よい、良い短編だと思った。

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    2018年10月18日
  • 西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII

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    ネタバレ

    キングタカシ登場率高し。表題作は、キング誕生の続編としてもイカしてる。格好よすぎ。
    話としてはユーチューバーが面白かった。いまいち時代設定がよくわからないが、マコトもタカシもネット関連にはかなり弱い様子(マコトは大分昔からパソコンを持っているはずなのだが。)。やってることはアホの極み、そんなネタで皆が見るのか不明だし、なんの意味があるのかよくわからないが、カタのつけ方はIWGPらしくて良かった。
    とにかくタカシファンは読む価値あり。あと、マコトはちょっとタカシが好きすぎでは。どうしたのかと思った。

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    2018年10月14日
  • REVERSE リバース

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    いろんな人との出会いがとても素敵に感じられた。男女を越えた人と人との触れ合いが大事に書かれていて、素敵でした。

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    2018年10月12日
  • 逝年

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    全ての男性に読んでもらいたい

    歳を重ねていく女性を美しいと感じる大学生の主人公の考え方を見ていると、今を生きる男性に足りないものを感じました。
    皺やたるみが増える女性に罵声を浴びせる男性がたくさんいるこの世界に、この本の主人公のように純粋に人を愛し理解できる男性がたくさんいれば、世の中はもっと幸せになるのだろうなと思いました。

    心に響く素敵な作品でした。

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    2018年10月09日
  • 西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII

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    IWGPシリーズは文庫で購入と謎の縛りから待ちに待った一冊。
    相変わらずエッジのきいた内容でワクワクハラハラ。
    あっという間に読み終えてしまった。
    キングの新たなる伝説の目撃者になってしまった…
    またマコト君やキングに会いたいから、もうこの“文庫縛り”やめよう(笑)

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    2018年09月08日
  • キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇

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    ネタバレ

    「池袋ウエストゲートパーク」のマコトとタカシ(キング)の高校生時代。マコトの語りで描かれる最高傑作。
    タカシの生い立ちが、衝撃的。タカシを思う兄・タケルの存在は大きく、兄弟、親子の絆に涙。
    高校生のマコトとタカシの制服姿を想像するだけでも、かなり楽しめる。なんか、いいな。
    悲しい物語だけど、それだけじゃない。男の友情をいちいちデコレーションして語らない。かっこつけないで語るマコトはかっこいい。

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    2018年06月20日
  • 余命1年のスタリオン(下)

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    上巻に比べて、病魔に蝕まれていく主人公の姿が痛々しく描写されていく。そんな中でも女性陣は力強い。それが辛いはずの闘病の様子を暗くならないようになっている。
    ラストは思っていたよりあっさりしたものだったが、当馬亡き後の、あかね達、親子の様子があって欲しかったと思うのは私だけだろうか。

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    2018年06月17日
  • 夜の桃

    購入済み

    刺さった

    今の私にすごく刺さる作品でした。

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    2018年04月02日
  • チッチと子

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    道尾秀介さんがサイン会でこの本が良かったと紹介していたので、読んでみた。石田衣良さんの作品は今作が始めてだったが、物凄く良かった。少し頼りなくもしっかり真の通った父親兼作家の主人公。そこに恋物語も加わり、一気読みだった。

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    2017年12月31日
  • オネスティ

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    純愛、友情、愛情。どういった表現が適切なのかわからないが、切ないラブストーリー。幸不幸すら読み手によってかわるのでしょう。面白かった。

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    2017年12月19日
  • 美丘

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    石田衣良さんの作品は、数年前に「約束」を読んでちょっと苦手かも…と敬遠していました。でも、レビューが良かったからと読んでみて正解。印象としては、約束よりもクセがない、くどくないという感じ?(過去の記憶なので違ったらすみません)ですっと入ってきた。美丘の強さ、主人公の想いのまっすぐさに後半ずっと泣かされました。

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    2023年05月28日
  • 1ポンドの悲しみ

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    アラサーの恋愛短編集。

    片思い、遠距離、同棲、年の差、腐れ縁。
    いろんな形の恋愛が詰まってて、共感ポイントが多々。
    ほっこりして、恋がしたくなります。

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    2017年10月22日